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ツーバイフォー工法とは?メリット・デメリットを初心者にもわかりやすく解説!

家を建てることを検討している方は、「ツーバイフォー」という言葉を耳にすることがあると思います。しかし、ツーバイフォー工法とは何かがわからない方も多いでしょう。家を建てる際は、ツーバイフォー工法に関する理解を深めておくことが大切です。
この記事では、ツーバイフォー工法の特徴やメリット・デメリットなどを初心者にもわかりやすく解説します。ツーバイフォー工法とは何かがわかるようになるでしょう。
目次
1.ツーバイフォー工法とは
1-1.ツーバイフォー工法の特徴
1-2.ツーバイフォー工法の歴史
1-3.ツーバイフォー工法と在来工法の違い
1-4.ツーバイフォー工法とツーバイシックス工法の違い
2.ツーバイフォー工法のメリット
2-1.耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れている
2-2.品質が安定しており強度と耐久性が期待できる
2-3.工期が短く迅速な建設が可能
2-4.施工費用が比較的安価で総工費を抑えられる
3.ツーバイフォー工法のデメリット
3-1.間取りの自由度が一部制限されることがある
3-2.大きな開口部を設けることが難しい
3-3.外観デザインの自由度が低い
3-4.建物内部の音が響きやすい
4.ツーバイフォー工法で家を建てる際のポイント
4-1.ツーバイフォー工法の施工実績が豊富な工務店を選ぶ
4-2.契約書や仕様書をしっかり確認しておく
4-3.建ててからも定期的に点検やメンテナンスを行う
5.ツーバイフォー工法に関するよくある質問
5-1.広いリビングやダイニングを実現できますか?
5-2.ツーバイフォー住宅の寿命は何年ですか?
5-3.工事中に雨に濡れても問題はないのですか?
6.ツーバイフォー工法のメリット・デメリットを理解した上で信頼できる業者を選びましょう
1.ツーバイフォー工法とは

ツーバイフォー工法は、戸建住宅や木造賃貸住宅など、住宅建築において広く用いられている工法です。近年では、高気密高断熱の家や耐震性の高い住宅へのニーズの高まりとともに、日本でも普及が進んでいます。
はじめに、ツーバイフォー工法とは何かについて解説します。
1-1.ツーバイフォー工法の特徴
ツーバイフォー工法とは、北米発祥の木造建築工法の一つです。建築において、2インチ×4インチ(約38mm×89mm)の規格角材を使用することから「ツーバイフォー(2×4)」と呼ばれます。
正式名称は「枠組壁工法」といい、木材の枠組みに合板を張り付け、床・壁・屋根などの面で建物を支えるのが特徴です。垂直方向と水平方向の強度が向上することで、優れた耐震性・耐風性を発揮します。
また、壁内に断熱材を充填し隙間をなくすことで断熱性・気密性にも優れており、快適な室内環境の実現が可能です。さらに、面で炎を跳ね返す耐火構造により防火性能も高く、在来工法(木造軸組工法)とは異なる特徴があります。
1-2.ツーバイフォー工法の歴史
1830年代、アメリカのシカゴで誕生した「バルーンフレーム工法」がツーバイフォー工法のルーツといわれています。バルーンフレームは軽量で強度が高く、簡便に住宅を建設できることで、開拓者たちの住宅建設に広く用いられました。
その後、二度にわたるシカゴ大火 (1871年・1874年) をきっかけに、耐火性の高い建築工法へのニーズが高まり、バルーンフレームを改良したツーバイフォー工法が開発されました。
日本では高度成長期に急激に増加した住宅需要に対応するため、1974年に建築基準法に基づく住宅工法として認定を受けたのがツーバイフォー工法の始まりです。現在では技術開発や研究が進み、より高性能なツーバイフォー住宅が開発されています。
1-3.ツーバイフォー工法と在来工法の違い
ツーバイフォー工法と在来工法は、住宅の建築方法が根本的に異なります。在来工法は「木造軸組工法」とも呼ばれ、柱や梁などの軸組みで建物を支える工法で、軸組みを現場で組み立てるため、職人の技量によって品質が左右されます。
ツーバイフォー工法は工場で部材を製造し現場で組み立てる工法であるため、作業する職人の技量によって品質にばらつきが出にくいことが特徴です。
住宅の建築方法の違いにより、ツーバイフォー工法と在来工法は構造や耐震性・耐風性、断熱性・気密性、工期、建築費用などが異なります。ツーバイフォー工法には耐震性や断熱性などが優れている反面、間取り変更が難しいなどのデメリットも存在します。
どちらが優れているというわけではなく、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の希望に合った工法を選ぶことが大切です。
1-4.ツーバイフォー工法とツーバイシックス工法の違い
ツーバイフォー工法とツーバイシックス(2×6)工法では、建築で使用する木材の規格が異なります。ツーバイフォー工法は柱や梁の木材の規格が「2×4」インチ(約38mm×89mm)であるのに対し、ツーバイシックス工法は「2×6」インチ(約38mm×140mm)と幅が約5cm大きくなっていることが大きな違いです。
ツーバイシックス工法は壁の厚みが約1.6倍になるため、断熱材や気密材をより多く充填でき、断熱性能や気密性能が向上します。ただし、「価格が高くなる」「間取りの自由度が低くなる」というデメリットがあります。
ツーバイフォー工法とツーバイシックス工法は、それぞれ異なる特徴を持つ工法です。どちらが優れているかというのはケースバイケースであり、建築の目的や条件、予算、好みなどを考慮して選択する必要があります。
2.ツーバイフォー工法のメリット

ツーバイフォー工法と在来工法は、それぞれ異なる特性を持つ工法です。住宅建築を検討する際は、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の希望に合った工法を選ぶことが重要です。ここでは、ツーバイフォー工法のメリットを解説します。
2-1.耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れている
耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れていることが、ツーバイフォー工法の大きなメリットです。ツーバイフォー住宅は「面」で構成されており、地震や強風などの外力に対して面全体で力を分散することで、耐震性や強風耐性を高められます。
在来工法でも耐震性や強風耐性を高めることは可能ですが、特別な耐震設計や耐風設計が必要になる場合があります。高度な施工技術も要求され、施工費が高くなることもあるでしょう。ツーバイフォー工法は特別な設計をしなくても、耐震性・耐風性が高い構造になっています。
また、柱と梁の木材の間に断熱材を充填することで気密性・断熱性が高く、石膏ボードで火災の拡大を防げることもメリットです。
2-2.品質が安定しており強度と耐久性が期待できる
ツーバイフォー住宅は、規格化・システム化により品質向上が図られているため、品質が安定しやすいことがメリットです。ツーバイフォー工法においては、建築で使用する木材やその他の建材は工場であらかじめ規格化・システム化して製造されます。
建材の寸法や強度などは工場での生産プロセスにおいて厳密に管理されており、品質のばらつきは少ないです。安定した品質の建材の使用で建物全体の構造的な信頼性が向上し、強度と耐久性も期待できます。
ただし、良質な建材を使用しても、施工技術が低いと強度と耐久性のある住宅は建築できません。ハウスメーカーや工務店の技術力は重要であり、施工実績などを確認し信頼できる業者を選ぶことが大切です。
2-3.工期が短く迅速な建設が可能
ツーバイフォー工法では、建材が工場で準備されているため、現場での組み立て作業を効率的に行えます。これにより、ツーバイフォー工法は在来工法と比べて施工期間が短くなる傾向があります。住宅が早く完成することで仮住居費を削減でき、早めに新生活を始められるでしょう。
施工期間は3~4ヵ月程度で、在来工法と比べると短めです。在来工法では建材の加工や組み立て作業が現場で行われるため、ツーバイフォー工法と比べて施工期間が長くなることがあります。一般的に在来工法だと完成までに約半年間かかります。
ただし、建物の規模や形状、施工業者によって施工期間は大きく異なるため、具体的な工期は個別に確認が必要です。
2-4.施工費用が比較的安価で総工費を抑えられる
ツーバイフォー工法のメリットとして、工期短縮による人件費削減と建材の規格化による材料費削減が挙げられます。ツーバイフォー工法は工期が短いため、職人の人件費を抑えられる可能性があります。また、建材の規格化によって大量生産が可能であり、材料費を抑えられる可能性もあるでしょう。
人件費と材料費の削減によって、施工費用が比較的安価になり、総工費を抑えられます。しかし、これらのメリットは必ずしもすべてのケースで当てはまるわけではありません。
総工費は建築プランの規模や条件、労働市場の状況などによって変動します。住宅建築においては建築プランなどを考慮に入れて、最適な建築手法を選択することが重要です。
3.ツーバイフォー工法のデメリット

ツーバイフォー工法にはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。建築手法を選択する際は、デメリットも知っておくことが大切です。ここでは、ツーバイフォー工法のデメリットを解説します。
3-1.間取りの自由度が一部制限されることがある
在来工法と比較すると、ツーバイフォー工法は間取りの自由度が一部制限される場合があります。理想の間取りがあっても、実現できない可能性があることはツーバイフォー工法のデメリットでしょう。
ツーバイフォー住宅の壁は柱と梁でしっかりと固定されており、面全体で一体化しているのが特徴です。そのため、壁を増減したり位置を変えたりすると、壁面全体で力を分散できなくなります。
間取り変更や大規模なリノベーションは難しく、間取りの自由度を確保したい場合は、設計段階からツーバイフォー工法の制限を考慮する必要があります。工務店や建築士と相談しながら、制限の中で希望の間取りを実現できるプランニングをすることが重要です。
3-2.大きな開口部を設けることが難しい
ツーバイフォー工法では大きな開口部を設けることが難しい場合があります。大きな窓がある住宅を望んでも、実現できない可能性があることはツーバイフォー工法のデメリットです。
ツーバイフォー工法は壁が構造部材として機能するため、壁を大きく抜くと構造強度が低下する可能性があります。大きな開口部を設ける際には、構造強度を確保できる方法を検討しなければなりません。
一方、在来工法は壁に頼らずに建物を支えられるため、壁を大きく抜いても構造強度が低下しにくく、さまざまな開口部を設けられます。
ツーバイフォー工法で大きな開口部を設けるためには、特別な設計や補強材の追加などが必要になる場合があります。建築士や構造設計士など専門家の助言を仰ぎ、適切な補強策や設計を行うことが重要です。
3-3.外観デザインの自由度が低い
ツーバイフォー工法は在来工法と比べると、外観デザインの自由度が低い傾向があります。ツーバイフォー工法は工場で製造したパネルを現場で組み立てて家を建てるため、パネルのサイズや形状によって外観デザインに一定の制限が生じます。
パネルは曲げられないため、なめらかな曲線のある家は作りにくく、理想の外観デザインが実現しないこともあるでしょう。一方、在来工法は内外ともにデザインの自由度は高いです。
ツーバイフォー工法でも、設計や施工に高度な技術が必要になりますが、設計段階で工夫したり、特注パネルを使用したりすることで、希望に近いデザインを実現できる可能性はあります。
ただし、デザインによっては構造上の問題が発生する可能性があるため、デザインと構造の両面でバランスを取りながら、最適な解決策を見いだすことが重要です。
3-4.建物内部の音が響きやすい
ツーバイフォー住宅は建物内部の音が響きやすい傾向があります。ツーバイフォー住宅は気密性が高く、外部からの防音性能は優れている反面、建物内部の音は響きやすいです。壁や床に空洞があることも音が反響する原因になります。
また、1階の天井と2階の床が一体構造になっていることも、音が響きやすい原因のひとつです。2階で床を歩いたり物を落としたりした振動音が直接階下に伝わってしまいます。ツーバイフォー工法で施工する際は、階下への振動音を抑える対策を講じなければなりません。
テレビや音楽などの音が響きやすいという声もあり、吸音材を設置するなどの対策が必要になることがあります。特にツーバイフォー工法で木造賃貸住宅を建築する際は、入居者の騒音トラブルを防ぐための防音対策が必要です。
4.ツーバイフォー工法で家を建てる際のポイント

ツーバイフォー工法で家を建てる際は、業者選びやアフターフォローが重要になってきます。後々のトラブルを避け、建物の耐久性や安全性、住環境の快適性を保つためにも、以下のポイントに留意することが大切です。
4-1.ツーバイフォー工法の施工実績が豊富な工務店を選ぶ
建ててから後悔しないよう、ツーバイフォー工法の施工実績が豊富なハウスメーカーや工務店を選ぶことが大切です。ツーバイフォー工法は在来工法と比べ、品質が職人の技量に左右されにくい傾向があります。しかし、最終的な性能はハウスメーカーや工務店の技術によって決まります。
ツーバイフォー工法は在来工法とは構造や施工方法が異なるため、専門的な知識と技術が必要です。施工実績が豊富なハウスメーカーや工務店はツーバイフォー工法のノウハウを熟知しており、高品質な住宅の建設が期待できます。
過去に建てたツーバイフォー住宅の棟数が多いほど、経験豊富といえます。コーポレートサイトなどで施工実績や評判をじっくりと確認し、信頼できるパートナーを選ぶことが大切です。
4-2.契約書や仕様書をしっかり確認しておく
ハウスメーカーや工務店と工事請負契約を締結する際、契約書や仕様書をしっかり確認することは非常に重要です。契約書には工事の内容や価格、支払い方法、保証内容などが記載されており、これらを確認することで、後々トラブルが起きる可能性を減らせます。
仕様書には使用する材料や設備、工事の品質基準などが記載されており、これらを確認することで、どのような建物が建てられるのか、どのような工事が行われるのかを理解できます。
建設中や完成後に問題が発生することを避けるためにも、契約書や仕様書を入念にチェックすることが必要です。契約書や仕様書は専門用語が多く、内容がわかりにくい場合があります。わからない点があれば、必ずハウスメーカーや工務店に説明を求めましょう。
4-3.建ててからも定期的に点検やメンテナンスを行う
建物の耐久性を維持するためには、建ててからも定期的な点検やメンテナンスが不可欠です。定期的な点検を行うことで問題が早期に発見され、適切な修理や補修が行われることで建物の寿命を延ばせます。
住宅設備や内外装は経年劣化によって性能が低下したり見た目が悪くなったりします。住宅設備は築10~15年、内外装は築15~20年を目安に、交換や張り替え・塗り替えなどのメンテナンスが必要です。これにより、住宅の美観や住環境の快適性を保てます。
点検やメンテナンスは、建物の安全性を確保するためにも重要です。特に、屋根や外壁などの構造部分や電気設備、配管などの設備部分は定期的な点検が欠かせません。問題が放置されると、安全上のリスクが高まる可能性があります。
5.ツーバイフォー工法に関するよくある質問

ツーバイフォー工法に関する疑問やわからない点があれば、業者に質問することが重要です。業者に質問することで、正確な情報や適切なアドバイスが得られます。ここでは、ツーバイフォー工法に関するよくある質問に回答します。
5-1.広いリビングやダイニングを実現できますか?
日本のツーバイフォー工法では、最大72㎡(約21.8坪)までの広々とした空間の設計が構造計算なしで可能です。これは、間口6m×奥行12mの広さに相当し、開放感あふれるリビング・ダイニングや、家族みんながゆったり過ごせる多目的な空間など、さまざまな用途に活用できます。
72㎡の空間は、一般的なマンションのLDKを上回る広さです。ハウスメーカーや工務店のホームページでは、ツーバイフォー工法による広いリビングやダイニングの施工事例を紹介しています。
5-2.ツーバイフォー住宅の寿命は何年ですか?
ツーバイフォー住宅の寿命は約80年といわれています。これはあくまでも目安であり、実際の寿命はさまざまな要因によって大きく左右されます。定期的な点検やメンテナンスは特に重要であり、リフォームをすることで100年以上に寿命を延ばすことは可能です。
定期点検で建物の劣化状況を確認し、劣化が見つかった場合は早めに対処しましょう。適切な換気を行って結露を防いだり、防虫・防カビ対策を行って木材の腐食を防いだりすることでも、住宅の寿命を延ばせます。
5-3.工事中に雨に濡れても問題はないのですか?
工事中に雨に濡れても、速やかに乾かせば問題ありません。ツーバイフォー住宅は構造用製材に含水率19%以下の乾燥材を使用するなど、さまざまな方法で湿気対策を行っています。ただし、長時間濡れたままにしておくと木材が腐朽するリスクが高まるため、注意が必要です。
信頼できるハウスメーカーや工務店は、木材を長時間濡れたままにしておくことはありません。ツーバイフォー住宅を建てる際は信頼できるハウスメーカーや工務店を選び、工事中に木材が長時間濡れることがないように注意しましょう。
6.ツーバイフォー工法のメリット・デメリットを理解した上で信頼できる業者を選びましょう

ツーバイフォー工法は、耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れており、工期が短く迅速な建設が可能です。このようなメリットがある一方で、間取りの自由度が一部制限され、外観デザインの自由度が低いなどのデメリットも存在します。
ツーバイフォー工法と在来工法は、どちらが優れているかというのは一概にいえません。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の希望に合った工法を選ぶことが大切です。
耐久性や安全性、快適性に優れた住宅を建築するには、信頼できるハウスメーカーや工務店の選択が重要になります。ツーバイフォー住宅の施工実績や評判などを確認して、信頼できる業者を選びましょう。
監修者:宅地建物取引主任者 浮田 直樹

不動産会社勤務後、株式会社池田建設入社。
いえとち本舗山口の店長を経て、セカンドブランドのi-Style HOUSE山口店店長に就任。
後悔しない家づくりをモットーにお客様の家づくりの悩みを日々解決している。
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2019年9月に日本生活協同組合連合会が実施した「電気・ガス料金調査」においても、一戸建ては集合住宅よりも使用量・料金ともに高いという結果になっています。 同調査によると、一戸建ての1ヵ月当たりの電気料金は平均8,546円で、集合住宅の6,477円と比べると2,000円以上高いです。 出典:日本生活協同組合連合会「電気・ガス料金調査」 2-2.契約アンペア数が大きい電気代は契約アンペア数によって基本料金が変わり、一般的に一戸建てはマンションよりも契約アンペアが大きくなる傾向があります。 一戸建てはマンションよりも電気使用量が大きくなる傾向があるため、マンションよりも高めのアンペア数での契約が必要です。アンペア数が低いと、一度に多くの電気を使用するとブレーカーが落ちてしまいます。 東京電力の場合、30アンペアの基本料金は885.72円/月、60アンペアの基本料金は1,771.44円/月です。 出典:東京電力エナジーパートナー「ご契約アンペアの選び方」 電気代は基本料金と使用料、その他の料金(燃料費調整と再エネ発電賦課金)を加えた金額になるため、基本料金が高くなると電気代も高くなります。 2-3.気密性・断熱性が低い一戸建てはマンションと比べて壁や天井、床などの構造が複雑で、隙間ができやすい傾向があり、冷暖房の効率が落ちてしまいます。 また、一戸建ては外部との接点が多く、屋根や外壁は直射日光にさらされ、室内は外気温の影響を強く受けます。猛暑日などに室温を適正に保つにはエアコンをフル稼働しなければならず、電気代は高くなりがちです。ただし、一戸建てでも高性能な断熱材を使用することで、高い気密性と断熱性を実現している住宅も増えています。気密性と断熱性を高めることで冷暖房の効率が良くなり、光熱費の節約につながります。 3.水道光熱費の平均額 家計を節約するには、水道光熱費の平均額を把握しておくことが大切です。ここでは、世帯人員別・地域別の水道光熱費の平均相場をご紹介します。なお、一戸建て・マンション別のデータはなく、あくまでも水道光熱費の平均額です。 3-1.世帯人員別の水道光熱費の平均額総務省統計局のデータを基に、一般社団法人エネルギー情報センターが運営する新電力ネットが算定した世帯人数別の水道光熱費の平均額(電気代・ガス代・他の光熱・上下水道代)は以下のようになります。 世帯人数1ヵ月あたりの水道光熱費の平均額単身11,847円2人家族19,607円3人家族22,834円4人家族23,764円5人家族25,751円6人家族以上 32,652円 出典:新電力ネット「電気・ガス・水道料金の平均目安」 上記のデータから、世帯人数が増えるほど水道光熱費の平均額も増えることがわかります。単身世帯と2人家族の差額は7,760円、2人家族と3人家族の差額は3,227円、3人世帯と4人世帯の差額は930円です。 単身世帯と2人家族では水道光熱費に大きな差がありますが、世帯の構成人員が2人以上になると、大きな増加は見られません。これは、電気代やガス代がかかるエアコンやキッチン、お風呂などを家族全員で共有することで、個々の使用量が分散されるためです。 ただし、家庭ごとに状況は異なり、省エネ対策や設備の違いによっても差が生じることに留意する必要があります。 3-2.地域別の水道光熱費の平均額総務省統計局のデータを基に、新電力ネットが算定した地域別の水道光熱費の平均額(電気代・ガス代・他の光熱・上下水道代)は以下のようになります。 地域1ヵ月あたりの水道光熱費の平均額北海道地方23,465円東北地方22,404円関東地方18,091円北陸地方22,471円東海地方18,196円近畿地方 17,765円中国地方17,845円四国地方19,409円九州地方17,135円沖縄地方16,750円 出典:新電力ネット「電気・ガス・水道料金の平均目安」 最も水道光熱費が高いのは北海道地方で、水道光熱費の平均額は23,465円です。2番目に高いのは北陸地方で22,471円、3番目は東北地方の22,404円となります。豪雪地帯になるほど水道光熱費が高くなることがわかります。 最も水道光熱費が安いのは沖縄地方で、水道光熱費の平均額は16,750円です。北海道地方との水道光熱費の差額は6,715円になります。沖縄地方は本土と比べると冬は暖かく、冬場のエネルギー消費量を低く抑えられるため、水道光熱費が低めになることがわかります。 3-3.2023年に電気代やガス代が値上がりしている理由電気代やガス代は、新型コロナウイルス感染症パンデミックやロシアによるウクライナ侵攻、円安などの影響を受け、2021年4月頃から値上がり傾向にあります。これは、原油や天然ガスなどの輸入価格が上昇し、電気代とガス代の原料費調整額が上昇したためです。 政府与党の公明党が実施した調査によると、東京ガスを使用している標準家庭のガス料金は2022年1月から2023年1月の1年間で約37%値上がりしています。 出典:公明党「暮らしの安全」 電気代は、2023年6月1日に大手電力会社7社は値上げを実施しましたが、経済産業省は「電気・ガス価格激変緩和対策」を実施しており、政府による「激変緩和措置」により値上げの影響は抑えられています。 激変緩和措置は2024年4月末まで延長されたものの、2024年5月からは激変緩和の幅を縮小する方針です。今後の電気代やガス代の値動きについては、原油やLNGなどの燃料価格や円相場の状況、国の政策などによって変わってきます。 4.一戸建ての光熱費を低く抑える方法 一戸建ての光熱費はマンションよりも高めになる傾向があり、電気代やガス代も値上がり傾向にあります。家計の負担を軽減するには、光熱費の節約が必要です。ここでは、一戸建ての光熱費を低く抑える方法を解説します。 4-1.冷暖房の効率を上げる冷暖房の効率を上げると、光熱費の節約につながります。冷暖房の効率を上げるには、住宅の気密性と断熱性を高め、エネルギー効率の高い機器の使用が有効な方法です。 窓は建物の外部と内部を結ぶ接点であり、外気が入り込んだり室内の熱や冷気が逃げたりします。窓に断熱シートを貼ると断熱性が高まり、冷暖房の効率が上がります。遮光カーテンの使用や二重窓の導入、Low-Eガラス(エコガラス)の使用も気密性と断熱性を高めるのに有効です。 また、古いタイプのエアコンは省エネ性能が低いため、最新の機種に買い替えることも冷暖房の効率を上げることにつながります。フィルターの掃除や適切な温度設定、サーキュレーターの併用なども、冷暖房の効率を上げる方法の一つです。 4-2.電力会社やガス会社を乗り換える電力会社やガス会社を乗り換えることで、光熱費を削減できる可能性があります。エネルギー市場は電力自由化によって市場が開放されており、数多くの企業が参入し、価格競争が行われています。 現在の電力やガスの契約内容と料金を確認し、他の会社が提供するプランと比較すると、より良い条件での契約が可能です。これにより、光熱費の節約につながります。賃貸の一戸建てであっても、電力会社を変える際には基本的に家主の許可は必要ありません。 なお、電力会社やガス会社を乗り換える際は、契約条件や違約金などの確認が大切です。しっかり確認していないと節電につながらなかったり、違約金を請求されたりすることがあります。 倒産や事業停止することもあるため、経営の安定面なども調査し、時間に余裕を持って入念に検討しましょう。 4-3.電気やガスの使用量を減らす電気やガスの使用量を減らすことは、光熱費の節約に直結します。使用量を減らすには、電気のつけっぱなしはしないなど、日頃から節約を意識することが大切です。 お風呂の追い焚きの回数を減らしたり、電子レンジを使った調理を取り入れたりすることで電気代やガス代を節約できます。また、冷暖房の設定温度を適切に管理し、不要なときには電源を切るなどして、無駄なエネルギー使用を避けることが重要です。 照明をLEDに切り替えたり、洗濯機や乾燥機、冷蔵庫の使い方を見直したりするなど、節電の方法は数多くあります。なお、電気やガスの使用量を減らすことで、環境への負荷の軽減にもつながります。環境に配慮した生活を送るためにも、電気やガスの使用量を減らすことは重要なことです。 5.エネルギー消費量を抑えられる省エネ住宅 エネルギー消費量を抑えることは光熱費の節約につながります。「省エネ住宅」という言葉は社会に定着していますが、具体的にはどのような住宅なのかがわからない方も多いでしょう。ここでは、エネルギー消費量を抑えられる省エネ住宅(省エネルギー住宅)を解説します。 5-1.省エネ住宅とは?省エネ住宅とは、一定の性能基準を満たした省エネ性能が高い住宅を指します。エネルギーの使用量を最小限に抑え、快適で健康的な住環境を提供するために設計されていることが特徴です。 家庭においては冷暖房がエネルギー消費の30%を占めており、省エネ住宅は冷暖房を効率化することでエネルギー消費量を抑えます。また、断熱性を高め日射遮蔽をすることで、冬は暖かく夏は涼しくなり、快適で健康的な住環境を実現します。 住宅のエネルギーコストを削減するだけでなく、地球環境に配慮しCO₂の排出削減につながることも省エネ住宅の特徴です。省エネ住宅にはZEH住宅やLCCM住宅、長期優良住宅などがあり、いずれもエネルギー消費量を低く抑えられます。 5-2.ZEH住宅ZEH(ゼッチ)住宅とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称で、創エネ性能を備えた住宅です。エネルギーの自己生成と使用のバランスを取り、年間でゼロエネルギーの達成を目指します。年間のエネルギー消費量を0以下にできるため、光熱費の大幅な削減につながります。 ZEH住宅の特徴は、省エネだけではなく、エネルギーを創造する創エネ性能を備えていることです。ZEH住宅は太陽光発電などの再生可能エネルギーシステムを完備しており、建物自体でエネルギーを生成します。 また、高い断熱性と気密性を誇り、暑さと寒さを防いで快適に暮らせることも特徴です。断熱性と気密性を高めることで、冷暖房の効率が良くなり、エネルギー消費量を減らせます。 5-3.LCCM住宅LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)とは、建築・居住・解体までの全過程におけるCO₂の収支をマイナスにする住宅です。ZEH住宅と同様に年間のエネルギー消費量を0以下にするだけではなく、CO₂を削減するための厳しい基準が設けられています。 省エネと創エネに加えて、長寿命であることがLCCM住宅の特徴です。耐久性の高い建材や設備の使用で建物の寿命を延ばし、保守コストを低減させます。建物の寿命をできるだけ長くし、解体時のコストも考慮します。 政府が普及を推進している低炭素住宅の最終目標がLCCM住宅です。LCCM住宅はまだ普及途上にありますが、低炭素社会の実現に向けて、今後ますます注目されるでしょう。 5-4.長期優良住宅長期優良住宅とは、一定の基準を満たした長期にわたって良好な状態で使用できる住宅です。75~90年程度の寿命があり、適切なメンテナンスを行うことで、親子孫の3代にわたって住み続けられます。 省エネ性能も優れており、ZEH住宅と同程度の厳しい基準を満たしていることも特徴です。高い断熱性と気密性で室内の温度を安定させ、エネルギー効率を向上させます。エネルギー効率の高い設備や機器も導入されており、光熱費の節約につながります。 長期優良住宅の認定を受けるには、国土交通省が定めた基準を満たすことが必要です。太陽光発電システムなどの創エネ設備の導入は要求されませんが、創エネ設備を導入することで、長期優良住宅の認定を受けやすくなる可能性があります。 6.光熱費が安い一戸建てを新築・購入・リフォームする際のポイント 一戸建ての光熱費を安くするには、新築・購入・リフォームをする際に省エネ性能を高めることを意識する必要があります。ここでは、光熱費が安い一戸建てを新築・購入・リフォームする際のポイントを解説します。 6-1.一戸建てを新築する場合一戸建てを新築する際は、ZEH住宅やLCCM住宅、長期優良住宅などの省エネ住宅を建築することが光熱費を安くすることにつながります。省エネ住宅はエネルギー消費量を低く抑えられるため、光熱費を大幅に削減できる可能性があります。 省エネ住宅を建築する際は、基準を満たすと補助金・給付金制度の利用が可能です。補助金・給付金制度として、ZEH支援事業や子育てエコホーム支援事業などがあります。補助金・給付金制度を効果的に利用することで、一定の経済効果のメリットを受けることが可能です。 6-2.中古一戸建てを購入する場合中古一戸建てを購入する場合、太陽光発電システムなどの省エネ・創エネ設備を完備している住宅を選ぶと光熱費を安くできます。なお、オール電化の中古一戸建てはガス代が不要になりますが、タイプが古いと電気代が高額になることがあるため注意が必要です。 省エネ住宅やZEH住宅にリフォームした住宅を選ぶことでも、光熱費を安くできます。ZEH住宅や長期優良住宅などの省エネ住宅は断熱性・気密性が高く、光熱費の削減につながります。 6-3.住んでいる一戸建てをリフォームする場合一戸建てを省エネリフォームすることは、光熱費を削減する効果があります。省エネリフォームは、建物の断熱性能を向上させ、効率的な設備の導入などを通じてエネルギーの効率を改善することを指します。 省エネリフォームの費用相場は工事内容にもよりますが、100〜200万円程度が一般的です。省エネリフォームをする際は、補助金制度を利用すると工事費の一部が補助されます。補助金制度には先進的窓リノベ事業や既存住宅における断熱リフォーム支援事業などがあり、条件を満たすと利用できます。7.まとめ:省エネ住宅や省エネリフォームで一戸建ての光熱費を削減しよう! 一戸建ての光熱費は世帯人数や地域、建物の省エネ性能などによって異なります。世帯人数が増えるほど光熱費は高くなり、北海道や東北など冬の寒さが厳しい地域は光熱費が高めになります。 一戸建てはマンションと比べると気密性や断熱性が低いことが光熱費が高くなる主な理由です。しかし、省エネ住宅は気密性や断熱性が高く、省エネ設備や創エネ設備の導入で、光熱費を大きく削減できます。 一戸建ての光熱費を節約したい方は、省エネ住宅の新築や購入、省エネリフォームがおすすめです。光熱費を大幅に削減できるでしょう。 監修者:宅地建物取引主任者 浮田 直樹 不動産会社勤務後、株式会社池田建設入社。いえとち本舗山口の店長を経て、セカンドブランドのi-stylehouse山口店店長に就任。後悔しない家づくりをモットーにお客様の家づくりの悩みを日々解決している。
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家づくりの流れ【いえとち本舗の新築・山口・宇部・防府・山陽小野田・周南・下松】
イエテラスの新築、いえとち本舗山口中央店の下村です。本日は宇部・山陽小野田・防府・山口・周南で新築住宅をお考えの方に、「家づくりの流れ」についてお伝えします。今回は、新築住宅を建てる際の「家づくりの流れ」についてお伝えをしていければと思います。 家づくりの流れを知る 「山口で新築住宅を建てたい!」「マイホームが欲しい!」 とお考えの方、いざ新築住宅を建てようと思っても、いつ何をして、どうすればいいのかわからないことだらけですよね。そこで、まずは新築住宅を建てる際の「家づくりの流れ」を知ることが大切です。 以下より、どのタイミングでどのようなことを行うのかについてお話させていただきます。少しでもみなさんの家づくりの参考になると幸いです。 家づくりに必要な3つのSTEP 家づくりに必要なことについて大きく3つのSTEPに分けてお話させていただきます。 STEP1ヒアリング~土地決め 〇お家づくりヒアリング営業担当者が、家づくりについてのご説明、ヒアリングをさせていただきます。みなさんが思い描いている新築住宅、住まいのプランについてのご要望を出来るだけ詳しくお聞きさせていただきます。 まずは、どこに住みたい、どのような暮らしをしたいのかという理想の暮らしについて家族全員で話し合いましょう。 〇概算資金計画現在お支払いされている家賃や、年収に応じて、無理なくローン返済が出来る、住宅・土地の予算の目安をご提案させていただきます。 山口で新築住宅を建てると決めたら、まずは、家づくりに必要なお金のことを考えましょう! 資金計画で大事なポイント☟将来をイメージして「いくらまでなら返せるか」という返済計画を立てること。 借りられる金額ギリギリまで借りると、突然の大きな出費に慌ててしまう可能性があります。 お子さんの誕上や、結婚、進学などこれからの将来のイメージをふくらませ、家計状況の変化に対応できるよう、無理のない返済計画を立てておきましょう。 〇住宅ローン事前審査説明事前審査の必要性や内容、提出時の持参物などをご説明いたします。 住宅ローンを組むためには、金融機関の審査を通過しなければなりません。審査で考慮されている項目としては、完済時年齢、健康状態、担保評価、借入時年齢、勤続年数などがあげられます。 住宅ローンの審査の基準は、銀行によって様々違いがあります。年収や借入金額・返済期間が同じであっても、審査に通る銀行と、通らない銀行もありますのでご注意ください。 〇住宅ローン事前審査申込事前審査申し込みで必要なものとしては以下のものがあげられます。・事前審査申込書・運転免許証・健康保険証・借入残高のわかるもの・源泉徴収票・個人経営の方は3期分の決算書一式 〇土地見極め希望地域で売りに出ている土地をご紹介し、建物を建てるプロとしてアドバイスをさせていただきます。 理想の家づくりには、土地探しが重要となります。しかし、土地探しには難しい面がたくさんあります。土地には2つの面積があること、自由に住宅を建てられない土地がある、土地の契約と建物の契約は別であることなど、様々な法律で定められたルールがあります。難しい部分は、ぜひ相談できるプロの方に相談し、疑問や不安をなくしていきましょう! 〇住宅ローン事前審査 結果ご連絡書類提出後1週間後で結果がでます。結果が出たらご連絡させていただいております。 〇資金計画提示お客様の要望に応じて間取りプランを提案し、それに合わせ、概算金額、資金計画も提示させていただきます。ここで、もう一度、返済計画に無理がないかご確認いただいております。 〇土地 現地確認土地を絞り込み、現地を確認します。 土地周辺に何があるか、日当たりや風通しはいいのか、また、隣地との境界線もしっかりと確認しておき、後で後悔をしないようにしっかりと敷地選びをしましょう。 STEP2色決め~土地決済 〇内・外装の色決め思い描かれている、理想の住まいを実現するお時間です。お好みの色を選んであなただけのお家に仕上げます。 〇Panasonicショールームへカタログを見ながら考えてもなかなか決められませんよね。スタッフがショールームをご案内しながらお風呂やキッチンを決めていきます。実際に見て決めることができるのはうれしいですよね。 〇土地契約土地所有者と不動産屋と日程を合わせ、土地契約をします。土地契約には、手付金と契約印紙代が必要となります。 〇請負契約請負契約とは、当事者の一方がある仕事を完成することを約束し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束する契約のことです。 見積書・設計図書に基づきご契約を締結させていただきます。お支払い条件としては、以下の通りです。着工時30%上棟時30%完了時40% 〇住宅ローン 融資本申込銀行またはフラットへ融資本申し込みをします。 事前審査は銀行などの金融機関が行い、本審査は信用保証会社が行います。事前審査を無事に通過した場合でも、本審査で落ちてしまう場合もあるので、注意が必要となります。 〇住宅ローン 融資結果ご連絡1週間~10日程で結果が出ます。結果が出た後、ご連絡させていただいております。 〇内・外装の色決め内容確認 〇見積・資本計画書提示詳しい打ち合わせ後の資金計画、見積書の確認をし、変更契約をします。 〇工務引き継ぎ現場担当へ引き継ぎをし、図面やプランボードの最終確認をします。 〇土地決済(土地代金支払い)土地の売主と司法書士の立会いにて、代金の授受と所有権の移転を行います。 当日行うこと ・売主から買主に土地の名義を移転するために必要な書類の確認 ・売主の住宅ローンなどの抵当権がないかどうかの確認 ・買主が利用する住宅ローンの関係の書類確認 ・抵当権設定登記申請) ・買主から売主への土地代金の残りの支払い ・各種料金の支払い 土地決済の日に何をするのか、事前に知っておくと、どの書類にどんなサインをしているのかが明確になります。 〇確認申請提出役所に必要書類を提出し、建築確認を申請します。 〇地盤調査地盤調査をします。結果次第で工程が変わります。 家づくりで難しいことの1つに地盤があげられます。環境のいい場所を求めた場合でも、・不同沈下・液状化・盛土に遭遇してしまうと、建物を使用することは難しくなってしまいます。 地盤に関しては専門性が必要とされますので、一級建築士などの頼れる方に相談した方が安心です。 STEP3着工~引渡し 〇地鎮祭工事中の安全、工事後の家内安全を祈願します。 そもそも地鎮祭とは?地鎮祭とは、新築住宅工事の前に行う神様へのご挨拶の儀式といえます。地鎮祭で土地を利用する許可を得ることによって、崇りを防いで工事の安全を祈ります。建築工事を着工する前に大安の日を選んで、地鎮祭は行われます。ただ神様のために行う行事としてではなく、家づくりを依頼する施主様や施工業者、職人などが一堂に集まる機会ともとらえることができます。人生に何度もできる経験ではないと思われますので、ぜひ家づくりの記念として行われるといいでしょう。 〇着工地盤調査の結果次第で地盤補強工事着工し、その後、基礎工事着工します。 〇上棟(餅まき)建物の棟が上がり、上棟の段階になります。 家を建てる際に、骨組みが出来上がり、最後にその上の棟木を上げることを棟上げと言いますが、その棟上げの際に餅まきを行います。餅まきは、棟上げが行われる上棟式の際に散餅の儀として、厄災を祓うとともに、地域の方々への感謝と、皆さんに福を分けるという意味があると言われております。ここでご近所さんとのつながりを築いておくこともできるので、家づくりの思い出にもなり、いい行事であると思います。 〇社内検査お客様に立ち会っていただく前に社内で入念な検査を行い、キズや不具合を確認しています。 以上のステップにより新築住宅の家づくりが行われております。 今回は「家づくりの流れ」についてお話いたしましたが、新築住宅が完成するまでの流れが少しでも理解できましたでしょうか。 宇部・山陽小野田・防府・山口・周南で新築住宅をお考えの方、家づくりに関してお悩み事などございましたら、お気軽にご相談ください。いえとち本舗ならあなたに丁度いい新築住宅をご提供できます。是非一度ご来店ください。9月14日(土)~9月16日(月)イベント↓アパート脱出大作戦&わくわくイベント同時開催!
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ローコスト住宅と建売どっちを選ぶ?それぞれの違いやメリット・デメリットを紹介
ローコスト住宅と建売住宅は一般的に低価格であり、フルオーダーの注文住宅を建てるための予算が不足している場合の有効な選択肢になります。ローコスト住宅と建売住宅はそれぞれ特徴があり、どっちを選べば良いのかがわからない方もおられるでしょう。 この記事では、ローコスト住宅と建売住宅のそれぞれの違いと、メリット・デメリットを解説します。ローコスト住宅と建売住宅のどっちを選ぶべきかを判断したい方は、ぜひ参考にしてみてください。 1.ローコスト住宅と建売住宅の定義1-1.ローコスト住宅とは?1-2.建売住宅とは?1-3.ローコスト住宅と建売住宅の違い2.ローコスト住宅と建売はどっちが優れている?3.ローコスト住宅のメリット3-1.建売住宅よりも間取りや設備などの自由度が高い3-2.オプションの追加でカスタマイズできる3-3.標準仕様だと低価格4.ローコスト住宅のデメリット4-1.標準仕様の設備のグレードが低い場合がある4-2.入居できるまでに時間がかかる4-3.保証期間が短い場合がある5.建売住宅のメリット5-1.実際に現物を確認してから購入できる5-2.土地探しの手間が省ける5-3.フルオーダーの注文住宅と比べると低価格6.建売住宅のデメリット6-1.間取りや設備などを変更できない6-2.似たようなデザインの住宅が多い6-3.希望するエリアに建売住宅があるとは限らない7.ローコスト住宅と建売のどっちを選ぶ?7-1.ローコスト住宅がおすすめの人7-2.建売住宅がおすすめの人8.ローコスト住宅と建売住宅の違いを理解することが大切 1.ローコスト住宅と建売住宅の定義 ローコスト住宅と建売住宅は異なる形態の住宅であり、それぞれ特徴が異なります。ローコスト住宅と建売住宅のどっちを選ぶかは、それぞれの特徴を理解して、自分に合っているほうを選ぶことが大切です。ここでは、ローコスト住宅と建売住宅の定義を解説します。 1-1.ローコスト住宅とは?ローコスト住宅とは、手頃な価格で建築できるコストパフォーマンスが高い注文住宅を指します。一般的な注文住宅より坪単価が安く、1,000万円台での建築も可能です。 低価格だから品質や安全性が劣るというわけではなく、間取りや設備、デザインなどを規格化することで低価格を実現しています。住宅性能や設備などのグレードを上げたい場合は、オプションを追加することで対処できます。 フルオーダーの注文住宅よりも設計の自由度は低いもののセミオーダーに近く、予算を抑えながらマイホームを建てたい方には有効な選択肢です。 1-2.建売住宅とは?建売住宅とは、不動産会社が土地を仕入れて建物を建設し、土地と建物をセットで販売する形態の住宅を指します。建売住宅は一般的な注文住宅よりも低価格であり、分譲地に建設する分譲住宅も建売住宅の一種です。 建売住宅は既に建物が完成しているケースが多く、実際に実物を確認したうえで購入できます。建物が建設される前に販売されることもあり、この場合は「売り建て」と呼ばれます。 売り建てだと住宅設備などの仕様を変更できる場合がありますが、建物が完成している建売住宅は仕様の変更は基本的にできません。設計の自由度が注文住宅とは異なります。 1-3.ローコスト住宅と建売住宅の違いローコスト住宅には土地が含まれていないのに対し、建売住宅には土地が含まれている点が異なります。建売住宅を購入する際は土地を探す必要はなく、ローコスト住宅は家を建てる前に土地探しが必要です。 売り建てを除くと、建売住宅は既に建物が完成もしくは建築中であるのに対し、ローコスト住宅は注文を受けてから建築する点も異なります。建物が既に完成していると、購入後すぐに入居できます。 土地代を含めた価格は、ローコスト住宅と建売のどっちが安くなるかは一概にはいえません。 2.ローコスト住宅と建売はどっちが優れている? ローコスト住宅と建売住宅は、それぞれ異なる特徴を持つ住宅です。どっちが優れているということはなく、両者のメリットとデメリットを理解したうえで、自分に最適なほうを選ぶことが大切です。 例えば、間取りや設備などをある程度自由に決めたい場合は、ローコスト住宅のほうが向いています。土地探しなどの手間を省き、すぐに新居に入居したい場合は、建売住宅のほうがおすすめです。 土地代を除く建築費は、標準仕様のローコスト住宅のほうが安くなる傾向があります。土地代を含めると建売住宅のほうが安くなることがありますが、建物のグレードや立地条件などによって異なるため、一概にはいえません。 3.ローコスト住宅のメリット ローコスト住宅と建売のどっちを選ぶかを判断するには、両者のメリットとデメリットを理解することが大切です。ここでは、ローコスト住宅のメリットを解説します。 3-1.建売住宅よりも間取りや設備などの自由度が高いローコスト住宅は、建売住宅と比べると、間取りや設備などの自由度が高いことがメリットです。ローコスト住宅はフルオーダーではないものの注文住宅の一種であり、建売住宅よりも間取りや設備などの自由度は高いといえます。 ローコスト住宅の間取りや設備はある程度規格化されており、フルオーダーの注文住宅のように完全自由設計はできません。しかし、オプションを追加することで、キッチン設備などをアップグレードすることは可能です。 間取りや設備などのこだわりをある程度反映させ、フルオーダーの注文住宅よりも低価格で家を建てたい方にローコスト住宅は向きます。フルオーダーの注文住宅だと予算オーバーになる場合、ローコスト住宅だと建てられる可能性は十分あります。 3-2.オプションの追加でカスタマイズできるローコスト住宅は、オプションを追加することでカスタマイズできるというメリットがあります。ローコスト住宅のオプションには、耐震性や断熱性などの住宅性能を高めるものや、設備をアップグレードするものなどがあり、好みのオプションを追加することでカスタマイズができます。 例えば、標準仕様だと断熱性が低い場合は、断熱性能を高めるオプションを追加すると、季節を問わず快適に暮らせるようになるでしょう。冷暖房効率がアップすることで、光熱費の削減にもつながります。 ただし、オプションを追加すると追加費用が必要になるため、予算をしっかり立てることが大切です。オプションを追加しすぎると予算オーバーになることがあります。必要不可欠なオプションを厳選して追加するようにしましょう。 3-3.標準仕様だと低価格ローコスト住宅は、オプションを追加しない標準仕様だと低価格で住宅を建てられることがメリットです。フルオーダーの注文住宅よりも安く、土地代を除くと建売住宅よりも安く建てられる可能性もあります。 標準仕様は業者によって異なるため、標準仕様の内容が充実しているハウスメーカーを選ぶことが大切です。標準仕様が充実しているとオプションを追加する必要がなくなり、低価格で暮らしやすい住宅を建てられます。 ローコスト住宅を販売しているハウスメーカーは数多くあります。ハウスメーカーによって、標準仕様やオプションの内容、価格などが異なるため、複数のハウスメーカーを比較検討して、コストパフォーマンスが高いハウスメーカーを選びましょう。 4.ローコスト住宅のデメリット ローコスト住宅はオプションを追加することでカスタマイズできるなどのメリットがありますが、デメリットも存在します。ローコスト住宅の建設を検討している方は、デメリットも知っておくことが大切です。 4-1.標準仕様の設備のグレードが低い場合があるローコスト住宅は価格を抑えるために、標準仕様の設備のグレードが低い場合があります。設備のグレードを落とすことで低価格を実現しているわけですが、最新設備ではなくても安全性や快適性が極端に低下することはありません。 ローコスト住宅でグレードダウンされることが多い設備は、キッチンや浴室などの水回りの設備です。これらの設備は、機能やデザインが簡素化されたものや、古い型のものが使用されることがあります。設備のグレードにこだわりがある場合は、標準仕様の内容をよく確認することが大切です。 標準仕様の設備をアップグレードしたい場合は、オプションで追加できます。ただし、オプション費用が高額になる場合があるため、事前に確認しておきましょう。 4-2.入居できるまでに時間がかかる既に完成している建売住宅や中古住宅だと購入後すぐに入居できますが、ローコスト住宅は入居できるまでに時間がかかります。完全自由設計の注文住宅と比べると時間は短縮されますが、打ち合わせや設計、施工に要する時間は必要です。 ローコスト住宅は注文を受けてから建築するため、完成までに数ヶ月程度かかり、転勤や子どもの入学などで急いで入居したい方の要望は実現できません。土地探しから行う場合はさらに時間がかかり、土地探しが難航すると入居できるまでの期間は長引きます。 工期を短縮して早く入居したい場合は、オプションをあまり追加せず、標準仕様での建築がおすすめです。標準仕様であれば、打ち合わせや設計、施工の時間を短縮でき、3ヶ月程度で完成することもあります。 4-3.保証期間が短い場合があるローコスト住宅は一般的な注文住宅と比べると保証期間が短い場合があります。一般的な注文住宅だと30年以上の長期保証が付くことが多く、ローコスト住宅はアフターサービスの面で不利になることがあるでしょう。 ローコスト住宅であっても、住宅瑕疵担保責任保険で最低10年間の保証期間が義務付けられているものの、保証期間が終了すると入居後にトラブルが発生した場合などは有償保証になることがあります。 ただし、保証やアフターサービスが充実しているローコスト系のハウスメーカーもあり、保証期間やアフターサービスの内容の確認が重要です。ハウスメーカーを選ぶ際は、保証やアフターサービスの内容も比較して検討しましょう。 5.建売住宅のメリット ここまで、ローコスト住宅におけるメリットとデメリットを解説しました。ここからは、建売住宅のメリットとデメリットを解説します。建売住宅のメリットは以下のとおりです。 5-1.実際に現物を確認してから購入できる建売住宅のメリットは、完成済みの物件であれば、実際に建物を内見したうえで購入できることです。設計図や間取り図を見るだけではわからないことも、現物を確認することで細部までわかります。 ローコスト住宅や一般的な注文住宅は設計から行うため、建物が完成するまでは内見できません。生活動線や家事動線などは、実際に動いてみないことには適切であるかの判断は難しいです。 建売住宅だと住み始めてからの新居での生活もイメージでき、後悔することは少ないでしょう。実際に現物を確認してから購入できることは大きなメリットです。 外観デザインや間取りなどにあまりこだわりがなく、快適な生活が送れれば良いと考えている方には、建売住宅は最適だといえるでしょう。 5-2.土地探しの手間が省ける建売住宅は土地と建物をセットで購入できるため、土地探しの手間が省けます。ローコスト住宅や一般的な注文住宅は土地探しをしなければならず、時間と労力がかかる土地探しの手間が省けることは、建売住宅ならではのメリットです。 建売住宅は不動産市場に精通している不動産会社が土地を探すため、好立地であることが多く、生活利便性の高さも期待できます。分譲住宅の場合だと、不動産会社が広大な土地をまとめて購入したうえで分割して販売するため、土地価格を抑えられる可能性があります。 建物が既に完成している建売住宅は、建築中の注文住宅と比べると住宅ローンの審査や手続きもスムーズで、短期間で入居できることもメリットです。 5-3.フルオーダーの注文住宅と比べると低価格建売住宅はフルオーダーの注文住宅よりも価格が安く、低価格であることが大きなメリットです。建売住宅は間取りや設備があらかじめ決まっており、資材や設備をまとめて発注することでスケールメリットが働きます。施工もシンプルで、効率よく作業ができるため人件費も抑えられます。 フルオーダーの注文住宅は施主の要望に合わせて設計・施工するため、費用が上がりやすいです。建売住宅は設計の自由度が低い分、価格を抑えられます。 間取りや設備などのこだわりが少なく、安い価格で家を購入したい方に建売住宅は適しています。なお、建売住宅の価格は物件によって違ってくるため、購入する際は複数の物件を比較検討することが大切です。 6.建売住宅のデメリット 建売住宅は土地探しの手間が省け、フルオーダーの注文住宅よりも安く購入できるなどのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、建売住宅のデメリットを解説します。 6-1.間取りや設備などを変更できない建売住宅は既に完成しているか建築中であるため、間取りや設備などを変更できないことがデメリットです。建築中であれば、壁紙や床材の色などの内装の軽微な変更は対応できる場合がありますが、間取りの変更などはできません。 間取りや設備などにこだわりがある場合、建売住宅だと要望を実現できない可能性があります。間取りや設備などに強いこだわりがある方は、要望に合致する建売住宅を見つけるか、フルオーダーの注文住宅にするしかありません。 間取りやデザインなどの要望に完全に合致する建売住宅を見つけるのは難しく、建売住宅よりもフルオーダーの注文住宅のほうがおすすめです。 6-2.似たようなデザインの住宅が多い建売住宅は同じデザインや似たようなデザインの住宅が多い傾向があります。間取りや仕様も決まっており、個性的なデザインなどを求める方には不向きです。デザイン性の高い建売住宅も増えていますが、自分の好みと合致するとは限りません。 建売住宅のデザインは万人受けするものが多く、デザインに強いこだわりがなければ、注文住宅よりも低価格で購入できます。価格が高くなっても、デザインの要望を実現させたい方には、フルオーダーの注文住宅がおすすめです。 建売住宅のデザインは、地域やハウスメーカーによっても異なります。希望に合致するデザインの建売住宅を見つけるには、インターネットなどで情報収集をしっかり行うことが大切です。 6-3.希望するエリアに建売住宅があるとは限らない建売住宅は土地と建物がワンセットであるため、希望するエリアに建売住宅があるとは限りません。立地条件は変更できないため、後悔しないように選ぶことが大切です。駅からの距離や周辺環境、日当たり、騒音など、立地条件をよく確認したうえで決めましょう。 希望するエリアに建売住宅が見つかった場合でも、間取りや設備、デザインなどが要望に合致していないこともあり、要望を100%実現できる建売住宅を見つけるのは難しいです。 したがって、建売住宅を購入する際は、エリアや間取り、設備などの要望に優先順位をつけておくことをおすすめします。優先順位をつけておくと、要望を100%実現できなくても、理想に近い住宅を見つけられます。 7.ローコスト住宅と建売のどっちを選ぶ? ここまで、ローコスト住宅と建売住宅それぞれのメリット・デメリットを解説してきました。ローコスト住宅と建売のどっちを選ぶかは、それぞれのメリットとデメリットを比較検討して、自分に向いているほうを選びましょう。7-1.ローコスト住宅がおすすめの人ローコスト住宅は、限られた予算で、可能な限り間取りやデザインの要望を実現させたい人に向きます。フルオーダーの注文住宅と比べると間取りやデザインの自由度は低いものの、オプションを追加することで要望をある程度まで反映できます。 既に土地を所有していて、少しでも安い価格で住宅を建設したい方には、ローコスト住宅が最適です。ローコスト住宅だと、70万円程度の坪単価で建てられる場合があり、1,000万円台で建築することも可能です。 7-2.建売住宅がおすすめの人建売住宅は子どもの入学や転勤などで、急いで新居に入居したい方に向きます。既に建物が完成していると、すぐに入居して新生活をスタートできます。時間と労力がかかる土地探しの手間が省けることもメリットです。 デザインや間取りにあまりこだわりのない方は、注文住宅よりも建売住宅をおすすめします。建売住宅はデザインや間取りが決まっており、設計の自由度が低い分、フルオーダーの注文住宅よりも低価格で購入できます。 8.ローコスト住宅と建売住宅の違いを理解することが大切 ローコスト住宅のメリットは、建売住宅よりも間取りや設備などの自由度が高いことです。入居できるまでに時間がかかることがデメリットの一つであり、すぐに入居したい方は建売住宅のほうが向きます。 建売住宅のメリットは、実際に現物を確認してから購入できることです。間取りや設備などを変更できないことがデメリットであり、要望をある程度まで実現させたい方は、ローコスト住宅が向きます。 それぞれのメリットとデメリットを比較検討し、ローコスト住宅と建売住宅のどっちを選ぶかを判断しましょう。ローコスト住宅と建売住宅の違いを正確に理解できれば、自分に合っている住宅を選べます。 監修者:宅地建物取引主任者 浮田 直樹 不動産会社勤務後、株式会社池田建設入社。いえとち本舗山口の店長を経て、セカンドブランドのi-Style HOUSE山口店店長に就任。後悔しない家づくりをモットーにお客様の家づくりの悩みを日々解決している。