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建物・家づくり
新築住宅を明るくおしゃれな空間に!照明の種類と配置計画のポイント
家の照明は、私たちが暮らす生活空間に安らぎと快適さを与える重要な役割を持っています。
数ある照明器具の中からお部屋にぴったりなものを選ぶというのもなかなか難しいもの。
そこで、今回は空間をすてきに演出してくれる照明器具の種類や配置の仕方を詳しくご紹介していきたいと思います。
この記事であなたが理想とするお部屋づくりのお力になれれば嬉しく思います。
照明器具の種類と特徴

照明器具はたくさんの種類がメーカーから販売されています。
部屋にぴったりの照明器具を選ぶためにも、各照明器具の特徴や用途を押さえておきましょう。
ここでは、下記の室内で使われる代表的な照明をご紹介していきます。
- シーリングライト
- ペンダントライト
- ダウンライト
- スポットライト
- ブラケットライト
シーリングライト

シーリングライトは、天井に直接取り付けるタイプの照明です。
住宅に多く普及し、最も一般的な照明となっています。
金額は安価なものから高品質で高価な照明も揃えられています。
洋室の他に和室にも合う和風デザインのシーリングライトがあり、選択の幅が広い照明器具です。
シーリングライトは、部屋の畳数表示がされているので、部屋の広さに適した照明器具を選びやすい特徴があります。
ペンダントライト

ペンダントライトは、天井からワイヤーやコードなどで吊り下げたタイプの照明器具です。
主にダイニング(食卓)などに採用され、光を下方向に照らします。
照明器具を吊り下げる高さを調整することで明るさや照らし方を変えることができます。
ペンダントライトとは別にレール状の配線ダクトを取り付ければ、照明器具を横並びに複数設置することができます。
照らしたい範囲に合わせて2台設置したり、3台設置したりするなど光の演出の幅が広い照明器具です。
ダウンライト

ダウンライトは、天井に埋め込んで設置するタイプの照明です。
照明器具自体が天井からでっぱらないので、すっきりとした見た目の空間デザインを演出することができます。
シーリングライトのように一台で部屋を照らすのとは違い、ダウンライト一台の明るさは低いため複数設置する必要があります。
ダウンライトは光の陰影をつくる空間演出が特徴的です。
スポットライト

スポットライトは対象物を照らして強調させたいときに有効な照明器具です。
主に部分照明としてスポットライトは採用され、光の角度や向きを調節して照らし方を変えることができます。
レール状の配線ダクトを取り付ければ複数のスポットライトを設置することが可能で、空間演出の幅も広がります。
スタイリッシュに光を表現したい場合に効果を発揮してくれる照明器具です。
ブラケットライト

ブラケットは壁面に取り付けるタイプの照明です。
屋外用と室内用のブラケットライトがあり、デザインも豊富にあります。
天井面に取り付けしにくい階段や吹き抜けなどへの部分照明としてブラケットライトは採用されます。
リビングや寝室などアクセントとして使うこともできます。
照明器具の選び方と配置方法

照明器具は種類によって光の見せ方が違い、空間の演出の仕方が変わります。
光の当たり方など、照明器具の特性を知ってそれぞれの部屋にあった照明器具を選んでいきましょう。
では、下記にて照明器具別に選び方や配置方法をお伝えしていきます。
シーリングライト
シーリングライトは、部屋全体を均等に照らす照明器具です。シーリングライトを配置する方法は、部屋の広さにあった器具を選び、部屋の中央に器具を設置するのが一般的となっています。
ただし、一室に一灯の照明だけだと、単一の光のため単調でつまらないと感じる場合もあります。
空間の雰囲気を変えたいという場合は、シーリングライトを主照明として、空間を演出するために補助照明のダウンライトやブラケット、スタンドライトなどを組み合わせてみるといいでしょう。
【照明の組み合わせ方】
- シーリングライト+ダウンライト
- シーリングライト+ブラケット+スタンドライト
LEDシーリングライトは適用畳数の表示基準が一般社団法人日本照明工業会により記載されています。
下記の表は「一般社団法人日本工業会ガイドA121 : 2014 住宅カタログにおける適用畳数表示基準」です。
【LEDシーリングライトの適用畳数の表示基準】

<出典:一般社団法人日本工業会ガイドA121 : 2014 住宅カタログにおける適用畳数表示基準>一般社団法人日本工業会
ペンダントライト
ペンダントライトは、光が直下にくるため、電球のワット数や灯数に注意することが大切です。ペンダントライトを主照明にする場合は、部屋の広さに合った照明器具を選ぶ必要があります。
ダイニングにペンダントライトを取り付ける場合は、テーブルのサイズによって灯数が違いますので注意しましょう。
下記はテーブルサイズによる照明器具の灯数の目安です。
【大型ペンダントライト(100形電球相当)の場合】
- 800×1200〜1400mm:1灯
- 800×1800〜2000mm:2灯
- φ1200丸テーブル:1灯
【小型ペンダントライト(60形電球相当)の場合】
- 800×1200〜1400mm:2灯
- 800×1800〜2000mm:3灯
- φ1200丸テーブル:3灯(400ピッチの三角形)
【小型ペンダントライト(40形電球相当)の場合】
- 800×1200〜1400mm: 3灯
- 800×1800〜2000mm:4灯
- φ1200丸テーブル:3灯(400ピッチの三角形)
また、ペンダントライトの「吊り下げ高さ」と「複数ペンダントライトを設置する場合の間隔(ピッチ)」の目安もありますので、下記の数値をご参考ください。

【ペンダントライト吊り下げ高さ】
- テーブル面から600〜800mm
【ペンダントライト2灯の間隔(ピッチ)】
- 400〜600mm
【ペンダントライト3灯の間隔(ピッチ)】
- 400〜600mm
ペンダントライトにも適用畳数の表示基準が「一般社団法人日本工業会ガイドA121 : 2014 住宅カタログにおける適用畳数表示基準」により示されていますので、参考にしましょう。
【LEDペンダントライトの適用畳数の表示基準】

※天井からの吊り下げ高さ30cmとして設定
<出典:一般社団法人日本工業会ガイドA121 : 2014 住宅カタログにおける適用畳数表示基準>一般社団法人日本工業会
ダウンライト
ダウンライトは主照明と補助照明の両方の使い方ができます。ダウンライトを主照明にする場合は、配灯の仕方(複数のダウンライトを配置する位置)がポイントとなります。
ダウンライトは、明かりを分配して配置することが大切です。
配置方法は、空間中央と壁面を照らすように分散して配灯するといいでしょう。
例えば、リビングダイニングに配灯する場合は下記のポイントで配灯していきます。
- リビング中央の明かりをつくる
- ダイニング中央に明かりをつくる
- リビングダイニングの両端の壁面を照らすように明かりをつくる
壁面を照らす理由は、視線のいく壁や天井を照らすことで空間に広がりや奥行きを感じさせる効果があるからです。
また、リビングやダイニングの中心に明かりをつくる理由は、部屋の目的をはっきりさせて居場所として空間をつくるためになります。
スポットライト+ブラケットライト
スポットライトとブラケットライトは、主に主照明と組み合わせて用いる補助照明です。スポットライトは、対象物を直接照らすことができるため、インテリアや絵などに光を当てて強調すると独特な雰囲気を演出することができます。
ブラケットライトも壁面に明かりをつくるので、空間のアクセントとして取り入れるといいでしょう。
まとめ
ここまで照明器具の選び方や位置についてご紹介してきました。照明器具を選ぶときは、照明器具の特性をよく知ってから選ぶことが大切です。
また、照明器具の位置についても、照明器具の特性に合わせて、適した位置に配置することが大事になります。
照明はとても奥が深く専門家がいます。
自分では難しいと感じたら、専門家に相談してみることをおすすめします。
また、当サイトでは照明について下記の記事も掲載していますので、良ければご参考ください。
室内の空間を作り出す"室内照明"の重要性①
室内の空間を作り出す"室内照明"の重要性②
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もし、新築住宅にご興味がありましたら参考にしてみてください。
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解体から着工までの段取り解体から新築の着工までの間にも多くの工程があります。まず、建物の解体には近隣への事前挨拶が重要です。騒音や振動、粉塵などのトラブルを避けるためにも、誠意ある対応が信頼につながります。解体業者との契約後は、電気・ガス・水道などのライフライン停止手続きを行い、必要に応じてアスベスト調査も実施されます。解体後は土地の整地と地盤調査が行われ、地盤改良の必要があれば追加工事が発生する場合もあります。その後、建築確認が下りればいよいよ着工です。これらの段階では、天候や手続きの進行状況によってスケジュールが変動することもあるため、ある程度の余裕をもって計画を立てることが求められます。 3-4. 建て替えに関する近隣への配慮建て替え工事では、周辺住民への配慮がとても重要です。解体や工事期間中は、騒音・振動・ほこり・大型車両の出入りなどで、近隣に一定の負担をかけることになります。そのため、工事開始前にはあらかじめ挨拶回りを行い、工期や作業時間、連絡先などを丁寧に説明しておくことが基本的なマナーです。業者によっては、工事前に近隣向けの案内文を配布するなど、対策を徹底してくれるところもあります。また、仮設トイレや足場の設置位置、資材置き場の確保なども近隣の生活に影響を及ぼすため、事前の確認と説明が不可欠です。トラブルを未然に防ぐことで、建て替え後も安心して暮らせる地域環境を守ることにつながります。 4. 建て替えにおける土地条件と制限 4-1. 建築基準法における制限事項建て替えを行う際は、建築基準法に基づくさまざまな制限に注意する必要があります。たとえば、住宅を建てられる土地は都市計画区域内の「用途地域」によって建物の種類や規模が制限されており、住宅が建てられない地域も存在します。また、建ぺい率や容積率によって建物の大きさや高さに制限がかかります。さらに、防火地域や準防火地域では耐火構造や外壁の仕様に厳しい基準が適用される場合もあり、設計に制限が出る可能性もあります。建て替え前には、自身の土地がどのような法的規制を受けているかを役所や専門家に確認し、想定通りの家が建てられるかを事前に把握しておくことが重要です。 4-2. 再建築不可の土地と接道義務建て替えができない土地として代表的なのが、「再建築不可」の土地です。代表的なものとして、建築基準法上で認められている「幅4メートル以上の道路」に2メートル以上接していない土地があります。建て替えには「接道義務」を満たすことが必要で、この条件をクリアしていないと新しい住宅を建てることができません。このような土地は、かつて建物が合法的に建てられていたとしても、現行の法制度では建て替えが制限されるため注意が必要です。解決策としては、隣地を買い取る、私道に持分を得るなどして再建築可能な状態にする交渉をするといった方法があります。建て替えを検討する際には、自身の土地が法的に「建築可能」かどうかを必ず確認しましょう。 4-3. 容積率・建ぺい率・斜線制限の影響建て替えでは、建ぺい率・容積率・斜線制限といったルールが建物の設計を大きく左右します。建ぺい率とは、敷地面積に対してどれだけの面積を建物が占められるかを示す数値で、容積率は延べ床面積の割合を示します。これらは用途地域や道路幅により上限が決められており、土地が広くても建てられる建物の規模には制限があります。斜線制限とは、日照や風通しを確保するために建物の高さや形状に制限を設けるルールで、隣接地や道路側から一定の角度で建物を切り取るような設計が求められます。これらの制限に適合させるために、希望する間取りや階数を調整しなければならないこともあるため、土地の条件に応じた柔軟な設計が求められます。 4-4. 境界トラブルと測量の重要性建て替え工事を進めるにあたっては、土地の境界を明確にしておくことが非常に重要です。境界線が曖昧なまま工事を進めると、隣地とのトラブルに発展するリスクがあります。特に古い住宅では、境界杭が見つからなかったり、測量図が残っていなかったりするケースも多いため、建て替え前に土地家屋調査士による正確な測量を行うのが望ましいです。測量によって敷地面積が再確認されることで、建ぺい率や容積率の再計算にも役立ちますし、後々の不動産取引や相続時にも安心材料となります。隣地との境界確認書を交わすことで、境界を巡るトラブルを未然に防ぎ、工事を円滑に進めるための信頼関係づくりにもつながります。 5. 建て替えに関する補助金・優遇制度 5-1. 建て替えで利用できる補助金の種類建て替えを検討する際には、国や自治体が用意している各種補助金制度の活用を視野に入れると、コストを抑えることができます。代表的なものに、一定の省エネ性能や耐震性能を満たした住宅に対する「子育てグリーン住宅支援事業」があります。また、バリアフリー化や高齢者対応住宅への建て替えを行う場合、介護保険や自治体独自の補助金が活用できる場合もあります。補助金の対象となるには、仕様や工事内容に一定の条件があるため、設計段階から制度の要件を確認し、申請のタイミングも含めてスケジュールを組むことが重要です。自治体によっては募集期間や上限金額も異なるため、事前の情報収集がカギになります。 5-2. 住宅ローン控除とその他の減税制度新築住宅として建て替えを行った場合、住宅ローンを利用することで「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」の対象になります。この制度では、年末時点でのローン残高に応じて一定割合(最大13年間)を所得税や住民税から控除できるため、大きな節税効果が期待できます。さらに、長期優良住宅やZEH住宅といった高性能住宅に対しては、控除額の上限が引き上げられる制度もあります。また、新築住宅にかかる登録免許税や不動産取得税にも軽減措置が適用される場合があり、建て替えの際にはこれらの優遇制度も漏れなくチェックすることが大切です。申告には住宅ローンの年末残高証明書や登記簿謄本などの提出が必要なので、あらかじめ必要書類を整理しておきましょう。 5-3. 省エネ・耐震性能向上による支援策建て替えを通じて住宅の省エネ性能や耐震性を向上させる場合、さまざまな支援策が用意されています。省エネ面では、断熱性の高い断熱材や高性能窓の導入、太陽光発電や蓄電池の設置などが対象になることが多く、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援制度を活用することで数十万円〜百万円単位の補助が得られることもあります。また、耐震性を高めるために耐震等級を2以上に設定するなどの設計を採用することで、地方自治体からの補助金や融資支援を受けられるケースがあります。これらの制度は、居住者の安全性と環境性能の両立を目指す国の方針に基づいており、申請条件や施工業者の登録有無など細かな要件もあるため、事前確認が重要です。 5-4. 補助制度を活用する際の注意点補助金や優遇制度を活用するうえで注意すべき点は、申請タイミングと条件の厳格さです。多くの制度は「着工前」の申請が必須で、工事が始まってしまうと対象外となることがあります。また、予算枠が限られているため、応募多数の場合は早期締切や抽選となる可能性もあり、タイミングを逃すと受け取れないリスクもあります。さらに、補助の対象となる仕様や工事の詳細が決まっている場合が多く、設計の自由度が制限されることもあるため、制度利用を前提とする場合は設計段階から業者と密に連携することが求められます。書類の不備や手続きの遅れで不支給となるケースもあるため、行政書士や建築士などの専門家のサポートを受けながら慎重に進めるのが安心です。 6. 建て替えのメリットとデメリット 6-1. 建て替えの主なメリット(最新設備、間取り自由など)建て替えの最大の魅力は、最新の住宅性能と自由な間取り設計を実現できる点にあります。築年数の経った住宅は、耐震性・断熱性・設備の面で現在の基準に大きく劣る場合がありますが、建て替えを行うことでこれらをすべて刷新でき、より快適で安全な住環境が得られます。また、間取りを家族構成やライフスタイルに合わせて自由に設計できるため、子育て世代には家事動線を重視した設計、高齢者にはバリアフリー仕様など、個々のニーズに合った住まいが実現できます。さらに、省エネ性能の高い家は光熱費の削減にもつながり、長期的には経済的メリットもあります。住み慣れた土地で理想の住まいを一からつくり直せる点は、建て替えならではの大きな利点です。 6-2. 建て替えの主なデメリット(費用、手続き、期間)一方で、建て替えには大きなコストと労力が伴います。まず、解体費用・建築費・仮住まい費用などを含めると、総額で1,500万〜3,000万円ほどの出費となることが一般的です。これに加え、各種申請手続きや設計打ち合わせ、登記や補助金申請といった多岐にわたる作業が発生し、精神的・時間的な負担も大きくなります。また、工期も半年から1年程度と長期にわたるため、その間の生活設計や近隣対応にも配慮が必要です。さらに、思い入れのある旧家を取り壊すことに抵抗を感じる人も多く、精神的な負担となることもあります。こうした負担を軽減するには、信頼できるパートナー選びと、計画段階での入念な準備が欠かせません。 6-3. 建て替えとリフォームの比較検討建て替えとリフォームは、いずれも住環境を改善する手段ですが、その目的やコスト、自由度には大きな違いがあります。リフォームは部分的な改修を行うため、費用を抑えつつ短期間で工事を終えることができ、住みながらの施工も可能な点がメリットです。しかし、構造に問題がある場合や間取りを大きく変えたい場合には、リフォームでは対応が難しく、制約が多くなります。一方、建て替えは初期費用は高額になるものの、将来的なメンテナンスコストの削減や資産価値の向上につながる場合もあります。両者の違いを踏まえ、現在の建物の状態や今後のライフプランを総合的に判断して、最適な選択をすることが重要です。 6-4. ライフステージと建て替えの相性建て替えのタイミングは、ライフステージとの相性も深く関係します。たとえば、子どもが独立したタイミングで夫婦二人の生活に最適化したコンパクトな住まいに建て替える人もいれば、出産や子育てを見据えて、家事動線や収納を重視した間取りに一新する家庭もあります。また、高齢期を見据えたバリアフリー住宅や、二世帯同居を実現するための建て替えも増えています。今後の生活をどう設計したいかを明確にすることで、無駄のない間取りや設備選定が可能になります。ライフステージの変化は住宅のあり方を見直す絶好の機会でもあり、建て替えによってその変化に柔軟に対応できる住宅を手に入れることができます。 7. 建て替えを成功させるためのポイント 7-1. 信頼できる業者選びのポイント建て替えを成功させるうえで最も重要なのが、パートナーとなる建築業者の選定です。建て替えは多額の資金と長い期間を要するため、信頼関係のある業者とタッグを組むことが安心への第一歩となります。選ぶ際は、実績の有無や口コミ、施工事例をよく確認しましょう。地元での施工経験が豊富な業者は、地域の法規制や土地の特性を熟知しており、スムーズな対応が期待できます。また、見積書の内容が明確であるか、担当者が誠実に対応してくれるかも判断基準になります。複数社から相見積もりを取り、価格だけでなく、提案力やアフターサービスも含めて比較検討することが、後悔のない業者選びにつながります。 7-2. プランニング段階での工夫と将来性建て替えは、人生で数少ない「家をゼロから設計できる機会」です。そのため、プランニング段階でどれだけ将来を見据えた設計ができるかが、住み心地に大きな差を生みます。現在の家族構成や生活動線だけでなく、将来的な家族の変化、例えば子どもの独立や親との同居、高齢化による身体の変化にも配慮した設計が理想です。また、収納の配置や光の取り入れ方、風通しといった細かな部分も暮らしやすさに直結します。将来的にリフォームや増築を想定している場合は、その余地を持たせた設計を考慮するのも一案です。家族全員の希望を共有しながら、柔軟性と快適性を兼ね備えたプランニングを心がけましょう。 7-3. 資金計画と無理のない予算設定建て替えには解体費、建築費、仮住まい費など多くの費用がかかるため、無理のない資金計画が欠かせません。最初に「総額でいくらまで出せるのか」という予算上限を明確にし、そこから逆算してプランを練ることが大切です。住宅ローンを利用する場合は、金利や返済期間だけでなく、将来の収入や支出の変化も考慮したシミュレーションを行いましょう。見積もりには予想外の追加費用が含まれることも多いため、少なくとも10〜15%程度の余裕資金を見込んでおくと安心です。補助金や減税制度の活用も含め、計画的に情報収集を行い、過度なローン負担や資金ショートを避けるよう注意しましょう。 7-4. 家族の希望を反映させるコミュニケーション建て替えは家族全員にとって大きなライフイベントであり、全員の希望をしっかり反映させることが満足度の高い家づくりにつながります。たとえば、子どもは自室の広さや収納、夫婦は家事動線やプライバシー、祖父母はバリアフリーなど、それぞれに異なる希望があります。プランニング段階で家族間での意見交換をしっかり行い、設計士や施工業者にも具体的に要望を伝えることが重要です。また、完成後に「言ったのに反映されていない」といったトラブルを避けるためにも、要望は文書化しておくと安心です。家族の思いをひとつにまとめ、全員が納得できる家づくりを目指すことが、建て替え成功への大きな一歩となります。
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坪単価とは?新築・注文住宅を考える人が把握すべきこと
住宅を購入するときには、ほぼかならず「坪単価」という言葉が目に入ります。坪単価は、住宅購入においてはとても重要な数字です。これを理解せずして、理想的な住まいは手に入れられません。 とはいえ、「坪単価」は少々専門的な概念です。住宅購入の段階に至るまで、坪単価をなんて知らなかった人も多いでしょう。だからこそ住宅を建てる上で、坪単価に関する疑問は次々と出てくるものです。 今回では、坪単価の基本や相場について解説します。本記事を読めば、坪単価に関する疑問はほとんど解消されるでしょう。また坪単価に関する正しい向き合い方やポイントについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。坪単価の基本 坪単価を抑える方法 大手メーカーの坪単価は? ローコストなメーカーにおける坪単価相場 住宅工務店の坪単価は高い? 1階と2階の床面積を同一にする ”切り妻”よりも”片流れ” 複数のメーカーに対して見積もりを取る坪単価をみるときのポイントは 坪単価に反映されているもの、そうではないものを確認する 施工床面積と延床面積は、同じではないことを知るまとめ坪単価の基本まずは、坪単価の基本的な定義からおさらいしましょう。坪単価は、「一坪あたりにかかる建築費」のことを指し示すものです。 ちなみに一坪は、およそ3.3㎡に相当します。3.3㎡というと、だいたい畳2枚分ですね。坪単価は、 <住宅本体価格÷述床面積> というシンプルな計算式で割り出されます。 たとえば、本体価格2,000万円、述床面積50坪の物件があったとしましょう。となると、2,000万÷50坪という計算なので、坪単価は40万円となるわけです。 坪単価の計算で注意しなければいけないのが、「延床面積」について、全国共通な規格が存在しないこと。つまり住宅メーカーそれぞれで、延床面積の定義は異なり、同時に坪単価も異なってくるわけです。要するに坪単価の概念を参考しつつ、住宅メーカーを観察する、選ぶことも重要となります。 ちなみに坪単価は、別途工事費や地盤改良費などは、(あくまで一般的な中では)反映されていないケースが大半です。あくまでも、本来的には建物そのものの価格を坪数で割った数字でしかない点には注意しましょう。大手メーカーの坪単価は?全国的に名前が知られている大手メーカーの坪単価は、おおむね80万円から90万円程度とされています。少なくともTVCMなどで見かけるメーカーは、こういった坪単価が相場であると考えて問題ありません。 高ければ、坪単価100万円近を超えているケースもあります。こういった場合では、特に内装の設備がきわめて充実しているケースが大半です。 大手メーカーの場合は、人件費や維持管理費、あるいは広告費が多分にかけられています。CM広告や展示場展開など、大手メーカーの商業活動にはお金がかかるわけですね。また大手メーカーは日々の技術開発、研究にも、多額の予算を投じています。よって大手メーカーの場合は、そうでないメーカーと比較すれば、坪単価はやや割高な傾向です。ローコストなメーカーにおける坪単価相場ローコストなメーカーからは、相当に低価格な住宅が流通しており、坪単価は安くおさえらる傾向です。この場合、坪単価相場は30万円から60万円程度になると考えておきましょう。ただし室内設備のグレードは、大手メーカー比較すると少し劣る部分があります。住宅工務店の坪単価は高い?住宅工務店の場合、坪単価の相場は50万円から60万円程度とされています。ただし住宅工務店の坪単価は、会社や地域性の影響を受けやすく、変動しやすい部分もあります。 ちなみに住宅工務店のメリットは、地域に密着している傾向が強いところ。建築中の情報共有や、建築してからのアフターフォローなどにおいて、同地域内であることを活かしたきめ細かい対応が期待できます。坪単価を抑える方法やはり住宅を建てる中では、できるだけ費用はおさえなければいけません。もちろん、坪単価についても例外ではなく、できるだけ低くしておく必要があります。下記では、坪単価をおさえる方法について解説しているので、参考にしてください。1階と2階の床面積を同一に近づけるまず、1階と2階の床面積できるだけ同一に近づける方法が考えられます。1階と2階の床面積が同一であれば、建物そのものには凹凸が付きづらくなるはずです。つまり、複雑な構造ではなく正方形や長方形に近いほうが、坪単価は安くなります。”切り妻”よりも”片流れ”住宅の屋根は、 左右両方に傾斜している”切り妻”左右一方にだけ傾斜している”片流れ” の2種類に大別されます。うち、片流れのほうが屋根面積が小さくなるので、坪単価は少しだけおさえることが可能です。複数のメーカーに対して見積もりを取るもちろん、複数のメーカーに対して見積もりを取ることも重要です。なぜなら複数のメーカーから出された見積もりがないと、坪単価の高い安いが判断できないから。しかし複数の見積書があれば、坪単価をわかりやすく比較できます。 比較することを忘れていると、建ててから「坪単価が高すぎた」と後悔するかもしれません。必ず、複数メーカーから見積もりを出してもらいましょう。 坪単価をみるときのポイントは続いて、坪単価を見るときのポイントについて解説します。やはり坪単価は少し専門的なもので、初めて家を建てる人にはピンとこない部分も多いはずです。下記のポイントは理解したうえで、坪単価を参照するようにしましょう。坪単価に反映されているもの、そうではないものを確認する先ほども触れましたが、坪単価には全国共通の定義は存在しません。だからこそ、坪単価には何が反映されているのか、きちんと確認することが重要です。 基本的には坪単価は、建物価格しか含まれていないと考えましょう。つまり、 手数料外構工事費地盤改良費調査費 といった費用については、坪単価に関係しておらず、後々で別途必要となることが大半です。特にメーカーは、「できるだけ値段を安く見せたい」といった理由で、こういった費用はほとんど外したりします。 よって、坪単価には何が反映されているのか、きちんと確認しておかなければいけません。間違っても、坪単価だけがすべての費用であるとは考えないようにしましょう。施工床面積と延床面積は、同じではないことを知るよく勘違いされることですが、先ほども触れた延床面積は、「施工床面積」とは同一ではありません。しかし一部メーカーは、坪単価について施工床面積を基準として計算したりします。 延床面積は、ベランダや玄関ポーチなどが含まれていません。しかし、施工床面積には組み込まれています。つまり施工床面積を基準として算出すると、あたかも坪単価が安く見えてしまうわけです。よって、坪単価が何を面積として計算しているのか、逐一確認する必要があります。まとめ普段はかかわることのない坪単価は、初めて見る人には少し難しいことのように感じるかもしれません。しかし実際のところは簡単な割り算で求められるもので、決して難しいものではないのです。 ただし、坪単価の概念と同時に、相場についてもよく知っておきましょう。その相場を知ったうえで、提示されている坪単価が適切なものなのか、きちんと判断する必要があります。いえとち本舗では、上記のような坪単価をはじめ、住まいや家づくりで知っておくべき知識について紹介しています。今後、坪単価のようにちょっと難しい問題が出てきても、いえとち本舗なら疑問を解決できるはずです。ぜひ一度、資料請求、および会員登録をしてみてください。資料請求する会員登録する
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小上がり和室の魅力は?メリット・デメリットや施工例をご紹介
リビングに溶け込む小上がり和室。畳は体への負担が少なくリビングにいながらも寝転がれてしまうのが小上がり和室のいいところ。家族とのコミュニケーションもとれて、明るく楽しい空間を広げてくれます。この記事は小上がり和室の魅力とメリット・デメリットをご紹介していきます。1 小上がり和室とは?2 小上がり和室のメリットは?3 小上がり和室のデメリットは?4 小上がり和室を作る際のポイント5 小上がり和室を作る場合の費用6 おしゃれな小上がり和室の施工事例7 まとめ小上がり和室とは?引用:Panasonic プラン集小上がり和室は床を一段上げて部屋を設ける間取り方法です。主にリビングと隣接されることが多く、小上がりのところは腰を下ろすのにちょうどいい高さとなっています。一般的に和室は4.5〜8畳の広さですが、小上がり和室は3〜4.5畳くらいの小空間として設けることが多いです。小上がり和室は壁で仕切らずに配置することが可能で、間取りの方法も様々あります。 小上がり和室のメリットは?収納スペースを増やせる 小上がりのところを利用すれば収納スペースを作ることができます。リビングや和室で使う物をここに収納しておけば手軽に取り出すことも。小上がりの収納はレールをつけて引き出しを設置する構造。引き出しの化粧板にこだわればインテリアとしておしゃれな空間を演出することができます。 リビングのゴミが流れてこないフラットにつながる和室の場合は、リビングのホコリが流れてきてしまうことも。その点、小上がり和室は一段床が高くなっていますので、床に溜まるホコリが流れてくる心配はありません。 小上がりがベンチがわりに 小上がりのところがベンチがわりになりリビングにいる人と楽しくコミュニケーションをとることできます。リビングは椅子やソファーに座って過ごしますので、小上がりのところと同じ目線になり、コミュニケーションがとりやすくなっています。 メリハリのある空間になる 一段床を高くして部屋を設けてありますので、隣接するリビングから独立し、メリハリのある空間になります。同じ床レベルで部屋を配置すると空間がつながるため一体感が生まれますが、メリハリはなくなり、フローリングと畳の床材の違いから、見切り材などで仕切りをつける必要があり、一体感としては中途半端な印象がでてしまいます。それに代わり小上がりは独立した印象はありますが、空間に溶け込みやすい間取りになっています。 リビングにいながらも寝転んでゆったりできる 小上がり和室は畳が敷かれていますので、リビングにいながらも寝転がってゆったりできる憩いの場として重宝できます。畳のちょうどいい柔らかさと、い草の香りが気分を癒してくれるでしょう。フローリングだと寝転がるには硬いですので体を痛めてしまいますが、ちょっとしたお昼寝に小上がり和室があると便利です。 小上がり和室のデメリットは?バリアフリーは損なわれる 床が一段高くなりますので、バリアフリーにはなりません。段差が高いので、足をつまずかせることは起こりにくいですが、段差が高いため転倒の恐れはあります。高齢の方や子供のいるご家庭は使い方に注意が必要です。また、ハイハイや歩き始めの乳幼児のいるご家庭も目を離さないようにしましょう。 掃除ロボットを移動させなければいけない 自動で掃除してくれる掃除ロボットはフラットなところの移動のみなので、一段高くなっている小上がり和室を掃除させたい時は自分で移動させなければいけなくなり手間がかかります。掃除ロボットをそのまま放置して自動で掃除してもらいたい場合は、小上がり和室は向いていません。 リビングが狭く見えてしまうこともリビングと和室が独立し、部屋の広さがはっきりと区別されるためリビングが狭いと窮屈な印象を持つかもしれません。また、小上がり和室の広さの分だけリビングは狭くなりますので、家具配置が限られてきます。大きいソファーやテーブル、テレビなどは、リビングの広さに適した大きさを選ぶ必要があり、リビングが狭くなるほど大きいサイズのものは配置しづらくなります。 小上がり和室を作る際のポイント小上がり和室の広さ 部屋をどう使いたいか、用途などによって広さが変わってきますので、目的はしっかり決めておく必要があります。部屋の広さは4.5畳が最も人気です。その次に3畳、居室としても使える広さは6畳からになります。6畳にする場合は、仕切り壁や引き戸などを設置してある程度プライバシーを確保できる設計にしてあげるといいでしょう。 開けた和室にするか、閉じた和室にするか 間仕切りを設けるか、それとも間仕切りをなくして開放的にするかで部屋の印象は大きく変わります。ちょっとした家事スペースとして活用したい場合は、間仕切りのない部屋の方が使いやすいです。ただし、オープンになりますので、臭いや音が届いてしまうデメリットはあります。また、寝室として使いたい場合は音や光が入らないように壁や障子、襖、引き戸などで仕切ったほうがいいでしょう。 小上がりの高さ 小上がりの高さは30〜35cmがちょうどよく、これくらいだと目で見てはっきり段差があることがわかり、転んだときも手をつきやすいです。また、腰がけとして利用する場合もこのくらい高さがいいでしょう。段差が10cmほどだと却って足をつまずく危険があるため避けたほうがいいです。 天井の高さが低くなっていないか注意 小上がり和室を採用する場合は天井高に注意しましょう。床が小上がり分高くなるため、天井の高さもその分低くなります。現在では平均身長も高くなり、家の天井高もそれに合わせるようになって開放性が求められるようになりました。一般的に天井高は2m20cm〜2m40cmの高さになります。段差分天井が低くなることを考慮して設計することが大切です。 小上がり和室を作る場合の費用 小上がり和室の費用相場は3畳が15万円〜、4.5条が20万円〜になります。もし、収納をつける場合は15〜20万円くらいプラスになります。小上がり和室は造作の場合とメーカーが販売する既製品があります。どちらが安いかサイズにより変わってきますが、特注サイズとかではないかぎり既製品の方が安く済ませることができるでしょう。また、畳の種類でも費用は変わります。畳は「縁あり」と「縁無し」「琉球畳」「市松」などがあります。現在では耐久性が高く機能性を持った樹脂畳などもあります。座る時に足が楽な掘りゴタツも人気です。暖房を設置する場合は電気工事も必要になりますので注意しましょう。 おしゃれな小上がり和室の施工事例4帖半の収納付き小上がり和室現代的な縁なし畳の4帖半小上がり和室。畳は色違いのゴザを組み合わせています。リビングの味わい深いフローリングが和室のあたたかさをより一層きわだたせ、小上がり和室の横には小スペースの書斎を配置しています。収納スペースもしっかり配置して、ゆったりと時間をすごすことができる小上がり和室となっています。 収納もできる畳コーナー 引用:Panasonic 畳が丘Panasonic製の畳コーナー。こちらはユニットを自由に組み合わせることができ、手軽に小上がり和室を取り入れることができます。高さは38cmと立ち座りしやすく、車椅子からの移乗も自然にできる高さとなっています。畳の下と小上がりのところは収納となっていて、生活空間に影響を与えずに収納空間を広げることができます。 和紙に樹脂コーティングを施した畳の小上がり和室 引用:DAIKEN リビング収納にもなる”小上がり”。和紙の畳おもてが魅せる快適生活こちらはDAIKEN製の小上がり和室になります。ユニット型となっていて手軽に和室を配置することができます。もちろん小上がりのところは収納となっていて、しっかり収納スペースを確保。DAIKEN製の小上がり和室は『健やかおもて』という和紙に樹脂コーティングした畳を使用しています。撥水性に優れ、カビやダニが少なく、赤ちゃんやアレルギー体質の方に優しい畳となっています。 まとめ 小上がり和室は憩いの場となるおすすめの間取りです。空間としてもおしゃれに見せることができる魅力があります。リビングに隣接することが多く、家族とのコミュニケーションもとりやすくなりますので、家づくりをこれからされる方は、ぜひ検討してみてください。家づくりは情報収集することが大切です。いえとち本舗は無料で家づくりに役立つ資料を提供しておりますので、これから家を購入しようと考えている方はぜひご利用ください。資料請求はこちらからさらに会員登録をするとVIP会員様限定の間取り集や施工事例、最新の土地情報をお届けいたします。当社は一切押し売りを致しませんので安心してご登録ください。 会員登録はこちらから