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建物・家づくり
家づくりの流れ【いえとち本舗の新築・山口・宇部・防府・山陽小野田・周南・下松】
イエテラスの新築、いえとち本舗山口中央店の下村です。
本日は宇部・山陽小野田・防府・山口・周南で新築住宅をお考えの方に、
「家づくりの流れ」についてお伝えします。

今回は、新築住宅を建てる際の「家づくりの流れ」についてお伝えをしていければと思います。
家づくりの流れを知る
「山口で新築住宅を建てたい!」「マイホームが欲しい!」 とお考えの方、
いざ新築住宅を建てようと思っても、いつ何をして、どうすればいいのか
わからないことだらけですよね。
そこで、まずは新築住宅を建てる際の「家づくりの流れ」を知ることが大切です。
以下より、どのタイミングでどのようなことを行うのかについてお話させていただきます。少しでもみなさんの家づくりの参考になると幸いです。

家づくりに必要な3つのSTEP
家づくりに必要なことについて大きく3つのSTEPに分けてお話させていただきます。
STEP1ヒアリング~土地決め
〇お家づくりヒアリング
営業担当者が、家づくりについてのご説明、ヒアリングをさせていただきます。
みなさんが思い描いている新築住宅、住まいのプランについてのご要望を出来るだけ詳しくお聞きさせていただきます。
まずは、どこに住みたい、どのような暮らしをしたいのかという理想の暮らしについて
家族全員で話し合いましょう。
〇概算資金計画
現在お支払いされている家賃や、年収に応じて、無理なくローン返済が出来る、
住宅・土地の予算の目安をご提案させていただきます。
山口で新築住宅を建てると決めたら、まずは、
家づくりに必要なお金のことを考えましょう!
資金計画で大事なポイント☟
将来をイメージして「いくらまでなら返せるか」という返済計画を立てること。
借りられる金額ギリギリまで借りると、
突然の大きな出費に慌ててしまう可能性があります。
お子さんの誕上や、結婚、進学などこれからの将来のイメージを
ふくらませ、家計状況の変化に対応できるよう、無理のない返済計画を
立てておきましょう。
〇住宅ローン事前審査説明
事前審査の必要性や内容、提出時の持参物などをご説明いたします。
住宅ローンを組むためには、金融機関の審査を通過しなければなりません。
審査で考慮されている項目としては、完済時年齢、健康状態、担保評価、借入時年齢、勤続年数などがあげられます。
住宅ローンの審査の基準は、銀行によって様々違いがあります。
年収や借入金額・返済期間が同じであっても、審査に通る銀行と、
通らない銀行もありますのでご注意ください。
〇住宅ローン事前審査申込
事前審査申し込みで必要なものとしては以下のものがあげられます。
・事前審査申込書
・運転免許証
・健康保険証
・借入残高のわかるもの
・源泉徴収票
・個人経営の方は3期分の決算書一式
〇土地見極め
希望地域で売りに出ている土地をご紹介し、建物を建てるプロとして
アドバイスをさせていただきます。
理想の家づくりには、土地探しが重要となります。
しかし、土地探しには難しい面がたくさんあります。
土地には2つの面積があること、自由に住宅を建てられない土地がある、
土地の契約と建物の契約は別であることなど、様々な法律で定められたルールがあります。
難しい部分は、ぜひ相談できるプロの方に相談し、疑問や不安をなくしていきましょう!
〇住宅ローン事前審査 結果ご連絡
書類提出後1週間後で結果がでます。
結果が出たらご連絡させていただいております。
〇資金計画提示
お客様の要望に応じて間取りプランを提案し、それに合わせ、概算金額、
資金計画も提示させていただきます。
ここで、もう一度、返済計画に無理がないかご確認いただいております。
〇土地 現地確認
土地を絞り込み、現地を確認します。
土地周辺に何があるか、日当たりや風通しはいいのか、また、隣地との境界線もしっかりと確認しておき、後で後悔をしないようにしっかりと敷地選びをしましょう。

STEP2色決め~土地決済
〇内・外装の色決め
思い描かれている、理想の住まいを実現するお時間です。お好みの色を選んであなただけのお家に仕上げます。
〇Panasonicショールームへ
カタログを見ながら考えてもなかなか決められませんよね。スタッフがショールームをご案内しながらお風呂やキッチンを決めていきます。
実際に見て決めることができるのはうれしいですよね。
〇土地契約
土地所有者と不動産屋と日程を合わせ、土地契約をします。土地契約には、手付金と契約印紙代が必要となります。
〇請負契約
請負契約とは、当事者の一方がある仕事を完成することを約束し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束する契約のことです。
見積書・設計図書に基づきご契約を締結させていただきます。
お支払い条件としては、以下の通りです。
着工時30%
上棟時30%
完了時40%
〇住宅ローン 融資本申込
銀行またはフラットへ融資本申し込みをします。事前審査は銀行などの金融機関が行い、本審査は信用保証会社が行います。
事前審査を無事に通過した場合でも、本審査で落ちてしまう場合もあるので、注意が必要となります。
〇住宅ローン 融資結果ご連絡
1週間~10日程で結果が出ます。結果が出た後、ご連絡させていただいております。
〇内・外装の色決め内容確認
〇見積・資本計画書提示
詳しい打ち合わせ後の資金計画、見積書の確認をし、変更契約をします。〇工務引き継ぎ
現場担当へ引き継ぎをし、図面やプランボードの最終確認をします。〇土地決済(土地代金支払い)
土地の売主と司法書士の立会いにて、代金の授受と所有権の移転を行います。
当日行うこと
・売主から買主に土地の名義を移転するために必要な書類の確認
・売主の住宅ローンなどの抵当権がないかどうかの確認
・買主が利用する住宅ローンの関係の書類確認
・抵当権設定登記申請)
・買主から売主への土地代金の残りの支払い
・各種料金の支払い
土地決済の日に何をするのか、事前に知っておくと、どの書類にどんなサインをしているのかが明確になります。
〇確認申請提出
役所に必要書類を提出し、建築確認を申請します。〇地盤調査
地盤調査をします。結果次第で工程が変わります。
家づくりで難しいことの1つに地盤があげられます。
環境のいい場所を求めた場合でも、
・不同沈下
・液状化
・盛土
に遭遇してしまうと、建物を使用することは難しくなってしまいます。
地盤に関しては専門性が必要とされますので、一級建築士などの頼れる方に相談した方が安心です。
STEP3着工~引渡し
〇地鎮祭
工事中の安全、工事後の家内安全を祈願します。
そもそも地鎮祭とは?
地鎮祭とは、新築住宅工事の前に行う神様へのご挨拶の儀式といえます。
地鎮祭で土地を利用する許可を得ることによって、崇りを防いで工事の安全を祈ります。建築工事を着工する前に大安の日を選んで、地鎮祭は行われます。
ただ神様のために行う行事としてではなく、家づくりを依頼する施主様や施工業者、職人などが一堂に集まる機会ともとらえることができます。
人生に何度もできる経験ではないと思われますので、ぜひ家づくりの記念として
行われるといいでしょう。
〇着工
地盤調査の結果次第で地盤補強工事着工し、
その後、基礎工事着工します。
〇上棟(餅まき)
建物の棟が上がり、上棟の段階になります。
家を建てる際に、骨組みが出来上がり、最後にその上の棟木を上げることを棟上げと言いますが、その棟上げの際に餅まきを行います。
餅まきは、棟上げが行われる上棟式の際に散餅の儀として、厄災を祓うとともに、
地域の方々への感謝と、皆さんに福を分けるという意味があると言われております。
ここでご近所さんとのつながりを築いておくこともできるので、家づくりの思い出にもなり、いい行事であると思います。
〇社内検査
お客様に立ち会っていただく前に社内で入念な検査を行い、
キズや不具合を確認しています。

以上のステップにより新築住宅の家づくりが行われております。
今回は「家づくりの流れ」についてお話いたしましたが、
新築住宅が完成するまでの流れが少しでも理解できましたでしょうか。
宇部・山陽小野田・防府・山口・周南で新築住宅をお考えの方、
家づくりに関してお悩み事などございましたら、お気軽にご相談ください。
いえとち本舗ならあなたに丁度いい新築住宅をご提供できます。
是非一度ご来店ください。
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ツーバイフォー工法とは?メリット・デメリットを初心者にもわかりやすく解説!
家を建てることを検討している方は、「ツーバイフォー」という言葉を耳にすることがあると思います。しかし、ツーバイフォー工法とは何かがわからない方も多いでしょう。家を建てる際は、ツーバイフォー工法に関する理解を深めておくことが大切です。 この記事では、ツーバイフォー工法の特徴やメリット・デメリットなどを初心者にもわかりやすく解説します。ツーバイフォー工法とは何かがわかるようになるでしょう。 1.ツーバイフォー工法とは1-1.ツーバイフォー工法の特徴1-2.ツーバイフォー工法の歴史1-3.ツーバイフォー工法と在来工法の違い1-4.ツーバイフォー工法とツーバイシックス工法の違い2.ツーバイフォー工法のメリット2-1.耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れている2-2.品質が安定しており強度と耐久性が期待できる2-3.工期が短く迅速な建設が可能2-4.施工費用が比較的安価で総工費を抑えられる3.ツーバイフォー工法のデメリット3-1.間取りの自由度が一部制限されることがある3-2.大きな開口部を設けることが難しい3-3.外観デザインの自由度が低い3-4.建物内部の音が響きやすい4.ツーバイフォー工法で家を建てる際のポイント4-1.ツーバイフォー工法の施工実績が豊富な工務店を選ぶ4-2.契約書や仕様書をしっかり確認しておく4-3.建ててからも定期的に点検やメンテナンスを行う5.ツーバイフォー工法に関するよくある質問5-1.広いリビングやダイニングを実現できますか?5-2.ツーバイフォー住宅の寿命は何年ですか?5-3.工事中に雨に濡れても問題はないのですか?6.ツーバイフォー工法のメリット・デメリットを理解した上で信頼できる業者を選びましょう 1.ツーバイフォー工法とは ツーバイフォー工法は、戸建住宅や木造賃貸住宅など、住宅建築において広く用いられている工法です。近年では、高気密高断熱の家や耐震性の高い住宅へのニーズの高まりとともに、日本でも普及が進んでいます。 はじめに、ツーバイフォー工法とは何かについて解説します。 1-1.ツーバイフォー工法の特徴 ツーバイフォー工法とは、北米発祥の木造建築工法の一つです。建築において、2インチ×4インチ(約38mm×89mm)の規格角材を使用することから「ツーバイフォー(2×4)」と呼ばれます。 正式名称は「枠組壁工法」といい、木材の枠組みに合板を張り付け、床・壁・屋根などの面で建物を支えるのが特徴です。垂直方向と水平方向の強度が向上することで、優れた耐震性・耐風性を発揮します。 また、壁内に断熱材を充填し隙間をなくすことで断熱性・気密性にも優れており、快適な室内環境の実現が可能です。さらに、面で炎を跳ね返す耐火構造により防火性能も高く、在来工法(木造軸組工法)とは異なる特徴があります。 1-2.ツーバイフォー工法の歴史 1830年代、アメリカのシカゴで誕生した「バルーンフレーム工法」がツーバイフォー工法のルーツといわれています。バルーンフレームは軽量で強度が高く、簡便に住宅を建設できることで、開拓者たちの住宅建設に広く用いられました。 その後、二度にわたるシカゴ大火 (1871年・1874年) をきっかけに、耐火性の高い建築工法へのニーズが高まり、バルーンフレームを改良したツーバイフォー工法が開発されました。 日本では高度成長期に急激に増加した住宅需要に対応するため、1974年に建築基準法に基づく住宅工法として認定を受けたのがツーバイフォー工法の始まりです。現在では技術開発や研究が進み、より高性能なツーバイフォー住宅が開発されています。 1-3.ツーバイフォー工法と在来工法の違い ツーバイフォー工法と在来工法は、住宅の建築方法が根本的に異なります。在来工法は「木造軸組工法」とも呼ばれ、柱や梁などの軸組みで建物を支える工法で、軸組みを現場で組み立てるため、職人の技量によって品質が左右されます。 ツーバイフォー工法は工場で部材を製造し現場で組み立てる工法であるため、作業する職人の技量によって品質にばらつきが出にくいことが特徴です。 住宅の建築方法の違いにより、ツーバイフォー工法と在来工法は構造や耐震性・耐風性、断熱性・気密性、工期、建築費用などが異なります。ツーバイフォー工法には耐震性や断熱性などが優れている反面、間取り変更が難しいなどのデメリットも存在します。 どちらが優れているというわけではなく、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の希望に合った工法を選ぶことが大切です。 1-4.ツーバイフォー工法とツーバイシックス工法の違い ツーバイフォー工法とツーバイシックス(2×6)工法では、建築で使用する木材の規格が異なります。ツーバイフォー工法は柱や梁の木材の規格が「2×4」インチ(約38mm×89mm)であるのに対し、ツーバイシックス工法は「2×6」インチ(約38mm×140mm)と幅が約5cm大きくなっていることが大きな違いです。 ツーバイシックス工法は壁の厚みが約1.6倍になるため、断熱材や気密材をより多く充填でき、断熱性能や気密性能が向上します。ただし、「価格が高くなる」「間取りの自由度が低くなる」というデメリットがあります。 ツーバイフォー工法とツーバイシックス工法は、それぞれ異なる特徴を持つ工法です。どちらが優れているかというのはケースバイケースであり、建築の目的や条件、予算、好みなどを考慮して選択する必要があります。 2.ツーバイフォー工法のメリット ツーバイフォー工法と在来工法は、それぞれ異なる特性を持つ工法です。住宅建築を検討する際は、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の希望に合った工法を選ぶことが重要です。ここでは、ツーバイフォー工法のメリットを解説します。 2-1.耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れている 耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れていることが、ツーバイフォー工法の大きなメリットです。ツーバイフォー住宅は「面」で構成されており、地震や強風などの外力に対して面全体で力を分散することで、耐震性や強風耐性を高められます。 在来工法でも耐震性や強風耐性を高めることは可能ですが、特別な耐震設計や耐風設計が必要になる場合があります。高度な施工技術も要求され、施工費が高くなることもあるでしょう。ツーバイフォー工法は特別な設計をしなくても、耐震性・耐風性が高い構造になっています。 また、柱と梁の木材の間に断熱材を充填することで気密性・断熱性が高く、石膏ボードで火災の拡大を防げることもメリットです。 2-2.品質が安定しており強度と耐久性が期待できる ツーバイフォー住宅は、規格化・システム化により品質向上が図られているため、品質が安定しやすいことがメリットです。ツーバイフォー工法においては、建築で使用する木材やその他の建材は工場であらかじめ規格化・システム化して製造されます。 建材の寸法や強度などは工場での生産プロセスにおいて厳密に管理されており、品質のばらつきは少ないです。安定した品質の建材の使用で建物全体の構造的な信頼性が向上し、強度と耐久性も期待できます。 ただし、良質な建材を使用しても、施工技術が低いと強度と耐久性のある住宅は建築できません。ハウスメーカーや工務店の技術力は重要であり、施工実績などを確認し信頼できる業者を選ぶことが大切です。 2-3.工期が短く迅速な建設が可能 ツーバイフォー工法では、建材が工場で準備されているため、現場での組み立て作業を効率的に行えます。これにより、ツーバイフォー工法は在来工法と比べて施工期間が短くなる傾向があります。住宅が早く完成することで仮住居費を削減でき、早めに新生活を始められるでしょう。 施工期間は3~4ヵ月程度で、在来工法と比べると短めです。在来工法では建材の加工や組み立て作業が現場で行われるため、ツーバイフォー工法と比べて施工期間が長くなることがあります。一般的に在来工法だと完成までに約半年間かかります。 ただし、建物の規模や形状、施工業者によって施工期間は大きく異なるため、具体的な工期は個別に確認が必要です。 2-4.施工費用が比較的安価で総工費を抑えられる ツーバイフォー工法のメリットとして、工期短縮による人件費削減と建材の規格化による材料費削減が挙げられます。ツーバイフォー工法は工期が短いため、職人の人件費を抑えられる可能性があります。また、建材の規格化によって大量生産が可能であり、材料費を抑えられる可能性もあるでしょう。 人件費と材料費の削減によって、施工費用が比較的安価になり、総工費を抑えられます。しかし、これらのメリットは必ずしもすべてのケースで当てはまるわけではありません。 総工費は建築プランの規模や条件、労働市場の状況などによって変動します。住宅建築においては建築プランなどを考慮に入れて、最適な建築手法を選択することが重要です。 3.ツーバイフォー工法のデメリット ツーバイフォー工法にはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。建築手法を選択する際は、デメリットも知っておくことが大切です。ここでは、ツーバイフォー工法のデメリットを解説します。 3-1.間取りの自由度が一部制限されることがある 在来工法と比較すると、ツーバイフォー工法は間取りの自由度が一部制限される場合があります。理想の間取りがあっても、実現できない可能性があることはツーバイフォー工法のデメリットでしょう。 ツーバイフォー住宅の壁は柱と梁でしっかりと固定されており、面全体で一体化しているのが特徴です。そのため、壁を増減したり位置を変えたりすると、壁面全体で力を分散できなくなります。 間取り変更や大規模なリノベーションは難しく、間取りの自由度を確保したい場合は、設計段階からツーバイフォー工法の制限を考慮する必要があります。工務店や建築士と相談しながら、制限の中で希望の間取りを実現できるプランニングをすることが重要です。 3-2.大きな開口部を設けることが難しい ツーバイフォー工法では大きな開口部を設けることが難しい場合があります。大きな窓がある住宅を望んでも、実現できない可能性があることはツーバイフォー工法のデメリットです。 ツーバイフォー工法は壁が構造部材として機能するため、壁を大きく抜くと構造強度が低下する可能性があります。大きな開口部を設ける際には、構造強度を確保できる方法を検討しなければなりません。 一方、在来工法は壁に頼らずに建物を支えられるため、壁を大きく抜いても構造強度が低下しにくく、さまざまな開口部を設けられます。 ツーバイフォー工法で大きな開口部を設けるためには、特別な設計や補強材の追加などが必要になる場合があります。建築士や構造設計士など専門家の助言を仰ぎ、適切な補強策や設計を行うことが重要です。 3-3.外観デザインの自由度が低い ツーバイフォー工法は在来工法と比べると、外観デザインの自由度が低い傾向があります。ツーバイフォー工法は工場で製造したパネルを現場で組み立てて家を建てるため、パネルのサイズや形状によって外観デザインに一定の制限が生じます。 パネルは曲げられないため、なめらかな曲線のある家は作りにくく、理想の外観デザインが実現しないこともあるでしょう。一方、在来工法は内外ともにデザインの自由度は高いです。 ツーバイフォー工法でも、設計や施工に高度な技術が必要になりますが、設計段階で工夫したり、特注パネルを使用したりすることで、希望に近いデザインを実現できる可能性はあります。 ただし、デザインによっては構造上の問題が発生する可能性があるため、デザインと構造の両面でバランスを取りながら、最適な解決策を見いだすことが重要です。 3-4.建物内部の音が響きやすい ツーバイフォー住宅は建物内部の音が響きやすい傾向があります。ツーバイフォー住宅は気密性が高く、外部からの防音性能は優れている反面、建物内部の音は響きやすいです。壁や床に空洞があることも音が反響する原因になります。 また、1階の天井と2階の床が一体構造になっていることも、音が響きやすい原因のひとつです。2階で床を歩いたり物を落としたりした振動音が直接階下に伝わってしまいます。ツーバイフォー工法で施工する際は、階下への振動音を抑える対策を講じなければなりません。 テレビや音楽などの音が響きやすいという声もあり、吸音材を設置するなどの対策が必要になることがあります。特にツーバイフォー工法で木造賃貸住宅を建築する際は、入居者の騒音トラブルを防ぐための防音対策が必要です。 4.ツーバイフォー工法で家を建てる際のポイント ツーバイフォー工法で家を建てる際は、業者選びやアフターフォローが重要になってきます。後々のトラブルを避け、建物の耐久性や安全性、住環境の快適性を保つためにも、以下のポイントに留意することが大切です。 4-1.ツーバイフォー工法の施工実績が豊富な工務店を選ぶ 建ててから後悔しないよう、ツーバイフォー工法の施工実績が豊富なハウスメーカーや工務店を選ぶことが大切です。ツーバイフォー工法は在来工法と比べ、品質が職人の技量に左右されにくい傾向があります。しかし、最終的な性能はハウスメーカーや工務店の技術によって決まります。 ツーバイフォー工法は在来工法とは構造や施工方法が異なるため、専門的な知識と技術が必要です。施工実績が豊富なハウスメーカーや工務店はツーバイフォー工法のノウハウを熟知しており、高品質な住宅の建設が期待できます。 過去に建てたツーバイフォー住宅の棟数が多いほど、経験豊富といえます。コーポレートサイトなどで施工実績や評判をじっくりと確認し、信頼できるパートナーを選ぶことが大切です。 4-2.契約書や仕様書をしっかり確認しておく ハウスメーカーや工務店と工事請負契約を締結する際、契約書や仕様書をしっかり確認することは非常に重要です。契約書には工事の内容や価格、支払い方法、保証内容などが記載されており、これらを確認することで、後々トラブルが起きる可能性を減らせます。 仕様書には使用する材料や設備、工事の品質基準などが記載されており、これらを確認することで、どのような建物が建てられるのか、どのような工事が行われるのかを理解できます。 建設中や完成後に問題が発生することを避けるためにも、契約書や仕様書を入念にチェックすることが必要です。契約書や仕様書は専門用語が多く、内容がわかりにくい場合があります。わからない点があれば、必ずハウスメーカーや工務店に説明を求めましょう。 4-3.建ててからも定期的に点検やメンテナンスを行う 建物の耐久性を維持するためには、建ててからも定期的な点検やメンテナンスが不可欠です。定期的な点検を行うことで問題が早期に発見され、適切な修理や補修が行われることで建物の寿命を延ばせます。 住宅設備や内外装は経年劣化によって性能が低下したり見た目が悪くなったりします。住宅設備は築10~15年、内外装は築15~20年を目安に、交換や張り替え・塗り替えなどのメンテナンスが必要です。これにより、住宅の美観や住環境の快適性を保てます。 点検やメンテナンスは、建物の安全性を確保するためにも重要です。特に、屋根や外壁などの構造部分や電気設備、配管などの設備部分は定期的な点検が欠かせません。問題が放置されると、安全上のリスクが高まる可能性があります。 5.ツーバイフォー工法に関するよくある質問 ツーバイフォー工法に関する疑問やわからない点があれば、業者に質問することが重要です。業者に質問することで、正確な情報や適切なアドバイスが得られます。ここでは、ツーバイフォー工法に関するよくある質問に回答します。 5-1.広いリビングやダイニングを実現できますか? 日本のツーバイフォー工法では、最大72㎡(約21.8坪)までの広々とした空間の設計が構造計算なしで可能です。これは、間口6m×奥行12mの広さに相当し、開放感あふれるリビング・ダイニングや、家族みんながゆったり過ごせる多目的な空間など、さまざまな用途に活用できます。 72㎡の空間は、一般的なマンションのLDKを上回る広さです。ハウスメーカーや工務店のホームページでは、ツーバイフォー工法による広いリビングやダイニングの施工事例を紹介しています。 5-2.ツーバイフォー住宅の寿命は何年ですか? ツーバイフォー住宅の寿命は約80年といわれています。これはあくまでも目安であり、実際の寿命はさまざまな要因によって大きく左右されます。定期的な点検やメンテナンスは特に重要であり、リフォームをすることで100年以上に寿命を延ばすことは可能です。 定期点検で建物の劣化状況を確認し、劣化が見つかった場合は早めに対処しましょう。適切な換気を行って結露を防いだり、防虫・防カビ対策を行って木材の腐食を防いだりすることでも、住宅の寿命を延ばせます。 5-3.工事中に雨に濡れても問題はないのですか? 工事中に雨に濡れても、速やかに乾かせば問題ありません。ツーバイフォー住宅は構造用製材に含水率19%以下の乾燥材を使用するなど、さまざまな方法で湿気対策を行っています。ただし、長時間濡れたままにしておくと木材が腐朽するリスクが高まるため、注意が必要です。 信頼できるハウスメーカーや工務店は、木材を長時間濡れたままにしておくことはありません。ツーバイフォー住宅を建てる際は信頼できるハウスメーカーや工務店を選び、工事中に木材が長時間濡れることがないように注意しましょう。 6.ツーバイフォー工法のメリット・デメリットを理解した上で信頼できる業者を選びましょう ツーバイフォー工法は、耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れており、工期が短く迅速な建設が可能です。このようなメリットがある一方で、間取りの自由度が一部制限され、外観デザインの自由度が低いなどのデメリットも存在します。ツーバイフォー工法と在来工法は、どちらが優れているかというのは一概にいえません。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の希望に合った工法を選ぶことが大切です。耐久性や安全性、快適性に優れた住宅を建築するには、信頼できるハウスメーカーや工務店の選択が重要になります。ツーバイフォー住宅の施工実績や評判などを確認して、信頼できる業者を選びましょう。 監修者:宅地建物取引主任者 浮田 直樹 不動産会社勤務後、株式会社池田建設入社。いえとち本舗山口の店長を経て、セカンドブランドのi-Style HOUSE山口店店長に就任。後悔しない家づくりをモットーにお客様の家づくりの悩みを日々解決している。
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結論から言おう。建売と注文、選ぶ基準はこれだけ!
1. 結論から言おう。建売と注文、選ぶ基準はこれだけ! └ 1-1. 最優先すべきは「時間」か「理想」か └ 1-2. 8割の人がここで決まる!判断基準の本質2. 建売住宅とは?注文住宅とは?それぞれの特徴を整理 └ 2-1. 建売住宅:完成品を買うという選択 └ 2-2. 注文住宅:ゼロからつくるマイホーム └ 2-3. セミオーダーという第三の選択肢もある?3. よくある誤解5選!「建売=安い」「注文=理想通り」って本当? └ 3-1. 建売は本当に安い?見落とされがちなコスト要因 └ 3-2. 注文住宅でも“理想通り”にならないことがある └ 3-3. 建売の設備・仕様が注文より良いケースも?4. 主要5項目で徹底比較(価格・自由度・完成時期・保証・資産価値) └ 4-1. 「価格」:意外と差が出る初期費用とトータルコスト └ 4-2. 「自由度と完成時期」:どこまで希望が通るのか └ 4-3. 「保証・資産価値」:長く住む家としての比較5. こんな人は建売向き/注文向き!診断チャートつき └ 5-1. 建売住宅が向いている人の特徴 └ 5-2. 注文住宅が向いている人の特徴 └ 5-3. 診断チャート:Yes/Noでわかる自分のタイプ6. 失敗しないための選び方3つのポイント └ 6-1. ライフスタイルと将来設計を見据える └ 6-2. 情報に流されない「自分軸」の作り方 └ 6-3. 見学と相談で“肌感覚”を大事にする7. 最後に。悩みすぎてる人へ伝えたいリアルな一言 └ 7-1. 選んだあとに満足できるかがすべて └ 7-2. 「決め手」は実はシンプルなことだった1. 結論から言おう。建売と注文、選ぶ基準はこれだけ!1-1. 最優先すべきは「時間」か「理想」か建売か注文か、結局どっちを選ぶのが正解なの?──その問いに答えるとしたら、こう言いたい。「あなたが一番大切にしたいのは“時間”ですか?それとも“理想”ですか?」この二択で、実はもう8割が決まります。建売住宅は、すでに完成している“商品”です。最短で翌月入居、住み始めたその日から「ここが我が家」。一方で注文住宅は、打ち合わせに始まり、設計、建築、完成と、半年〜1年以上の時間をかけて“理想”をカタチにしていく旅路。どちらにも価値があり、どちらにも犠牲がある。それを見極める覚悟を、まず持つべきです。時間の余裕がない人、子どもの入学や転勤のスケジュールが迫っている人にとっては、迷う余地はありません。建売一択です。逆に、「一生に一度なんだから納得いくまで作りたい」と思える人には、注文住宅の価値は計り知れません。1-2. 8割の人がここで決まる!判断基準の本質建売か注文かで迷っている人ほど、「価格が…」「住宅性能が…」「資産価値が…」と、情報をかき集めがちです。でもそれらは、あくまで比較の“枝葉”。本当に大事なのは、「自分にとって譲れない価値は何か?」という問いにどう向き合うかです。例えば、「家に強いこだわりはないけど、通学区や間取りには一定の希望がある」という方には、条件付き建売(建築条件付き土地+セミオーダー住宅)という選択肢がマッチします。一方で、「絶対にリビング階段がいい」「回遊動線で家事ラクにしたい」などの具体的な願望があるなら、注文住宅でないと実現は難しいかもしれません。判断の軸は“スペック”ではなく“優先順位”。この視点で見直すだけで、自分がどちらに向いているかがぐっと明確になります。2. 建売住宅とは?注文住宅とは?それぞれの特徴を整理2-1. 建売住宅:完成品を買うという選択建売住宅とは、すでに土地付きで完成済み、もしくは完成間近の住宅を指します。不動産会社や住宅メーカーがまとめて造成・建築し、販売するスタイルです。最大の特徴は「完成物件を見て買える安心感とスピード感」。間取り、設備、内装はすでに決まっており、気に入れば即決・即入居も可能。モデルハウスや現地内覧で実物を確認できるため、「こんなはずじゃなかった」が起こりにくいのもメリットです。ただし、当然ながら自由度は低く、自分好みにカスタマイズする余地はほとんどありません。「住宅に強いこだわりがない人」「とにかく早く引っ越したい人」に向いているのが建売住宅です。2-2. 注文住宅:ゼロからつくるマイホーム注文住宅は、間取りから素材・設備まで、自分たちの理想を反映して設計・建築するスタイルです。土地を購入したうえで、建築会社や工務店と打ち合わせを重ねながら、世界に一つだけの家を形にしていきます。魅力は何といっても「自由度の高さと満足感の深さ」。ライフスタイルに合った家事動線、収納、趣味スペースなど、すべてを設計に反映できます。家へのこだわりが強い人にとっては、唯一無二の選択肢です。一方で、完成までに時間がかかること、予算管理が難しいこと、打ち合わせの手間があることはデメリットとも言えます。自由の裏には責任と労力が伴う。それを楽しめるかどうかが、注文住宅の向き・不向きを分けます。2-3. セミオーダーという第三の選択肢もある?最近注目されているのが「セミオーダー住宅」。建売と注文の中間にあたるスタイルで、外観や基本間取りは決まっているものの、設備や内装、配置の一部を選べるのが特徴です。分譲地に多く、比較的リーズナブルかつスピーディーに理想の要素を取り入れられる点が人気です。「全部決めるのは大変だけど、ありきたりな家は嫌」そんな“いいとこ取り”を求める人には、セミオーダー住宅も視野に入れてみる価値ありです。3. よくある誤解5選!「建売=安い」「注文=理想通り」って本当?3-1. 建売は本当に安い?見落とされがちなコスト要因よく言われる「建売は安い」は、確かに“初期費用”だけ見れば正解です。大量仕入れ・規格化された建材、設計の簡素化、工期の短縮──それらが価格を抑える要因となります。しかし、落とし穴は「入居後のコスト」。エアコンや照明が別売りだったり、断熱性能や間取りがライフスタイルに合わず住んでからの光熱費やリフォーム費がかさむケースも。つまり、“今の金額”ではなく“トータルコスト”で見ると、思ったよりお得じゃないこともある。この視点を抜きにして「建売=安い」と断言するのは危険です。3-2. 注文住宅でも“理想通り”にならないことがある注文住宅といえば「理想を全部カタチにできる」と思いがち。でも実際には、予算・法律・土地条件・施工技術など、さまざまな“制約”が立ちはだかるのが現実です。「吹き抜けリビングが欲しい」と言っても、構造上無理だったり、「中庭が欲しい」と言っても、予算オーバーで断念──なんてこともざら。加えて、施主のこだわりが強すぎて施工側とトラブルになるケースもあります。結局のところ、“理想通り”になるかどうかは「伝え方」と「割り切り力」にかかっているというのが実情です。3-3. 建売の設備・仕様が注文より良いケースも?驚かれるかもしれませんが、建売の方が設備グレードが高い場合もあります。なぜなら、住宅会社が「売れる家」を目指して“コスパの良い設備”を大量に仕入れて一括導入しているから。食洗機・浴室乾燥・宅配ボックスなど、注文で個別に取り付けるより割安で高機能なものが標準装備されていることも。また、完成済みの建売なら「日当たり」「隣家との距離感」「収納の量」など、リアルな住環境を体感してから決められるのも強み。注文が理想的、建売が妥協、という単純な図式はもう古いかもしれません。4. 主要5項目で徹底比較(価格・自由度・完成時期・保証・資産価値)4-1. 「価格」:意外と差が出る初期費用とトータルコスト建売住宅は価格が明瞭で、初期費用が抑えやすいのが魅力です。土地と建物がセットで売られており、追加費用もある程度想定しやすいため、予算管理がしやすいのが特徴です。一方、注文住宅は「家づくりの途中で予算が膨らむ」リスクがつきもの。設備や素材にこだわるほど費用が増加し、完成までの過程で見積もりが変動するケースも多いです。ただし、長い目で見ると注文住宅のほうが断熱・耐震性能などで光熱費やメンテナンス費を抑えられるケースもあり、“トータルでどちらが得か”は一概に言えません。4-2. 「自由度と完成時期」:どこまで希望が通るのか自由度の高さは圧倒的に注文住宅が上。間取りや設備はもちろん、素材や細部のデザインまで、自分の希望を反映できます。ペットとの暮らしや家事動線、趣味スペースなど、ライフスタイルに合わせた設計が可能です。対して建売住宅は、すでに完成済み or 決まったプランの中から選ぶ方式が主流。とはいえ、最近では「一部カラーや設備が選べる建売(セミオーダー型)」も増えており、想像以上に“ちょうどいい自由度”を備えている場合も。完成時期については言うまでもなく、建売が圧倒的に早いです。契約から1~2ヶ月で入居も可能。注文は通常、土地探し+打ち合わせ+施工で半年〜1年超が一般的です。4-3. 「保証・資産価値」:長く住む家としての比較保証面は、どちらも10年保証など法律での最低基準は同じですが、建売住宅は販売業者によって保証の充実度に差があることも。購入前に保証書やメンテナンス制度を確認することが大切です。資産価値については一概に言えませんが、注文住宅のほうが建物に個性があるぶん、「売りにくい」という側面も。逆に建売住宅は、分譲地やエリアの整備が進んでいて再販しやすいケースが多いです。ただし、資産価値を左右する最大の要素は「立地」です。建売か注文かよりも、「どこに建てるか」の方がずっと重要と言えるでしょう。5. こんな人は建売向き/注文向き!診断チャートつき5-1. 建売住宅が向いている人の特徴すぐにでも住みたい家に強いこだわりがない予算をしっかり管理したい家探しにあまり時間をかけたくないこういった価値観の人には、完成物件を見て判断できる建売住宅がフィットします。また、共働きで打ち合わせの時間がとれない、子どもの進学タイミングに合わせて引っ越したいといった場合も、「スピード」と「確実性」重視の建売がベストな選択になりやすいです。5-2. 注文住宅が向いている人の特徴細部にまでこだわった理想の家をつくりたい変形地や狭小地など、土地に合わせた設計が必要家族構成やライフスタイルに合わせた間取りを求めている「建てる過程」も楽しみたいこのような人にとって、建売では満たされない要素が多いため、注文住宅が唯一無二の選択肢になります。また、二世帯住宅や趣味性の高い空間など、“汎用的ではない住まい”を考えているなら、建売にはまず出会えません。5-3. 診断チャート:Yes/Noでわかる自分のタイプQ1. 入居希望時期は半年以内? → Yes:Q2へ/No:Q3へ Q2. 完成済み物件を見て安心したい? → Yes:建売向き/No:セミオーダー検討 Q3. 家にこだわりたい部分が3つ以上ある? → Yes:注文向き/No:建売 or セミオーダー※あくまで目安ですが、「建物にこだわるか/時間を優先するか」が最大の分かれ道です。6. 失敗しないための選び方3つのポイント6-1. ライフスタイルと将来設計を見据える「今」の条件だけで家を選ぶと、数年後に後悔するリスクがあります。子どもの成長、転勤の可能性、親との同居など、将来の変化を想定して選ぶことが重要です。例えば、いまは夫婦2人でも、数年後に子どもが生まれれば、部屋数や家事動線の使い勝手が一気に変わることも。将来の変化を「前提」にして住まいを選ぶと、後悔しにくくなります。6-2. 情報に流されない「自分軸」の作り方住宅選びで失敗する人の多くが、「誰かの意見」や「ネットの情報」に振り回されています。「建売はダメ」「注文が最強」といった極論に左右されると、自分に合わない選択を正解だと錯覚してしまうことも。家づくりにおいて最も大切なのは、「自分にとって何が大事か」を明確にすること。価格なのか、立地なのか、自由度なのか──判断基準を“自分目線”で持てる人ほど後悔しません。6-3. 見学と相談で“肌感覚”を大事にする迷ったら、実際に足を運ぶのが一番早い判断材料になります。建売ならモデルハウスや完成物件、注文なら工務店やハウスメーカーの相談会へ。図面や写真では伝わらない「光の入り方」「広さの感覚」「収納の使い勝手」など、現地でしか得られない情報がたくさんあります。また、信頼できる営業担当者と出会えるかどうかも重要。相性が合えば相談がスムーズに進み、自分にとってのベストな選択肢が見えてきます。7. 最後に。悩みすぎてる人へ伝えたいリアルな一言7-1. 選んだあとに満足できるかがすべてどちらを選んでも、完璧な家なんて存在しません。建売には建売の不満、注文には注文の不便がある。でも本当に大事なのは、「選んだことを納得できているかどうか」。後悔するのは、“決めたあと”ではなく“決めないまま流されたとき”です。いまのあなたが持つ情報・予算・スケジュールの中で、ベストな選択をすればいい。比べすぎて動けないよりも、「これでいい!」と腹をくくった方が、ずっと満足感は高まります。7-2. 「決め手」は実はシンプルなことだった「家選びの決め手ってなんだった?」という質問に、先輩たちはこう答えます。「タイミングでした」「担当者が信頼できたから」「この物件だけピンときた」冷静に比較したはずなのに、最後の最後は理屈じゃなく“直感”だったという声も少なくありません。家選びは人生の大イベント。でも、肩に力を入れすぎず、自分の感覚を信じることもときには大切です。迷って動けないあなたへ――“選ぶこと”そのものが、すでに前進です。