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建物・家づくり
新耐震基準法を解説!耐震性の目安はどれくらい?

日本は地震大国と呼ばれるほど地震の多い国です。普段の生活を安心しておくれるためには、万が一の大きな地震でも倒壊しない建物であることが求められ、そのためには地震に対して強度を持った耐震性を有していることが大切です。建物には地震により倒壊しないための耐震基準が定められています。
これから住宅の購入や改築を検討されている方は地震に対して強い建物であるかちゃんと判断していくことが大切ですので、この記事でお伝えする新耐震基準とはなにか押さえておきましょう。
旧耐震基準と新耐震基準の違い

引用:国土交通省 住宅・建築物の耐震化について
現在の住宅には旧耐震基準と新耐震基準で建てられている建物の2つがあります。耐震基準とは一定の強さの地震に対して倒壊または損壊しない構造をもつ建物を建てられるように建築基準法が定めている基準のことです。
日本は地震活動が活発な環太平洋帯に位置しているため、これまで頻繁に大きな地震が発生しており、1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)では約25万棟の家屋が全半壊。倒壊した家屋のほとんどが古い木造住宅であったことが報告されています。
その中で比較的被害が少なかったのが新耐震基準の建物で、これは震度5強程度の地震でほとんど損傷しないこと、震度6強〜7程度の揺れでも倒壊・崩壊せず安全を確保できることを前提とした基準になります。旧耐震基準基準は1950年施工され1981年まで適用された耐震基準のことを指し、1981年に改正された新耐震基準を満たさない構造の建物になります。
旧耐震基準は震度5強程度の地震でほとんど損傷しないことを前提とした基準ですが、1978年(昭和53年)宮城県沖地震後、耐震設計が見直され現在の新耐震基準が誕生しました。新耐震基準と旧耐震基準の境は「1981年(昭和56年)5月31日までが旧耐震基準」「1981年(昭和56年)6月1日以降が新耐震基準」とされています。
どれくらいの地震に耐えられるの?

新耐震基準は震度5強程度(中規模)では軽微な損傷、震度6強〜7程度(大規模)で倒壊・崩壊しないことを検証するものです。中規模の地震動に対しては許容応力度計算(一次設計)により建物の部材の抵抗力を算出し、大規模の地震動に対しては保有水平耐力計算(二次設計)により地震の水平力に建物が耐えられるかを算出して検証されます。
ただし、新耐震基準では建物の損傷は残るものと考えられており、まったくの無傷というわけではありませんので注意が必要です。旧耐震基準の建物は保有水平耐力で地震力を測れないためIs値やIw値という指標を使って地震力を測っています。
保有水平耐力・Is値・Iw値
保有水平耐力は建物が地震力を受けた時に建物が保有している水平抵抗力のことをいい、保有水平耐力(Q)≧必要保有水平耐力(Qun)であることが求められます。しかし、前述したとおり旧耐震基準では保有水平耐力で耐震力を測れないためIs値やIw値という指標を使って耐震力を算出します。【Is値・Iw値(構造耐震指標)】
Is値、Iw値は建物の強度や靭性など耐震性能に関わる要素を総合的に判断する指標となります。
Is値は以下の式で算出します。
Is=Eo(保有性能基本指標)×Sd(形状指標)×T(経年指標)
また、木造の場合はIw値という耐震指標となり、以下の計算式になります。
Iw値=Pd(保有耐力)/Qr(必要保有耐力)
このIs値、Iw値の評価は建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)の告示(旧建設省告示 平成7年12月25日 第2089号)により定められており、この値が大きいほど耐震性が高く下記のように評価が区別されています。
【Is値の評価】
- Is<0.3:震度6強の地震に対して倒壊または崩壊する危険性が高い
- 0.3≦Is<0.6:震度6強の地震に対して倒壊または崩壊する危険性がある
- 0.6≦Is:震度6強の地震に対して倒壊または崩壊する危険性が低い
【Iw値の評価】
- Iw<0.7:震度6強の地震に対して倒壊または崩壊する危険性が高い
- 0.7≦Iw<1.0:震度6強の地震に対して倒壊または崩壊する危険性がある
- 1.0≦Iw:震度6強の地震に対して倒壊または崩壊する危険性が低い
耐震等級の基本

耐震等級は国土交通省の住宅性能表示制度による建物の耐震性能を表す指標の一つで、「耐震等級1」「耐震等級2」「耐震等級3」の3つに分けられています。各等級は下記のように評価されています。
- 耐震等級1:建築基準法と同等の最低限の耐震性能が備わった建物
- 耐震等級2:耐震等級1の1.25倍の耐震性のある建物
- 耐震等級3:耐震等級1の1.5倍の耐震性のある建物
建築基準法を満たす建物は震度6強から7の地震で倒壊しない・ほとんど損傷しない建物となっており、耐震等級1は建築基準法と同等と見做されています。また、耐震等級は先程の前述した耐震指標と対照することができ、耐震等級1はIs値0.6程度、Iw値1.0程度が目安となっています。
税制上の優遇処置について

新耐震基準を満たす新築や中古住宅の購入、増築・リフォームを行う場合、税制上の優遇処置を受けることができます。住宅ローン減税は住宅確保を促進するために、住宅ローンを借り入れて新築・中古住宅の取得または増改築リフォームを行う場合、年末のローン残高1%を所得税から最大13年間控除されます(所得税から控除しきれない場合は一部住民税から控除)。
住宅ローン減税の最大控除額は480万円、長期優良住宅や低炭素住宅の場合は最大600万円までになります。住宅ローン減税制度を利用する場合は以下の要件を満たすことが必要です。
- 自ら居住すること
- 引き渡しまたは工事完了から6ヶ月以内に居住すること
- 床面積が50㎡以上であること
- 耐震性能を有していること(中古住宅の場合)
また、年収や借入期間、工事金額の要件があり以下のものがあります。
- 借入金の返済期間が10年以上であること
- 合計所得金額3000万円以下であること
- 増改築の場合は工事費100万円以上であること
住宅ローン減税を利用する際は入居した年の確定申告時に必要書類を提出する必要があります。必要書類の中には耐震基準適合証明書や住宅性能評価書を求められ、取得のために別途費用が掛かりますが、耐震基準適合証明書や住宅性能評価書を取得していると登録免許税や不動産取得税の減額、地震保険の割引が適用されます。
その他にも耐震改修リフォームは地方自治体により工事費用負担の軽減のために補助金制度を実施していることもあります。このように新耐震基準を満たしているといろいろな税制優遇を受けることができますので、新築またはリフォームなどをご検討している方はチェックしておきましょう。
まとめ
地震に対する強度を持った建物か判断する指標として構造耐震指標や耐震等級というものがありますが、どんな計算がされて評価されているか、これから新築や中古住宅の購入を検討されている方は仕組みについて知っておいた方が良いでしょう。現在の住宅は新耐震基準で建てられていますが、気を付けなければいけないのが中古住宅や既存住宅のリフォームです。地震に強いかどうかはしっかりと構造計算がされて数値で証明されていることが大切ですので、依頼する業者には構造計算書の提示や詳しい説明をもらうことをおすすめします。
家づくりは情報収集することが大切です。いえとち本舗は無料で家づくりに役立つ資料を提供しておりますので、これから家を購入しようと考えている方はぜひご利用ください。
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新築住宅はいつからメンテナンスをする?時期と点検・補修ポイント
住宅は年数が経つにつれて劣化していくものです。ここで適切なメンテナンスを怠ると、家の寿命はどんどんと短くなってしまう恐れがあります。では、住宅の適切なメンテナンスや時期とはなにか、疑問に思われるかもしれません。今回は大切なマイホームに長く住んでいけるように、住宅のメンテナンスと時期についてお伝えしていきます。 住宅のメンテナンスは建物と住宅設備に分けられる 住宅は経年劣化するものですから、時期に合わせて適切なメンテナンスを行う必要があります。住宅に必要なメンテナンスの箇所は大きく分けると「建物のメンテナンス」と「住宅設備のメンテナンス」の二つです。建物のメンテナンスは家そのものを保つために行い、住宅設備のメンテナンスは料理をする、入浴するなど生活に関わることを快適に過ごしていけるために行っていきます。では、「建物のメンテナンス」と「住宅設備のメンテナンス」の項目を具体的にご紹介していきます。 建物のメンテナンス 「メンテナンスはまだ大丈夫だろう」と手入れを放置してしまうと、家の劣化は進み元の状態に戻らない可能性もあります。構造体の腐食や屋根からの雨漏りなどが起きてしまうと、生活に支障をきたし、修復する工事も大規模になりやすいです。建物のメンテナンスは家そのものを保つために重要な要素ですので、必ず適切な時期に行なっておきましょう。 構造体 家の構造体である土台や柱、梁などは壁の中に隠れてしまっているので、建築の専門家でなければ普段見ることはないかもしれません。構造体の補修は必要に応じて補修を行なっていくとしか言えないのですが、地震や台風の直後には異常がないかチェックしておくといいでしょう。防蟻処理は新築を建ててから5年〜10年ごとに行なってください。シロアリは湿気を好み餌に木を食べるため木造住宅にとっては天敵です。シロアリ被害に遭うと修復する規模も大きくメンテナンス費用もかかりますので注意しましょう。また、築20年を超えてくると床がへこんだり、床鳴りを引き起こしたりする症状がでてきます。この時期になりましたら、家の全面的なメンテナンスを検討した方がいいでしょう。 屋根 屋根は太陽の直射日光や風雨に晒されていますので、かなりのダメージを受けています。屋根を良好な状態に保たなければいけない理由は雨漏りです。雨漏りを引き起こしてしまうと、生活に支障をきたすどころか、建物の柱や梁などの木部が雨に濡れて腐食し、さらにシロアリが寄ってきて被害を及ぼす危険性があります。屋根のメンテナンスは、新築を建ててから10年目に一度専門業者に点検してもらいましょう。点検は新築を建ててもらった住宅会社に行ってもらうことをおすすめします。築20年目は、屋根の塗装や葺き替えを検討する時期になります。 外壁 外壁の劣化は外壁のひび割れや防水性の低下が起きます。これらの劣化は、外壁から水が侵入し、柱などを腐食させてしまうリスクがあり、水が侵入した外壁も放置してしまうと劣化が早まってしまいます。建物に水を含んでしまうとシロアリ被害のリスクが高まりますので、しっかりとメンテナンスを行うことが大切です。外壁は新築を建ててから10年目に塗装を行うことをおすすめします。また、外壁が窯業系サイディングの場合は目地シーリングの打ちかえも一緒に行っておきましょう。外壁は10年を目安に定期的にメンテナンスをすることが大切です。 内装 内装のメンテナンスは、壁紙や室内建具、フローリングなどの床材などがあります。壁紙やフローリング、建具などは日常的に使うものですから汚れや傷がつきやすい場所です。内装材の汚れや傷は生活環境によって異なりますので、メンテナンス時期も一概には言えませんが、築5〜10年目あたりから壁紙の汚れやフローリングの傷などが目立ってきます。美観的に気になる場合は、壁紙の貼り替えやフローリング傷のリペアなどを行うといいでしょう。また、内装材の美観を保つには日頃の掃除や手入れが大切です。築20年を超えると家の構造体のメンテナンスも考慮しなければいけない時期ですので、このタイミングに内装を新しくするのもいいかもしれません。 住宅設備のメンテナンス 住宅設備機器は耐用年数というものがあります。耐用年数を超えると住宅設備機器の故障のリスクが高くなります。ベストなタイミングは壊れる前に修理または交換することですので、耐用年数を目安にメンテナンスしましょう。 水回り設備:キッチン・浴室・トイレ・洗面化粧台 【キッチン】キャビネットの蝶番・建て付け調整:約5年目水栓金具の交換:約10年目レンジフードの点検・交換:約10年目コンロの点検・交換:約10年目食洗機の点検・交換:約10年目キッチン全体の取り替え:約20年目【浴室】目地シーリングの打ち替え:約10年目水栓金具の交換:約10年目照明器具・換気乾燥機の点検・交換:約10年目浴室ドアの点検・交換:約10年目浴室全体の交換:約20年目【トイレ】温水洗浄便座の点検・交換:約5〜10年目便器・タンクの点検・交換:約15〜20年目【洗面化粧台】洗面化粧台の点検・交換:約15〜20年目水回り設備の各部材(コンロやレンジフード、換気乾燥機、温水洗浄便座など)を単独で交換することも可能です。メンテナンスの目安は上記の通りですが、水回り設備機器全体(システムキッチンやシステムバス、洗面化粧台、トイレ器具など)の取り替えを行うときは、これまで交換または修理した設備も一緒に交換しなければいけない可能性もありますので注意しましょう。 給湯器 給湯器の交換時期は約10〜15年と言われています。あくまでも目安ですので、普段使っているときに調子がおかしいなと気がついたら、業者を呼んで点検してもらうことをおすすめします。給湯器はメンテナンス時期を間違えてしまうと、修理するまでかなり不便な生活をおくることになる可能性があります。もし、給湯器が壊れて動かなくなってしまうとお湯が出なくなり、お風呂に入るときは水を使うしかなく、冬場では寒くて入浴することが難しくなります。給湯器は壊れてから交換するのではなく、給湯器の耐用年数を目安に壊れる前に交換することをおすすめします。 新築は築10年がメンテナンスのポイント 住宅のメンテナンスは、新築を建ててから10年目を目安に一度点検を行い、必要に応じて補修しましょう。また、新築は瑕疵担保責任保険があり期限が10年までです。10年の期限が過ぎてしまうと保証対象外となるため、10年目に入る前に建物に異常がないか点検することをおすすめします。また、建物を長く保たせるには日頃から建物の状態を点検しておくことが大切です。少しでもおかしいと感じた場所を見つけたら専門業者に相談しましょう。 まとめ 日頃から家の状態を確認して、定期的にメンテンスをすれば家の寿命はさらに伸ばすことができます。住宅のメンテナンスは10年周期で点検し、適切な補修や交換を行うことが大事です。もし、建物に異常を発見したら専門業者に依頼して点検してもらいましょう。家づくりについてもっと知りたいという方は、住宅について情報収集することをおすすめします。いえとち本舗は簡単に家づくりのことがわかる資料を無料で提供しています。もしご興味がありましたら、ぜひご利用ください。資料請求はこちら