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「その土地、大丈夫ですか?」知らないと危険な“地盤リスク”と家づくりの真実

目次
1. 家づくりと地盤の関係

1-1. なぜ地盤が重要なのか?
家を建てるというのは、多くの人にとって人生最大のプロジェクトの一つです。住宅の設計や内装に注目が集まりがちですが、建物の寿命や住まいの快適性を根本から支える「地盤」は見落とされがちな要素です。地盤がしっかりしていなければ、どれだけ立派な建物を建てても意味がありません。
とくに自然災害の多い日本では、地震や豪雨などの影響を受けにくい安定した地盤を選ぶことが、家族の命と財産を守るうえで欠かせません。地盤は家づくりの基盤であり、その良し悪しは将来的な安心・安全に直結します。また、地盤が安定していれば、基礎工事の設計もシンプルになりやすく、コストパフォーマンスの面でも有利になることが多いのです。設計段階から地盤に目を向けることで、無理のない家づくりが実現できます。
1-2. 地盤が悪いと起こるリスクとは
地盤が軟弱な場所に住宅を建てた場合、不同沈下という現象が起こる可能性があります。これは家の一部が沈み、傾きが生じることで、ドアや窓が開かなくなったり、壁にひびが入ったりといったトラブルにつながります。また、地震の揺れが増幅される恐れもあり、倒壊リスクが高まるのです。
さらに補修や補強には多額の費用が発生し、住環境の質が大きく低下します。最悪の場合、建て替えが必要になるケースもあるため、地盤に問題がないかを事前に把握し、必要に応じた対策を講じることが大切です。実際に不同沈下が原因で裁判沙汰になるケースもあり、引き渡し後のトラブルに発展するリスクも見過ごせません。こうしたリスクを未然に防ぐためにも、地盤に関する正しい知識と準備が不可欠なのです。
2. 山口県の地盤特性

2-1. 地形による違い
山口県は南側を瀬戸内海に面し、北側には日本海と連なる山地が広がるなど、地形が非常に多様な地域です。このため、地域ごとに地盤の状態が大きく異なります。海岸沿いや川沿いの低地では、軟弱地盤であるケースが多く、地震時には揺れが増幅されやすいという特徴があります。
一方で、内陸部や丘陵地帯では比較的硬い地盤が多く見られ、建物の支持に適している場所も少なくありません。しかし、丘陵地などでは土砂災害のリスクも存在し、豪雨による地滑りや地盤の緩みも考慮しなければなりません。つまり、同じ県内であっても、地盤の特性や対策の必要性は大きく異なり、建築予定地の地盤状況を的確に把握することが非常に重要です。
2-2. 宇部市のゆれやすさマップの活用
宇部市では、地域の地震リスクを住民にわかりやすく伝えるために「ゆれやすさマップ」を公開しています。これは、地震が発生した際に各地域がどの程度揺れやすいかを色分けで示した地図で、自宅や建築予定地の安全性を判断するのに非常に役立ちます。
例えば、赤やオレンジで示された地域は揺れやすく、地盤補強などの対策が必要になる可能性があります。一方で、青系の地域は比較的揺れにくく、建築の際もリスクが低いと判断されやすいのです。このマップを活用することで、事前に地盤に関するリスクを視覚的に把握でき、無駄な出費やトラブルを避けることが可能になります。地盤の選定は家づくりの第一歩。その判断材料として、ゆれやすさマップは非常に心強いツールとなります。
3. 地盤調査の重要性と種類

3-1. スウェーデン式サウンディング試験とは
スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)は、戸建住宅の地盤調査において広く採用されている代表的な方法です。先端にスクリューの付いたロッドを回転させながら地中に貫入させ、必要な荷重や回転数を測定することで、地盤の硬さや支持層の深さを推定します。
この試験は比較的簡易でコストも抑えられるため、個人住宅の建設時に最適です。また、現場での作業時間も短く、迅速に結果が得られるというメリットがあります。SWS試験の結果は、地盤が建物の重さに耐えられるかどうかを判断する重要な指標となり、その後の基礎設計や地盤補強工事の有無にも直結します。住宅の安全性を確保するうえで、最初に行うべき基本的かつ重要なステップです。
3-2. 調査結果が住宅に与える影響
地盤調査の結果は、住宅の基礎設計だけでなく、全体の建築計画に大きな影響を与える重要な情報です。たとえば、軟弱地盤と診断された場合には、地盤補強工事が必要となり、工期や建築コストが増加することもあります。
逆に、強固な地盤であれば、シンプルな基礎構造で済むため、予算に余裕が生まれる可能性もあります。また、調査結果は建築確認申請や住宅ローンの審査においても評価されることがあり、安全性や耐震性に対する証明資料としての役割も果たします。
さらに、住宅性能表示制度の耐震等級に影響を及ぼすこともあり、住宅の資産価値を左右する要因にもなります。このように、地盤調査は単なる確認作業ではなく、住まいの質を根本から支える重要なファクターであると言えるでしょう。
4. 地盤補強の工法と選び方

4-1. 表層改良工法
表層改良工法は、比較的浅い軟弱地盤に対して有効な地盤補強の方法です。具体的には、地表からおおよそ2メートル程度の深さまでを掘削し、セメント系の固化材を地盤の土と混ぜ合わせて地盤を強化します。
この工法は比較的コストが低く、施工期間も短いため、費用を抑えたい小規模住宅の建設に適しています。ただし、支持層が浅い場所でしか使用できないという制約があるため、すべての土地で使えるわけではありません。
事前の地盤調査で支持層の深さを正確に把握することが、この工法の採否を判断するカギになります。また、既存の樹木や構造物との干渉も考慮する必要があるため、周辺環境との調和も重要な要素となります。
4-2. 柱状改良工法
柱状改良工法は、地中にドリルで掘削した孔にセメント系の固化材を注入し、柱状の支持体(ソイルセメントコラム)を形成することで地盤を強化する工法です。
一般に支持層が2〜8メートル程度にある土地に適用され、戸建住宅の地盤補強としては最も広く用いられている方法のひとつです。地盤の安定性とコストのバランスが良く、柔軟に設計対応できるため、山口県内でも多くの施工実績があります。
ただし、掘削時に大量の土が排出されるため、処理方法や周辺環境への影響も考慮する必要があります。また、柱状体が建物の荷重に均等に対応できるよう、配置設計も慎重に行う必要があります。経験豊富な専門業者と連携することで、より安全で効率的な施工が可能になります。
4-3. 鋼管杭工法
鋼管杭工法は、地盤の支持層が深く、通常の表層や柱状改良では対応しきれないケースで採用される補強方法です。鋼製のパイプ(鋼管)を専用の機械で地中に打ち込み、建物の荷重を安定した地層に直接伝える構造を作ります。
この工法は、高い耐震性と長期的な安定性を誇り、特に三階建て住宅や重量鉄骨造の建築物、あるいは大きな地盤変動が予測される土地に適しています。
施工精度が高く、構造設計における自由度も広がる一方で、費用は他の工法よりも高くなる傾向にあります。また、施工音や振動が大きいため、住宅地では近隣への配慮も必要です。安全性を最優先する場合や、資産価値を重視する住宅にとっては非常に有効な選択肢と言えるでしょう。
4-4. 環境パイル工法
環境パイル工法は、自然環境への影響を最小限に抑えつつ、高い支持力を確保できる次世代型の地盤補強技術です。鋼管杭やセメントを使用せず、天然砕石などを用いて杭状の支持体をつくることで、地中に残土を出さず、地下水汚染のリスクも低く抑えられます。
特に住宅密集地や環境配慮型の開発に適しており、施工時の騒音や振動が少ない点も特徴です。いえとち本舗の施工物件においても採用されることが多く、地盤の状況や施主の要望に応じて最適な工法のひとつとして選定されています。
環境配慮と構造安定性を両立したこの工法は、今後ますます注目が集まると予想されます。また、一般的な地盤補強工事にはおおよそ50〜100万円程度の費用がかかることもあります。工法によって価格帯は変動しますが、これらのコストは予算に大きく影響するため、事前に把握しておくことが重要です。
5. 全国的な取り組みと実例

5-1. 行政とハウスメーカーの連携
地盤の安全性確保に向けて、全国的に行政と民間企業の連携が進んでいます。たとえば国土交通省や各自治体では、盛土規制や宅地開発における地盤安全管理ガイドラインが策定されており、安全な家づくりを支える法制度が整備されています。
また、大手ハウスメーカーや地場ビルダーにおいても、地盤調査や補強工事を設計段階から組み込む取り組みが進んでおり、耐震等級や基礎仕様への反映も一般的になっています。
さらに、万が一の不同沈下に備えた「地盤保証制度」も広く普及しており、一定期間内に地盤由来のトラブルが起きた場合でも、修復費用をカバーできる仕組みが整っています。
このように、地盤に関する安全対策は全国レベルで着実に進展しており、施主が安心して家づくりに臨める環境が整いつつあるのです。
6. まとめ:安心な暮らしは足元から

地盤は目に見えない存在でありながら、住宅の安全性や寿命を根底から支える極めて重要な要素です。山口県のように地形が多様で、地盤リスクが地域ごとに大きく異なる土地では、建築前の地盤調査と適切な補強対策は欠かせません。
表面的には良好に見える土地でも、実際に調査してみると軟弱地盤だったというケースは珍しくありません。だからこそ、「この土地は本当に大丈夫か?」という視点を持ち、プロの知見を活かした判断が求められるのです。
適切な対応をすることで、不同沈下や災害時のリスクを最小限に抑え、家族が安心して暮らせる住まいを実現できます。家づくりは単なる建物づくりではなく、安心して未来を託せる場所づくり。その第一歩は、地盤という見えない土台を正しく理解し、向き合うことにあります。
なお、いえとち本舗では地盤補強工事の費用を0円でご提供しております(※住宅建築をいえとち本舗でご依頼いただいた場合に限ります)。「地盤に不安があるけれど、補強費用が気になる…」という方にも、安心して家づくりを進めていただけるよう、コスト面でもしっかりとサポートいたします。
※ただし、地盤補強の要否を判断するための地盤調査費用は別途発生しますので、あらかじめご了承ください。地盤に関するご不明点やご相談があれば、いつでもお気軽にいえとち本舗までお問い合わせください。
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50坪の土地に建てる家の間取りは?建築費用をご紹介
50坪の土地に建てられる家は駐車スペースや庭、趣味の部屋などある程度余裕を持って設計ができる広さです。50坪と数字だけだとイメージがしにくいかと思いますので、この記事では50坪の土地に建てられる家とはどんな家か、50坪の土地に建てられる家の大きさの算出方法などをご紹介します。1 50坪の広さとは?例えるとどれくらい?2 50坪台の土地でできること 3 50坪に建てられる家の算出方法4 一戸建ての建築制限について5 50坪の注文住宅の相場6 まとめ 50坪の広さとは?例えるとどれくらい? 1坪は畳2畳分の大きさで約3.3㎡です。50坪をメートルで表すと「50坪×約3.3㎡」で計算することができ約165㎡あります。しかし、これでも数字だけではどれくらいの土地なのかイメージがつきにくいかもしれません。50坪の土地は日本の平均的な家の大きさと庭や駐車場を設けるのに十分な広さです。単純な割り振りですが、幅と奥行きがおよそ13mずつある土地でバレーボールのコートよりもやや広い面積になります。畳で表すとおよそ100畳分敷き詰められる広さがあります。 50坪台の土地でできること 50坪の土地だと建てられる家も自由度が高く希望も叶えやすいです。ここでは50坪台の土地にできることをお伝えしていきます。広い中庭やベランダが作れる 平均的な住宅の延床面積は約122㎡(4人家族が住める広さ)。この面積を総二階で凹凸のない形状の建物とすると建築面積は61㎡となります。2台分の駐車スペースを設けると18㎡ほど確保が必要になりますので、建物の面積と駐車スペースを加えて79㎡となり、建物と2台分の駐車スペースを確保しても、まだ十分に土地の面積は残っているということになります。50坪台の土地は中庭やベランダを広くとることも可能なため、間取りの自由度は高く、快適な家づくりをするのに余裕があります。地下室や屋根裏・ロフトを作れる間取りに余裕があるため地下室やロフトを作るということも可能です。地下室は音や振動が外に漏れにくいため、シアタールームや音楽スタジオといった趣味空間として活用ができます。また、屋根裏やロフトを設ければ空間の有効活用となり収納スペースを増やすことが可能です。収納を「分散型」にできる 家づくりでは収納の配置がとても重要となってきます。50坪台の土地なら収納スペースの確保も余裕があるため、パントリーやウォークインクローゼット、シューズクロークといった分散型の収納も実現できます。台所横にパントリーを設けたり、サニタリールームに接してウォークインクローゼットを設けたりすると、着替えや買い物してきた物の収納の時に動線が効率的になり暮らしやすい家になります。平屋や分離型の二世帯住宅が建てられる 50坪台の土地はおよそ165㎡ありますので平屋を建てるのに十分な広さがあります。4人家族が住むのに必要な延床面積が125㎡ですから、50坪ほどの土地なら必要な延床面積が確保できます。平屋の二世帯住宅だと50坪の土地はやや手狭ですが、2階建てにすれば完全分離型の二世帯住宅が可能な広さです。完全分離型は2世帯の居住空間を分けた間取りとなっていますので、お互いのプライバシーを確保しつつ同じ家で生活をおくることができます。家族の趣味を活かした設備の実現 広さに余裕があるため、趣味を活かした空間づくりを実現することができます。料理が趣味な方はオープンキッチンにして友人と一緒に調理を楽しむことができますし、キッチンから家族とのコミュニケーションも取れる間取り設計が可能です。その他にもDIYや車、自転車などが趣味の方はガレージを設けてもいいですし、書斎やシアタールームなど趣味の部屋を配置する、毎日の疲れを癒す大きなお風呂を導入する、なども実現できますので家づくりの幅が広がります。50坪に建てられる家の算出方法 50坪の土地でも50坪すべてを使って家を建てることはできません。土地には建てていい家の広さが制限されており、建ぺい率や容積率が定められています。【建ぺい率】建ぺい率は建築面積を制限する割合のことで、敷地に対して可能な建物の水平投影面積(建物を真上から見た時の面積)が決められています。50坪の土地に対して50%の建ぺい率だとすると「約165㎡×50%」となり、その敷地では82.5㎡の建築面積を持つ建物を建ててもいいということになります。【容積率】容積率は簡潔にいうと建物の内容量です。敷地に対して延床面積がこれぐらいの割合の範囲でなら建ててもいいよ、という決まりですので、どんなに土地が広くても容積率が悪いとそこまで延床面積を確保した建物は建てられなくなってしまいます。例えば、50坪の土地に容積率が200%の場合、「約165㎡×150%」の計算となり247.5㎡の延床面積を確保することが可能です。容積率が100%の場合は165㎡の延床面積となりますので、容積率150%と100%の差は50坪の土地だと82.5㎡も差があるということです。 一戸建ての建築制限について 建物を建てる土地には前述した建ぺい率や容積率の他にも制限があります。建物を建てる上で道路幅員の確保や採光の確保、近隣の建物との影響など考慮し、一定の基準をクリアして建物は建てなければいけません。ここでは家を建てる時にかかる制限をご紹介します。 低層住居専用の高さ制限 第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域は建築基準法第55条により、建物の絶対高さ制限が規定されており、建物高さを10mまたは12m以下と定められています。また、住居環境を害することがないと特定行政庁が認めた場合は建築基準法第55条2項により建物高さ12mを限度とすることができます。道路斜線制限 建物の日照や採光、通風を確保し、開放的で圧迫感のない街並みの形成を目的に設けられた制限が道路斜線制限です。前面道路反対側の境界線を起点に定められた斜線勾配の範囲内に建物を建てなければいけません。この斜線勾配を超えた高さの建物は建てることができず、住居系地域は1.25の斜線勾配となっています。北側斜線制限 隣地の北側にある日照、採光、通風などの影響がないように第1種・第2種低層住宅専用地域と第1種・第2種中高層住居専用地域の4地域にかけられる制限が北側斜線制限です。「第1種・第2種低層住居専用地域は5m+斜線勾配1.25」「第1種・第2種中高層住居専用地域は10m+斜線勾配1.25」の範囲より建物を低くしなければいけません。日影規制 周辺の敷地に建つ建物に一定時間以上の日照を受けられるように、敷地に生じる日影時間を制限するのが日影規制です。この規制は用途地域と高さで決まり、第1種・第2種低層住宅専用地域は軒の高さが7mを超える建築物または地階を除く階数が3回以上の建築物と定められています。また、地域によって環境が異なるため、自治体の条例で指定している場合もあります。 50坪の注文住宅の相場 2019年度住宅支援機構によるフラット35の利用調査では注文住宅の1㎡あたりの建設費は平均27.7万円です。建物を50坪で建てた場合、延床面積はおよそ165㎡ですから165㎡×27.7万円=約4570万円となります。これは付帯工事も含めた金額ですので本体工事のみになりますと本体工事が大体8割ですので3656万円になります。ただし、50坪の土地だとまるまる50坪で家を建てることはできませんので、前述した4人家族が必要な延床面積125㎡で計算してみます。先程の27.7万円/㎡に延床面積を乗じればいいので、およそ3462万円となり、付帯工事を除くと2769万円がとなります。50坪の注文住宅の相場は本体工事のみで3656万円。4人家族が住める注文住宅を建てる場合の相場は本体工事のみで2769万円となります。引用:住宅支援機構2019年度フラット35利用調査 まとめ 50坪の土地に建てられる家は4人家族が住むのに必要な延床面積を十分に確保できる広さになります。土地によって建ぺい率や容積率は異なりますので、同じ50坪の土地でも制限が厳しいと理想とする家を建てることができなくなってしまいます。そのため土地を選ぶ時は希望している家を建てることができる条件の合った土地を選びましょう。家づくりは情報収集することが大切です。いえとち本舗は無料で家づくりに役立つ資料を提供しておりますので、これから家を購入しようと考えている方はぜひご利用ください。資料請求はこちらからさらに会員登録をするとVIP会員様限定の間取り集や施工事例、最新の土地情報をお届けいたします。当社は一切押し売りを致しませんので安心してご登録ください。 会員登録はこちらから
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地鎮祭とは??【いえとち本舗の新築・山口・宇部・周南・山陽小野田・防府】
みなさんこんにちは!(●´・ω・)ノいえとち本舗山口中央店です!みなさんは「地鎮祭」をご存知ですか? 家づくりをする際に「地鎮祭」というフレーズを聞いたことがある方もいらっしゃると思います。地鎮祭を耳にしたことはあっても、実際にどのようなことをするのかわからないという方も多いと思われます。 そこで今回は、家づくりに欠かせない「地鎮祭」についてご紹介したいと思います。o(゜ー゜*o) 家づくりの際によく聞く「地鎮祭」とは? 「地鎮祭」とは、建物を建てる際、その土地を守っている神様(氏神様)に対して土地を利用させてください安全に建築させてくださいというお願いをする儀式のことです。 建物が建つ前のまっさらな土地に祭壇を置き、施主様をはじめ、大工や宮司など、家づくりや土地に関わる方が参加します。 地鎮祭の日程はいつがいい? 地鎮祭は施主となる人が土地を購入した後、工事着工をする前に行います。一般的には、地鎮祭も他の冠婚葬祭と同様に大安・先勝・友引などの六曜における吉日と呼ばれる日の午前中に行うと縁起が良いと言われております。さらに、建築の際によく利用される十二直(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などの事項の1つ)も組み合わせて日程を決めるケースが多いようです。 地鎮祭の吉日六曜:大安・先勝・友引十二直:建・万・平・成・開 地鎮祭の凶日六曜:仏滅十二直:破・危・閉 地鎮祭を六曜と十二直が合った吉日にできれば理想的ですが、その日程で家族や神主さんなどの関係者全員のスケジュールが合わせるのが難しい場合もございます。ヾ(;´Д`●)ノ地鎮祭の日程にこだわりすぎてしまうと、工事が進まないということにもなりかねません。ですので、あまり吉日にこだわりすぎず、地鎮祭の日程を調整するといいでしょう。 「地鎮祭」はどのようなことを行うの? 一般的な地鎮祭は土地の四隅に青竹を立て、その間をしめ縄で囲って祭場として行います。地鎮祭は、伝統的な儀式のため、式次第が定められております。 式次第①手水(てみず・ちょうみず) 関係者が全員揃ったところで、司会者が地鎮祭開会の挨拶をします。 ②修祓(しゅばつ)の儀 祭壇や土地、参列者をお祓いして清めます。 ③降神(こうしん)の儀神職が祭壇に神様をお招きします。 ④献饌(けんせん) 神様に山や海の幸などお供え物を奉納します。 ⑤祝詞奏上(のりとそうじょう) 神職が神様に工事の安全を祈願し、祝詞を読み上げます。 ⑥切麻散米(きりぬささんまい) 神職が工事を行う土地の四隅に神酒、米、塩を撒いて清めます。 ⑦地鎮(じちん)の儀 敷地の安定を願い、その土地で初めて草を刈る「刈初(かりぞめ)」、初めて土を起こす「穿初(うがちぞめ)」、初めて土を均す「土均(つちならし)」を行い、最後に神職が鎮め物を納めます。 ⑧玉串奉奠(たまぐしほうてん) 参列者が玉串(榊に紙垂をつけたもの)を神前に供え、神様への崇敬をあらわします。 ⑨撤饌(てっせん) 神職がお神酒などのお供え物を下げます。 ⑩昇神(しょうじん)の儀 神様がお帰りになります。 ⑪閉式の辞 地鎮祭の終了を告げます。 ⑫神酒拝戴(しんしゅはいたい) お供え物のお神酒を全員でいただきます。 以上が地鎮祭の一連の流れとなります。一般的には地鎮祭の式次第は15~30分程度の時間が必要になってきます。 おわりに 今回は「地鎮祭」はどのようなことを行っているのか、簡単にご説明させていただきました。なぜ地鎮祭が行われるのか、どのようなことを行うか、少しでも地鎮祭について知っていただけたら幸いです。(。→v←。) 山口・周南・山陽小野田・宇部・防府で新築住宅をお考えの方は是非一度、いえとち本舗までお気軽にお問合せください!家族全員が楽しく過ごせるお家づくりを一緒に考えていきましょう。ヾ(・∀・*) 1月18日(土)~1月19日(日)開催イベント↓【防府市牟礼】思わずうなる平屋3LDK完成見学会!