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建物・家づくり
建ぺい率と容積率って?調べ方や知っておくべき注意点を解説!

家を建てる土地には街並みの景観や防災、人の流入などを整えるために建築物の制限があります。家の設計では建ぺい率や容積率などの建築制限が必ず関わっていきますので、しっかりポイントを押さえておきましょう。この記事では建ぺい率や容積率についてご紹介します。
建蔽率(建ぺい率)とは?

家を建てる敷地には建築可能な大きさが定められており、この値を建ぺい率といいます。通常は分数で表記されていますが、よく使われているのはパーセントです。建物の大きさとは建物の外壁や柱の中心線に囲まれた部分を示し、建物の水平投影面積が該当します。土地は街並みの景観や防災、採光、通風などを整えるために建築する建物を制限しています。
もし、制限なく建築ができると高い建物ばかり多くなってしまったり、日照をとることができない建物ができてしまったりと住みにくい都市になってしまいます。住みやすい都市となるように土地には建物の制限を設けてバランスをとっています。建ぺい率は各市町村の役所や不動産業者により公開されており、インターネットや電話で確認できます。
市役所は都市計画課や街づくりを担う部署で相談ができますので、調べ方が分からなかったり、土地について相談があったりする場合は直接聞きにいくのもいいでしょう。求め方は以下の計算式で算出することができます。
建ぺい率(%)=建築面積 / 敷地面積 × 100
【例:建築面積が75㎡、敷地面積が150㎡、建ぺい率が50%の場合】
75㎡ / 150㎡ × 100 = 50%
上記の例でいくと、150㎡の敷地面積に対して75㎡の建築面積を持つ建物が建築可能です。
容積率とは?

容積率は建物の内容量を制限する割合で、都市機能をオーバーさせないために人工をコントロールする役割があります。容積率の制限がないと部屋数を増やすためにいくらでも高い建物を建てることが可能になってしまい、人口数も増えることで都市機能の許容範囲を超えてしまいます。建物の内容量は延床面積で表し、敷地面積で除すると容積率が算出できます。計算式は以下になります。
容積率(%)=延床面積 / 敷地面積 × 100
【例:延床面積が300㎡、敷地面積200㎡、容積率が150%とした場合】 300㎡ / 200㎡ × 100 = 150%
上記の条件でいくと延床面積300㎡までなら建築可能ということになります。建ぺい率や容積率は制限を超えて建てられませんので、土地選びの際は必ず確認してから選ぶことが大切です。
用途地域によって制限がある!

用途地域ごとの建ぺい率や容積率を表にまとめましたのでご覧ください。
| 用途地域 | 建ぺい率(%) | 容積率(%) |
| 第一種・第二種低層住居専用地域 | 30・40・50・60 | 50・60・80・100・150・200 |
| 第一種・第二種中高層住居専用地域 | 30・40・50・60 | 100・150・200・300・400・500 |
| 第一種・第二種住居地域 | 50・60・80 | 100・150・200・300・400・500 |
容積率は条件が厳しい方を適用
容積率は前面道路の幅員によって数値が変わってきます。前面道路とは敷地に接する道路のことで、幅員12m未満の道路は建築基準法により指定する計算式で算出し、都市計画が定める指定容積率と照合して条件が厳しい方が該当になります。幅員12m未満の場合の計算式は用途地域により割合が異なり以下にまとめましたのでご覧ください。前面道路幅員12m未満の計算式
【第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種住居地域、準住居地域】道路幅員(m)×0.4
【近隣商業地域、工業地域、無指定地域】
道路幅員(m)×0.6
幅員12m未満の場合の求め方
前面道路幅員3m、用途地域が第一種低層住居専用地域で指定容積率が150%とした場合で容積率を求めていきます。指定容積率 = 150% → 15/10(分数での値)
前面道路幅員3m × 0.4 = 1.2(120%) →12/10(分数の値)
上記の数値により条件が厳しい12/10(120%)が容積率となります。
知っておくべきポイント

建築基準法では建築面積の緩和措置がありますので、より広い建物を建てるために有効に活用することがポイントです。ここでは、建物にかかる制限の規定で知っておきたいポイントをお伝えします。
建ぺい率の緩和措置
建ぺい率は緩和措置があり、以下の条件に適合すると指定する数値を都市計画で定める数値に加算することができます。- 防火地域内の耐火建築物の場合は+10%加算
- 特定行政庁指定の角地の場合は+10%加算
1と2の条件を両方満たしていると都市計画で定める数値に+20%加算することが可能です。用途地域によって緩和措置の対象が異なりますので、下記にまとめたものをご参考にしてください。
【第一種・第二種低層住居地域、第一種・第二種中高層住居地域、工業地域】
- 都市計画で定める数値:30、40、50
- 防火地域内の耐火建築物の緩和:1+10%
- 特定行政庁指定の角地の緩和:1+10%
- 2+3の両方の条件に適合する場合の緩和:1+20%
【第一種・第二種住居地域、準住居地域、準工業地域】
- 都市計画で定める数値:50、60、80
- 防火地域内の耐火建築物の緩和:1+10%(1の値が80の場合は制限なし)
- 特定行政庁指定の角地の緩和:1+10%
- 2+3の両方の条件に適合する場合の緩和:1+20%(1の値が80の場合は制限なし)
建ぺい率80%を除いて近隣商業地域や商業地域、工業地域なども緩和措置がされています。
地階の建築面積と延床面積の特例
地階(地下室)は建築面積や容積率の特例があり、条件を満たすことで緩和することができます。地盤面から1m以下の地階は建築面積に算入されません。また、住宅スペースと見做す部分の床面積の1/3を限度として、「地階の床から地盤面までの高さが地階の天井高1/3以上あること」「地盤面から地階の天井までの高さが1m以下であること」の2つの条件を満たすと容積率の計算の際は延床面積として含まれません。例:容積率限度を延床面積150㎡とした場合、50㎡以下の地階なら延床面積に算入せず設けることができます。
外壁から1m以内の軒や庇やバルコニーは建築面積に含まれない
庇や軒、バルコニーなど外壁から突き出す部分が1m以内の場合は建築面積に含まれません。もし、外壁から突き出している部分が2mある場合は、緩和されている1mを差し引いた1mの部分が建築面積に含まれます。開放性を持つ建築物の建築面積の緩和
開放性を持つ建築物は、建物の先端から1m以内の部分は建築面積に含まれません。開放性というのは具体的な条件が規定されており、以下の条件となります。- 外壁がない部分が連続して4m以上
- 柱の間隔が2m以上
駐車場や駐輪場の施設の延床面積の除外
カーポートは柱や屋根を持つ建築物となるため基本的に建築面積に含まれます。ただし、駐車場や駐輪場を目的とした施設の場合、容積率の算定の際は建築物の延床面積1/5を限度として差し引くことができます。ロフトや小屋裏の延床面積の緩和
ロフトや小屋裏は一定の条件を満たすことで居住部分として看做されず延床面積の算入から除外することができます。延床面積に含まれない条件は以下のことを満たす必要があります。- ロフトの床面積がロフトのある階の床面積の1/2未満
- 天井高が1.4m以下
- 居住などに使用する仕様でないこと
- ロフトの床面積がロフトのある階の1/8を超える場合、各階の壁量を増やすこと
ロフトは居住スペースとして看做されていないため、仕様には注意しましょう。床の仕上げが畳や絨毯、タイルカーペットなどにすると居住スペースとして看做されてしまう可能性がありますので、設計の際は設計士の方に相談しながら計画していくことが大切です。
まとめ
建ぺい率や容積率を確認せず土地を選んでしまうと、当初計画していた大きさの建物が制限により建てられなくなってしまうということになりかねません。家を建てる時は必ず建ぺい率や容積率が関わってきますのでちゃんとどんなことか理解しておきましょう。家づくりは情報収集することが大切です。いえとち本舗は無料で家づくりに役立つ資料を提供しておりますので、これから家を購入しようと考えている方はぜひご利用ください。
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平屋のメリットとデメリットは?二階建てとの違いやリノベーションについて解説
近年、幅広い年代で平屋の人気が高まっています。平屋の購入・新築・リノベーション・賃貸を検討している方は多いでしょう。平屋の購入や新築などを検討している方は、平屋のメリットとデメリットを知っておくことが大切です。この記事では、平屋のメリットとデメリット、二階建てとの違いなどを解説します。平屋で暮らしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。 1.平屋の特徴1-1.平屋と二階建ての違い1-2.平屋の人気が上昇している理由2.平屋のメリット2-1.バリアフリーで誰もが利用しやすい2-2.生活動線や家事動線が効率的で移動がスムーズ2-3.家族が自然と集まり会話や交流が活発になる2-4.光熱費やメンテナンス費用が安く抑えられる2-5.耐震性が高く地震や強風などの揺れの影響を受けにくい2-6.構造物が少なく自由な間取りを実現しやすい3.平屋のデメリット3-1.広い敷地が必要3-2.二階建てよりも坪単価が高くなりやすい3-3.日当たりや風通しが悪くなりやすい3-4.プライバシーや防犯面で注意が必要4.平屋と二階建てで迷った場合は?4-1.平屋が向いている人4-2.二階建てが向いている人5.平屋をリノベーションするメリット・デメリット5-1.平屋リノベーションとは5-2.平屋リノベーションのメリット5-3.平屋リノベーションのデメリット6.メリット・デメリットを総合的に検討して平屋にするかを決めましょう! 1.平屋の特徴平屋のメリットとデメリットを把握するには、二階建てとの違いを押さえておく必要があります。ここでは、平屋と二階建ての違いを整理して、平屋が近年人気を集めている理由などを解説します。 1-1.平屋と二階建ての違い平屋と二階建ての大きな違いは階段の有無です。平屋には二階建てには必ず存在する階段がありません。階段の有無は、移動のしやすさや災害時の安全性、費用などの違いを生み出します。 平屋は階段がなくワンフロアで生活できるため、二階建てよりも移動が容易です。また、階段がないため構造的に安定しており、地震や台風などの災害に強いといえます。ただし、床上浸水などの災害時には上階に避難ができず、必ずしも二階建てより安全であるとはいえません。 費用に関しては、延べ床面積が同じであれば、平屋は屋根や基礎の面積が広くなるため、二階建てよりも坪単価が高くなる傾向があります。ただし、どちらが費用面で有利であるかは、建物の規模や間取り、設備などによって異なります。 1-2.平屋の人気が上昇している理由若い世代からシニア世代まで、幅広い年代で平屋が人気を集めている理由として、「コンパクトな暮らしがおしゃれ」や「バリアフリーで暮らしやすい」などが挙げられます。 ミニマリズムなどのライフスタイルの多様化により、コンパクトな暮らしが人気を集めており、ワンフロアで生活できる平屋が魅力的だと感じる方が増えています。また、少子高齢化により、年をとっても安心して暮らせることも平屋の人気が高まっている一因でしょう。 地震や台風などの自然災害に強いことも、平屋の人気が高まっている理由の一つです。平屋は重心が低く安定しており、地震や強風の影響を受けにくい構造になっています。構造上の安定性が高いことで、個性的でおしゃれなデザインにしやすいことも平屋ならではの魅力です。 2.平屋のメリット 平屋ならではの特徴は階段が存在しないことです。平屋は階段がなくワンフロアで生活できるため、二階建てにはないさまざまなメリットが得られます。ここでは、平屋のメリットをいくつかご紹介します。 2-1.バリアフリーで誰もが利用しやすい平屋は階段がないため、小さい子どもから高齢者まで誰もが生活しやすいことがメリットです。階段からの転落事故や段差につまずいて転倒するリスクも少なく、安心して子育てや介護ができます。 家族に車椅子を使用している方がいる場合も、平屋だと室内を安全に移動できることもメリットです。玄関に段差解消スロープを設置すると、車椅子に乗ったままで家に出入りができます。 平屋はワンフロアであるためバリアフリーに対応しやすく、階段に手すりやエレベーターを設置する必要もありません。バリアフリーリフォームをする際も最低限の工事をするだけでよく、二階建てよりも費用を抑えられます。 若い世代も平屋だと年をとってからも住みやすく、将来を見据えて平屋を選ぶ方も存在します。 2-2.生活動線や家事動線が効率的で移動がスムーズ平屋はワンフロアにすべての間取りが収まっており、生活動線や家事動線が効率的でスムーズに移動できます。リビングルームやキッチン、浴室などが同じ階に配置されているため部屋間をスムーズに移動でき、階段による上下移動も必要ありません。 例えば、キッチンからリビングへの移動や、洗濯機の設置場所から洗濯物を干すバルコニーへの移動などは階段を使わなくても済むため、家事の時短や効率化が図れます。また、小さな子どもや高齢者がいる家庭では、階段の上り下りがないため、日常生活における安全性が向上します。 生活動線や家事動線が効率的になり、家族にとって住みやすい環境になることは、平屋ならではのメリットといえるでしょう。 2-3.家族が自然と集まり会話や交流が活発になる平屋はオープンで広々とした間取りが特徴で、リビング・ダイニング・キッチンが一体化していることが多く、家族が自然と同じ空間に集まりやすいこともメリットです。家族同士の会話や交流が活発になりやすく、家族の絆が深まります。 二階建てだと、学校から帰宅してきた子どもは二階の子ども部屋に直行することがありますが、平屋だといつも家族の気配を感じられます。子どもたちがリビングで遊ぶ様子を見守りながらキッチンで調理をするなど、子育てをするのに適した環境といえるでしょう。 家族間のコミュニケーションが取りやすいことは平屋のメリットであり、家族の団らんを大切にしたい方にとっては、平屋は有効な選択肢になります。 2-4.光熱費やメンテナンス費用が安く抑えられる平屋はワンフロアであるため、光熱費やメンテナンス費用を低く抑えられます。平屋は階段がなく一つの階にすべての部屋が配置されており、空気の循環が効率的です。これにより、冷気や暖気が効率的に行き渡り、電気代の節約につながります。また、平屋は屋根が大きく、太陽光発電を取り入れているケースも多いです。 メンテナンス費用も低層の平屋は低く抑えられます。外壁や屋根をメンテナンスする際は、足場を組まなくてはなりません。建物が高層になるほど足場の料金も高くなるため、低層の平屋は費用面で有利です。簡単な修繕であれば、足場を組まずにできることもあるでしょう。 また、一般的に平屋は二階建てよりも水回りの設備や空調設備が少なく、設備のメンテナンス費用や交換費用も低く抑えられます。 2-5.耐震性が高く地震や強風などの揺れの影響を受けにくい平屋は二階建てと比べて耐震性が高く、地震や強風などの揺れの影響を受けにくいこともメリットです。平屋は構造がシンプルで、建物の上下の重量が均等に分散されています。このシンプルな構造により、地震や強風などに対する耐性が高まります。 平屋は一つの階しかないため、二階建てと比べると基礎を強化しやすいです。適切に設計・施工された基礎は、地震時に発生する揺れに対して建物をしっかりと支える役割を果たします。地震が発生した際も振動が広がりにくく、揺れによる影響は軽減されます。 ただし、基礎や柱、梁などの構造がしっかりとしていないと耐震性は低下するため、地盤調査や設計、施工をきちんと行う信頼できる建設業者を選ぶことが大切です。 2-6.構造物が少なく自由な間取りを実現しやすい平屋は二階がないため構造上の制約が少なく、自由な間取りを実現しやすいこともメリットです。デッドスペースになりやすい階段部分が不要で、限られた空間を有効活用できます。リビング・ダイニング・キッチンを一体化すると壁や廊下のスペースも少なくでき、そのスペースも有効活用できるでしょう。 また、平屋は低層であるため、高さ制限や斜線制限の影響を受けにくく、外観のデザインの自由度も高いです。個性的でおしゃれな外観にしやすく、平屋のデザイン住宅の人気も高まっています。 アメリカンスタイルやログハウス風など、好みやライフスタイルに合った家で暮らしたい方にとって平屋は魅力的であり、これも平屋回帰が進んでいる一因です。 3.平屋のデメリット 平屋はバリアフリーで誰もが利用しやすく、間取りや外観の自由度が高いなどのメリットが得られますが、広い敷地が必要になるなどのデメリットもあります。ここでは、平屋のデメリットを解説します。 3-1.広い敷地が必要平屋は水平方向に伸ばすため、建築するには広い敷地が必要です。平屋は垂直方向に伸ばせず、一階にすべての部屋を配置させなければなりません。建物の延べ床面積が同じであれば、二階建てよりも広い敷地が必要になってきます。 地価の高い都市部では、予算が少ないと広い敷地を確保するのは難しいことがあるでしょう。ただし敷地が狭い場合でも、設計を工夫すると平屋の建築は可能になることがあります。 平屋は階段部分が不要であり、廊下スペースを最低限に抑える間取りにすると、都市部や狭小地でも平屋を建築できます。また、建築基準法や地方公共団体の条例を遵守する必要がありますが、屋根裏を有効活用してロフトを設置することも可能です。 3-2.二階建てよりも坪単価が高くなりやすい建物の延べ床面積が同じだと、平屋は二階建てよりも建築費の坪単価が高くなりやすい傾向があります。坪単価が高くなる理由は、建物の延べ床面積が同じである場合、平屋は二階建てよりも基礎部分や屋根の面積が広くなるためです。基礎工事や屋根工事に費用がかかるため、建築費の坪単価も高くなります。 ただし、坪単価は高くなっても、トータルコストは必ずしも高くなるとは限りません。その理由は、平屋は階段や二階の廊下が不要であり、間取りが同じであれば二階建てよりも延べ床面積を減らせるからです。 「建築費=延べ床面積×坪単価」であるため、坪単価が高くなっても、延べ床面積を減らすことでトータルコストを低く抑えられることがあります。平屋と二階建てを費用面で比較する際は、トータルコストで考えることが大切です。 3-3.日当たりや風通しが悪くなりやすい平屋は周囲の状況や建物の形状、配置によっては、日当たりや風通しが悪くなることがあります。周囲に高い建物や樹木がある場合、それらの障害物によって日光や風が遮られてしまいます。 特に高い建物や樹木が建物の南側にあると、日当たりに影響が出やすいです。また、建物同士が密集している地域では、隣の建物からの影響が大きくなることがあります。 なお、敷地や建物の形状、配置によって日当たりや風通しは大きく変化します。建物の形状を「コの字型」や「くの字型」などにして、敷地の適切な位置に配置すると、採光と通風を確保できる場合があるでしょう。平屋を建築する際は、採光や通風なども考慮して設計することが大切です。 3-4.プライバシーや防犯面で注意が必要平屋は周囲の状況によっては、外から家の中を覗き込まれる可能性があります。これは、平屋が一階建てであり、窓や開口部が低い位置にあるため、外部から内部への視認が容易になるからです。 周囲に遮蔽物がなく、外部から室内を容易に覗き込まれる可能性がある場合、プライバシーの確保や防犯対策をしっかりと検討することが大切です。プライバシーを確保するために、堀や目隠しフェンス、植栽などで外部からの視線を遮りましょう。 設計の段階でプライバシーの確保を考慮して、浴室やトイレ、居室の窓の配置などを工夫することも重要です。必要に応じて、防犯カメラや防犯ガラス、センサーライトなどを設置すると、防犯性能が高まります。 4.平屋と二階建てで迷った場合は? 平屋と二階建てのどちらが向いているかは、個々のライフスタイルや家族構成、好みなどによって異なります。ここでは、平屋が向いている人と二階建てが向いている人を解説します。平屋と二階建てで迷ったときの判断材料にしてください。 4-1.平屋が向いている人平屋はバリアフリーであるため、小さな子どもや高齢者、車椅子で生活している方がいる世帯に向いています。住居内での転落事故や転倒事故を防止でき、安心して子育てや介護ができます。ワンフロアであるため家族を見守りやすく、平屋は子育てや介護をするのに適しているといえるでしょう。 一生同じ家に住みたい場合、今は若くても将来を見据えて、バリアフリーで暮らしやすい平屋を選択する方も存在します。 家族とのコミュニケーションを大事にしたい方にも、平屋がおすすめです。平屋は部屋と部屋の距離が近く、家族同士の会話や交流が活発になりやすい構造になっています。いつも家族の気配を感じられ、温もりのある家庭を築きたい方に最適です。 4-2.二階建てが向いている人平屋を建てるには広い敷地が必要であるため、土地の広さが限られている場合は二階建てが向いています。狭小地でも平屋の建築は可能ですが、二階建てよりも部屋数を多くするのは困難です。 したがって、都市部などで敷地面積が限られていて家族数が多い場合は、平屋よりも二階建てが向いています。4人家族以上で部屋数を多くする必要がある場合、二階建てのほうが間取りプランの自由度は高いです。 同じ屋根の下で家族が一つになりながら、適度な距離を保ってお互いのプライバシーを尊重したい場合も、二階建てが適します。また、将来的に親との同居を考えている方も、二階建てのほうが二世帯住宅にリフォーム・リノベーションがしやすいです。 5.平屋をリノベーションするメリット・デメリット 平屋をリノベーションすることは可能です。リノベーションとは、既存の建物を改修し、新しい要素を追加して機能やデザインを向上させる工事を指します。ここでは、平屋をリノベーションするメリット・デメリットを解説します。 5-1.平屋リノベーションとは平屋リノベーションとは、既存の平屋をライフスタイルや好みに合わせて、間取りや設備、内装などの改装をすることを指します。構造的な問題や法的な問題がなければ、平屋を二階建てに、二階建てを平屋にリノベーションすることも可能です。 例えば、子どもが独立後に夫婦が暮らしやすくするために、二階建てを平屋にリノベーションすることがあります。また、家族構成の変化に対応して、部屋数を増やすためにリノベーションをすることもあるでしょう。 リノベーションの費用は工事内容によって異なるため、一概にはいえませんが、二階建てを平屋にリノベーションするには、500〜2,000万円程度かかるのが一般的です。 5-2.平屋リノベーションのメリット平屋リノベーションのメリットは、ライフスタイルや家族構成に合った理想の住宅にできることです。例えば、大きな屋根裏空間を活用してロフトを作ったり、勾配天井を活かして吹き抜けのあるリビングルームにしたりなど理想の住宅が実現します。 平屋は設計の自由度が高いため、リノベーションをするのに向いているといえるでしょう。また、二階建てを平屋にリノベーションすると、二階建てにはない平屋ならではのメリットを享受できます。 二階建てを平屋にすると階段のないワンフロアになるため、子どもが独立後の老後の生活が暮らしやすくなります。リビングや水回り、物干し場などがワンフロアで完結することは、老後の生活を快適に送るうえで大きなメリットです。 5-3.平屋リノベーションのデメリット二階建てを平屋にリノベーションする場合、災害時の対策や防犯対策などが必要になってきます。洪水や床上浸水などの際は二階やベランダに避難ができず、逃げ場がなくなります。 ハザードマップなどを確認し、洪水や床上浸水などの被害が想定される場合は、万一の災害に備えたリノベーションプランの検討が必要です。特に足腰の弱い高齢者が同居している家庭は、災害時の対策を徹底しておきましょう。 二階建てを平屋にすると防犯性能が低下することもデメリットです。リノベーション業者との打ち合わせでは、平屋にするとどのような防犯上の問題が発生するのかを洗い出し、適切な対策を講じるようにします。 また、土地が広いとリノベーション費用が高額になる傾向があるため、本当に必要な工事だけを行うようにすることも大切です。 6.メリット・デメリットを総合的に検討して平屋にするかを決めましょう! 平屋にするかを決める際は、メリット・デメリットを総合的に検討することが大切です。平屋は「バリアフリー性に優れている」「家族とのコミュニケーションが取りやすい」などのメリットがある反面、「広い敷地が必要」「日当たりや風通しが悪くなりやすい」などのデメリットがあります。 平屋は二階建てよりも設計の自由度が高く、専門家と相談すると、デメリットを解消できる場合があります。 平屋は、家族のライフスタイルや予算に合わせて、自由に設計・カスタマイズできる魅力的な住宅です。メリット・デメリットを総合的に検討して、ご家族にとって最適な住宅を実現しましょう。 監修者:宅地建物取引主任者 浮田 直樹 不動産会社勤務後、株式会社池田建設入社。いえとち本舗山口の店長を経て、セカンドブランドのi-Style HOUSE山口店店長に就任。後悔しない家づくりをモットーにお客様の家づくりの悩みを日々解決している。
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コスパ最悪…新築住宅で後悔しないための家づくり
1. そもそも「コスパの悪い家」ってどんな家? 1-1. 価格に見合わない暮らしになってしまう家 1-2. 建築費だけに目が行きすぎた家2. 新築でよくある「後悔」パターンとは 2-1. 間取り・動線の失敗例 2-2. オプション・費用面の落とし穴 2-3. 性能不足や将来性の欠如3. コスパの良い家とは?意識すべきポイント 3-1. 家族の暮らし方にフィットしているか 3-2. 性能と将来のランニングコストのバランス4. 土地選びもコスパに直結する 4-1. 土地価格と住宅コストの最適なバランス 4-2. 生活利便性・将来性の視点を忘れずに5. 賢い資金計画が「後悔しない家」につながる 5-1. 予算配分の考え方 5-2. 必ず確保しておきたい予備費6. 信頼できる依頼先選びの重要性 6-1. 比較検討のすすめ 6-2. 「提案力」と「将来のサポート」まで見る7. まとめ:「コスパの良い家」を建てるために 7-1. 他人の評価より“自分たち基準”を大切に1. そもそも「コスパの悪い家」ってどんな家?1-1. 価格に見合わない暮らしになってしまう家新築住宅で「コスパが悪い」と言われるのは、単に価格が高い家という意味ではありません。問題なのは「その費用に見合うだけの暮らしの満足感が得られていない家」です。たとえば、見た目のデザインは豪華でも動線が悪く、毎日の家事や生活が不便だったり、断熱性が低く光熱費がかさむような家は「コスパの悪い家」と言えるでしょう。高額な住宅ローンを抱えて、肝心の暮らし心地にストレスが溜まるようでは本末転倒です。1-2. 建築費だけに目が行きすぎた家家づくりの初期段階でよくある失敗が「とにかく建物本体価格を下げよう」としすぎて、将来のランニングコストやメンテナンス性を軽視してしまうこと。断熱性能や耐久性を犠牲にして初期費用だけ抑えた結果、住み始めてから冷暖房費や補修費がかさみ、かえって“割高な家”になるケースは珍しくありません。短期的なコストだけでなく、20年、30年という長い目線で「トータルコスト」を考える視点が大切です。2. 新築でよくある「後悔」パターンとは2-1. 間取り・動線の失敗例「住んでみたら生活しづらい」というのは、新築後の後悔として非常に多いパターンです。たとえば、玄関からキッチンまでの動線が長すぎて買い物後の荷物運びが大変だったり、洗面所と物干しスペースが離れていて家事が煩雑になるケースなどが典型的。設計段階で「毎日の暮らし」を具体的にシミュレーションしておくことが欠かせません。2-2. オプション・費用面の落とし穴「標準仕様で契約したはずが、住みたい家にするには結局オプション費用が大幅に上乗せされた」というのもよくある後悔の声。キッチンやバスルーム、収納など細部にこだわりたくなるのは当然ですが、オプションの積み重ねで当初の予算を大幅にオーバーしてしまうこともあります。設計・見積もり段階で「本当に必要な部分」と「削れる部分」の見極めが重要です。2-3. 性能不足や将来性の欠如断熱性能や耐震性、メンテナンス性を軽視してしまい、「もっと性能にこだわっておけばよかった」という後悔も少なくありません。特に断熱・気密性能が不足すると、住んでからの光熱費が想像以上にかさみ、快適性にも大きく影響します。また、将来的な家族構成の変化(子どもの成長、親との同居など)に対応できない間取りも「使い勝手が悪い」と感じる原因になります。3. コスパの良い家とは?意識すべきポイント3-1. 家族の暮らし方にフィットしているかコスパの良い家を考える上で一番大切なのは、「その家が自分たち家族の暮らしに合っているか」という視点です。たとえば、家事動線がスムーズで家事時間が短縮できたり、家族が自然に集まる居心地の良いリビングがあったり。豪華な仕様よりも、毎日使う空間が快適に機能していることが“暮らしの満足度”に直結します。3-2. 性能と将来のランニングコストのバランス建築費を抑えることだけが“コスパ”ではありません。断熱性や耐震性、省エネ設備の充実度といった基本性能が高い家は、長期的に見れば冷暖房費やメンテナンス費用を大きく抑えることができます。将来的な支出も見据えて「総合的なコスパ」を意識することが賢明です。4. 土地選びもコスパに直結する4-1. 土地価格と住宅コストの最適なバランス「土地に予算をかけすぎて家のグレードを下げざるを得なかった」「安い土地を選んだ結果、造成費や外構費が高くついた」――こんな声は意外と多いもの。土地と建物は一体で考えるべきものですが、つい土地にこだわりすぎてしまう方もいます。土地価格+住宅コスト+外構+諸費用まで含めた“全体予算”を意識して選びましょう。4-2. 生活利便性・将来性の視点を忘れずに土地選びで見落としがちなのが「将来の生活シーン」。駅や学校・スーパーへの距離、交通量や周辺環境はもちろん、将来的な再販価値や資産性にも関わります。「土地価格が安いから」という理由だけで飛びつくと、のちの生活のしづらさや資産価値の低下につながることもあるため、利便性や周囲の発展性もよく考えて選びたいところです。5. 賢い資金計画が「後悔しない家」につながる5-1. 予算配分の考え方「できるだけ安く建てたい」「内装にこだわりたい」など家づくりへの思いはさまざまですが、重要なのは資金計画のバランスです。建物・土地・外構・家具家電・諸費用など、すべてを含めた総予算を把握し、無理のない返済計画を立てること。どこにどれだけ予算をかけるのか優先順位を明確にすれば、不要な出費を防ぎ、結果的にコスパの良い家になります。5-2. 必ず確保しておきたい予備費見落としがちなポイントが「予備費」の存在。建築中に急な追加費用が発生することは珍しくありません。土地の地盤改良費や給排水工事費、予期せぬオプション追加などが発生した際、予備費がないと資金繰りが一気に苦しくなります。目安としては総予算の5~10%程度を余裕資金として確保しておくと安心です。6. 信頼できる依頼先選びの重要性6-1. 比較検討のすすめ「なんとなく営業さんが良さそうだったから」「知り合いに紹介されたから」だけで依頼先を決めてしまうのは大きなリスク。住宅会社や工務店には、それぞれ得意なデザインや工法、価格帯があります。少なくとも2〜3社は比較して、それぞれの提案力や対応姿勢を見極めましょう。比較することで、自分たちに本当に合った会社が見えてきます。6-2. 「提案力」と「将来のサポート」まで見る会社選びの際は、単に価格やデザインだけでなく、「暮らし方まで提案してくれるか」「10年後、20年後まで安心して付き合えるか」という視点も大切です。アフターサービスの内容や保証制度、地元密着の対応力なども確認しておきましょう。信頼できるパートナーに出会えれば、家づくりの満足度は格段に高まります。7. まとめ:「コスパの良い家」を建てるために7-1. 他人の評価より“自分たち基準”を大切に家づくりの正解は人それぞれです。他人の家を見て「もっと広い方が良かったかも」「もっと豪華にすればよかったかも」と感じることもあるかもしれません。しかし本当に大事なのは、自分たち家族が日々の暮らしに満足できること。「自分たちにとって使いやすいか」「無理のない資金計画になっているか」を軸に考え、納得して選んだ家こそが、真に“コスパの良い家”と言えるでしょう。