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建物・家づくり
地下室を造るメリット・デメリットは?注意点や費用について解説

地下室は建築基準法では地階と記されており、地盤面よりも下にある階の部屋のことをいいます。地階は天井が地盤面から1m以下の高さであることと定められており、容積率の緩和も効くため床面積を増やすことが可能です。
地下室の使い方もさまざまあり、便利な空間として活用できますので、ぜひ家づくりの候補として検討してみましょう。この記事は地下室を造るメリットやデメリット、注意点と費用をご紹介します。
地下室のメリット・デメリットとは?

地下室はいろいろな用途として利用することができますので、どんなメリット・デメリットがあるのかチェックしてみましょう。
メリット
【延床面積を確保することができる】地階は延床面積の緩和があり、条件を満たすことで延床面積を敷地で制限される容積率より多く確保することが可能です。地上階の延床面積の1/3以内であれば床面積を増やすことができますので、床面積の確保が難しい狭小の土地に地階は適しています。敷地の制限次第では延床面積の最大1.5倍増やすことが可能です。
【遮音性が高い】
地階は地面の下にあり土に囲まれているため内外への音の伝わりが少ない特徴があります。この特徴により遮音性に優れ、大きな音を出しても外に漏れにくくご近所の方に迷惑をかけにくいです。地階は鉄筋コンクリート構造ですので、上階にも音が響きにくくなっています。
【耐震性が高い】
地階は地震への影響が少ない構造ですので、シェルターとして利用することができます。地上階は建物の重さが負担になり、地震の力が建物にかかり崩壊するリスクがあるため倒壊しないように強度を上げなければいけません。地階は地盤に囲まれている構造なため、地震の揺れが軽減され、災害に対して安全な空間を家に備えておくことができます。
【温度変化が少ない】
地階は温度変化が少なく一定の温度を維持しやすい環境となっています。冬は暖かく、夏は涼しい室内環境ありますので、保存食やワインの貯蔵に適しています。
【趣味空間として活用】
地階はさまざまな用途で活用することができます。音が外部に漏れない、温度変化が少ない、という特性からシアタールームや楽器演奏のスタジオ、創作空間、子供の遊び場、ワインセラー、食品の貯蔵、収納と使い方は幅が広いです。
デメリット
【コストがかかる】地階のデメリットは通常の住宅と比べてコストがかかるということです。地階を設けるには地面を掘削し、鉄筋の配筋やコンクリートの打設、換気や電気設備、地下水などの防水対策など工事規模も大きくなります。同じ延床面積でも地階よりも地上階のみの建物の方がコストは安くなりますので、用途と予算を照らして地階が適しているかよく検討しましょう。
【結露しやすい】
湿気を含んだ空気は重いため下に溜まりやすく結露に注意しなければいけません。結露はカビを発生する要因となりますので、しっか除湿し換気できる防湿対策が必要になります。
【浸水しやすい】
近年では集中豪雨による浸水が起きています。地階は地面下にある構造のため、大雨によって浸水を起こす恐れがあります。浸水すると内装をやり直さなければいけなくなってしまいますし、カビを発生させてしまう可能性もあります。
地下室は部屋なの?容積率に影響はあるの?

地階には建築基準法第52条により以下の条件を満たすことで容積率の緩和制限が適用できます。
- 地階の床から地盤までの高さが地階の天井までの高さの1/3以上であること
- 延床面積の1/3以内なら容積率に算入されない
例えば、敷地面積200㎡に対して容積率100%、床面積1階100㎡2階100㎡とした場合、容積率による延床面積の上限が200㎡となりますので、地階の床面積は100㎡、合計で300㎡確保することができます。
注意するところは、地階を居室として扱う場合は建築基準法により一定の基準を満たすことが必要になり、壁や床の防湿、換気や湿度調整の設備、ドライエリア(からぼり)を設けるなど衛生上必要な処置が必要になります。また、防水措置、土圧や水圧、地震などに対して構造耐力上安全であることが定められています。
地下室を造る時の注意点とは?

地下室を作る際はデメリットで挙げた結露や水の影響を防ぐ対策が重要になります。また地面の下に空間を作ることになりますので、土地の状態はよく確認してから選びましょう。地盤の強度が弱い場合は補強が必要になりますし、地下水の有無も地下室を作るのに影響してきます。埋設されている給排水の位置も干渉する恐れがあり、地下室を設ける位置に配管類があると移設する必要が出てきます。
どこに配管が設けられているかは図面に記載されていますので、不動産業者や役所で土地の状態を確認しましょう。近年多い集中豪雨などの自然災害は浸水の恐れがありますので、過去に浸水の履歴があるか調べることをおすすめします。浸水に関するハザードマップは市町村区の役場で確認することができます。
地下室を造るための費用はどれくらい?

地下室を造るにはコストは1000万円以上かかることもありますので予算に対して用途が見合っているかよく検討することが大切です。地下室を造ってもらう業者によっても費用は変わってきます。
大手の住宅会社に造ってもらう場合は、地下室の施工は下請けに依頼するため躯体部分が1000〜200万円/坪程度と高いです。
依頼する業者が自社施工で行っている場合は中間マージンが発生しないため、大手よりも施工費が安くなり50〜70万円/坪に抑えることができるでしょう。
土地が高い場合はそこで床面積を広げるよりも、安い土地で地階を設けた方がコストを抑えるには有効です。地下室の施工は調査から掘削、鉄筋の配筋、コンクリートの打設と工程も多いため工期は規模にもよりますが1〜1.5ヶ月ほど要します。
以下には簡単ですが地下室工事の内訳とおおよその費用を記載しましたのでご覧ください。
- ボーリング調査:約25〜35万円
- 構造計算(地下室部分):約30〜45万円 ※地上階は約20〜30万円
- 設計図作成:約30〜80万円
- 掘削・土留:約150〜200万円
- 運搬・処分費:約200万円
- 掘削・搬出・処分:約1万円/㎡
- 地盤改良:約100〜300万円
- 浸水対策:約90〜180万円
- 結露対策:約10〜60万円
まとめ
ここまで地下室についてお伝えしましたが、その魅力はいろいろな用途で使えて空間を広げることができることではないでしょうか。趣味空間として活用するのもいいし、貯蔵庫としても地下室は適しています。土地が狭く床面積が限られてしまって困っているという方は、地下室だと容積率の緩和があるため床面積を増やすことができます。これから家を建てようと考えている方はぜひ地下室も検討してみてください。
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平屋を安く建てる方法を解説!ローコスト住宅なら1,000万円台も可能
近年、平屋の人気が高まっており、平屋の建築を検討されている方は多いでしょう。平屋は2階建てよりも坪単価が高くなる傾向がありますが、工夫をすると1,000万円台でも建てられる可能性があります。この記事では、平屋を安く建てる方法を解説します。どのようにすれば平屋を安く建てられるかがわかるようになるでしょう。 1.平屋を安く建てることは可能?2.平屋を安く建てる方法【準備】2-1.予算を明確に設定する2-2.情報収集をする3.平屋を安く建てる方法【設計・デザイン】3-1.シンプルな外観・間取りにする3-2.無駄なスペースを減らす3-3.規格住宅にする4.平屋を安く建てる方法【業者選び】4-1.平屋のローコスト住宅を得意とするハウスメーカーを選ぶ4-2.各業者の標準仕様を確認する4-3.複数の業者から見積もりを取る5.平屋を安く建てる方法【コスト削減のアイデア】5-1.補助金・助成金・減税制度を利用する5-2.中古の平屋をリノベーションする5-3.省エネ住宅やZEH住宅を検討する6.平屋を安く建てる際の注意点6-1.安さだけを追求しない6-2.オプション費用を考慮する6-3.坪単価ではなく総額で考える7.平屋を安く建てる際によくある質問7-1.2階建てと平屋ではどちらが安いですか?7-2.15坪や20坪の平屋を建てるにはいくらお金がかかりますか?8.さまざまな方法で平屋を安く建てることは可能! 1.平屋を安く建てることは可能? ローコスト住宅を選ぶなどの方法で、平屋を安く建てることは可能です。ローコスト住宅とは、間取りや設備を標準仕様としてパッケージ化したセミオーダータイプの注文住宅を指します。一般的な注文住宅と比べると設計の自由度は低いですが、価格を低く抑えられます。 一般的な注文住宅の建築費の坪単価は90~100万円程度であるのに対し、ローコスト住宅なら大手ビルダーの70%程度のコストで建築が可能です。20~25坪程度の標準仕様の2LDKだと、1,000万円台で建てられる可能性があります。 ただし、これは建物の本体工事費だけの価格であり、付帯工事費や諸経費、土地を所有していない場合は土地代などが別途必要になります。 2.平屋を安く建てる方法【準備】 平屋を安く建てるには、予算を明確に定めたうえで情報収集をしっかり行い、計画的に準備を進めることが大切です。準備を疎かにすると予算オーバーになったり、希望に合致した平屋を建てられなくなったりする可能性があります。 2-1.予算を明確に設定する平屋を安く建てるには、予算オーバーにならないよう予算を明確に設定することが大切です。予算オーバーになると、返済困難になる可能性があります。毎月のローン返済額や生活費などを考慮し、無理のない範囲で予算を決めましょう。 予算内に収めるには、建物の建築費用だけでなく、土地代や諸費用もかかることを考慮する必要があります。一般的に、坪単価で表示される本体工事費は総費用の70~80%程度であり、総費用の15~20%程度の付帯工事費と、総費用の5~10%程度の諸経費、土地代がかかります。 なお、予算を設定する際は、金融機関がWeb上で提供している「住宅ローンシミュレーション」の活用がおすすめです。住宅ローンシミュレーションを活用することで、毎月の返済額や総返済額などを簡単に計算できます。 2-2.情報収集をする要望に合致する平屋を安く建てるには、準備段階における情報収集が大切です。情報収集をしっかり行うことで、予算内に収まる理想的なプランを立てられます。3ヵ月~半年程度かけてじっくりと情報収集を行いましょう。 情報収集の手段として、住宅展示場やモデルハウス、ローコスト系ハウスメーカーのホームページ、住宅ポータルサイト、ブログなどが挙げられます。住宅展示場に足を運ぶと実際に平屋を見学でき、外観デザインや間取り、設備などのアイデアを得られます。 実物を確認するだけでなく、インターネットで情報を収集することも大切です。施工事例や価格帯、実際に平屋を建てた人の体験談などを確認でき、建築や不動産に関する知識も深まります。 3.平屋を安く建てる方法【設計・デザイン】 設計やデザインは住宅の価格を決める重要な要素です。平屋を安く建てるには、設計やデザインを工夫しなければなりません。ここでは、設計やデザインを工夫して、平屋を安く建てる方法を解説します。 3-1.シンプルな外観・間取りにする長方形や正方形など、外観デザインをシンプルにすると、デザイン料や材料費、建築費を抑えられます。豪奢な装飾を施したり凹凸の多いデザインにしたりすると施工に手間がかかり、費用は割高になります。 平屋は屋根の面積が広くなるため、屋根の形状はデザインを決める重要な要素です。屋根形状を構造がシンプルな「片流れ」にすると費用を抑えられる可能性があります。片流れ屋根は費用を抑えられるだけでなく、屋根裏スペースの有効活用や太陽光パネルの設置などにも適します。 なお、外観デザインと間取りは単独で考えるのではなく、同時に検討することが重要です。外観デザインと間取りは密接に関係しており、片方を決めてしまうともう片方の選択肢が制限される場合があります。 3-2.無駄なスペースを減らす平屋を安く建てるには、設計やデザインの段階から無駄なスペースを減らすことを意識することが重要なポイントです。実際の生活においてあまり使わない部屋をつくると建坪が増えてしまい、余計なコストがかかります。 例えば、来客用のゲストルームや書斎などをつくる際は、本当に必要であるかを慎重に吟味しましょう。将来のライフスタイルの変化なども考慮して、本当に必要な部屋だけをつくることが費用削減につながります。 廊下や収納スペースを最低限に抑え、限られた空間を有効活用することも重要です。リビングとダイニングを一体化したり、ドアをなくしてオープンな空間にしたりすることで、廊下は不要になります。収納スペースは、必要な場所に必要なスペースだけ設けるようにしましょう。 3-3.規格住宅にするさらに低価格で平屋を建てるには、規格住宅にするという方法もあります。規格住宅とは、フルオーダーの注文住宅と建売の中間に位置する家の建て方です。間取りやデザインが規格化されたものから好みの住宅を選ぶことにより、建築費用を低く抑えられます。 フルオーダーの注文住宅と比べると工期も短く、早く入居できることも規格住宅のメリットです。間取りやデザインの自由度は低いものの、人気のある間取りや外観デザインを採用していることが多く、おしゃれな雰囲気の家で快適に暮らせます。 規格住宅は家の大きさや形が既に決まっているため、土地の面積や形状によっては建てられない可能性があることに注意が必要です。規格住宅を選ぶ際は、土地の面積や形状も考慮して検討するようにしましょう。 4.平屋を安く建てる方法【業者選び】 平屋を安く建てるには、業者選びも重要になってきます。業者によって、建築費用や住宅の品質、アフターサービスなどが異なるため、以下の点を考慮して最適な業者を選びましょう。 4-1.平屋のローコスト住宅を得意とするハウスメーカーを選ぶ平屋を安く建てるには、平屋のローコスト住宅の実績が豊富なハウスメーカーを選ぶことが重要です。業者によって、数百万円単位で家づくりの費用が異なるため、業者選びを慎重に行うことで、より安く平屋を建てられます。 業者選びのポイントは、施工実績を調べ、平屋のローコスト住宅を得意とするかを見極めることです。平屋のローコスト住宅の建築を得意とするハウスメーカーは、コストを抑えながら、品質を維持するノウハウを持っています。 ローコスト系のハウスメーカーであっても、必ずしも平屋の設計・施工に精通しているとは限りません。ハウスメーカーのホームページで平屋の施工実績や事例を確認し、実際に平屋を建てた方の口コミなども参考に、平屋のローコスト住宅が得意なハウスメーカーを選びましょう。 4-2.各業者の標準仕様を確認する業者によって標準仕様は大きく異なるため、比較検討することが重要です。ローコスト住宅は標準仕様があらかじめ決まっており、オプションを追加することで、設備をグレードアップしたり、住宅性能を高めたりします。 例えば、キッチンやお風呂などの設備を標準仕様よりもグレードアップさせたい場合は、オプション費用の追加が必要です。標準仕様が充実していると、オプション費用をある程度抑えられる可能性がありますが、本体価格が高くなることがあります。 業者を選ぶ際は、必要なオプションをリストアップして、標準仕様に含まれているかを確認のうえ、各業者の標準仕様を比較検討することが平屋を安く建てるためのポイントです。 4-3.複数の業者から見積もりを取る平屋を安く建てるには、1社だけでなく複数の業者から相見積もりを取ることが大切です。相見積もりを取らないと情報不足になり、他の業者の価格がわからず、適正価格が判断できません。また、競争がないため、高い見積もりを提示される可能性があります。 相見積もりを取ることは大切ですが、あまりにも多くの業者から見積もりを取ると手間と時間がかかるため注意が必要です。3社程度から見積もりを取得し、価格や品質、担当者、アフターサービスなどを比較することで、最適な業者を選べます。 なお、相見積もりを取得する際には、同一の条件で見積もりを取ることが大切です。間取りや仕様などを同じ条件で比較しないと、正確な比較ができません。 5.平屋を安く建てる方法【コスト削減のアイデア】 設計やデザインを工夫して、平屋の建築を得意とする業者を選ぶだけではなく、さまざまな方法で平屋を安く建てることは可能です。ここでは、平屋を安く建てるためのアイデアをいくつかご紹介します。 5-1.補助金・助成金・減税制度を利用する補助金・助成金・減税制度を利用することで、平屋を安く建てることが可能です。新築の補助金・助成金の例として、以下のようなものがあります。なお、R5年度分の募集が終了しており、R6年度分の募集が開始されていない事業もあるため、事前に必ずご確認ください。 子育てエコホーム支援事業LCCM住宅整備推進事業ZEH支援事業地域型住宅グリーン化事業各自治体による補助金 例えば、子育てエコホーム支援事業の場合だと、子育て世帯や若者夫婦世帯は条件に合致すると、注文住宅や分譲住宅を新築・購入する際に最大100万円の補助金を受けられます。 補助金・助成金だけでなく、住宅ローン減税や固定資産税の軽減などでも費用を抑えることは可能です。条件に合致すると、13年間にわたって住宅ローン減税が適用され、固定資産税も一定期間軽減されます。 5-2.中古の平屋をリノベーションする予算不足の場合、中古の平屋をリノベーションするという選択肢もあります。リノベーションの工事内容にもよりますが、新築よりも建築費用を抑えられる可能性が高いです。土地付きで購入できるため、土地を探す手間も省けます。 間取りやデザインなどにこだわりがあり、新築よりも安く建てたい場合、リノベーションは有効な選択肢になるでしょう。ただし、中古の平屋を購入する際は、法令上の制限や耐震基準などの確認が重要になってきます。 建築基準法で定める条件を満たしていないと、リノベーションができないことがあります。また、耐震基準を満たしていなかったり、インフラの状態が悪かったりすると、改修費用が高額になることがあるため注意が必要です。 5-3.省エネ住宅やZEH住宅を検討する平屋を安く建てるには、省エネ住宅やZEH住宅を検討することも重要です。省エネ住宅やZEH住宅は、高性能な断熱材や設備を使用するため、初期費用が高くなる場合があります。しかし、長期的に見ると光熱費の削減効果により、家を建ててからのランニングコストを抑えられます。 省エネ住宅やZEH住宅を建てる際には、補助金・助成金を利用すると初期費用の削減が可能です。国や自治体は省エネ住宅やZEH住宅の普及を推進しており、子育てエコホーム支援事業や各自治体による補助金など、利用できる補助金・助成金は数多くあります。 基本的に補助金・助成金は施工会社が申請するため、施工を依頼するハウスメーカーや工務店の担当者に確認してみてください。 6.平屋を安く建てる際の注意点 平屋を安く建てる際には、いくつかの注意点があります。かえって割高になったり、建ててから後悔したりしないようにするには、以下の点に注意が必要です。 6-1.安さだけを追求しない平屋を安く建てるには、予算を抑えることは大切ですが、建物の品質や安全性などを犠牲にしてはいけません。耐久性や住み心地、安全性などを考慮しながら、価格とのバランスを取ることが大切です。 建材や設備のグレードを落とすと価格を安くできますが、耐久性が低かったり、住み心地が悪かったりする場合があります。建てた後で修理費用やランニングコストがかさんでしまう可能性があり、長期的に見ると割高になることもあるでしょう。 業者選びの際は、安さだけをことさらアピールしている業者には注意が必要です。実績や評判なども確認し、価格と品質のバランスが取れているコストパフォーマンスが高い業者を選びましょう。 6-2.オプション費用を考慮するローコスト住宅の場合、オプション費用を考慮することは非常に重要です。標準仕様の価格が安くても、オプションを追加しすぎると、費用が高額になる場合があります。ハウスメーカーが最初に提示するのは標準仕様の価格であり、基本的にオプションは含まれていません。 オプション費用を抑えるには、本当に必要なオプションだけを追加するようにします。あれば便利という程度であれば、追加する必要はありません。オプションの費用に見合う価値があるかどうかを検討することが大切です。 不必要なオプションを追加しないようにするには、準備の段階で本当に必要な設備や住宅性能を決めておき、ハウスメーカーの担当者から勧められた場合は慎重に判断しましょう。 6-3.坪単価ではなく総額で考える平屋を建てる際は、坪単価ではなく総額で考えることが重要です。坪単価は住宅の建築費用を算出するための数字であり、本体価格を延床面積で割ることで算出されます。例えば、坪単価が70万円であっても、これは本体価格の金額であり総額ではありません。 家を建てるには、本体価格だけでなく、付帯工事費や諸経費、オプション費用もかかります。ハウスメーカーの広告で「坪単価◯万円」と記載されていても、総額ではないことに注意してください。 また、ハウスメーカーでは「コミコミ価格」という言葉が使われることがありますが、コミコミ価格は家の本体価格(材料費と施工費)だけであるケースがあります。コミコミ価格には何が含まれているのかを確認することも大切です。 7.平屋を安く建てる際によくある質問 平屋は2階建て住宅とは構造やデザインなどが異なるため、不明な点や疑問点が生じやすいです。ここでは、平屋を安く建てる際によくある質問をいくつか挙げ、質問に回答します。 7-1.2階建てと平屋ではどちらが安いですか?延床面積が同じであれば、一般的に平屋のほうが2階建てよりも坪単価は高くなります。同じ延床面積の場合、平屋は2階建てよりも屋根や基礎の面積が広くなることが、建築費が高くなる理由です。 ただし、土地の形状や建物の構造、設備などの条件によって費用は変わるため、総工費で考えると一概に平屋のほうが高くなるとはいえません。建築費の坪単価で比較するのではなく、総額で比較することが大切です。 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