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ローコスト住宅と建売どっちを選ぶ?それぞれの違いやメリット・デメリットを紹介

ローコスト住宅と建売住宅は一般的に低価格であり、フルオーダーの注文住宅を建てるための予算が不足している場合の有効な選択肢になります。ローコスト住宅と建売住宅はそれぞれ特徴があり、どっちを選べば良いのかがわからない方もおられるでしょう。
この記事では、ローコスト住宅と建売住宅のそれぞれの違いと、メリット・デメリットを解説します。ローコスト住宅と建売住宅のどっちを選ぶべきかを判断したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.ローコスト住宅と建売住宅の定義
1-1.ローコスト住宅とは?
1-2.建売住宅とは?
1-3.ローコスト住宅と建売住宅の違い
2.ローコスト住宅と建売はどっちが優れている?
3.ローコスト住宅のメリット
3-1.建売住宅よりも間取りや設備などの自由度が高い
3-2.オプションの追加でカスタマイズできる
3-3.標準仕様だと低価格
4.ローコスト住宅のデメリット
4-1.標準仕様の設備のグレードが低い場合がある
4-2.入居できるまでに時間がかかる
4-3.保証期間が短い場合がある
5.建売住宅のメリット
5-1.実際に現物を確認してから購入できる
5-2.土地探しの手間が省ける
5-3.フルオーダーの注文住宅と比べると低価格
6.建売住宅のデメリット
6-1.間取りや設備などを変更できない
6-2.似たようなデザインの住宅が多い
6-3.希望するエリアに建売住宅があるとは限らない
7.ローコスト住宅と建売のどっちを選ぶ?
7-1.ローコスト住宅がおすすめの人
7-2.建売住宅がおすすめの人
8.ローコスト住宅と建売住宅の違いを理解することが大切
1.ローコスト住宅と建売住宅の定義

ローコスト住宅と建売住宅は異なる形態の住宅であり、それぞれ特徴が異なります。ローコスト住宅と建売住宅のどっちを選ぶかは、それぞれの特徴を理解して、自分に合っているほうを選ぶことが大切です。ここでは、ローコスト住宅と建売住宅の定義を解説します。
1-1.ローコスト住宅とは?
ローコスト住宅とは、手頃な価格で建築できるコストパフォーマンスが高い注文住宅を指します。一般的な注文住宅より坪単価が安く、1,000万円台での建築も可能です。
低価格だから品質や安全性が劣るというわけではなく、間取りや設備、デザインなどを規格化することで低価格を実現しています。住宅性能や設備などのグレードを上げたい場合は、オプションを追加することで対処できます。
フルオーダーの注文住宅よりも設計の自由度は低いもののセミオーダーに近く、予算を抑えながらマイホームを建てたい方には有効な選択肢です。
1-2.建売住宅とは?
建売住宅とは、不動産会社が土地を仕入れて建物を建設し、土地と建物をセットで販売する形態の住宅を指します。建売住宅は一般的な注文住宅よりも低価格であり、分譲地に建設する分譲住宅も建売住宅の一種です。
建売住宅は既に建物が完成しているケースが多く、実際に実物を確認したうえで購入できます。建物が建設される前に販売されることもあり、この場合は「売り建て」と呼ばれます。
売り建てだと住宅設備などの仕様を変更できる場合がありますが、建物が完成している建売住宅は仕様の変更は基本的にできません。設計の自由度が注文住宅とは異なります。
1-3.ローコスト住宅と建売住宅の違い
ローコスト住宅には土地が含まれていないのに対し、建売住宅には土地が含まれている点が異なります。建売住宅を購入する際は土地を探す必要はなく、ローコスト住宅は家を建てる前に土地探しが必要です。
売り建てを除くと、建売住宅は既に建物が完成もしくは建築中であるのに対し、ローコスト住宅は注文を受けてから建築する点も異なります。建物が既に完成していると、購入後すぐに入居できます。
土地代を含めた価格は、ローコスト住宅と建売のどっちが安くなるかは一概にはいえません。
2.ローコスト住宅と建売はどっちが優れている?

ローコスト住宅と建売住宅は、それぞれ異なる特徴を持つ住宅です。どっちが優れているということはなく、両者のメリットとデメリットを理解したうえで、自分に最適なほうを選ぶことが大切です。
例えば、間取りや設備などをある程度自由に決めたい場合は、ローコスト住宅のほうが向いています。土地探しなどの手間を省き、すぐに新居に入居したい場合は、建売住宅のほうがおすすめです。
土地代を除く建築費は、標準仕様のローコスト住宅のほうが安くなる傾向があります。土地代を含めると建売住宅のほうが安くなることがありますが、建物のグレードや立地条件などによって異なるため、一概にはいえません。
3.ローコスト住宅のメリット

ローコスト住宅と建売のどっちを選ぶかを判断するには、両者のメリットとデメリットを理解することが大切です。ここでは、ローコスト住宅のメリットを解説します。
3-1.建売住宅よりも間取りや設備などの自由度が高い
ローコスト住宅は、建売住宅と比べると、間取りや設備などの自由度が高いことがメリットです。ローコスト住宅はフルオーダーではないものの注文住宅の一種であり、建売住宅よりも間取りや設備などの自由度は高いといえます。
ローコスト住宅の間取りや設備はある程度規格化されており、フルオーダーの注文住宅のように完全自由設計はできません。しかし、オプションを追加することで、キッチン設備などをアップグレードすることは可能です。
間取りや設備などのこだわりをある程度反映させ、フルオーダーの注文住宅よりも低価格で家を建てたい方にローコスト住宅は向きます。フルオーダーの注文住宅だと予算オーバーになる場合、ローコスト住宅だと建てられる可能性は十分あります。
3-2.オプションの追加でカスタマイズできる
ローコスト住宅は、オプションを追加することでカスタマイズできるというメリットがあります。ローコスト住宅のオプションには、耐震性や断熱性などの住宅性能を高めるものや、設備をアップグレードするものなどがあり、好みのオプションを追加することでカスタマイズができます。
例えば、標準仕様だと断熱性が低い場合は、断熱性能を高めるオプションを追加すると、季節を問わず快適に暮らせるようになるでしょう。冷暖房効率がアップすることで、光熱費の削減にもつながります。
ただし、オプションを追加すると追加費用が必要になるため、予算をしっかり立てることが大切です。オプションを追加しすぎると予算オーバーになることがあります。必要不可欠なオプションを厳選して追加するようにしましょう。
3-3.標準仕様だと低価格
ローコスト住宅は、オプションを追加しない標準仕様だと低価格で住宅を建てられることがメリットです。フルオーダーの注文住宅よりも安く、土地代を除くと建売住宅よりも安く建てられる可能性もあります。
標準仕様は業者によって異なるため、標準仕様の内容が充実しているハウスメーカーを選ぶことが大切です。標準仕様が充実しているとオプションを追加する必要がなくなり、低価格で暮らしやすい住宅を建てられます。
ローコスト住宅を販売しているハウスメーカーは数多くあります。ハウスメーカーによって、標準仕様やオプションの内容、価格などが異なるため、複数のハウスメーカーを比較検討して、コストパフォーマンスが高いハウスメーカーを選びましょう。
4.ローコスト住宅のデメリット

ローコスト住宅はオプションを追加することでカスタマイズできるなどのメリットがありますが、デメリットも存在します。ローコスト住宅の建設を検討している方は、デメリットも知っておくことが大切です。
4-1.標準仕様の設備のグレードが低い場合がある
ローコスト住宅は価格を抑えるために、標準仕様の設備のグレードが低い場合があります。設備のグレードを落とすことで低価格を実現しているわけですが、最新設備ではなくても安全性や快適性が極端に低下することはありません。
ローコスト住宅でグレードダウンされることが多い設備は、キッチンや浴室などの水回りの設備です。これらの設備は、機能やデザインが簡素化されたものや、古い型のものが使用されることがあります。設備のグレードにこだわりがある場合は、標準仕様の内容をよく確認することが大切です。
標準仕様の設備をアップグレードしたい場合は、オプションで追加できます。ただし、オプション費用が高額になる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
4-2.入居できるまでに時間がかかる
既に完成している建売住宅や中古住宅だと購入後すぐに入居できますが、ローコスト住宅は入居できるまでに時間がかかります。完全自由設計の注文住宅と比べると時間は短縮されますが、打ち合わせや設計、施工に要する時間は必要です。
ローコスト住宅は注文を受けてから建築するため、完成までに数ヶ月程度かかり、転勤や子どもの入学などで急いで入居したい方の要望は実現できません。土地探しから行う場合はさらに時間がかかり、土地探しが難航すると入居できるまでの期間は長引きます。
工期を短縮して早く入居したい場合は、オプションをあまり追加せず、標準仕様での建築がおすすめです。標準仕様であれば、打ち合わせや設計、施工の時間を短縮でき、3ヶ月程度で完成することもあります。
4-3.保証期間が短い場合がある
ローコスト住宅は一般的な注文住宅と比べると保証期間が短い場合があります。一般的な注文住宅だと30年以上の長期保証が付くことが多く、ローコスト住宅はアフターサービスの面で不利になることがあるでしょう。
ローコスト住宅であっても、住宅瑕疵担保責任保険で最低10年間の保証期間が義務付けられているものの、保証期間が終了すると入居後にトラブルが発生した場合などは有償保証になることがあります。
ただし、保証やアフターサービスが充実しているローコスト系のハウスメーカーもあり、保証期間やアフターサービスの内容の確認が重要です。ハウスメーカーを選ぶ際は、保証やアフターサービスの内容も比較して検討しましょう。
5.建売住宅のメリット

ここまで、ローコスト住宅におけるメリットとデメリットを解説しました。ここからは、建売住宅のメリットとデメリットを解説します。建売住宅のメリットは以下のとおりです。
5-1.実際に現物を確認してから購入できる
建売住宅のメリットは、完成済みの物件であれば、実際に建物を内見したうえで購入できることです。設計図や間取り図を見るだけではわからないことも、現物を確認することで細部までわかります。
ローコスト住宅や一般的な注文住宅は設計から行うため、建物が完成するまでは内見できません。生活動線や家事動線などは、実際に動いてみないことには適切であるかの判断は難しいです。
建売住宅だと住み始めてからの新居での生活もイメージでき、後悔することは少ないでしょう。実際に現物を確認してから購入できることは大きなメリットです。
外観デザインや間取りなどにあまりこだわりがなく、快適な生活が送れれば良いと考えている方には、建売住宅は最適だといえるでしょう。
5-2.土地探しの手間が省ける
建売住宅は土地と建物をセットで購入できるため、土地探しの手間が省けます。ローコスト住宅や一般的な注文住宅は土地探しをしなければならず、時間と労力がかかる土地探しの手間が省けることは、建売住宅ならではのメリットです。
建売住宅は不動産市場に精通している不動産会社が土地を探すため、好立地であることが多く、生活利便性の高さも期待できます。分譲住宅の場合だと、不動産会社が広大な土地をまとめて購入したうえで分割して販売するため、土地価格を抑えられる可能性があります。
建物が既に完成している建売住宅は、建築中の注文住宅と比べると住宅ローンの審査や手続きもスムーズで、短期間で入居できることもメリットです。
5-3.フルオーダーの注文住宅と比べると低価格
建売住宅はフルオーダーの注文住宅よりも価格が安く、低価格であることが大きなメリットです。建売住宅は間取りや設備があらかじめ決まっており、資材や設備をまとめて発注することでスケールメリットが働きます。施工もシンプルで、効率よく作業ができるため人件費も抑えられます。
フルオーダーの注文住宅は施主の要望に合わせて設計・施工するため、費用が上がりやすいです。建売住宅は設計の自由度が低い分、価格を抑えられます。
間取りや設備などのこだわりが少なく、安い価格で家を購入したい方に建売住宅は適しています。なお、建売住宅の価格は物件によって違ってくるため、購入する際は複数の物件を比較検討することが大切です。
6.建売住宅のデメリット

建売住宅は土地探しの手間が省け、フルオーダーの注文住宅よりも安く購入できるなどのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、建売住宅のデメリットを解説します。
6-1.間取りや設備などを変更できない
建売住宅は既に完成しているか建築中であるため、間取りや設備などを変更できないことがデメリットです。建築中であれば、壁紙や床材の色などの内装の軽微な変更は対応できる場合がありますが、間取りの変更などはできません。
間取りや設備などにこだわりがある場合、建売住宅だと要望を実現できない可能性があります。間取りや設備などに強いこだわりがある方は、要望に合致する建売住宅を見つけるか、フルオーダーの注文住宅にするしかありません。
間取りやデザインなどの要望に完全に合致する建売住宅を見つけるのは難しく、建売住宅よりもフルオーダーの注文住宅のほうがおすすめです。
6-2.似たようなデザインの住宅が多い
建売住宅は同じデザインや似たようなデザインの住宅が多い傾向があります。間取りや仕様も決まっており、個性的なデザインなどを求める方には不向きです。デザイン性の高い建売住宅も増えていますが、自分の好みと合致するとは限りません。
建売住宅のデザインは万人受けするものが多く、デザインに強いこだわりがなければ、注文住宅よりも低価格で購入できます。価格が高くなっても、デザインの要望を実現させたい方には、フルオーダーの注文住宅がおすすめです。
建売住宅のデザインは、地域やハウスメーカーによっても異なります。希望に合致するデザインの建売住宅を見つけるには、インターネットなどで情報収集をしっかり行うことが大切です。
6-3.希望するエリアに建売住宅があるとは限らない
建売住宅は土地と建物がワンセットであるため、希望するエリアに建売住宅があるとは限りません。立地条件は変更できないため、後悔しないように選ぶことが大切です。駅からの距離や周辺環境、日当たり、騒音など、立地条件をよく確認したうえで決めましょう。
希望するエリアに建売住宅が見つかった場合でも、間取りや設備、デザインなどが要望に合致していないこともあり、要望を100%実現できる建売住宅を見つけるのは難しいです。
したがって、建売住宅を購入する際は、エリアや間取り、設備などの要望に優先順位をつけておくことをおすすめします。優先順位をつけておくと、要望を100%実現できなくても、理想に近い住宅を見つけられます。
7.ローコスト住宅と建売のどっちを選ぶ?

ここまで、ローコスト住宅と建売住宅それぞれのメリット・デメリットを解説してきました。ローコスト住宅と建売のどっちを選ぶかは、それぞれのメリットとデメリットを比較検討して、自分に向いているほうを選びましょう。
ローコスト住宅は、限られた予算で、可能な限り間取りやデザインの要望を実現させたい人に向きます。フルオーダーの注文住宅と比べると間取りやデザインの自由度は低いものの、オプションを追加することで要望をある程度まで反映できます。
既に土地を所有していて、少しでも安い価格で住宅を建設したい方には、ローコスト住宅が最適です。ローコスト住宅だと、70万円程度の坪単価で建てられる場合があり、1,000万円台で建築することも可能です。
7-2.建売住宅がおすすめの人
建売住宅は子どもの入学や転勤などで、急いで新居に入居したい方に向きます。既に建物が完成していると、すぐに入居して新生活をスタートできます。時間と労力がかかる土地探しの手間が省けることもメリットです。
デザインや間取りにあまりこだわりのない方は、注文住宅よりも建売住宅をおすすめします。建売住宅はデザインや間取りが決まっており、設計の自由度が低い分、フルオーダーの注文住宅よりも低価格で購入できます。
8.ローコスト住宅と建売住宅の違いを理解することが大切

ローコスト住宅のメリットは、建売住宅よりも間取りや設備などの自由度が高いことです。入居できるまでに時間がかかることがデメリットの一つであり、すぐに入居したい方は建売住宅のほうが向きます。
建売住宅のメリットは、実際に現物を確認してから購入できることです。間取りや設備などを変更できないことがデメリットであり、要望をある程度まで実現させたい方は、ローコスト住宅が向きます。
それぞれのメリットとデメリットを比較検討し、ローコスト住宅と建売住宅のどっちを選ぶかを判断しましょう。ローコスト住宅と建売住宅の違いを正確に理解できれば、自分に合っている住宅を選べます。
監修者:宅地建物取引主任者 浮田 直樹

不動産会社勤務後、株式会社池田建設入社。
いえとち本舗山口の店長を経て、セカンドブランドのi-Style HOUSE山口店店長に就任。
後悔しない家づくりをモットーにお客様の家づくりの悩みを日々解決している。
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擁壁とは?種類や費用、注意点を徹底解説
1 擁壁とは?2 擁壁工事の種類は? 3 擁壁工事の費用や工期は?4 擁壁トラブルやリスクを回避するための注意点5 まとめ 高低差のある土地には斜面が崩れてしまわないように擁壁を設けています。これから新しく家を建てる方の中には新しく擁壁を設けなければいけないケースや、土地や中古住宅を探している方は擁壁付きの物件と出会うかもしれません。この時に擁壁のことを知らないまま購入してしまうと、後々トラブルに発展する可能性がありますので、ちゃんと擁壁のことについて知っておきましょう。擁壁とは? 擁壁とは高低差のある土地にできる斜面が崩れないように設ける壁のことをいいます。高く積まれた土壌は重力により土砂崩れなどを起こす可能性があり、土壌の安息角を超える大きな高低差を設ける際は、土壌の横圧に耐えられるように擁壁を設けて斜面の崩壊を防ぐ必要があります。安息角とは土地や粉粒体を積み上げた時に自発的に崩れず安定を保った時の斜面と水平面の角度のことです。この安息角を超える斜面は土壌が崩れる恐れがあるため擁壁を設けて崩落を防ぐ対応が必要となります。擁壁を設ける際は、土壌の横圧の他に水圧も考慮する必要があり、排水の仕組みがうまく働かないと静水圧が擁壁に影響を与えます。擁壁は土留と呼ばれることもありますが、土留は一時的な構造、擁壁は長期的な構造と区別されているのが一般的です。擁壁が造られるケースは、崖地の崩落を防ぐために造られたり、土地の造成時にできた高低差のために造られてたりします。高低差のある土地に建物を建てる際は、土壌がしっかりと安定した形のまま保たれていなければ、いずれ建物ごと崩れてしまいますので、このような崩落を防ぐために擁壁は造られます。擁壁工事の種類は? 擁壁は大きく区別すると鉄筋コンクリート造、コンクリートブロック、石があります。それでは以下にてどんな擁壁か一つずつお伝えしていきます。コンクリート造擁壁コンクリート擁壁は無筋コンクリートと鉄筋コンクリートに分けられます。二つの違いは名前を見てもわかるとおりコンクリートの中に鉄筋が組まれているか、組まれていないかになり、鉄筋が組まれている方が強度はあります。一般的に用いられるのは鉄筋コンクリート造の擁壁で、構造計算が容易で崖に対して垂直に建てやすい特徴があります。コンクリート造の擁壁の底版には「逆T字型」「L型」「逆L型」「重量式」「もたれ式」などがあり、立地条件に合わせて適切な構造を使い分けていきます。間知ブロック擁壁間知ブロックを用いた擁壁のことを間知ブロック擁壁といい、大きさの揃ったブロックを積んで造られます。間知ブロック擁壁は練積みという工法が用いられ、ブロック裏側をコンクリートで固めたり、割石などを詰めたりします。また、積み方にも水平方向に積む布積みや斜めに積む矢羽積みなどがあります。石積みの擁壁石積みの擁壁には大谷石で作られた「大谷石積み擁壁」と石やコンクリートブロックを積んで造る「空石積み擁壁」があります。コンクリート造や間知ブロックは建築基準法により基準が定められていますが、大谷石積みの場合は現在の基準よりも低いため、もし「大谷石積み擁壁」が残る擁壁の場合は損傷がないか確認する必要があります。「空石積み擁壁」は簡素な造りとなっており、高低差の少ないところに造られます。こちらも現行基準に満たされていないため1.5m以上の高低差に設ける場合は強度の懸念があるため対策が必要です。擁壁のメンテナンスの必要性擁壁の耐用年数は20~50年ほど。鉄筋コンクリート擁壁やコンクリートブロック積み擁壁などコンクリートで作られる擁壁の寿命は50年ほどです。このため経年劣化でそうそう壊れることはありませんが、劣化は進みますので、いずれメンテナンスは必要になります。劣化症状には排水の具合や土や草の詰まり、コケの発生、ひび割れ、膨れ、変形などがあります。擁壁は水が溜まらないように水抜き穴が設けられていますが、この排水の状態は気にかけておくことです。擁壁の表面が湿っていたり、水が染み込んでいたりする場合は、排水がうまくできていない可能性があります。また、水の抜け具合にばらつきがある場合も気をつけましょう。こういった劣化は年数が経つにつれて症状が出てくるため定期的に点検しておくことです。一般の方が劣化しているか判断するのは難易度が高いため、擁壁に変化が見られる場合は専門業者に相談しましょう。また、石積み擁壁は現在のがけ条例の基準を満たしていない可能性があります。もし基準を満たしていない場合は、現在の基準を満たす工事が必要です。工事をするのに申請は必要か高低差2m以上ある土地は自治体が定める条例で擁壁を設けるように義務付けされている傾向にあり、もし自治体が擁壁を設けるように条例で義務付けしている場合は、工事を行うのに申請が必要になります。また、がけ条例の該当要件の範囲については自治体によって詳細は異なるため各自治体に確認を取る必要があります。東京都のがけ条例の場合は、崖から「がけの高さに2をかけた距離」離して家を建てること、崖は擁壁にすることになっています。一般的に申請してから許可が下りるまで一ヶ月前後かかりますので、入居するスケジュールを決めている場合は早めに行動しておく必要があるでしょう。 高さが2mを超える切土の崖を生ずる工事高さが1mを超える盛り土の崖を生ずる工事盛土と切土を同時に行う場合、盛土は1m以下で切土と合わせて2mを超える崖を生ずる工事宅地造成面積500㎡を超える工事(切土、盛土で生じる崖の高さに関係なく)高さ2mを超える擁壁や排水施設の除去を行う宅地造成工事規制区域で上記の工事を行う場合は、各自治体に申請して工事の許可を取る必要があります。また、「急傾斜地崩壊危険区域」に指定されている土地に住宅を建てる場合は申請をして許可を取る必要があります。5m以上の崖高さがあるところは「急傾斜地崩壊危険区域」として各都道府県によって指定されています。「急傾斜地崩壊危険区域」に指定される土地での住宅の建築は、一般的に施主が擁壁工事を行うのではなく、都道府県が崩落防止のために擁壁工事を行います。擁壁工事の費用や工期は? 擁壁の中では鉄筋コンクリート造が高く、無筋コンクリート、ブロック造の順で安くなっていきます。工事費用は立地条件や土地の状態によって変動しますので、一概にいくらと決めることはできませんが、相場としては5〜10万円/㎡が目安となっています。擁壁工事の内容別に費用の目安を以下に記載しましたのでご参考にしてください。 新規擁壁工事:数百万円~数千万円擁壁のやり直し:3~13万円/㎡擁壁の一部修復:1~2万円/㎡擁壁工事の価格変動の要因は施工する土地の地盤が安定しているか、というのが影響します。地盤の緩い土地に擁壁を設ける場合は、より強固に造る必要があり、自然災害の多い地域ではリスクも高いため、強度が一層に求められます。このようなケースだと工事の単価も上がるため、一般的な費用相場では擁壁を作ることができない可能性があります。擁壁工事の費用は立地条件も左右され、工事車両や重機が入れない道路環境の場合は、車両の規模を小さくするか人材を増やす対応が必要となります。車両の規模を小さくするということは、その分搬出・搬入の往復が多くなるため、こちらも費用がかさむ要因となります。また、施工時に出る残土の処分費も土の状態によって価格が変わります。もし汚染されている土の場合は浄化する必要が出てくるため、費用も通常の価格から加算されます。 擁壁工事は補助金や助成金を出している自治体もあります。補助金の対象要件は各自治体によって異なりますので、もし利用する場合は実施されているか確認を取りましょう。要件を満たしているかなどの判断は一般の方で行うのは難易度が高いため専門業者に依頼することをおすすめします。擁壁工事の工期は規模により違いはありますが、規模が小さければ約15日、中規模で約一ヶ月、大規模になりますと約三ヶ月かかります。工期についてはほとんどの業者は工程表を渡してくれると思いますので、工事前に必ず確認をしましょう。擁壁工事の助成金 擁壁工事は高額となりやすい工事なためお金の負担が大きいですが、条件に該当する工事を行う場合は地方自治体が実施する助成金制度を利用することができます。対象要件は各地方自治体に確認する必要がありますが、東京都港区の場合は工事費用1/2(500万円を上限とする)まで助成金を受けることができます。基本的に助成金の利用は施主本人が申請する必要がありますが、委任状を交わせば業者に申請手続きの代行をしてくれることもあります。申請に慣れていない方は戸惑うところも出てくると思いますので、助成金の利用を検討している方は、申請手続きをサポートしてくれるか業者に相談することをおすすめします。擁壁トラブルやリスクを回避するための注意点 擁壁を新しく造る場合や擁壁付きの土地または中古住宅を購入する場合など、擁壁についていくつか注意する点がありますので以下にお伝えするポイントをチェックしておきましょう。擁壁や地盤の状態を確認 擁壁の耐用年数は約20〜50年です。築年数の浅い擁壁なら問題ですが、年数の経っている擁壁の場合は経年劣化を起こしている可能性があるため、クラックがないか、変形がないか、など確認しておくことが重要です。懸念される状態はその他にも、隙間がある、排水気候が設けられていない、水抜き穴の詰まり、擁壁が湿っているなどです。このような状態にある場合、強度の低下や水圧により変形が起きている可能性があります。また、擁壁は地盤の状態により適した強度であるかが判断されます。軟弱な地盤の場合は不動沈下を起こす恐れもありますので、費用はかかりますが地盤調査をしておくとより安心です。擁壁付きの物件は状態によって造り直しが必要になることもあり、トラブルとなってしまう可能性があります。そのため擁壁付きの土地や中古住宅を購入する際は擁壁の状態や年数、地盤の強度を確認しましょう。擁壁と境界のトラブル 隣家との境界に擁壁がある場合もトラブルに発展しやすいため注意が必要です。境界に擁壁がある場合、もし不適格な擁壁だったとすると、この工事費用や責任はどちらが負担するのかが問題となってきます。このようなトラブルは必ずしも擁壁を所有している側が負うのではなく、例えば上側の土に問題があって崩落の危険があるといった場合、上側も負担を負わなければいけない可能性があります。双方に責任が及ぶ場合、修復する費用の割合をどうするかで非常にもつれますので、擁壁が不適格か適合しているか事前に確認しておくことが大切です。まとめ ここまで擁壁とはなにか、修理費用やトラブルなどの注意点についてお伝えしてきました。擁壁は高低差のある土地の斜面の崩落を防ぐために設ける壁状の構造物です。もし、擁壁を新しく造る計画をされている方や擁壁付きの土地または中古住宅の購入を検討されている方は、擁壁の状態や隣家との境界などに注意して工事を進めていくことが大切です。擁壁は専門的な知識と経験が必要ですから、本格的に計画が進む際は専門家に相談することをおすすめします。家づくりは情報収集することが大切です。いえとち本舗は無料で家づくりに役立つ資料を提供しておりますので、これから家を購入しようと考えている方はぜひご利用ください。資料請求はこちらからさらに会員登録をするとVIP会員様限定の間取り集や施工事例、最新の土地情報をお届けいたします。当社は一切押し売りを致しませんので安心してご登録ください。会員登録はこちらから