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ビルトインガレージのメリット・デメリットは?後悔しないためのコツ

愛車をいつでも楽しむことができる夢のある住宅。趣味空間として充実しているだけでなく、土地の有効活用ができるということもビルトインガレージの魅力です。
人生に楽しみを与え、高い実用性も兼ねているビルトインガレージは、憧れている人も多く人気があります。この記事ではビルトインガレージのメリットやデメリット、後悔しないためのコツなどをお伝えしていきます。
ビルトインガレージとは

一般的な住宅は建物と駐車スペースを別々に設けますが、狭い土地だと駐車スペースを設けることができなかったり、駐車スペースを設けるために居住する建物部分を削らなければいけなかったりします。こういった事情を解決し、土地を有効活用できる建物がビルトインガレージです。
ビルトインガレージは建物の1階部分が駐車スペースとなり、居住スペースと駐車スペースが一体になる構造になっています。ビルトインガレージは狭い土地でも駐車スペースを設けることができるということだけでなく、車が好きな方やDIY好きな方にも人気が高く暮らしをさらに楽しませてくれる住宅です。
ビルトインガレージのメリット

土地が狭くても駐車スペースを設けられる
ビルトインガレージは駐車スペースを確保することができない狭い土地にはうってつけといえます。ガレージのように駐車目的のスペースなら容積率の緩和精度があり、建築物の床面積の1/5までなら床面積に算入されません。これなら都心部のような容積率の厳しい土地でも効率よくスペースを活用することができます。居住空間の良好な環境を取り入れられる
居住スペースは必然的に2階以上に設けることになりますが、上の階に居住スペースがくることで、採光や通風をとりやすい間取りになります。リビングも高所のところにくるため眺望も良くなり、バルコニーとつながるリビングなら空間に奥行きが生まれて開放感を得ることができます。充実した趣味空間が実現
ガレージと居住空間の仕切りをガラスにすれば、いつでも室内から愛車を眺めることができます。ビルトインガレージはティーラーのショールームのように見せることができるためインテリア性も上がり、趣味空間として充実します。また、屋外のように扱えるため車の整備やDIYも室内で行うことができます。駐車から居住空間までアクセスが容易
駐車スペースから居住スペースにアクセスできる玄関を設ければ外に出ることなく室内に入ることができます。雨が降っている時や買い物から帰ってきた時は、移動の負担が少なく非常に効率の良い動線になります。車を室内環境で保管できる
一般的な駐車スペースは屋外にあるため、車は外部の影響を受けやすいことが懸念されます。歩行者のいたずらや風雨にさらされることで、車を痛めてしまう可能性もないとは限りません。その点、ビルトインガレージは室内に車が駐車されるため、外部からの影響を受けず安心して保管することができます。ビルトインガレージのデメリット

居住空間が2階以上になる
1階に駐車スペースきて居住空間が2階以上になるため、アクセスするには階段の登り下りが必ず必要になります。身体の負担を感じやすい高齢者や障害を抱える方には、この構造はデメリットとなってしまいます。ホームエレベーターを設置する案もありますが、その分エレベーター設置のスペースを確保する必要があるのと、導入コストが高くなります。
建物構造の制約を受けてしまうことも
ガレージは車の駐車スペースを確保する必要があるため、居住空間と比べて壁や柱が少なくなり、階数も2階以上ということもあって建物の荷重に耐える構造を有していることが求められます。建物構造には木造や鉄骨造、RC造などがありますが、設計によっては選べる構造が制限されてしまうでしょう。音や排気の臭いの対策が必要
車のエンジン音や排気の臭いが居住空間にまで届いてきてしまう可能性があるため対策が必要です。遮蔽するシャッターも思っているよりも大きい音が鳴りますので、音の出にくいものを取り付けることが望ましいです。ビルトインガレージに必要なもの

ガレージの床は水に強く油などで汚れても大丈夫な素材を使うことが望ましいです。一般的にはコンクリートが採用されていて、車のような重量のあるものがのっても割れない強度を有していることが必要です。床材は複合的に使うケースもあり、駐車スペースはコンクリート、車を駐車しない場所は無垢材やタイルで仕上げることもできます。
床は水が流れていくように歩行が困難にならないくらいの緩い勾配(傾斜)を設け、洗車などを行う場合は排水口を設けるといいでしょう。コンクリートは水を吸う性質があるため状態を維持していくために撥水性のある塗料や樹脂製塗料を塗ることもおすすめです。
駐車スペースとして広さは余裕を持って確保することが大切です。現在所有する車に合わせて設計してしまうと、車の買い替えの時に選べるものが制限されてしまいます。また、介護者の車の乗り降りや車椅子の移動なども1.4m以上の通路幅を確保する必要があります。
車の排気ガスの臭いは換気扇を設けて空気の入れ替えができるようにしましょう。シャッターは開閉時に音が響くためできるだけ音の出にくいものを選ぶこと。スライダー式は巻き上げ式のシャッターよりも音が静かです。
また、シャッターは間口が長く重量があります。手動だと開く時の負担が大きいため自動開閉型のものがおすすめです。リモコン操作で開閉ができますので、車に乗りながら操作が可能です。 ガレージ内は暗くなりますので照明を設置しておきましょう。
ガレージ内で使う道具類や車関係の備品は収納するスペースがあると便利です。また、電気工具が使えるコンセント、湿気や室温対策のためのエアコンもあるといいでしょう。
ビルトインガレージで後悔しないための注意点

ビルトインガレージは一般的な住宅と違って求められる構造や条件が異なりますので、ビルトインガレージをご検討されている方は、実績のある会社に依頼することをおすすめします。家づくりは土地を探すところから始まりますが、素人の方がビルトインガレージに適する土地かどうか判断するのは難しいです。
傾斜地や高低差のある土地だと、車を駐車することが困難になり実用性が欠けてしまいます。もし、ビルトインガレージを建てたいと思っている方は、土地探しの時に建築士や設計士の方に立ち会ってもらい、その土地が適しているか判断してもらってから購入をしましょう。
ビルトインガレージの居住空間はいろいろな工夫を盛り込めることができます。工夫を凝らした間取りにするには、住宅会社の設計力が試され、スキップフロアなど特殊な間取りも設計できる会社を選ぶことが望ましいです。
設計力のある会社に依頼することでビルトインガレージのデメリット部分も解消することが可能ですので、希望を叶えてくれる住宅会社を選びましょう。
まとめ
ビルトインガレージは狭い土地でも駐車スペースを確保できる建物です。土地を有効活用することができますので、都心部のような狭小地の多いところに有効です。趣味空間としても楽しませてくれる建物ですので、これから新築を購入しようと考えている方は、ぜひビルトインガレージもご検討してみてはいかがでしょうか。
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また、広告宣伝費を削減するために、コストのかかるテレビコマーシャルをやめて、インターネット広告やSNSでの宣伝に切り替えているハウスメーカーも存在します。間取りやデザインを規格化しているローコスト住宅は間取りやデザインを規格化し、マニュアルに沿って工事を行うことでコストダウンにつなげています。規格化することで使用する建材や人件費などが予測でき、コストを低く抑えられます。 ローコスト住宅は、無駄のないコンパクトなデザインを採用するのが一般的です。ゴージャスな見栄えよりも、限られたスペースの効率的な利用と無駄の排除に焦点を当てます。コンパクトなデザインで間取りも規格化されていると、職人の負担が大きく軽減します。 また、規格化による一貫性のある設計で品質が安定し、修正作業を少なくすることも可能です。建設プロセスが迅速かつ効率的に進行することで工期が短縮し、人件費の削減につながります。設備のグレードを低く抑えているローコスト住宅は、水回りなどの設備のグレードを低く抑えることでコストダウンを図っています。最新設備を導入するとコストがかかるため、一昔前の旧式の設備を使用することも多いです。 最新設備ではないため、機能性や利便性は低下しますが、コスト削減につながります。低価格で定評のあるリクシルの設備を標準仕様にするハウスメーカーも存在し、さまざまな工夫を施すことで大幅な低価格化を実現しています。 また、設備のグレードを同じにすることで一度に大量発注ができるようになり、仕入れコストの削減が可能です。職人も同じ設備を何度も繰り返し設置することで作業に慣れてくるため、工期の短縮による人件費の削減にもつながります。オプションを設定しているローコスト住宅は、標準仕様の本体価格を安くして、必要なものをオプションで追加することで安さを実現しています。例えば、標準仕様ではオール電化ではなくても、希望するとオプションでオール電化を追加できます。ただし、あらゆる最新設備をオプションで導入できるとは限りません。導入できる設備は限定されます。 ハウスメーカーによっては、長期優良住宅にするためのオプションを設定している場合があります。長期優良住宅の認定が受けられる仕様にすると、安全性や居住性が大きく向上しますが、オプション追加費が高額になることがあるため注意が必要です。なお、標準仕様が長期優良住宅の条件を満たしているハウスメーカーも存在します。ローコスト住宅の失敗例 ブログやSNSでは、「ローコスト住宅を建てて失敗した」という書き込みを目にすることがあります。失敗例を知っておくと、ローコスト住宅を建てる際の教訓になるでしょう。ここでは、ローコスト住宅の失敗例をいくつかご紹介します。 間取りやデザインが希望通りではなかったローコスト住宅は間取りやデザインが規格化されているため、標準仕様だと希望通りにはならないことがあります。オプションで間取りやデザインを変更できる場合がありますが、すべての希望が実現するとは限りません。 間取りやデザインに強いこだわりのある方はローコスト住宅は向いておらず、フルオーダーやセミオーダーの注文住宅がおすすめです。一般的な注文住宅だと地域にもよりますが、坪単価は90万円程度になり、ローコスト住宅のような低価格は望めません。 ローコスト住宅を建てる際は、事前に間取りやデザインを確認して、希望に近いかを判断することが大切です。複数のハウスメーカーの間取りやデザインを確認することで、失敗を防げます。断熱性が低くて夏は暑く冬は寒いローコスト住宅は価格を低く抑えるために、断熱性が低い場合があります。断熱性が低いと光熱費がかさむことがあり、毎月の電気代の負担が増えるので注意が必要です。 断熱材は、家の外から熱の出入りを遮る性能を高めるために重要な役割を果たします。断熱性が低いと冬は寒く夏は暑くなり、居住空間の快適性を大きく損ねます。 ただし、すべてのローコスト住宅が断熱性が低いわけではありません。断熱性能を重視したローコスト住宅も増えてきています。 ローコスト住宅を検討する際には、断熱性能についてもしっかりと確認しておくことが大切です。断熱材の厚みや種類、断熱等級、サッシや窓ガラスの性能などをチェックしましょう。オプションの追加で割高になったさまざまなオプションを追加すると割高になることがあります。広告などに掲載しているローコスト住宅の価格は標準仕様のものであり、さまざまなオプションを追加すると割高になるのは当然です。 必要としている設備などが標準仕様にあるかを確認しておくと、オプションの追加で割高になる失敗を防げます。また、カスタマイズを希望する場合は、オプションの内容と追加費をあらかじめ確認しておきましょう。 オプションを追加しすぎると、最終的な価格が一般的な注文住宅と同程度になることがあります。これでは、ローコスト住宅を建築する意味がなくなります。必要な設備とオプションを明確にし、予算内で満足できる住宅を建設するための適切なバランスを見つけましょう。メンテナンス費用がかさんだローコスト住宅は価格を抑えるために、耐久性やメンテナンス性に劣る建材や設備を使用することがあります。建材や設備によっては、経年劣化や故障による修繕や交換が必要になる頻度が高くなる可能性があります。 外壁や屋根の塗り替え、雨漏りの修理、給湯器やエアコンの交換、キッチンやトイレの交換などはメンテナンス費用がかさむ可能性が高いです。特に雨漏りは大変危険であり、放置しておくと腐食が進み、住宅に深刻なダメージを与えます。 なお、ローコスト住宅であっても、耐久性やメンテナンス性に優れた建材や設備を使用するハウスメーカーも増えてきています。ローコスト住宅の建築を依頼する際は、価格と品質のバランスを見極めましょう。アフターフォロー体制に問題があったローコスト住宅は、価格を抑えるために、アフターフォロー体制を簡素化している場合があります。トラブルが発生した場合に迅速に対応してもらえない可能性があり、注意が必要です。 「保証期間が短い」「保証内容が限定されている」「アフターフォローの担当者が不在」「アフターフォローの対応が遅い」などが失敗例として挙げられます。ローコスト住宅を建てる際には、アフターフォロー体制についてもしっかりと確認しておくことが大切です。 事前にアフターフォローや保証の内容を確認しておくと失敗を防げます。ローコスト住宅であっても、アフターフォロー体制を充実させているハウスメーカーも増えており、30~60年の長期保証が受けられる場合があります。 ローコスト住宅を建てる際に後悔をしないためのポイント ここまで、ローコスト住宅の失敗例を見てきましたが、失敗例を分析すると、建ててから後悔しないためのポイントがわかります。ここでは、ローコスト住宅を建てる際に後悔をしないための重要なポイントを解説します。予算や希望を明確にする 予算や間取りなどの希望を明確にしておき、予算内で希望を実現できるかを確認しておくことが大切です。予算が少ない場合は、すべての希望を実現させるのは難しいでしょう。希望には優先順位を付け、予算内に収まるように優先順位の高い希望から実現させるのがポイントです。 また、希望と予算を明確にすることは、無駄を排除するのにも役立ちます。不必要な追加オプションや設備を避け、コストを最小限に抑えるための手助けとなります。ローコスト住宅の建設は、慎重なプランニングと予算管理が成功の鍵です。 希望や要件を明確にすることでローコスト住宅を予算内で建築できます。なお、予期せぬ追加費用の発生に備えて、予算は少し余裕を持たせておくと安心です。断熱性をチェックする 断熱性は住みやすさを決める重要な要素であり、断熱性について確認することは大切です。住宅の断熱性能は、Q値やUa値、断熱等性能等級などの指標をチェックすると判明します。 Q値は熱損失係数であり、数値が低いほど省エネ性能は向上します。Ua値は外皮平均熱貫流率であり、Q値と同様に省エネ性能を判定するための指標です。Ua値が低いほど省エネ性能は向上します。 断熱等性能等級は、さまざまな住宅性能を評価するための指標です。1~7の等級があり、等級7が最も断熱性能が優れています。なお、長期優良住宅の認定基準を満たしていると、省エネ性能を確保できる断熱性能があると判断できます。住みやすさを重視するのであれば、長期優良住宅の仕様のローコスト住宅を選びましょう。 耐震性をチェックする耐震性は安全性を左右する重要な要素であり、耐震等級をチェックしておくことが大切です。耐震等級は建築基準法で規定されている指標で、1~3の等級があります。耐震等級3が最も耐震性が高く、消防署や警察署などの建築物が該当します。 ローコスト住宅を含む一般の住宅の多くは耐震等級2です。また、ツーバイフォー工法で建築されたローコスト住宅は耐震性が高く、地震に強い構造になっています。 なお、ハザードマップを確認し、地震などの自然災害のリスクについても調べておくことも大切です。地震の危険度が高いエリアでローコスト住宅を建築する際は、耐震性を重視しましょう。地震に強い住宅を建築することで、家族や財産を守れます。アフターフォローや保証をよく確認するアフターフォロー体制や保証内容に問題があると、メンテナンス費用がかさむことがあります。アフターフォローや保証内容を確認する際に重要なのは保証期間です。保証期間が長いと安心して暮らせます。 保証期間は10~60年で設定されることが多く、ローコスト住宅であっても長期保証が受けられます。永年保証が受けられるハウスメーカーも存在しますが、保証期間の長さだけで判断するのは禁物です。 保証期間は条件によって変動するため、条件を確認したうえで判断しましょう。一般的には、最初の10年間が無償保証期間であり、その後は10年ごとに有償保証期間を延長するケースが多いです。無償保証期間内でメンテナンスを行うと費用はかかりません。複数の業者を比較検討するローコスト住宅を建てる際に複数の業者を比較検討することは非常に重要です。複数の業者から相見積もりを取って、価格や品質、信頼性を比較しましょう。相見積もりを依頼すると業者間での価格競争が促進しますが、価格の安さだけでなく建材や設備の質なども比較することが大切です。 ローコスト住宅を建てる際は信頼できる業者に依頼することが重要であり、信頼性はこれまでの実績や実際に建築した施主の口コミが判断材料になります。営業担当者の接客態度も信頼性を見極める判断材料になるため、複数の業者とのコミュニケーションを通じて信頼性を見極めましょう。 なお、あまり多くの業者に見積もりを依頼すると手間と時間がかかるため、信頼できそうな業者を3社程度に絞り込んでおくことをおすすめします。第三者機関に相談するローコスト住宅の断熱性能や耐震性能などに不安がある場合は、第三者機関である住宅診断士によるホームインスペクション(住宅診断)を受けると安心できます。ホームインスペクションを受けるには料金がかかるため、事前に調べてから依頼しましょう。 ホームインスペクションを受けるのであれば、基礎工事の段階で立ち会ってもらうことをおすすめします。基礎は住宅の土台であり、基礎工事に欠陥があると安心して暮らせません。 ホームインスペクションを受けてみて欠陥が発覚した場合は立て直してもらいましょう。信頼できるハウスメーカーであれば手抜き工事をすることはありませんが、ホームインスペクションを受けることで手抜き工事のリスクが減少します。信頼できるハウスメーカーに依頼して安全性と居住性に優れたローコスト住宅を建築しよう!ローコスト住宅が安い理由は設備や建材を大量発注したり、広告宣伝費を削減したりしてコストダウンを図っているためです。信頼できるハウスメーカーであれば、品質を落としてまで安くすることはありません。3社程度のハウスメーカーから相見積もりを取得して、信頼性を見極めましょう。 ローコスト住宅の失敗例で多いのは居住性に関するものです。ほとんどの失敗例は、信頼できるハウスメーカーに建築を依頼すると防げることがわかります。失敗を防ぐために、価格と品質のバランスが取れているハウスメーカーに建築を依頼しましょう。 監修者:宅地建物取引主任者 浮田 直樹 不動産会社勤務後、株式会社池田建設入社。いえとち本舗山口の店長を経て、セカンドブランドのi-stylehouse山口店店長に就任。後悔しない家づくりをモットーにお客様の家づくりの悩みを日々解決している。
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外壁の色でよくある5つの失敗例とは?成功ポイントもご紹介!
外壁の色は家のイメージを左右する大事なポイントです。失敗せずに見栄えのいい外壁に仕上げるにはどうすれば良いか、家を建てる誰しもが悩むポイントでしょう。この記事では外壁の色選びでありがちな失敗例と原因を解説しています。失敗から学ぶことで立派な家づくりへと近づくことができます。さらに成功するためのポイントや人気の外壁の色も紹介していますので、外壁の色選びでお悩みの方はぜひ参考にしてください。外壁の色選びでよくある5つの失敗とは外壁の色は家のイメージにつながりますので、極力失敗はさけたいものです。しかし、こだわって外壁の色を選ぶあまり失敗してしまう例もいくつかあります。 ここでは外壁の色選びでよくある失敗例とその原因を解説していきます。失敗例から学ぶことで同じ道を歩まないよう、事前に備えておきましょう。 イメージと違う色になってしまった最も多い失敗例がイメージと違う色に仕上がってしまうことです。カタログで見る色と実際に外壁に塗られた色がイメージよりも濃かったり違って見えてしまうのです。 カタログだけで色を決めてしまうのではなく、実物も見て決めるようにしましょう。実際に建っている家の仕上がりを見たり、色見本を太陽光や外壁にあててみたりするなどしてできるだけ現物に近い環境で確認することが肝心です。 汚れが目立つ色を選んでしまった外壁の色の中には汚れが目立ちやすい色があります。外壁は常に雨風やほこりにさらされているので想像しているよりもはるかに汚れが付きやすいのです。 一番いい方法としては汚れが目立つ色を選ばないことですが、どうしても選びたい場合は汚れが目立つ色の面積比を少なくすることで極力汚れを目立たせなくすることができます。 外壁の色によってはこまめな手入れをしないとすぐに汚れてしまうことを念頭において外壁の色選びを行いましょう。 玄関ドアや屋根との色合いが悪い外壁のイメージを決めるのは壁だけではありません。玄関ドアや屋根、窓など総合的に見てイメージが決まります。外壁だけで見れば綺麗な色合いでも全体的にみるとバランスが崩れ、見栄えが悪くなることがあるのです。 玄関ドアや窓のサッシ、特に屋根は面性が広いので外壁とのバランスが重要になります。デザインや質感を考慮してバランスの良い外壁の色を決めていきましょう。 派手な色で近所からクレームがくる赤や青などの原色系の色を多く取り入れると外壁としては目立ちやすい色になりますので、近所の方から目立ちすぎるとクレームが入る可能性があります。 個性を出したい、家を建てるならこの色がいいなどこだわりがあったとしても、クレームによって住み辛くなってしまっては意味がありません。 周りの家の雰囲気を考慮し、目立ちすぎないような色合いにするか原色の使用比率を抑えるなどして対応しましょう。 景観ガイドラインに違反してしまう市区町村によっては街の景観保護のために「景観ガイドライン」が定められている場合があります。歴史的建築物の多い地域などでよく見られ、外壁に使う色が限定されている場合があるのです。 景観ガイドラインを無視して家を建てることはできません。外壁の色を景観ガイドラインに沿って決め直すか、景観ガイドラインが定められていない地域に家を建てるか検討をしましょう。 外壁の色選びで成功する5つのポイント外壁の色選びが成功するポイントを抑えて実践することで、外壁の仕上がりが想像以上になる可能性があります。外壁は家のイメージを左右するといっても過言ではありませんので、できるだけ成功できるように事前に確認していきましょう。 色単体ではなく全体をイメージする外壁のイメージを構成するのは外壁の色もちろん、窓のサッシや屋根、玄関ドアとの色合いも関係してきます。 つい色同士の組み合わせやイメージだけで決めてしまいがちですが、実際に外壁に落とし込んだ時に全体をイメージしていないため、想像と大きく違ってしまうケースがよくみられます。 かならず家全体をイメージして、外壁の色の組み合わせを考えるようにしましょう。 言葉でうまく表現できない時は画像検索をする家のイメージはモダンやエレガント、フォーマルなど多種多様にあります。イメージだけ先に決まっていて肝心の具体的な外壁の色がわからない、という場合は多々あります。 見本色を見てなんとなくで決めてしまうのではなく、インターネットで画像検索をしてサンプルを確認するようにしましょう。実際の画像を見ることでイメージの言語化もしやすくなり、施工業者や塗装業者に具体的にイメージを伝えることができます。 ツヤの加減を考慮する外壁の色のイメージはツヤの具合でも大きく変わります。外壁のツヤの具合は以下の4つから選ぶことになります。 ツヤなし三分五分七分 施工当日に塗装業者が直接ツヤの調節をするのではなく、メーカーが製造する時点で決まっているので注意が必要です。ツヤの加減を確認する場合は晴れた日に日が当たるところで確認しましょう。 汚れにくい色や変色しにくい色を選ぶ日頃のケアが必要なくなるわけではありませんが、汚れが目立ちにくい色や変色しにくい色を選ぶことで、できるだけ劣化を防ぐことができます。 雨風やほこりから外壁を完全に守ることは不可能ですが、グレーや茶色などの色は汚れが目立ちにくくメンテナンスも楽です。個性も大事ですが、管理面も同時に気を配ってみましょう。 色の組み合わせを2~3色にする外壁に使う色は最大でも3色に抑えることでまとまりのある印象を持たせることができます。これ以上多くなるとばらばらとした、落ち着きのない印象になりがちです。 ツートンカラーにする場合は同系色か、同じような薄さの色を採用しましょう。ベースカラーとアソートカラーを決め、6:4か7:3の比率になるように配色するとバランス落ち着きのある雰囲気を持たせることができます。 人気の外壁の色3選外壁の色を選ぶ上で無難な色とはいったい何色でしょうか。ここでは人気の外壁の色を紹介していきますのでぜひ参考にしてください。 人気の理由は汚れが目立ちにくい・雰囲気が落ち着いている・清潔感があるなど外壁が持ち合わせるべき印象・機能を持ち合わせたものばかりです。 グレーグレーは汚れが目立たずシックな印象を持たせられる人気ナンバーワンの色です。周りの家との調和も取りやすく景観を壊すことがほぼありません。 落ち着きのある大人な印象を持たせられるので外壁の色選びに迷ったのであれば、無難にグレーを選ぶことをおすすめします。 茶色茶色もグレーと同じく、汚れが目立ちにくく周りとの調和が取りやすい色です。グレーよりも温かみのある印象を持たせられるのが特徴です。 タイル張りやレンガ調の家にはうってつけの色ですので、外壁をサイディングでタイル張りやレンガ調にしたい方に特におすすめです。 白白は周囲との調和を持たせながら清潔感を感じさせる印象が特徴的です。玄関ドアやサッシとの相性も良く、風水的にも幸せな家庭を築ける効果が見込めるなどメリットばかりです。 しかし、グレーや茶色と違い汚れがかなり目立ちやすいので管理が大変です。外壁の色として採用する場合は管理面の難しさを考慮しましょう。 まとめ外壁の色はなんとなくや好みだけで決めるのではなく、全体のバランスや周りの家との調和を考えて慎重に選択するようにしましょう。 自分で外壁の色を決めるのも楽しみの一つですが、プロの意見を取り入れながら決めていくことで思わぬ失敗を避けることができます。 いえとち本舗の会員なら家づくりのお得情報や限定施工事例が見放題です。無料で会員登録できますので、お家のことでお悩みの方はぜひいえとち本舗に登録してみましょう。