ブログ/コラム
Blog/Column
建物・家づくり
家づくりで失敗しないために!実際の流れや依頼先の選び方を解説

家を建てるには高額な費用がかかるため、できるなら失敗はしたくありません。後悔なく理想の家を建てるには、しっかり話し合いがされていて、建てたい家がどんな家かちゃんと把握していることです。この記事では家づくりに失敗しないポイントや家が完成するまでの流れ、依頼先などをご紹介していきます。
家づくりを決めたら最初にやること

家は家族と一緒に生活をおくる一つの箱です。一緒に生活していく家族だからこそ、みんなが幸せになる家づくりができるといいですよね。「どんな家に住みたいか?」「どんな生活をおくりたいか」など家づくりが頭に浮かんだら、何をしたらいいか迷われるかと思います。
住宅展示場や現場見学会に行く、住宅会社に相談する、資料請求する、などどれも重要なことですが、もっと大事なことがあります。それは一緒に暮らす家族と話し合うことです。家づくりを決めたら最初にやることは家族会議を開いて、これから進めていく家のことを話し合あっていきましょう。
家づくりはイメージが大切

家づくりは「どんな家に住みたいか」「理想とする家はどんな家か」などしっかり自分が求めるイメージを持っておくことが大切です。家づくりのイメージを膨らませる時は現実的なことばかり考えるのではなく、理想もたくさん盛り込んでいきましょう。
ライフスタイルに合わせていくことも大切ですが、せっかく新しい生活が始まるマイホームですから、理想な生活や家族像を思い浮かべておくことも重要です。現実と理想の両面のイメージを持つことで、理想を叶えるために弊害となる問題も明らかになり、どうすれば解消できるか対策を立てることができます。
頭の中に浮かんだ家のイメージを設計士の方に伝えるには、写真や雑誌の切り抜き、イラストなどを用いることをおすすめします。求めている理想を視覚的に伝えられますので、設計士との間で食い違いが起きにくくなります。
また、頭に浮かんだイメージを文字に起こしておくことで、どんな家を建てたいかアイディアを整理することができますので、イメージを具体化するのにおすすめです。
家づくりで必要な費用の計算方法

家づくりにとって見逃すことができないのが家を建てる費用です。まずは、家づくりにかかる費用について押さえておきましょう。
【家づくりにかかる費用の内訳】
- 本体工事費:約7割
- 付帯工事費:約2割
- 諸経費:約1割
【本体工事費】
家を建てるために必要な基礎工事や木工事、外壁工事、屋根工事、内装工事などが該当します。
【付帯工事費】
付帯工事は地盤改良、解体工事、基礎補強工事、インテリアや照明、外構工事などが該当します。
【諸経費】
家や土地の登記費用や印紙代、住宅ローンの手数料、火災・地震保険の費用、仮住まい費、引越し代などが該当します。
住宅ローンの返済額は返済負担率20〜25%の範囲が目安です。賃貸住まいなら現在支払っている家賃も照らし合わせて適切な返済額かよく検討しましょう。
借入可能額や返済額の目安を知りたい方は住宅ローンのシミュレーションができるサイトがありますので、そこで確認してみるのをおすすめします。
フラット35 ローンシミュレーション
実際の家づくりの流れ・工程

以下に家づくりの流れと工程を記しましたのでご覧ください。
1. 情報収集・家の構想を立てる・資金計画
どんな家を建てていきたいかイメージを膨らませ計画を立てていきます。資料請求などで情報も収集し、資金計画をしていきましょう。2. 土地探し・敷地調査
土地がない場合は新しく探すことになります。土地の条件に合わせて家を建てていきますので、できるだけ理想を叶える土地を選ぶことが大切です。土地探しの時に設計士の方に同伴してもらうといろいろアドバイスをもらえますので相談してみましょう。3. 住宅会社に相談
住宅会社に相談する時は、なるべく理想としている家のスタイルに合った会社を選びましょう。最初は複数の会社に相談してもいいですが、徐々に絞っておくことで無駄が減り有効に時間を使うことができます。4. 見積もり・プランづくり
相談時に見積もりとプランを作ってもらいます。建てたい家の希望を伝え、食い違いを防ぐために打ち合わせの記録を残しておきましょう。5. 住宅会社の決定・契約
見積もりとプランがある程度かたまったら依頼する住宅会社を決めて契約へと進みます。契約書や重要事項説明書、約款などをしっかり理解できるように資料は事前に取り寄せておくことをおすすめします。6. 住宅ローンの申し込み
契約後は住宅ローンの申し込み手続きを行います。本人確認書類や所得証明、物件関係の書類、印鑑証明、住民票、建築確認済証など必要な書類を用意する必要があります。7. 地盤調査
家を建てる土地の強度を調査します。軟弱地盤の場合は、家の荷重に耐える土地にするために地盤改良を行う必要があります。8. 最終図面と見積もりの確認
プランを完成させ、見積もりなどの調整を行います。ここで決めたプランを元に家を建てていくことになりますが、追加や変更などは事前に伝えておけば建築中でも対応が可能です。9. 工事着工〜検査〜完了・引き渡し
地鎮祭をする場合は着工前に行われます。工事着工後は工事の間に中間検査が行われ、完成後は完了検査を実施し、そこで審査が通れば完成、引き渡しとなります。10. 登記・引越し・入居・アフターサービス
引き渡し後は土地や家の登記を行い、住宅ローンが開始されます。入居の際は近隣挨拶を行い、新生活がスタートです。引き渡し後は住宅会社の定期点検やアフターサービスを受けることができます。家づくり開始から完了まで半年〜1年以上かかります。大切なことは余裕を持ったスケジュールで進めることです。入居する期日が決まっている場合は入居したい期日から逆算して、いつから始め、いつ工事を開始すればいいか判断することができます。
依頼先の選び方

家を建ててもらう会社はハウスメーカー、工務店、設計事務所の3つがあります。
【ハウスメーカー】
営業拠点を全国展開し、豊富な商品ラインナップを用意。倒産リスクが少なく、建材や施工など規格化され安定した品質を提供する特徴があります。また、定期点検やメンテナンス、長期保証などアフターサービスも充実しています。
【工務店】
工務店は地域密着型で事業を行う住宅会社のことで、営業所から近いエリアを対象としているため、何か緊急なことがあってもすぐに対応してもらえるレスポンスの良さが特徴的です。工務店によって家のこだわりがありますので、個性を出したいという方にもおすすめです。
【設計事務所】
設計事務所はデザインに定評があり、完全自由設計が可能です。施工は工務店や施工店に依頼することになりますが、設計事務所が現場を管理してくれるため、建築家の立場で工事を進めてくれます。
家は「価格」「デザイン」「性能」の3つのバランスが大切です。バランスが偏った家は生活がしにくかったり、デザインや間取りに不満を感じてしまったりします。いえとち本舗のイエテラスはこの3つのバランスに優れ、低価格でありながらも高品質な家をご提供しています。二階建ての他に平屋も対応し、さまざまなニーズに合わせられるように豊富なプランをご用意しておりますので、これから家の購入をご検討されている方はぜひご参考にしてください。
いえとち本舗イエテラスの詳しいことについては下記のリンクをご覧ください。
いえとち本舗:イエテラスのコンセプト
後悔しないための家づくりの注意点

家づくりに後悔しないために見積もりや打ち合わせには以下のことに注意しましょう。
【設計者との打ち合わせでの注意】
- 設計者は的確な提案をしてくれているのか
- 設計者とイメージを共有できているか
- 仕上げ材は大きめのサンプルで確認する
【見積もりのチェックポイント】
- トータル金額はいくらか
- 完成期間、完成しておきたい時期があるか、それに間に合うか
- 打ち合わせを記録すること
- 初めは相見積もりを行い、徐々に会社を絞っていくこと
まとめ
家づくりでは自分が求めているイメージをしっかり持っていることが大切です。実際に生活しているイメージがないと家づくりに失敗してしまう可能性があるので注意しましょう。家づくりは家族が主体となって進めていくことが大切です。買い焦りや妥協をせず理想の家を叶えていきましょう。家づくりは情報収集することが大切です。いえとち本舗は無料で家づくりに役立つ資料を提供しておりますので、これから家を購入しようと考えている方はぜひご利用ください。
資料請求はこちらから
さらに会員登録をするとVIP会員様限定の間取り集や施工事例、最新の土地情報をお届けいたします。当社は一切押し売りを致しませんので安心してご登録ください。
会員登録はこちらから
関連記事
-
【事例あり】間取り図の見方と作成時のポイントを徹底解説
家づくりの打ち合わせでは間取り図を見て計画を立てていきますので、どんなことが書かれているのか間取り図の見方を知っておくことが大切です。また、建てたい家を考えていくために自分で間取りを書けることも重要ですので、間取り作成のポイントも押さえておきましょう。この記事では間取り図の見方と作成時のポイントについてご紹介します。1 間取り図の見方2 間取り図作成のポイント3 間取り図作成の注意点4 まとめ 間取り図の見方 設計は部屋の位置や広さ、窓の位置などがわかる間取り図を元に計画されていきます。間取り図は設計する家の情報がたくさん詰まっていますのでこれから家づくりをご検討されている方は間取り図の見方を知っておくことが大切です。間取り図には部屋の用途や収納スペース、洗濯機置き場など、わかりやすく表現するために記号や特有の用語で記されています。以下の表は間取り図によく使われる用語ですので、どんな意味なのか覚えておきましょう。 間取り図の用語LDKリビング・ダイニング・キッチンUBユニットバス・浴室・お風呂WCトイレCLクローゼットWCLウォークインクローゼットSCLシューズインクローゼットSRサービスルーム・何度RFロフトPSパイプスペースSBシューズボックスW洗濯機置き場R冷蔵庫置き場 3LDK・4LDKなど◯LDKはどんな間取りの建物かを表している リビングとダイニング、キッチンを1部屋にまとめたプランがLDKです。「Lはリビング」「Dはダイニング」「Kはキッチン」を意味しています。キッチンとダイニングを同じ部屋に配置し、リビングは別の部屋として仕切るプランをDKと呼びます。このプランの場合はリビングのところは「L」と間取りに記されています。物件情報でよく見かける3LDKや4LDKとは部屋数とLDKを表しています。3LDKは3つの居室とLDKのある建物、4LDKは4つの部屋とLDKのある建物ということを示しています。 間取り図の見るポイント 【A】洋室の建具が記されています。この記号は引き戸を表しており、引き戸の種類は片引き戸になります。戸の引き込むところは台所側の部屋になっており、間取り図をよく見ていただくと点線が記されているのがわかると思います。これが戸の動きを表しています。【B】窓の種類を表しており、この図では引き違い窓になります。間取り図は平面ですので、この図だけでは掃き出し窓なのか腰窓なのかはわかりません。高さ方向は間取り図ではわかりませんので、仕様書や立面図で窓の種類を確認する必要があります。【C】この記号はクローゼットの折れ戸を表しています。もしクローゼットの扉が引き戸の場合は【A】の記号が使われます。【D】動線は人の動きを表します。間取り図には動線まで書かれていないことが多いですが、上記の図面を見ていただくと、玄関から台所へと直接アクセスできる設計になっています。この動線なら買い物したものを台所に置くのにとても効率的で移動は玄関から台所と短くなっています。動線を確認する時は矢印などの記号を図面に描いてどんな動きになるか確かめるとわかりやすいです。【E】開き扉の開き方向を表現している記号です。上記の図ではLDK側に扉が開く設計になっており、物入れ側に扉が開くようになっています。扉の開く方向は普段の生活の利便性にとても関わりますので、設計時はよく確認しておくことが大切です。 間取り図作成のポイント 家づくりをする時はラフスケッチでもいいですので、間取り図を自分で描いてみるのも有効です。しかし、どうやって間取り図を書いていけばいいか初めての方には難しく感じてしまうかもしれません。そこでここでは間取り図作成の時に押さえておくポイントをご紹介します。 土地の形と方角 間取りを考える上で土地の形状や方角は住み心地にとても影響を与えます。例えば日中は日が入りにくいと言われている北側に家族が集まるリビングを配置するのは最適とはいえません。土地には北向き、東向き、南向きなどがあり、どの方角に面した土地かで部屋の配置も決まります。また、土地の形には正方形や長方形のものから旗竿地や三角地といった不整形地などの特殊な形の土地もあります。土地の形状でも部屋の配置の仕方は変わってきますので、どんな形の土地に家を建てるのか、どの方角に面しているのか、を意識して間取りをつくることが重要になります。 家はなんでも自由に建てられるというわけではなく、建築する土地には建ててもいい建物の制限がされています。代表的なのが「建ぺい率」や「容積率」「接道義務」「高さ制限」などで、建物の高さや大きさ、建築していい敷地の広さ、部屋の延床面積数の上限が決まっています。理想の家をイメージして間取りをつくることも大切ですが、土地にかかる制約や建築基準法で定める規定により、せっかく考えた間取りが実現できないということもありますので、間取りを作成する時は事前に土地の制約や建築基準法を破っていないか確認しながら計画することが大切です。家族構成と必要な部屋の広さ 間取り図を考えていく上で大切にしたいのが家族構成です。家に住む家族人数により必要な部屋数や広さが決まります。家族人数は現時点での人数ではなく将来を見通して考えることが重要で、子供の自立や両親の介護、など数十年後どんな暮らしをしているかイメージを持って計画を立てていくことが大切です。また、この時にライフプランも計画していくと間取りづくりと同時に家の資金計画を立てていくことができます。効率的な生活動線になっているか 使い勝手のいい家は効率的な生活動線がしっかり計画されています。動線とは人の動きを意味しており、生活する人の動きに無駄がなく効率的に動けることでストレスの少ない暮らしをおくることができます。例えば食品の収納スペースとキッチンに距離があると、調理する時に材料を取りに行く手間が大きく不便と感じるはずです。キッチンの隣にパントリー(食品庫)があればすぐに材料を取り出すことができ、調理にすぐ取り掛かることができます。何かを動作する時にその間にある移動や手間が増えるほど効率の悪い動線となってしまいますので、効率的な動線を考えて間取りを作りましょう。 間取り図作成の注意点 間取り作りはそのまま完成した家の暮らしに繋がりますので、後悔のない設計をしていきたいもの。しかし、家づくりの経験者の声を聞くと間取りに失敗したという方も多くいます。家は一生に一度の買い物ですから、後悔のない家づくりをしていくことが大切です。ここでは間取り図作成の時に注意しておきたいポイントをご紹介します。 水回りの配置場所 キッチンやお風呂、トイレなどの水回りはできるだけ近い場所に配置するのがポイントです。水回りの部屋が近いことで給水・給湯の配管や排水の配管をまとめることができ、後々のメンテナンスがしやすくなります。注意しておくことは生活音です。トイレの音がリビングや寝室など居住スペースに聞こえてくるのはあまり生活をしていて快適なものではありません。音の伝わりを意識して間取りを作っていきましょう。収納スペースの広さ 家づくりでは収納スペースに失敗したという声が多くあります。失敗したと感じてしまうところは、「収納スペースが足りなかった」「収納場所が不便」です。収納スペースを計画する時は収納する量や物をちゃんと把握して考えることが大事です。また、どこに収納スペースを配置するのかがポイントになりますので、収納するものをチェックし、実際に出し入れする時に不便ではないかイメージして考えていきましょう。コンセントの位置や配置 家電を使うにはコンセントが必要ですので、コンセントの位置や量はしっかり計画しておかないと「使いたい場所にコンセントがない」ということになってしまいます。掃除機は移動しながら使いますので、掃除するところにコンセントがないと近くの部屋のコンセントを使わなければいけません。生活する部屋にはコンセントがあっても廊下には設置していなかったということもありますので、間取り図にはコンセントの位置や量を記して計画しておくことが大切です。 まとめ 間取りの作成はいきなり図面らしく書く必要もなく、ラフスケッチや希望していることの箇所書きなどでも十分です。最初は手探りな状態で進んでいき、少しずつ間取りとしての形になっていきますので、どんな家を建てたいか家族と話し合いながら間取りを作成していきましょう。家づくりは情報収集することが大切です。いえとち本舗は無料で家づくりに役立つ資料を提供しておりますので、これから家を購入しようと考えている方はぜひご利用ください。資料請求はこちらからさらに会員登録をするとVIP会員様限定の間取り集や施工事例、最新の土地情報をお届けいたします。当社は一切押し売りを致しませんので安心してご登録ください。会員登録はこちらから
-
30坪の家って広いの?1坪はどれくらい?“坪”を感覚でつかんで損しない家づくり
目次1. そもそも“坪”とは?1-1. 坪の定義と由来1-2. なぜ住宅業界で使われるの?2. 1坪の広さを体感で理解するには2-1. 坪・平米・帖・畳の違いとは?2-2. 1坪はどのくらいの空間か感覚でつかむ3. 30坪の家はどれくらいの広さ?3-1. 一般的な30坪住宅の間取り例3-2. 30坪は広い?狭い?感覚の違いと生活スタイル3-3. 30坪の家に向いている家族構成とは4. 坪単価ってどういう意味?金額だけに惑わされないコツ4-1. 坪単価の基本とよくある誤解4-2. 坪単価が安い=お得とは限らない理由5. 坪数だけでなく「間取り・使い方」も重要5-1. 同じ30坪でも間取り次第で満足度は変わる5-2. 優先すべきは「坪数」より「暮らしやすさ」5-3. 家族構成やライフスタイルを反映した設計を6. まとめ:感覚で“坪”を理解すれば家づくりがスムーズに6-1. 坪数は“目安”。大切なのは「自分に合った広さ」6-2. 「わかる」と「選べる」はセットで身につけよう6-3. 迷ったらプロに相談してみよう1. そもそも“坪”とは?1-1. 坪の定義と由来「坪(つぼ)」とは、日本で古くから使われてきた面積の単位で、主に住宅業界や不動産の分野で使用されています。1坪は約3.31平方メートル(m²)で、畳(たたみ)2枚分に相当します。もともとは、間(けん)という長さの単位から派生しており、「1間(けん)×1間(約1.82m×1.82m)」=1坪という計算になります。このように、坪はもともと日本家屋の構造や生活様式に根ざした単位のため、畳文化とともに自然に使われてきました。1-2. なぜ住宅業界で使われるの?現在ではメートル法が一般的ですが、住宅の広さについてはいまだに「坪」で表示されるのが主流です。その理由は主に以下の3つです:体感に近い:日本人にとって、坪=畳2枚というイメージがあり、メートルよりも生活空間としての広さを直感的に捉えやすい。不動産業界の慣習:不動産の広告や住宅展示場では、「30坪の家」など坪単位の表現が定着しており、業界全体で共通の言語として扱われている。坪単価の算出に便利:建物価格を「1坪あたりいくら」で表現することで、広さとコストのバランスを比較しやすくなる。ただし、「坪」は日本独自の単位であり、国際的には通用しないため、最近では「㎡(平方メートル)」表記も併記されることが増えています。2. 1坪の広さを体感で理解するには2-1. 坪・平米・帖・畳の違いとは?住宅の広さを表す単位には、「坪」「平方メートル(㎡)」「帖(じょう)」「畳(たたみ)」など複数あります。似ているようで微妙に違うため、混乱しがちです。以下に代表的な単位の関係をまとめます。1坪 = 約3.31㎡(平方メートル)1坪 = 畳2枚分(関東間基準:約0.9m × 1.8mの畳)1帖(1畳)= 約1.65㎡(※畳の大きさにより変動)ただし、畳の大きさは地域や建物の種類によって微妙に異なります(例:京間、江戸間、本間など)。そのため「帖」や「畳」はあくまで体感を示す目安として理解するのが良いでしょう。ちなみに、住宅の間取り表示では「6帖の洋室」や「LDK15帖」のように表現されることが多く、これも坪の理解に役立ちます(例:15帖 ≒ 7.5坪)。2-2. 1坪はどのくらいの空間か感覚でつかむ数字ではなかなかイメージしづらい1坪ですが、実際の生活空間に置き換えると想像しやすくなります。1坪 ≒ 押入れ1間分(幅約180cm × 奥行180cm)1坪 ≒ 大人2人が横並びに立ってちょうど収まる広さ0.5坪 ≒ トイレ1室分くらいのスペースまた、「4.5帖の和室」=「約2.25坪」、「8帖のリビング」=「約4坪」など、間取りに変換して考えると、より実感が湧いてくるでしょう。3. 30坪の家はどれくらいの広さ?3-1. 一般的な30坪住宅の間取り例「30坪の家」と聞くと、一見平均的な広さに思えますが、実は標準的な住宅(26〜28坪前後)と比べるとややゆとりのあるサイズです。面積に換算するとおよそ99㎡、これは4人家族がゆったりと暮らせる広さの目安になります。具体的な間取り例としては、LDKが16〜18帖主寝室+子ども部屋×2(計3部屋)納戸やワークスペース付き玄関や洗面所に広めの収納を確保といった、「生活に+αの余裕がある設計」が可能になります。3-2. 30坪は広すぎる?ちょうどいい?感覚の違いと生活スタイル28坪前後を標準とする住宅と比べると、30坪は「少し広め」「余裕を感じられる」という印象です。子どもが2人いる家庭なら、個室+収納がしっかり確保できる夫婦2人暮らしや子育て卒業後の世帯には、やや広めで贅沢に感じる在宅ワークや趣味部屋など、+1の空間を実現しやすい一方で、「部屋数が多くなると、1部屋ごとの面積が狭く感じる」「掃除や空調効率の面ではやや非効率」など、広ければいいという単純な話ではないことも事実です。3-3. 30坪の家に向いている家族構成とは30坪は、以下のような方々におすすめの広さです:収納やワークスペースも重視したい4人家族今はコンパクトで良いが、将来のゆとりも考えたい夫婦世帯平屋を希望しつつ、部屋数や動線にもこだわりたい層反対に、生活動線のコンパクトさや建築コストのバランスを重視するなら28坪前後でも十分満足できる暮らしが可能です。坪数はあくまで目安であり、間取りと使い方次第で快適さは大きく変わります。4. 坪単価ってどういう意味?金額だけに惑わされないコツ4-1. 坪単価の基本とよくある誤解「坪単価◯◯万円」という表現は、家づくりを検討するときによく目にします。坪単価とは、家の本体価格を延床面積(坪数)で割った単価のことです。たとえば、建物本体価格が1,800万円で延床面積が30坪なら、1,800万円 ÷ 30坪 = 坪単価60万円 という計算になります。一見シンプルな計算式に思えますが、この“本体価格”に何が含まれているのかが重要です。ここを見誤ると、他社との比較で大きなズレが生じます。4-2. 坪単価が安い=お得とは限らない理由「坪単価が安い=コスパがいい」と思いがちですが、実はそう単純ではありません。住宅会社によって坪単価に含める内容がバラバラだからです。たとえば:本体工事費のみの会社(照明・カーテン・外構は別途)諸経費込みの会社(給排水工事・付帯工事も含む)標準仕様とオプションの境界が不明確な会社こうした違いにより、見かけの坪単価が安くても、最終的な総額は高くなるケースがあります。また、家の形や間取りが複雑になると、同じ30坪でも坪単価が高くなる傾向があるため注意が必要です。価格だけで判断するのではなく、「何が含まれているか」を確認し、総額・仕様・暮らしやすさをトータルで比較する視点が大切です。 5. 坪数だけでなく「間取り・使い方」も重要5-1. 同じ30坪でも間取り次第で満足度は変わる「30坪の家」と言っても、その中身は間取りによってまったく違います。極端な話、廊下が多ければ居室は狭くなり、収納が少なければモノが溢れやすくなるため、坪数だけでは暮らしやすさは測れません。たとえば同じ30坪でも:回遊動線を取り入れたプラン水まわりを集中させた時短家事設計廊下を極力なくし、有効面積を最大化したプランなど、間取りに工夫があるかどうかで体感的な広さや生活効率が大きく変わります。5-2. 優先すべきは「坪数」より「暮らしやすさ」家づくりでは「広さ=快適」と思いがちですが、大切なのは“自分たちにとってちょうどいい暮らし方”ができるかです。たとえば…朝の支度がラクになる動線使いやすい位置に収納があること生活スタイルに合わせた部屋の配置こうした“体感の快適さ”は、数字では測れません。むしろ、無駄のない間取りの方が坪数以上に広く感じることも多いのです。5-3. 家族構成やライフスタイルを反映した設計を間取りを考える上で、もっとも重要なのが「その家に住む人のライフスタイル」です。子育て真っ最中の家庭共働きで家事時間が限られている夫婦趣味の部屋や書斎が欲しい個人など、それぞれに必要な広さ・部屋数・動線は違います。「平均」や「世間の広さ」にとらわれず、自分たちの生活に合った間取りを軸に考えることが、満足度の高い家づくりにつながります。6. まとめ:感覚で“坪”を理解すれば家づくりがスムーズに6-1. 坪数は“目安”。大切なのは「自分に合った広さ」家づくりにおいて「坪」は確かに基本的な指標ですが、それはあくまで空間の“目安”にすぎません。重要なのは、その広さの中でどれだけ快適に、自分たちらしく暮らせるかということです。たとえば、30坪と聞いて「広そう」と感じるか「ちょっと狭いかも」と感じるかは人それぞれ。家族構成や生活スタイル、将来の見通しによって“ちょうどいい”広さは異なります。6-2. 「わかる」と「選べる」はセットで身につけよう「坪」が何㎡なのか、「30坪の家」がどんな間取りになるのか。このコラムで学んだ内容を通じて、単位の意味や感覚がつかめたなら、次に大切なのは“選べる力”を持つことです。広さの感覚をつかむ坪単価の中身を見抜く数字に惑わされずに、暮らしをイメージするこれらの「判断基準」を持つことで、展示場や住宅相談でもブレずに進められるようになります。6-3. 迷ったらプロに相談してみようとはいえ、数字と間取り、仕様と価格、暮らしと将来設計…家づくりには多くの要素が絡み合います。だからこそ、ひとりで抱え込まず、信頼できるプロに相談することも大切です。「28坪で足りる?」「30坪にした方が快適?」そんな悩みも、ライフスタイルを踏まえて提案してくれる住宅会社と話せば、納得感のある答えが見えてきます。
-
窓の開閉方式・サッシ枠・ガラスの種類と特徴を解説
窓は家の外観だけでなく、快適に生活するための環境づくりにも重要な影響を与えます。窓の種類はたくさんあって、窓を構成する素材によっても性能は様々に違います。窓の開閉方式の違いだけでも私たちの暮らしを大きく変えますので、ぜひ窓のことを知っておきましょう。この記事は窓の種類や性能、窓枠の種類、ガラスの種類についてご紹介していきます。 窓の種類と特徴 窓は開き方の違いにより種類がたくさんあります。用途やデザイン、使い勝手などそれぞれ特徴がありますのでご紹介していきます。 引き違い窓 住宅にもっとも用いられるのが引き違い窓です。窓の開閉する部分を障子と呼び、障子が左右に動いて開閉する構造になっています。面格子や雨戸、シャッターなども取り付けられて柔軟に対応できます。最も普及した窓のため比較的に安価な金額で取り入れることができるでしょう。また、窓のサイズも豊富に揃っています。サイズの幅が広いため、設計する家に必要な窓の大きさが選びやすく、様々な場面に対応できます。欠点は気密性がやや劣ることと防犯性が劣ることです。特に一階に設ける場合は、窓が侵入口となってしまうため侵入防止用に面格子を取り付けた方がいいでしょう。 上げ下げ窓 2枚のガラスを上下に移動させて開け閉めする窓です。開閉の仕方は複数あり、上側がFIX(はめ殺し)になっていて下側だけ開け閉めできる型と上下に開け閉めする型、上下連動して開け閉めする型があります。縦長の形状が一般的で、設置する幅が取れないときに有効です。性能は通気性と気密性が高く、防犯性の確保ができる特徴があります。ただし、FIXのある型は下側しか開かないため掃除勝手が悪い欠点があります。また、網戸が固定式の場合は外に顔を出すことができません。 すべり出し窓 縦すべり出しと横すべり出しの2種類があります。縦すべり出し窓は扉みたいに室外側に開け閉めできる窓になっています。気密性と彩風効果が高く、掃除もしやすい特徴があります。窓が外に開き掃除勝手がいいのですが、室内側にも汚れがついてしまうのが欠点です。 横すべり出し窓は、窓枠上部の吊元を軸に窓の下部から室外側に開閉できる窓です。室内の中に雨が入りにくい構造となっており、窓面をほぼ開閉できるため通気性に優れています。ただし、窓が上に向くため汚れがつきやすく注意が必要です。すべり出し窓は、両方とも気密性に優れていますが、価格は引き違い窓と比較すると高めに設定されています。 倒し窓 倒し窓は内倒し窓と外倒し窓があります。どちらの窓も窓枠の下部を軸にして開閉し、内倒し窓は室内側に倒して開け閉めをし、外倒し窓は室外側に倒して開け閉めをします。内倒し窓は室内側に窓が開閉するため、設置する際に隣接する家に干渉することが少ないです。また、窓から室内が見えにくいのでプライバシーの確保ができます。注意するところはカーテンやブラインドを取り付けることができないことと雨が降ると室内に入ってきてしまう恐れがあることです。 ルーバー窓 細長い窓がブラインドのように並んでいるのがルーバー窓です。室内側のレバーを操作すると開閉できる仕組みとなっています。通気の確保が優れ、浴室や洗面室など換気・通気を必要とする部屋に適しています。また、設置スペースの確保がしやすい特徴もあります。しかし、ガラスが外れやすいため防犯性に劣り、一階に設ける場合は面格子も一緒に取り付けたほうがいいでしょう。また、断熱性と気密性が劣るのも注意が必要です。 FIX窓(はめ殺し窓) ガラスが窓枠に固定されていて開閉機能がない窓がFIX窓(はめ殺し窓)です。光を取り入れるための窓で、ガラスが固定されているため通気はできません。その代わりに気密性と防犯性は優れます。また、窓の形状が四角型、丸型など形状が豊富にあります。 窓枠の種類と性能 窓枠の素材の違いにより断熱性や結露のしにくさなど性能が変わってきますのでチェックしておきましょう。 アルミサッシ アルミは加工がしやすく安価で建築資材によく用いられる素材です。アルミサッシの特徴は、安価であること、強度や耐久性に優れることです。ただし、熱伝導率(熱の伝わり)が高く断熱性に劣り、結露が発生しやすい欠点があります。 樹脂サッシ 樹脂でできている窓枠もあり、最近では樹脂枠の窓が主流となってきました。樹脂枠は熱伝導率(熱の伝わり)が小さいため断熱性が高く、遮熱、通気性にも優れる特徴があります。LOW-Eガラスと組み合わせれば、さらに高い断熱性を発揮し、結露対策にも有効です。ただし、樹脂製のため耐久性はやや劣ります。また、日射による色焼けなど採光性に不安が残ります。 ハイブリッド(アルミ+樹脂) アルミと樹脂を融合させた窓枠は、アルミの良いところと樹脂の良いところを活かしたハイブリッド構造となっています。アルミの強度と耐久性、樹脂の断熱性とデザイン性を両立させているのが特徴です。ハイブリッド構造の窓枠も現在では主流となってきています。 窓ガラスの種類と性能 ガラスは熱を通しやすいため、住宅の断熱性能に大きく左右されます。断熱性能に優れた家にする場合は、断熱性の高いガラスを選ぶことが大事ですので、ガラスの種類を確認しておきましょう。 単板ガラス 単板ガラスは、文字通り通常の1枚のガラスです。昔の住宅に使われていましたが、断熱性が低く、結露の発生もしやすいガラスでした。また、ガラスの厚みも薄いことから防音性も悪い欠点があります。安価ですが現在の住宅の窓にはあまり使われなくなりました。 複層ガラス(ペアガラス) 複層ガラスは2枚のガラスの間に空気層をつくった構造のガラスです。空気層があることでガラス面を通り抜けようとする熱を少なくして断熱効果を発揮します。外側からの熱を伝えにくくするため、室内側のガラス面が冷えにくくなり結露を抑制します。コストも安価になり現在でも採用されることが多く、窓の交換や内窓の取り付けなどリフォームでも複層ガラスは用いられます。 LOW-Eガラス 2枚のガラスに中空層を設け、さらにガラス面に金属膜を施した構造となるガラスです。金属膜が室内側にあるか、室外側にあるかで性能に違いがあります。室内側に金属膜があるのは断熱タイプ、室外側に金属膜があるのが遮熱タイプとなっています。中空層にアルゴンガスが入っているLOW-Eガラスは、通常の中空層にある乾燥空気よりも熱を伝えにくく空気の対流を抑える効果があり、さらに断熱性が向上します。 まとめ 快適な住宅環境をつくるためには窓選びがとても大切です。窓の断熱性と気密性を高くすることで、冷暖房効率が向上して光熱費の削減が期待でき、冬は暖かく、夏は涼しい家にすることができます。また、結露の発生も抑制するため、健康的な暮らしをおくることが実現できるでしょう。窓選びは家の断熱計画を立てることが重要です。断熱計画は専門的な知識と経験が必要ですから、専門家と相談して決めていくことをおすすめします。いえとち本舗は家づくりについての資料を無料で提供しています。また、会員登録すると数千種類の中から厳選してまとめた間取り集を無料でご覧になることができます。もし、ご興味がありましたら、ぜひご利用ください。資料請求はこちら会員登録はこちら