ブログ/コラム
Blog/Column
建物・家づくり
ツーバイフォー工法とは?メリット・デメリットを初心者にもわかりやすく解説!
![](http://www.housing-system.com/photo/25/column/1960/cl19605_1z.jpg)
家を建てることを検討している方は、「ツーバイフォー」という言葉を耳にすることがあると思います。しかし、ツーバイフォー工法とは何かがわからない方も多いでしょう。家を建てる際は、ツーバイフォー工法に関する理解を深めておくことが大切です。
この記事では、ツーバイフォー工法の特徴やメリット・デメリットなどを初心者にもわかりやすく解説します。ツーバイフォー工法とは何かがわかるようになるでしょう。
目次
1.ツーバイフォー工法とは
1-1.ツーバイフォー工法の特徴
1-2.ツーバイフォー工法の歴史
1-3.ツーバイフォー工法と在来工法の違い
1-4.ツーバイフォー工法とツーバイシックス工法の違い
2.ツーバイフォー工法のメリット
2-1.耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れている
2-2.品質が安定しており強度と耐久性が期待できる
2-3.工期が短く迅速な建設が可能
2-4.施工費用が比較的安価で総工費を抑えられる
3.ツーバイフォー工法のデメリット
3-1.間取りの自由度が一部制限されることがある
3-2.大きな開口部を設けることが難しい
3-3.外観デザインの自由度が低い
3-4.建物内部の音が響きやすい
4.ツーバイフォー工法で家を建てる際のポイント
4-1.ツーバイフォー工法の施工実績が豊富な工務店を選ぶ
4-2.契約書や仕様書をしっかり確認しておく
4-3.建ててからも定期的に点検やメンテナンスを行う
5.ツーバイフォー工法に関するよくある質問
5-1.広いリビングやダイニングを実現できますか?
5-2.ツーバイフォー住宅の寿命は何年ですか?
5-3.工事中に雨に濡れても問題はないのですか?
6.ツーバイフォー工法のメリット・デメリットを理解した上で信頼できる業者を選びましょう
1.ツーバイフォー工法とは
![](http://www.housing-system.com/photo/25/column/1960/cl19605_2z.jpg)
ツーバイフォー工法は、戸建住宅や木造賃貸住宅など、住宅建築において広く用いられている工法です。近年では、高気密高断熱の家や耐震性の高い住宅へのニーズの高まりとともに、日本でも普及が進んでいます。
はじめに、ツーバイフォー工法とは何かについて解説します。
1-1.ツーバイフォー工法の特徴
ツーバイフォー工法とは、北米発祥の木造建築工法の一つです。建築において、2インチ×4インチ(約38mm×89mm)の規格角材を使用することから「ツーバイフォー(2×4)」と呼ばれます。
正式名称は「枠組壁工法」といい、木材の枠組みに合板を張り付け、床・壁・屋根などの面で建物を支えるのが特徴です。垂直方向と水平方向の強度が向上することで、優れた耐震性・耐風性を発揮します。
また、壁内に断熱材を充填し隙間をなくすことで断熱性・気密性にも優れており、快適な室内環境の実現が可能です。さらに、面で炎を跳ね返す耐火構造により防火性能も高く、在来工法(木造軸組工法)とは異なる特徴があります。
1-2.ツーバイフォー工法の歴史
1830年代、アメリカのシカゴで誕生した「バルーンフレーム工法」がツーバイフォー工法のルーツといわれています。バルーンフレームは軽量で強度が高く、簡便に住宅を建設できることで、開拓者たちの住宅建設に広く用いられました。
その後、二度にわたるシカゴ大火 (1871年・1874年) をきっかけに、耐火性の高い建築工法へのニーズが高まり、バルーンフレームを改良したツーバイフォー工法が開発されました。
日本では高度成長期に急激に増加した住宅需要に対応するため、1974年に建築基準法に基づく住宅工法として認定を受けたのがツーバイフォー工法の始まりです。現在では技術開発や研究が進み、より高性能なツーバイフォー住宅が開発されています。
1-3.ツーバイフォー工法と在来工法の違い
ツーバイフォー工法と在来工法は、住宅の建築方法が根本的に異なります。在来工法は「木造軸組工法」とも呼ばれ、柱や梁などの軸組みで建物を支える工法で、軸組みを現場で組み立てるため、職人の技量によって品質が左右されます。
ツーバイフォー工法は工場で部材を製造し現場で組み立てる工法であるため、作業する職人の技量によって品質にばらつきが出にくいことが特徴です。
住宅の建築方法の違いにより、ツーバイフォー工法と在来工法は構造や耐震性・耐風性、断熱性・気密性、工期、建築費用などが異なります。ツーバイフォー工法には耐震性や断熱性などが優れている反面、間取り変更が難しいなどのデメリットも存在します。
どちらが優れているというわけではなく、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の希望に合った工法を選ぶことが大切です。
1-4.ツーバイフォー工法とツーバイシックス工法の違い
ツーバイフォー工法とツーバイシックス(2×6)工法では、建築で使用する木材の規格が異なります。ツーバイフォー工法は柱や梁の木材の規格が「2×4」インチ(約38mm×89mm)であるのに対し、ツーバイシックス工法は「2×6」インチ(約38mm×140mm)と幅が約5cm大きくなっていることが大きな違いです。
ツーバイシックス工法は壁の厚みが約1.6倍になるため、断熱材や気密材をより多く充填でき、断熱性能や気密性能が向上します。ただし、「価格が高くなる」「間取りの自由度が低くなる」というデメリットがあります。
ツーバイフォー工法とツーバイシックス工法は、それぞれ異なる特徴を持つ工法です。どちらが優れているかというのはケースバイケースであり、建築の目的や条件、予算、好みなどを考慮して選択する必要があります。
2.ツーバイフォー工法のメリット
![](http://www.housing-system.com/photo/25/column/1960/cl19605_3z.jpg)
ツーバイフォー工法と在来工法は、それぞれ異なる特性を持つ工法です。住宅建築を検討する際は、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の希望に合った工法を選ぶことが重要です。ここでは、ツーバイフォー工法のメリットを解説します。
2-1.耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れている
耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れていることが、ツーバイフォー工法の大きなメリットです。ツーバイフォー住宅は「面」で構成されており、地震や強風などの外力に対して面全体で力を分散することで、耐震性や強風耐性を高められます。
在来工法でも耐震性や強風耐性を高めることは可能ですが、特別な耐震設計や耐風設計が必要になる場合があります。高度な施工技術も要求され、施工費が高くなることもあるでしょう。ツーバイフォー工法は特別な設計をしなくても、耐震性・耐風性が高い構造になっています。
また、柱と梁の木材の間に断熱材を充填することで気密性・断熱性が高く、石膏ボードで火災の拡大を防げることもメリットです。
2-2.品質が安定しており強度と耐久性が期待できる
ツーバイフォー住宅は、規格化・システム化により品質向上が図られているため、品質が安定しやすいことがメリットです。ツーバイフォー工法においては、建築で使用する木材やその他の建材は工場であらかじめ規格化・システム化して製造されます。
建材の寸法や強度などは工場での生産プロセスにおいて厳密に管理されており、品質のばらつきは少ないです。安定した品質の建材の使用で建物全体の構造的な信頼性が向上し、強度と耐久性も期待できます。
ただし、良質な建材を使用しても、施工技術が低いと強度と耐久性のある住宅は建築できません。ハウスメーカーや工務店の技術力は重要であり、施工実績などを確認し信頼できる業者を選ぶことが大切です。
2-3.工期が短く迅速な建設が可能
ツーバイフォー工法では、建材が工場で準備されているため、現場での組み立て作業を効率的に行えます。これにより、ツーバイフォー工法は在来工法と比べて施工期間が短くなる傾向があります。住宅が早く完成することで仮住居費を削減でき、早めに新生活を始められるでしょう。
施工期間は3~4ヵ月程度で、在来工法と比べると短めです。在来工法では建材の加工や組み立て作業が現場で行われるため、ツーバイフォー工法と比べて施工期間が長くなることがあります。一般的に在来工法だと完成までに約半年間かかります。
ただし、建物の規模や形状、施工業者によって施工期間は大きく異なるため、具体的な工期は個別に確認が必要です。
2-4.施工費用が比較的安価で総工費を抑えられる
ツーバイフォー工法のメリットとして、工期短縮による人件費削減と建材の規格化による材料費削減が挙げられます。ツーバイフォー工法は工期が短いため、職人の人件費を抑えられる可能性があります。また、建材の規格化によって大量生産が可能であり、材料費を抑えられる可能性もあるでしょう。
人件費と材料費の削減によって、施工費用が比較的安価になり、総工費を抑えられます。しかし、これらのメリットは必ずしもすべてのケースで当てはまるわけではありません。
総工費は建築プランの規模や条件、労働市場の状況などによって変動します。住宅建築においては建築プランなどを考慮に入れて、最適な建築手法を選択することが重要です。
3.ツーバイフォー工法のデメリット
![](http://www.housing-system.com/photo/25/column/1960/cl19605_4z.jpg)
ツーバイフォー工法にはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。建築手法を選択する際は、デメリットも知っておくことが大切です。ここでは、ツーバイフォー工法のデメリットを解説します。
3-1.間取りの自由度が一部制限されることがある
在来工法と比較すると、ツーバイフォー工法は間取りの自由度が一部制限される場合があります。理想の間取りがあっても、実現できない可能性があることはツーバイフォー工法のデメリットでしょう。
ツーバイフォー住宅の壁は柱と梁でしっかりと固定されており、面全体で一体化しているのが特徴です。そのため、壁を増減したり位置を変えたりすると、壁面全体で力を分散できなくなります。
間取り変更や大規模なリノベーションは難しく、間取りの自由度を確保したい場合は、設計段階からツーバイフォー工法の制限を考慮する必要があります。工務店や建築士と相談しながら、制限の中で希望の間取りを実現できるプランニングをすることが重要です。
3-2.大きな開口部を設けることが難しい
ツーバイフォー工法では大きな開口部を設けることが難しい場合があります。大きな窓がある住宅を望んでも、実現できない可能性があることはツーバイフォー工法のデメリットです。
ツーバイフォー工法は壁が構造部材として機能するため、壁を大きく抜くと構造強度が低下する可能性があります。大きな開口部を設ける際には、構造強度を確保できる方法を検討しなければなりません。
一方、在来工法は壁に頼らずに建物を支えられるため、壁を大きく抜いても構造強度が低下しにくく、さまざまな開口部を設けられます。
ツーバイフォー工法で大きな開口部を設けるためには、特別な設計や補強材の追加などが必要になる場合があります。建築士や構造設計士など専門家の助言を仰ぎ、適切な補強策や設計を行うことが重要です。
3-3.外観デザインの自由度が低い
ツーバイフォー工法は在来工法と比べると、外観デザインの自由度が低い傾向があります。ツーバイフォー工法は工場で製造したパネルを現場で組み立てて家を建てるため、パネルのサイズや形状によって外観デザインに一定の制限が生じます。
パネルは曲げられないため、なめらかな曲線のある家は作りにくく、理想の外観デザインが実現しないこともあるでしょう。一方、在来工法は内外ともにデザインの自由度は高いです。
ツーバイフォー工法でも、設計や施工に高度な技術が必要になりますが、設計段階で工夫したり、特注パネルを使用したりすることで、希望に近いデザインを実現できる可能性はあります。
ただし、デザインによっては構造上の問題が発生する可能性があるため、デザインと構造の両面でバランスを取りながら、最適な解決策を見いだすことが重要です。
3-4.建物内部の音が響きやすい
ツーバイフォー住宅は建物内部の音が響きやすい傾向があります。ツーバイフォー住宅は気密性が高く、外部からの防音性能は優れている反面、建物内部の音は響きやすいです。壁や床に空洞があることも音が反響する原因になります。
また、1階の天井と2階の床が一体構造になっていることも、音が響きやすい原因のひとつです。2階で床を歩いたり物を落としたりした振動音が直接階下に伝わってしまいます。ツーバイフォー工法で施工する際は、階下への振動音を抑える対策を講じなければなりません。
テレビや音楽などの音が響きやすいという声もあり、吸音材を設置するなどの対策が必要になることがあります。特にツーバイフォー工法で木造賃貸住宅を建築する際は、入居者の騒音トラブルを防ぐための防音対策が必要です。
4.ツーバイフォー工法で家を建てる際のポイント
![](http://www.housing-system.com/photo/25/column/1960/cl19605_5z.jpg)
ツーバイフォー工法で家を建てる際は、業者選びやアフターフォローが重要になってきます。後々のトラブルを避け、建物の耐久性や安全性、住環境の快適性を保つためにも、以下のポイントに留意することが大切です。
4-1.ツーバイフォー工法の施工実績が豊富な工務店を選ぶ
建ててから後悔しないよう、ツーバイフォー工法の施工実績が豊富なハウスメーカーや工務店を選ぶことが大切です。ツーバイフォー工法は在来工法と比べ、品質が職人の技量に左右されにくい傾向があります。しかし、最終的な性能はハウスメーカーや工務店の技術によって決まります。
ツーバイフォー工法は在来工法とは構造や施工方法が異なるため、専門的な知識と技術が必要です。施工実績が豊富なハウスメーカーや工務店はツーバイフォー工法のノウハウを熟知しており、高品質な住宅の建設が期待できます。
過去に建てたツーバイフォー住宅の棟数が多いほど、経験豊富といえます。コーポレートサイトなどで施工実績や評判をじっくりと確認し、信頼できるパートナーを選ぶことが大切です。
4-2.契約書や仕様書をしっかり確認しておく
ハウスメーカーや工務店と工事請負契約を締結する際、契約書や仕様書をしっかり確認することは非常に重要です。契約書には工事の内容や価格、支払い方法、保証内容などが記載されており、これらを確認することで、後々トラブルが起きる可能性を減らせます。
仕様書には使用する材料や設備、工事の品質基準などが記載されており、これらを確認することで、どのような建物が建てられるのか、どのような工事が行われるのかを理解できます。
建設中や完成後に問題が発生することを避けるためにも、契約書や仕様書を入念にチェックすることが必要です。契約書や仕様書は専門用語が多く、内容がわかりにくい場合があります。わからない点があれば、必ずハウスメーカーや工務店に説明を求めましょう。
4-3.建ててからも定期的に点検やメンテナンスを行う
建物の耐久性を維持するためには、建ててからも定期的な点検やメンテナンスが不可欠です。定期的な点検を行うことで問題が早期に発見され、適切な修理や補修が行われることで建物の寿命を延ばせます。
住宅設備や内外装は経年劣化によって性能が低下したり見た目が悪くなったりします。住宅設備は築10~15年、内外装は築15~20年を目安に、交換や張り替え・塗り替えなどのメンテナンスが必要です。これにより、住宅の美観や住環境の快適性を保てます。
点検やメンテナンスは、建物の安全性を確保するためにも重要です。特に、屋根や外壁などの構造部分や電気設備、配管などの設備部分は定期的な点検が欠かせません。問題が放置されると、安全上のリスクが高まる可能性があります。
5.ツーバイフォー工法に関するよくある質問
![](http://www.housing-system.com/photo/25/column/1960/cl19605_6z.jpg)
ツーバイフォー工法に関する疑問やわからない点があれば、業者に質問することが重要です。業者に質問することで、正確な情報や適切なアドバイスが得られます。ここでは、ツーバイフォー工法に関するよくある質問に回答します。
5-1.広いリビングやダイニングを実現できますか?
日本のツーバイフォー工法では、最大72㎡(約21.8坪)までの広々とした空間の設計が構造計算なしで可能です。これは、間口6m×奥行12mの広さに相当し、開放感あふれるリビング・ダイニングや、家族みんながゆったり過ごせる多目的な空間など、さまざまな用途に活用できます。
72㎡の空間は、一般的なマンションのLDKを上回る広さです。ハウスメーカーや工務店のホームページでは、ツーバイフォー工法による広いリビングやダイニングの施工事例を紹介しています。
5-2.ツーバイフォー住宅の寿命は何年ですか?
ツーバイフォー住宅の寿命は約80年といわれています。これはあくまでも目安であり、実際の寿命はさまざまな要因によって大きく左右されます。定期的な点検やメンテナンスは特に重要であり、リフォームをすることで100年以上に寿命を延ばすことは可能です。
定期点検で建物の劣化状況を確認し、劣化が見つかった場合は早めに対処しましょう。適切な換気を行って結露を防いだり、防虫・防カビ対策を行って木材の腐食を防いだりすることでも、住宅の寿命を延ばせます。
5-3.工事中に雨に濡れても問題はないのですか?
工事中に雨に濡れても、速やかに乾かせば問題ありません。ツーバイフォー住宅は構造用製材に含水率19%以下の乾燥材を使用するなど、さまざまな方法で湿気対策を行っています。ただし、長時間濡れたままにしておくと木材が腐朽するリスクが高まるため、注意が必要です。
信頼できるハウスメーカーや工務店は、木材を長時間濡れたままにしておくことはありません。ツーバイフォー住宅を建てる際は信頼できるハウスメーカーや工務店を選び、工事中に木材が長時間濡れることがないように注意しましょう。
6.ツーバイフォー工法のメリット・デメリットを理解した上で信頼できる業者を選びましょう
![](http://www.housing-system.com/photo/25/column/1960/cl19605_7z.jpg)
ツーバイフォー工法は、耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れており、工期が短く迅速な建設が可能です。このようなメリットがある一方で、間取りの自由度が一部制限され、外観デザインの自由度が低いなどのデメリットも存在します。
ツーバイフォー工法と在来工法は、どちらが優れているかというのは一概にいえません。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の希望に合った工法を選ぶことが大切です。
耐久性や安全性、快適性に優れた住宅を建築するには、信頼できるハウスメーカーや工務店の選択が重要になります。ツーバイフォー住宅の施工実績や評判などを確認して、信頼できる業者を選びましょう。
監修者:宅地建物取引主任者 浮田 直樹
![](http://www.housing-system.com/photo/25/column/1960/cl19605_8z.jpg)
不動産会社勤務後、株式会社池田建設入社。
いえとち本舗山口の店長を経て、セカンドブランドのi-Style HOUSE山口店店長に就任。
後悔しない家づくりをモットーにお客様の家づくりの悩みを日々解決している。
関連記事
-
擁壁とは?種類や費用、注意点を徹底解説
住宅や土地については、「擁壁(ようへき)」という構造物が、時として深く関わってきます。今まさに「住宅メーカーから”擁壁工事が必要ですよ”と言われた」、という人も多いのではないでしょうか? しかし擁壁というのは少し専門的なものなので、何のことなのかよく分からない部分もあるはずです。実は擁壁は、意外にもお金や時間がかかるケースもあるので、よく知っておかなければいけません。 本記事では 擁壁の概要や種類、費用や注意点について詳しく解説します。擁壁とは?擁壁工事の種類は?擁壁工事の費用や工期は?擁壁トラブルやリスクを回避するための注意点まとめ擁壁とは?そもそも擁壁とはなんなのか、まずはおさえておきましょう。擁壁とは、一言で言えば「地面の崩壊などを防ぐために作られた、壁状の構造」を指しています。 住宅を建てる土地はかならずしも周囲の地形と同じ高さとは限りません。時には、道路などよりも少しだけ高い位置に建てるケースもあります。 このままだと、隣接する地形と高低差が生まれてしまいますね。そうすると、建物の重量や雨水の水圧などがかかってしまい、盛り立てられた土などは崩壊する可能性が出てくるわけです。もちろん、そんなリスクがある中で建物を建てるわけにはいきません。 それを擁壁で囲ってしまうことで、崩壊、崩落を防ぎます。意外にも擁壁は、とても重要な役割を果たしているのです。擁壁工事の種類は?擁壁工事には、いくつかの種類があります。具体的には、 鉄筋コンクリート造練積みコンクリートブロック石積み の3種類が挙げられるでしょう。より細かく分類することも可能ですが、基本的には上記3種類であると考えて問題ありません。 3種類のうちうち、もっとも用いられる機会が多いのは鉄筋コンクリートの擁壁。鉄筋コンクリートは精密に設計しやすく、耐震性も強い擁壁を作ります。コンクリートの中に鉄筋を埋め込んでいるので、印象としても頑強そうに感じられるはずです。ちなみに鉄筋コンクリートは逆L字・逆T字・L字型があり、土地や周辺の地形を鑑みて常時使い分けられます。 練積みは、コンクリートブロックをいくつも積み上げていく工法ですね。ブロックの隙間にコンクリートを流し込み、擁壁としての強度をもたらします。そのままだと少し殺風景なので、表面にタイルを張り付けるなどして、美観的にもすぐれた擁壁に仕上げることが多い様子。ブロックの形や風合いを変えることで、さらにスタイリッシュな擁壁を作り上げることも可能です。 石積みによる擁壁も、ほとんど同様の工法で構築されるものです。ただしコンクリートブロックではなく、30cmから50cm角に成形された石を使います。見た目には”お城”ような風情を残しつつも、ちゃんと現在の建築基準に沿った強度を確保で絵きるものです。ただし、最近は石積みの擁壁は、あまり進んで採用されない様子。 ちなみにコンクリートブロックと石積みを用いる工法は、鉄筋コンクリート造の擁壁と比較してコストが安くなりやすい傾向にあります。コストのことが気になるなら、鉄筋コンクリート造の擁壁は見送ったほうがよいかもしれませんね。擁壁工事の費用や工期は?擁壁工事の費用と工期は、土地の条件などによって大きく左右されます。1平方メートルあたり3万円から13万円程度。基本的に鉄筋コンクリート造がもっとも高価で、そのあとコンクリートブロック造→石造に続くと考えて問題ありません。いずれにせよ、擁壁工事全体で数百万円程度の費用はかかってくる考えておきましょう 擁壁工事の費用が上下することには、やはり工事そのものの難易度や手間が関係しています。 たとえば、土地周りが急勾配だったりすると、擁壁工事の難易度は跳ね上がるわけです。すると、擁壁工事の費用も高くなってしまう部分があります。 また、目の前に狭い道路がある場合は、工事中には通行制限を実施する場合もあります。となると、当然ながら通行制限に要する人件費などもかかってくるわけです。 その他、現場へのアクセスが悪い周辺道路の道が狭く、何度も資材運搬でトラックを往復させなければいけないその他、建築基準をクリアするために特別な処置が求められる といった要因が絡んでくると、費用は高くなります。できるだけ無理のない擁壁工事を選択して、費用をおさえたいところですね。 ただし分譲地などであれば、あらかじめ土地代に擁壁工事にかかる費用が含まれている場合もあります。その場合は、土地を買ったあとで擁壁工事にかかる費用を支払う必要はないわけです。 また、擁壁工事に対しては自治体から補助金や助成金が支給されるケースもあります。擁壁の種類や工事内容などで条件は定められていますが、もしかしたら支給対象に該当するかもしれません。たとえば東京都世田谷区であれば、条件を満たしていれば工事費用の1/3が、補助金として支給されています。 同様に、籍を置いている自治体でも補助金が制度として存在するかもしれません。擁壁工事を実施する場合は、事前に自治体へ問い合わせておきましょう。担当者などに相談することでも、補助金や助成金の話が聞けるはずです。 また工期の長さについては、やはり一概には断定できない部分があります。ただし目安で言うと、30日か40日くらいはかかると考えましょう。擁壁トラブルやリスクを回避するための注意点擁壁をめぐっては、ときどき大小含むトラブルが起こります。もっとも多いのが、擁壁の補修費用がかかるという問題。特に中古住宅を購入するうえで、この問題が立ちはだかるケースは少なくありません。 いかに頑強な擁壁でも、その耐用年数は30年から50年ほどが限界です。つまり中古住宅を購入する際、すでに擁壁が耐用年数上限近くを迎えている場合があります。すると、擁壁としての役割が果たされない、あるいは建築基準を下回っているといったことが起こり得るわけです。つまり、擁壁があとどれくらい耐用するのか、事前に把握しておかなければいけません。 また、擁壁をめぐって隣家の人と揉めてしまうケースもあります。擁壁があることで、「境界線の認識に相違がある」、「補修するとして、どちらが何割を負担すべきか判然としなくなる」といったトラブルは、決して少なくありません。これについては事前に土地の”境界杭”を参照し、擁壁の位置取りと矛盾していないかチェックするなど、事前段階での調査が求められます。 まとめ擁壁は、普段は街の一風景にしか見えないかもしれません。しかし、擁壁があることで建物の荷重や水圧、あるいは地震による崩壊から、住宅を守ってくています。擁壁は、安心安全な住宅を建てるうえで、とても重要な役割を果たすものです。 擁壁工事が必要であった場合、擁壁の種類や費用、あるいは工期などについて、よく考えておく必要があるでしょう。そして、自治体ごとで存在する補助金や助成金の制度についても、きちんと確認しておく必要があります。 いえとち本舗では、今回お話しした擁壁のように、家づくりにおいて少し専門的な内容もわかりやすく解説しています。ぜひ一度、資料請求、および会員登録をしてみてください。 資料請求する会員登録する
-
おしゃれな”リビング階段”どんなメリット・デメリットがある?【いえとち本舗の新築・山口・宇部・周南・山陽小野田・防府】
みなさんこんにちは!(。・・)ノいえとち本舗山口中央店です! 現在、新築住宅を検討中のみなさん、間取りを考える際に、「リビングに階段を設置したいなぁ」なんて思ったことはございませんか? リビング階段があるお家は「おしゃれ」というイメージを持つ方も多いでしょうし、憧れますよね。(〃'▽'〃) 従来は、玄関の前や廊下に設置していた階段を、“家族が家の中で顔を合わせる機会を増やす“という目的で、あえてリビングに階段を設置するリビング階段ですが、実際にリビング階段のあるお家で暮らすとどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。 “リビング階段”とは、言葉の通り2階建ての住宅のリビングに階段が設置された間取りの事を言います。 先ほども簡単に述べましたが、リビングを通らないと1階から2階へ移動することも、2階から1階へ移動することもできないため、自然と家族と家の中で顔を合わせる機会が増えることが利点とされております。 大きな目的の1つは”家族と顔を合わせる機会を増やすこと”となりますがその他にもメリットがありますので、ご紹介させていただきます。(*´ω`)ノ リビング階段のメリット リビングが広く見える リビング階段にした際、階段がリビングにあることでリビングが広く見えるという効果があります。一般的な階段は廊下や玄関の前にあるので、通常は壁や扉で仕切られていますが、リビング階段は、壁や仕切りなどなく、LDKに設置します。例えば一般的なLDKに2帖分の階段をつけるとすると、視覚的にはさらに2帖分広いLDKになります。 また、リビング階段でもオープンな階段にするか、閉じられた階段にするかでもリビングの広がり方は変わってきます。とくに”オープン階段”、”スケルトン階段”と呼ばれる、踏板の向こうが透けて見えるタイプを選びますと、階段スペースが吹き抜けとなり、空間がより広がるのでリビングが広々と見せることができます。(*゜ー゜) 階段に光をとり入れられる 通常の階段の場合、間取りの関係上、光を取り入れることが難しいことが多いですよね。ですが、リビングに階段があると、リビングの光を取り込みやすく、明るい階段になります。明るい階段になりますと、階段のためにわざわざ照明を設置せずに済むので、節電にもつながります。 リビング階段のデメリット家族とのコミュニケーションがとりやすく、メリットも多いリビング階段ですが、反対にデメリットもあります。 あたたかい空気が上に逃げやすい 皆さんご存知のようにあたたかい空気は上に上がっていく性質があります。そのため、リビング階段の場合、1階も2階も開口されているのであたたかい空気が2階へ抜けやすくなってしまいます。冬ですと、暖房の効率も悪くなってしまう可能性があるため、1階と2階の境界にカーテンなどを設ける方もいらっしゃいます。 来客の際に顔を合わせやすい リビング階段のお家で来客があった際、お客様は必然的にリビングを通ると思います。そうなってくると、部屋着でのんびりしたりすることも少し難しくなってきますよね。 また、リビング階段の家は、リビングでの用事ではないものの、常にリビングをキレイにしておかないといけません。 そのため、家族の中で誰がいつお家に来るか確認しておくことが必要となってきます。休みの日も身だしなみを整えることや、少しゆったりできないことがストレスに感じる方、もしくは、来客があるため少し緊張感があって、メリハリがつくから良いという方、様々いらっしゃると思われます。 リビング階段をご検討中の方は、自分のライフスタイルに合っているかどうか、もう一度よく考えてみることをオススメいたします。 リビング階段でおしゃれなリビングを あたたかい空気が上にいき、リビング階段は寒そうだという印象があると思われます。ですが、冷暖房の効率をよくする対策を上手く組み合わせると居心地の良い空間を作り出せます。広々とした空間に光を取り込み、明るいリビングを実現してみてはいかがでしょうか。(。・o・。)ノ 先ほども述べましたが、リビング階段のお家にはメリット、デメリットそれぞれございます。家を建てた後に後悔しないように、自分のライフスタイルをよく考えてみてください。 山口・周南・山陽小野田・宇部・防府で新築住宅をお考えの方は是非一度、いえとち本舗までお気軽にお問合せください!家族全員が楽しく過ごせるお家づくりを一緒に考えていきましょう。ヾ(・∀・*) 2月15日(土)~21日(金)開催イベント↓【山口市小郡新町】スーパーレアな3LDKの平屋 GRAND OPEN!
-
屋根の種類と特徴を解説!切妻・片流れ・寄棟のどれがおすすめ?
屋根は家の外観を決めるだけでなく、私たちの暮らしにもとても影響してきます。どんなにデザインがいい家でも、屋根から雨漏りしてしまってはせっかくの新しい生活も気持ちよくできませんよね。しかし、屋根の種類もたくさんあってどれが正解かわからないかもしれません。今回はこれから家を建てる方やリフォームを考えている方に屋根の種類と特徴などをお伝えしていきます。 屋根の種類とメリット・デメリット屋根の形状にも複数の種類があります。ここでは一般的に用いられている屋根の種類の特徴についてお伝えします。 切妻屋根切妻屋根は、屋根の面が2面で構成され、屋根の頭頂部は棟があります。切妻屋根は一般的な屋根として用いられることが多く、外観や構成がシンプルで問題の少ない特徴があります。屋根構成がシンプルで材料の調整も少ないため費用を抑えられ、工事期間も比較的に短いです。屋根の施工や劣化状態によって変わりますので雨漏りが起きにくいかというと一概には言えませんが、シンプルな構成ですのでトラブルは起きにくいでしょう。また、棟が大棟のみのため、寄棟屋根と比べて棟板金が飛ばされてしまう被害は少ないかもしれません。 【メリット】工事費用・工事期間を抑えられるリフォーム費用が経済的太陽光パネルの設置面積が確保しやすい棟を換気棟にすることで屋根に溜まる湿気の対策ができる棟板金のトラブルが少ない 【デメリット】ケラバ(正面から見て三角となっている方向)側の外壁と破風板の劣化がある屋根のデザインに個性を感じない 寄棟屋根寄棟屋根も現在の住宅では一般的に採用されている屋根の形です。屋根の面が4面、棟も複数あり頭頂部が大棟、屋根面が互いに接して隅に向かって傾斜する箇所を隅棟といいます。屋根が多面となっているため、屋根に受ける雨や風、雪が分散し耐久性が高いといわれています。また、軒先全体に雨樋を設置しているので雨量が多くてもトラブルは少ないいでしょう。屋根の傾斜が下がったところで、互いの屋根が接している箇所を谷といいます。名前の通り屋根が谷のようになっているため、谷のある寄棟屋根はそこに水が流れていき雨漏りを引き起こす問題があります。 【メリット】軒の出を大きくすれば外壁の劣化を抑えられる屋根面が多いため風・雨・雪を分散させ耐久性が高い和風・洋風のどちらの家にも対応できる外観 【デメリット】棟の部材が多いため強風により飛ばされてしまうリスクがある棟の板金加工や屋根材の加工調整など手間がかかり切妻屋根よりも費用は高い谷があると雨漏りのリスクが高くなる太陽光パネルの設置面積の確保が少ない雨樋の設置量が多い 片流れ屋根片流れ屋根は、屋根面が1面のみでつくられる屋根の形です。片方の傾斜のみで構成されるシンプルでスタイリッシュなデザインとなっています。最近の住宅に採用されることが多く人気の屋根の種類といえるでしょう。片流れは屋根面を1面にすることで、居住空間を最大限広げることが可能です。太陽光パネルの設置の確保がしやすく、コストも安価に抑えやすい特徴があります。 【メリット】コストが安価太陽光パネルの設置の確保がしやすい高い位置に窓を設置できるモダンなデザインで個性的棟のトラブルが少ない 【デメリット】雨樋が受ける雨の量が多いケラバ側の外壁の劣化が早い方角を考慮して設計しないと日照に問題が起きる壁面からの雨漏りのリスクが高い棟換気の設置ができないため換気計画が必要 陸屋根陸屋根は屋根が水平になっていて、バルコニーのように平らな仕上げとなっています。一般的に鉄筋コンクリート造や鉄骨造に採用される屋根の種類で、水を染み込みやすい木造住宅には適しません。水平な屋根面は屋上スペースとしてガーデニングやバーベキューなどの活用ができ、外観もモダンな印象を与えます。屋根面は防水処理がされていて多少勾配をつけていますが、ほぼ水平ですので水の流れは良くありません。定期的なメンテナンスを行わないと劣化して雨漏りするので注意が必要です。 【メリット】モダンなデザインで洗練された印象を与える屋上スペースとして活用できる風の影響が少ない 【デメリット】防水面が劣化し適切なメンテナンスを行わないと雨漏りする落ち葉などが流れていかないため排水口にゴミが溜まりやすい屋根面が水平なため雪が落ちていかない太陽光パネルを設置するときは角度をつけて設置しなければいけない 雨漏りに注意する屋根一番大切にしなければいけないのが雨漏りしない屋根であることです。では、雨漏りしない屋根とは何かということになりますが、どの屋根も一長一短あり、必ず雨漏りしないという屋根はありません。しかし、雨漏りのリスクを避けるために注意する屋根の形はあります。雨漏りのリスクが高くなる屋根の形とは下記のことがあげられます。 軒先の出がない谷がある下屋と外壁の取り合い部(雨押え板金の箇所)の処理が甘い防水シート(ルーフィング)の施工が適切ではないコーキング処理が適切ではない 当然のことですが、水の流れが悪い屋根や水が溜まりやすい屋根は雨漏りのリスクが高くなります。最初は雨漏りがしていなくても、その分雨の影響を受けやすい状態には変わりませんので劣化が他の箇所よりも早くなります。また、屋根から雨漏りしないのは防水シートが敷かれているためで、防水シートの施工が適切でなかったり、防水シートが劣化していたりすると雨漏りが発生しますので注意しましょう。 屋根は片流れがおすすめ片流れ屋根はデザイン性の高さとコストを抑えられることから、新築住宅に人気です。外観だけでなく、片流れ屋根は優れた内観をデザインするのにも適しています。片流れ屋根は1面のみの傾斜で構成されているため、室内は高さを活かした空間をつくることができます。高い位置に窓を設けて光を取り入れたり、ロフトを設けたりすることもでき、さらに天井の高いリビングを計画することも可能です。片流れ屋根は、コストを抑えながらも室内空間をデザインする幅が広くなるのでおすすめの屋根の形です。 まとめ ここまで屋根の種類についてお伝えしてきました。屋根の形も複数あり、メリット・デメリットはそれぞれの屋根にあります。屋根で大切なことは雨漏りしないことです。雨漏りしやすい屋根の特徴は水が流れにくく、雨が溜まりやすい構造になっています。さらに雨漏りは屋根の状態にも影響しますので、メンテナンス性も考慮することをおすすめします。また、外観だけにとらわれずに、屋根の形によって室内空間も影響してくることを押さえておきましょう。ほとんどの方は家を建てるのが初めてという方ではないでしょうか。家づくりでわからないことは専門家に相談したり、資料をもらって情報収集したりすることが大切です。いえとち本舗は簡単に家づくりが分かる資料などを無料で提供しています。また、会員登録することで、数千種類の中から厳選した間取りを閲覧することができます。もし、ご興味がありましたら下記のページをご利用してみてはいかがでしょうか。資料請求はこちら会員登録はこちら