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一戸建ての光熱費はいくら?マンションよりも高い理由や節約方法を解説

これから一戸建てを購入予定の方や、すでに一戸建てに住んでいる方は、光熱費が気になるのではないでしょうか。一般的に一戸建てはマンションよりも光熱費が高めになる傾向があり、家計を節約するには適切な対策が必要です。
この記事では、一戸建ての光熱費の目安やマンションよりも高い理由、節約方法などを解説します。どのようにすれば一戸建ての光熱費を節約できるかがわかるようになるでしょう。
目次
1.光熱費とは?

光熱費とは、電気代やガス代、灯油代など、生活のために必要なエネルギーの利用料金を指します。会計上の勘定科目では、水道代を含めて水道光熱費と呼ばれるのが一般的です。ここでは、光熱費の算出方法や特徴を解説します。
1-1.光熱費の算出方法
電気代やガス代、水道代の請求書には難しい専門用語が記載されていますが、光熱費の計算方法は至って簡単です。光熱費は以下の計算式で算出できます。
光熱費 = 基本料金 + 使用料 + その他の料金
基本料金は、電気やガス、水道などのサービスを提供するための基本的な料金です。契約内容やサービス提供会社などによって異なり、使用量に関係なく発生します。使用料は1ヵ月間の使用量に基づく料金です。電気やガスの使用量が多いほど使用料が増えます。
その他の料金は、別のサービスの利用料や法律に基づいて徴収される料金です。再エネ発電賦課金などが該当し、請求書に明示されます。
電気代やガス代、水道代に暖房用の灯油代などを加えた金額が、1ヵ月間の光熱費(水道光熱費)になります。
1-2.光熱費は固定費に含まれる
光熱費は毎月支払う必要があり、流動費ではなく固定費に含まれます。使用量に応じて変動する部分があるため流動費としての側面も有しますが、使用しなくても毎月必ず支払う費用であるため固定費とみなすのが一般的です。
家計の節約は固定費の見直しが基本で、固定費の節約効果は長く続きます。これは、光熱費は生活に不可欠なエネルギーの利用料金であり、家計の基盤となる費用であるためです。省エネ対策をしたり、サービス提供会社や料金プランを見直したりすることで、家計の節約につながる可能性があります。
1-3.光熱費は地域や世帯人数によって異なる
光熱費は地域や世帯人数によって異なることが特徴です。北海道や東北、北陸地方などの豪雪地帯では冬場のエネルギー使用量が増加するため、他の地方と比較すると光熱費が高めになる傾向があります。
また、光熱費は世帯人数が増えるほど高くなり、一人暮らし世帯よりも4人家族世帯の方が光熱費は高額になります。これは世帯人数が増えるほど、広い生活スペースが必要になるためです。なお、建物の構造によっても光熱費は異なってきます。
2.一戸建ての方がマンションよりも光熱費が高くなる理由とは?

光熱費は建物の構造によっても異なり、一戸建てはマンションよりも光熱費が高くなる傾向があります。これは建物の専有面積や気密性・断熱性の違いによるものです。ここでは、一戸建ての方がマンションよりも光熱費が高くなる理由を解説します。
2-1.専有面積が広い
一戸建てはマンションやアパートと比べると専有面積が広く、エアコンなどの消費電力が大きくなる傾向があります。また、一戸建てはマンションやアパートよりも部屋数が多い傾向があり、部屋数が増えるほどエアコンや照明器具の設置数も増えるため、光熱費が高くなります。
2階建てや3階建ての戸建て住宅は、ワンフロアの集合住宅と比べると空調効率が落ちることも光熱費が高くなる理由の一つです。
2019年9月に日本生活協同組合連合会が実施した「電気・ガス料金調査」においても、一戸建ては集合住宅よりも使用量・料金ともに高いという結果になっています。
同調査によると、一戸建ての1ヵ月当たりの電気料金は平均8,546円で、集合住宅の6,477円と比べると2,000円以上高いです。
2-2.契約アンペア数が大きい
電気代は契約アンペア数によって基本料金が変わり、一般的に一戸建てはマンションよりも契約アンペアが大きくなる傾向があります。
一戸建てはマンションよりも電気使用量が大きくなる傾向があるため、マンションよりも高めのアンペア数での契約が必要です。アンペア数が低いと、一度に多くの電気を使用するとブレーカーが落ちてしまいます。
東京電力の場合、30アンペアの基本料金は885.72円/月、60アンペアの基本料金は1,771.44円/月です。
電気代は基本料金と使用料、その他の料金(燃料費調整と再エネ発電賦課金)を加えた金額になるため、基本料金が高くなると電気代も高くなります。
2-3.気密性・断熱性が低い
一戸建てはマンションと比べて壁や天井、床などの構造が複雑で、隙間ができやすい傾向があり、冷暖房の効率が落ちてしまいます。
また、一戸建ては外部との接点が多く、屋根や外壁は直射日光にさらされ、室内は外気温の影響を強く受けます。猛暑日などに室温を適正に保つにはエアコンをフル稼働しなければならず、電気代は高くなりがちです。
ただし、一戸建てでも高性能な断熱材を使用することで、高い気密性と断熱性を実現している住宅も増えています。気密性と断熱性を高めることで冷暖房の効率が良くなり、光熱費の節約につながります。
3.水道光熱費の平均額

家計を節約するには、水道光熱費の平均額を把握しておくことが大切です。ここでは、世帯人員別・地域別の水道光熱費の平均相場をご紹介します。なお、一戸建て・マンション別のデータはなく、あくまでも水道光熱費の平均額です。
3-1.世帯人員別の水道光熱費の平均額
総務省統計局のデータを基に、一般社団法人エネルギー情報センターが運営する新電力ネットが算定した世帯人数別の水道光熱費の平均額(電気代・ガス代・他の光熱・上下水道代)は以下のようになります。
|
世帯人数 |
1ヵ月あたりの水道光熱費の平均額 |
|---|---|
|
単身 |
11,847円 |
|
2人家族 |
19,607円 |
|
3人家族 |
22,834円 |
|
4人家族 |
23,764円 |
|
5人家族 |
25,751円 |
|
6人家族以上 |
32,652円 |
上記のデータから、世帯人数が増えるほど水道光熱費の平均額も増えることがわかります。単身世帯と2人家族の差額は7,760円、2人家族と3人家族の差額は3,227円、3人世帯と4人世帯の差額は930円です。
単身世帯と2人家族では水道光熱費に大きな差がありますが、世帯の構成人員が2人以上になると、大きな増加は見られません。これは、電気代やガス代がかかるエアコンやキッチン、お風呂などを家族全員で共有することで、個々の使用量が分散されるためです。
ただし、家庭ごとに状況は異なり、省エネ対策や設備の違いによっても差が生じることに留意する必要があります。
3-2.地域別の水道光熱費の平均額
総務省統計局のデータを基に、新電力ネットが算定した地域別の水道光熱費の平均額(電気代・ガス代・他の光熱・上下水道代)は以下のようになります。
|
地域 |
1ヵ月あたりの水道光熱費の平均額 |
|---|---|
|
北海道地方 |
23,465円 |
|
東北地方 |
22,404円 |
|
関東地方 |
18,091円 |
|
北陸地方 |
22,471円 |
|
東海地方 |
18,196円 |
|
近畿地方 |
17,765円 |
|
中国地方 |
17,845円 |
|
四国地方 |
19,409円 |
|
九州地方 |
17,135円 |
|
沖縄地方 |
16,750円 |
最も水道光熱費が高いのは北海道地方で、水道光熱費の平均額は23,465円です。2番目に高いのは北陸地方で22,471円、3番目は東北地方の22,404円となります。豪雪地帯になるほど水道光熱費が高くなることがわかります。
最も水道光熱費が安いのは沖縄地方で、水道光熱費の平均額は16,750円です。北海道地方との水道光熱費の差額は6,715円になります。沖縄地方は本土と比べると冬は暖かく、冬場のエネルギー消費量を低く抑えられるため、水道光熱費が低めになることがわかります。
3-3.2023年に電気代やガス代が値上がりしている理由
電気代やガス代は、新型コロナウイルス感染症パンデミックやロシアによるウクライナ侵攻、円安などの影響を受け、2021年4月頃から値上がり傾向にあります。これは、原油や天然ガスなどの輸入価格が上昇し、電気代とガス代の原料費調整額が上昇したためです。
政府与党の公明党が実施した調査によると、東京ガスを使用している標準家庭のガス料金は2022年1月から2023年1月の1年間で約37%値上がりしています。
電気代は、2023年6月1日に大手電力会社7社は値上げを実施しましたが、経済産業省は「電気・ガス価格激変緩和対策」を実施しており、政府による「激変緩和措置」により値上げの影響は抑えられています。
激変緩和措置は2024年4月末まで延長されたものの、2024年5月からは激変緩和の幅を縮小する方針です。今後の電気代やガス代の値動きについては、原油やLNGなどの燃料価格や円相場の状況、国の政策などによって変わってきます。
4.一戸建ての光熱費を低く抑える方法

一戸建ての光熱費はマンションよりも高めになる傾向があり、電気代やガス代も値上がり傾向にあります。家計の負担を軽減するには、光熱費の節約が必要です。ここでは、一戸建ての光熱費を低く抑える方法を解説します。
4-1.冷暖房の効率を上げる
冷暖房の効率を上げると、光熱費の節約につながります。冷暖房の効率を上げるには、住宅の気密性と断熱性を高め、エネルギー効率の高い機器の使用が有効な方法です。
窓は建物の外部と内部を結ぶ接点であり、外気が入り込んだり室内の熱や冷気が逃げたりします。窓に断熱シートを貼ると断熱性が高まり、冷暖房の効率が上がります。遮光カーテンの使用や二重窓の導入、Low-Eガラス(エコガラス)の使用も気密性と断熱性を高めるのに有効です。
また、古いタイプのエアコンは省エネ性能が低いため、最新の機種に買い替えることも冷暖房の効率を上げることにつながります。フィルターの掃除や適切な温度設定、サーキュレーターの併用なども、冷暖房の効率を上げる方法の一つです。
4-2.電力会社やガス会社を乗り換える
電力会社やガス会社を乗り換えることで、光熱費を削減できる可能性があります。エネルギー市場は電力自由化によって市場が開放されており、数多くの企業が参入し、価格競争が行われています。
現在の電力やガスの契約内容と料金を確認し、他の会社が提供するプランと比較すると、より良い条件での契約が可能です。これにより、光熱費の節約につながります。賃貸の一戸建てであっても、電力会社を変える際には基本的に家主の許可は必要ありません。
なお、電力会社やガス会社を乗り換える際は、契約条件や違約金などの確認が大切です。しっかり確認していないと節電につながらなかったり、違約金を請求されたりすることがあります。
倒産や事業停止することもあるため、経営の安定面なども調査し、時間に余裕を持って入念に検討しましょう。
4-3.電気やガスの使用量を減らす
電気やガスの使用量を減らすことは、光熱費の節約に直結します。使用量を減らすには、電気のつけっぱなしはしないなど、日頃から節約を意識することが大切です。
お風呂の追い焚きの回数を減らしたり、電子レンジを使った調理を取り入れたりすることで電気代やガス代を節約できます。また、冷暖房の設定温度を適切に管理し、不要なときには電源を切るなどして、無駄なエネルギー使用を避けることが重要です。
照明をLEDに切り替えたり、洗濯機や乾燥機、冷蔵庫の使い方を見直したりするなど、節電の方法は数多くあります。なお、電気やガスの使用量を減らすことで、環境への負荷の軽減にもつながります。環境に配慮した生活を送るためにも、電気やガスの使用量を減らすことは重要なことです。
5.エネルギー消費量を抑えられる省エネ住宅

エネルギー消費量を抑えることは光熱費の節約につながります。「省エネ住宅」という言葉は社会に定着していますが、具体的にはどのような住宅なのかがわからない方も多いでしょう。ここでは、エネルギー消費量を抑えられる省エネ住宅(省エネルギー住宅)を解説します。
5-1.省エネ住宅とは?
省エネ住宅とは、一定の性能基準を満たした省エネ性能が高い住宅を指します。エネルギーの使用量を最小限に抑え、快適で健康的な住環境を提供するために設計されていることが特徴です。
家庭においては冷暖房がエネルギー消費の30%を占めており、省エネ住宅は冷暖房を効率化することでエネルギー消費量を抑えます。また、断熱性を高め日射遮蔽をすることで、冬は暖かく夏は涼しくなり、快適で健康的な住環境を実現します。
住宅のエネルギーコストを削減するだけでなく、地球環境に配慮しCO₂の排出削減につながることも省エネ住宅の特徴です。省エネ住宅にはZEH住宅やLCCM住宅、長期優良住宅などがあり、いずれもエネルギー消費量を低く抑えられます。
5-2.ZEH住宅
ZEH(ゼッチ)住宅とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称で、創エネ性能を備えた住宅です。エネルギーの自己生成と使用のバランスを取り、年間でゼロエネルギーの達成を目指します。年間のエネルギー消費量を0以下にできるため、光熱費の大幅な削減につながります。
ZEH住宅の特徴は、省エネだけではなく、エネルギーを創造する創エネ性能を備えていることです。ZEH住宅は太陽光発電などの再生可能エネルギーシステムを完備しており、建物自体でエネルギーを生成します。
また、高い断熱性と気密性を誇り、暑さと寒さを防いで快適に暮らせることも特徴です。断熱性と気密性を高めることで、冷暖房の効率が良くなり、エネルギー消費量を減らせます。
5-3.LCCM住宅
LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)とは、建築・居住・解体までの全過程におけるCO₂の収支をマイナスにする住宅です。ZEH住宅と同様に年間のエネルギー消費量を0以下にするだけではなく、CO₂を削減するための厳しい基準が設けられています。
省エネと創エネに加えて、長寿命であることがLCCM住宅の特徴です。耐久性の高い建材や設備の使用で建物の寿命を延ばし、保守コストを低減させます。建物の寿命をできるだけ長くし、解体時のコストも考慮します。
政府が普及を推進している低炭素住宅の最終目標がLCCM住宅です。LCCM住宅はまだ普及途上にありますが、低炭素社会の実現に向けて、今後ますます注目されるでしょう。
5-4.長期優良住宅
長期優良住宅とは、一定の基準を満たした長期にわたって良好な状態で使用できる住宅です。75~90年程度の寿命があり、適切なメンテナンスを行うことで、親子孫の3代にわたって住み続けられます。
省エネ性能も優れており、ZEH住宅と同程度の厳しい基準を満たしていることも特徴です。高い断熱性と気密性で室内の温度を安定させ、エネルギー効率を向上させます。エネルギー効率の高い設備や機器も導入されており、光熱費の節約につながります。
長期優良住宅の認定を受けるには、国土交通省が定めた基準を満たすことが必要です。太陽光発電システムなどの創エネ設備の導入は要求されませんが、創エネ設備を導入することで、長期優良住宅の認定を受けやすくなる可能性があります。
6.光熱費が安い一戸建てを新築・購入・リフォームする際のポイント

一戸建ての光熱費を安くするには、新築・購入・リフォームをする際に省エネ性能を高めることを意識する必要があります。ここでは、光熱費が安い一戸建てを新築・購入・リフォームする際のポイントを解説します。
6-1.一戸建てを新築する場合
一戸建てを新築する際は、ZEH住宅やLCCM住宅、長期優良住宅などの省エネ住宅を建築することが光熱費を安くすることにつながります。省エネ住宅はエネルギー消費量を低く抑えられるため、光熱費を大幅に削減できる可能性があります。
省エネ住宅を建築する際は、基準を満たすと補助金・給付金制度の利用が可能です。補助金・給付金制度として、ZEH支援事業や子育てエコホーム支援事業などがあります。補助金・給付金制度を効果的に利用することで、一定の経済効果のメリットを受けることが可能です。
6-2.中古一戸建てを購入する場合
中古一戸建てを購入する場合、太陽光発電システムなどの省エネ・創エネ設備を完備している住宅を選ぶと光熱費を安くできます。なお、オール電化の中古一戸建てはガス代が不要になりますが、タイプが古いと電気代が高額になることがあるため注意が必要です。
省エネ住宅やZEH住宅にリフォームした住宅を選ぶことでも、光熱費を安くできます。ZEH住宅や長期優良住宅などの省エネ住宅は断熱性・気密性が高く、光熱費の削減につながります。
6-3.住んでいる一戸建てをリフォームする場合
一戸建てを省エネリフォームすることは、光熱費を削減する効果があります。省エネリフォームは、建物の断熱性能を向上させ、効率的な設備の導入などを通じてエネルギーの効率を改善することを指します。
省エネリフォームの費用相場は工事内容にもよりますが、100〜200万円程度が一般的です。省エネリフォームをする際は、補助金制度を利用すると工事費の一部が補助されます。補助金制度には先進的窓リノベ事業や既存住宅における断熱リフォーム支援事業などがあり、条件を満たすと利用できます。
7.まとめ:省エネ住宅や省エネリフォームで一戸建ての光熱費を削減しよう!

一戸建ての光熱費は世帯人数や地域、建物の省エネ性能などによって異なります。世帯人数が増えるほど光熱費は高くなり、北海道や東北など冬の寒さが厳しい地域は光熱費が高めになります。
一戸建てはマンションと比べると気密性や断熱性が低いことが光熱費が高くなる主な理由です。しかし、省エネ住宅は気密性や断熱性が高く、省エネ設備や創エネ設備の導入で、光熱費を大きく削減できます。
一戸建ての光熱費を節約したい方は、省エネ住宅の新築や購入、省エネリフォームがおすすめです。光熱費を大幅に削減できるでしょう。
監修者:宅地建物取引主任者 浮田 直樹

不動産会社勤務後、株式会社池田建設入社。いえとち本舗山口の店長を経て、セカンドブランドのi-stylehouse山口店店長に就任。後悔しない家づくりをモットーにお客様の家づくりの悩みを日々解決している。
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平屋のメリットとデメリットは?二階建てとの違いやリノベーションについて解説
近年、幅広い年代で平屋の人気が高まっています。平屋の購入・新築・リノベーション・賃貸を検討している方は多いでしょう。平屋の購入や新築などを検討している方は、平屋のメリットとデメリットを知っておくことが大切です。この記事では、平屋のメリットとデメリット、二階建てとの違いなどを解説します。平屋で暮らしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。 1.平屋の特徴1-1.平屋と二階建ての違い1-2.平屋の人気が上昇している理由2.平屋のメリット2-1.バリアフリーで誰もが利用しやすい2-2.生活動線や家事動線が効率的で移動がスムーズ2-3.家族が自然と集まり会話や交流が活発になる2-4.光熱費やメンテナンス費用が安く抑えられる2-5.耐震性が高く地震や強風などの揺れの影響を受けにくい2-6.構造物が少なく自由な間取りを実現しやすい3.平屋のデメリット3-1.広い敷地が必要3-2.二階建てよりも坪単価が高くなりやすい3-3.日当たりや風通しが悪くなりやすい3-4.プライバシーや防犯面で注意が必要4.平屋と二階建てで迷った場合は?4-1.平屋が向いている人4-2.二階建てが向いている人5.平屋をリノベーションするメリット・デメリット5-1.平屋リノベーションとは5-2.平屋リノベーションのメリット5-3.平屋リノベーションのデメリット6.メリット・デメリットを総合的に検討して平屋にするかを決めましょう! 1.平屋の特徴平屋のメリットとデメリットを把握するには、二階建てとの違いを押さえておく必要があります。ここでは、平屋と二階建ての違いを整理して、平屋が近年人気を集めている理由などを解説します。 1-1.平屋と二階建ての違い平屋と二階建ての大きな違いは階段の有無です。平屋には二階建てには必ず存在する階段がありません。階段の有無は、移動のしやすさや災害時の安全性、費用などの違いを生み出します。 平屋は階段がなくワンフロアで生活できるため、二階建てよりも移動が容易です。また、階段がないため構造的に安定しており、地震や台風などの災害に強いといえます。ただし、床上浸水などの災害時には上階に避難ができず、必ずしも二階建てより安全であるとはいえません。 費用に関しては、延べ床面積が同じであれば、平屋は屋根や基礎の面積が広くなるため、二階建てよりも坪単価が高くなる傾向があります。ただし、どちらが費用面で有利であるかは、建物の規模や間取り、設備などによって異なります。 1-2.平屋の人気が上昇している理由若い世代からシニア世代まで、幅広い年代で平屋が人気を集めている理由として、「コンパクトな暮らしがおしゃれ」や「バリアフリーで暮らしやすい」などが挙げられます。 ミニマリズムなどのライフスタイルの多様化により、コンパクトな暮らしが人気を集めており、ワンフロアで生活できる平屋が魅力的だと感じる方が増えています。また、少子高齢化により、年をとっても安心して暮らせることも平屋の人気が高まっている一因でしょう。 地震や台風などの自然災害に強いことも、平屋の人気が高まっている理由の一つです。平屋は重心が低く安定しており、地震や強風の影響を受けにくい構造になっています。構造上の安定性が高いことで、個性的でおしゃれなデザインにしやすいことも平屋ならではの魅力です。 2.平屋のメリット 平屋ならではの特徴は階段が存在しないことです。平屋は階段がなくワンフロアで生活できるため、二階建てにはないさまざまなメリットが得られます。ここでは、平屋のメリットをいくつかご紹介します。 2-1.バリアフリーで誰もが利用しやすい平屋は階段がないため、小さい子どもから高齢者まで誰もが生活しやすいことがメリットです。階段からの転落事故や段差につまずいて転倒するリスクも少なく、安心して子育てや介護ができます。 家族に車椅子を使用している方がいる場合も、平屋だと室内を安全に移動できることもメリットです。玄関に段差解消スロープを設置すると、車椅子に乗ったままで家に出入りができます。 平屋はワンフロアであるためバリアフリーに対応しやすく、階段に手すりやエレベーターを設置する必要もありません。バリアフリーリフォームをする際も最低限の工事をするだけでよく、二階建てよりも費用を抑えられます。 若い世代も平屋だと年をとってからも住みやすく、将来を見据えて平屋を選ぶ方も存在します。 2-2.生活動線や家事動線が効率的で移動がスムーズ平屋はワンフロアにすべての間取りが収まっており、生活動線や家事動線が効率的でスムーズに移動できます。リビングルームやキッチン、浴室などが同じ階に配置されているため部屋間をスムーズに移動でき、階段による上下移動も必要ありません。 例えば、キッチンからリビングへの移動や、洗濯機の設置場所から洗濯物を干すバルコニーへの移動などは階段を使わなくても済むため、家事の時短や効率化が図れます。また、小さな子どもや高齢者がいる家庭では、階段の上り下りがないため、日常生活における安全性が向上します。 生活動線や家事動線が効率的になり、家族にとって住みやすい環境になることは、平屋ならではのメリットといえるでしょう。 2-3.家族が自然と集まり会話や交流が活発になる平屋はオープンで広々とした間取りが特徴で、リビング・ダイニング・キッチンが一体化していることが多く、家族が自然と同じ空間に集まりやすいこともメリットです。家族同士の会話や交流が活発になりやすく、家族の絆が深まります。 二階建てだと、学校から帰宅してきた子どもは二階の子ども部屋に直行することがありますが、平屋だといつも家族の気配を感じられます。子どもたちがリビングで遊ぶ様子を見守りながらキッチンで調理をするなど、子育てをするのに適した環境といえるでしょう。 家族間のコミュニケーションが取りやすいことは平屋のメリットであり、家族の団らんを大切にしたい方にとっては、平屋は有効な選択肢になります。 2-4.光熱費やメンテナンス費用が安く抑えられる平屋はワンフロアであるため、光熱費やメンテナンス費用を低く抑えられます。平屋は階段がなく一つの階にすべての部屋が配置されており、空気の循環が効率的です。これにより、冷気や暖気が効率的に行き渡り、電気代の節約につながります。また、平屋は屋根が大きく、太陽光発電を取り入れているケースも多いです。 メンテナンス費用も低層の平屋は低く抑えられます。外壁や屋根をメンテナンスする際は、足場を組まなくてはなりません。建物が高層になるほど足場の料金も高くなるため、低層の平屋は費用面で有利です。簡単な修繕であれば、足場を組まずにできることもあるでしょう。 また、一般的に平屋は二階建てよりも水回りの設備や空調設備が少なく、設備のメンテナンス費用や交換費用も低く抑えられます。 2-5.耐震性が高く地震や強風などの揺れの影響を受けにくい平屋は二階建てと比べて耐震性が高く、地震や強風などの揺れの影響を受けにくいこともメリットです。平屋は構造がシンプルで、建物の上下の重量が均等に分散されています。このシンプルな構造により、地震や強風などに対する耐性が高まります。 平屋は一つの階しかないため、二階建てと比べると基礎を強化しやすいです。適切に設計・施工された基礎は、地震時に発生する揺れに対して建物をしっかりと支える役割を果たします。地震が発生した際も振動が広がりにくく、揺れによる影響は軽減されます。 ただし、基礎や柱、梁などの構造がしっかりとしていないと耐震性は低下するため、地盤調査や設計、施工をきちんと行う信頼できる建設業者を選ぶことが大切です。 2-6.構造物が少なく自由な間取りを実現しやすい平屋は二階がないため構造上の制約が少なく、自由な間取りを実現しやすいこともメリットです。デッドスペースになりやすい階段部分が不要で、限られた空間を有効活用できます。リビング・ダイニング・キッチンを一体化すると壁や廊下のスペースも少なくでき、そのスペースも有効活用できるでしょう。 また、平屋は低層であるため、高さ制限や斜線制限の影響を受けにくく、外観のデザインの自由度も高いです。個性的でおしゃれな外観にしやすく、平屋のデザイン住宅の人気も高まっています。 アメリカンスタイルやログハウス風など、好みやライフスタイルに合った家で暮らしたい方にとって平屋は魅力的であり、これも平屋回帰が進んでいる一因です。 3.平屋のデメリット 平屋はバリアフリーで誰もが利用しやすく、間取りや外観の自由度が高いなどのメリットが得られますが、広い敷地が必要になるなどのデメリットもあります。ここでは、平屋のデメリットを解説します。 3-1.広い敷地が必要平屋は水平方向に伸ばすため、建築するには広い敷地が必要です。平屋は垂直方向に伸ばせず、一階にすべての部屋を配置させなければなりません。建物の延べ床面積が同じであれば、二階建てよりも広い敷地が必要になってきます。 地価の高い都市部では、予算が少ないと広い敷地を確保するのは難しいことがあるでしょう。ただし敷地が狭い場合でも、設計を工夫すると平屋の建築は可能になることがあります。 平屋は階段部分が不要であり、廊下スペースを最低限に抑える間取りにすると、都市部や狭小地でも平屋を建築できます。また、建築基準法や地方公共団体の条例を遵守する必要がありますが、屋根裏を有効活用してロフトを設置することも可能です。 3-2.二階建てよりも坪単価が高くなりやすい建物の延べ床面積が同じだと、平屋は二階建てよりも建築費の坪単価が高くなりやすい傾向があります。坪単価が高くなる理由は、建物の延べ床面積が同じである場合、平屋は二階建てよりも基礎部分や屋根の面積が広くなるためです。基礎工事や屋根工事に費用がかかるため、建築費の坪単価も高くなります。 ただし、坪単価は高くなっても、トータルコストは必ずしも高くなるとは限りません。その理由は、平屋は階段や二階の廊下が不要であり、間取りが同じであれば二階建てよりも延べ床面積を減らせるからです。 「建築費=延べ床面積×坪単価」であるため、坪単価が高くなっても、延べ床面積を減らすことでトータルコストを低く抑えられることがあります。平屋と二階建てを費用面で比較する際は、トータルコストで考えることが大切です。 3-3.日当たりや風通しが悪くなりやすい平屋は周囲の状況や建物の形状、配置によっては、日当たりや風通しが悪くなることがあります。周囲に高い建物や樹木がある場合、それらの障害物によって日光や風が遮られてしまいます。 特に高い建物や樹木が建物の南側にあると、日当たりに影響が出やすいです。また、建物同士が密集している地域では、隣の建物からの影響が大きくなることがあります。 なお、敷地や建物の形状、配置によって日当たりや風通しは大きく変化します。建物の形状を「コの字型」や「くの字型」などにして、敷地の適切な位置に配置すると、採光と通風を確保できる場合があるでしょう。平屋を建築する際は、採光や通風なども考慮して設計することが大切です。 3-4.プライバシーや防犯面で注意が必要平屋は周囲の状況によっては、外から家の中を覗き込まれる可能性があります。これは、平屋が一階建てであり、窓や開口部が低い位置にあるため、外部から内部への視認が容易になるからです。 周囲に遮蔽物がなく、外部から室内を容易に覗き込まれる可能性がある場合、プライバシーの確保や防犯対策をしっかりと検討することが大切です。プライバシーを確保するために、堀や目隠しフェンス、植栽などで外部からの視線を遮りましょう。 設計の段階でプライバシーの確保を考慮して、浴室やトイレ、居室の窓の配置などを工夫することも重要です。必要に応じて、防犯カメラや防犯ガラス、センサーライトなどを設置すると、防犯性能が高まります。 4.平屋と二階建てで迷った場合は? 平屋と二階建てのどちらが向いているかは、個々のライフスタイルや家族構成、好みなどによって異なります。ここでは、平屋が向いている人と二階建てが向いている人を解説します。平屋と二階建てで迷ったときの判断材料にしてください。 4-1.平屋が向いている人平屋はバリアフリーであるため、小さな子どもや高齢者、車椅子で生活している方がいる世帯に向いています。住居内での転落事故や転倒事故を防止でき、安心して子育てや介護ができます。ワンフロアであるため家族を見守りやすく、平屋は子育てや介護をするのに適しているといえるでしょう。 一生同じ家に住みたい場合、今は若くても将来を見据えて、バリアフリーで暮らしやすい平屋を選択する方も存在します。 家族とのコミュニケーションを大事にしたい方にも、平屋がおすすめです。平屋は部屋と部屋の距離が近く、家族同士の会話や交流が活発になりやすい構造になっています。いつも家族の気配を感じられ、温もりのある家庭を築きたい方に最適です。 4-2.二階建てが向いている人平屋を建てるには広い敷地が必要であるため、土地の広さが限られている場合は二階建てが向いています。狭小地でも平屋の建築は可能ですが、二階建てよりも部屋数を多くするのは困難です。 したがって、都市部などで敷地面積が限られていて家族数が多い場合は、平屋よりも二階建てが向いています。4人家族以上で部屋数を多くする必要がある場合、二階建てのほうが間取りプランの自由度は高いです。 同じ屋根の下で家族が一つになりながら、適度な距離を保ってお互いのプライバシーを尊重したい場合も、二階建てが適します。また、将来的に親との同居を考えている方も、二階建てのほうが二世帯住宅にリフォーム・リノベーションがしやすいです。 5.平屋をリノベーションするメリット・デメリット 平屋をリノベーションすることは可能です。リノベーションとは、既存の建物を改修し、新しい要素を追加して機能やデザインを向上させる工事を指します。ここでは、平屋をリノベーションするメリット・デメリットを解説します。 5-1.平屋リノベーションとは平屋リノベーションとは、既存の平屋をライフスタイルや好みに合わせて、間取りや設備、内装などの改装をすることを指します。構造的な問題や法的な問題がなければ、平屋を二階建てに、二階建てを平屋にリノベーションすることも可能です。 例えば、子どもが独立後に夫婦が暮らしやすくするために、二階建てを平屋にリノベーションすることがあります。また、家族構成の変化に対応して、部屋数を増やすためにリノベーションをすることもあるでしょう。 リノベーションの費用は工事内容によって異なるため、一概にはいえませんが、二階建てを平屋にリノベーションするには、500〜2,000万円程度かかるのが一般的です。 5-2.平屋リノベーションのメリット平屋リノベーションのメリットは、ライフスタイルや家族構成に合った理想の住宅にできることです。例えば、大きな屋根裏空間を活用してロフトを作ったり、勾配天井を活かして吹き抜けのあるリビングルームにしたりなど理想の住宅が実現します。 平屋は設計の自由度が高いため、リノベーションをするのに向いているといえるでしょう。また、二階建てを平屋にリノベーションすると、二階建てにはない平屋ならではのメリットを享受できます。 二階建てを平屋にすると階段のないワンフロアになるため、子どもが独立後の老後の生活が暮らしやすくなります。リビングや水回り、物干し場などがワンフロアで完結することは、老後の生活を快適に送るうえで大きなメリットです。 5-3.平屋リノベーションのデメリット二階建てを平屋にリノベーションする場合、災害時の対策や防犯対策などが必要になってきます。洪水や床上浸水などの際は二階やベランダに避難ができず、逃げ場がなくなります。 ハザードマップなどを確認し、洪水や床上浸水などの被害が想定される場合は、万一の災害に備えたリノベーションプランの検討が必要です。特に足腰の弱い高齢者が同居している家庭は、災害時の対策を徹底しておきましょう。 二階建てを平屋にすると防犯性能が低下することもデメリットです。リノベーション業者との打ち合わせでは、平屋にするとどのような防犯上の問題が発生するのかを洗い出し、適切な対策を講じるようにします。 また、土地が広いとリノベーション費用が高額になる傾向があるため、本当に必要な工事だけを行うようにすることも大切です。 6.メリット・デメリットを総合的に検討して平屋にするかを決めましょう! 平屋にするかを決める際は、メリット・デメリットを総合的に検討することが大切です。平屋は「バリアフリー性に優れている」「家族とのコミュニケーションが取りやすい」などのメリットがある反面、「広い敷地が必要」「日当たりや風通しが悪くなりやすい」などのデメリットがあります。 平屋は二階建てよりも設計の自由度が高く、専門家と相談すると、デメリットを解消できる場合があります。 平屋は、家族のライフスタイルや予算に合わせて、自由に設計・カスタマイズできる魅力的な住宅です。メリット・デメリットを総合的に検討して、ご家族にとって最適な住宅を実現しましょう。 監修者:宅地建物取引主任者 浮田 直樹 不動産会社勤務後、株式会社池田建設入社。いえとち本舗山口の店長を経て、セカンドブランドのi-Style HOUSE山口店店長に就任。後悔しない家づくりをモットーにお客様の家づくりの悩みを日々解決している。