ブログ/コラム
Blog/Column
土地
位置指定道路とは?固定資産税の支払や注意点を解説

道路は建築基準法で定義が定められており、さまざまな道路が規定されています。しかし、見ただけでは道路がどの分類なのか、誰が所有しているかなどはわかりません。
知らないまま土地を購入してしまうと、維持管理の費用が発生したり、利用するのに使用料や承諾が必要になったりするケースもあります。この記事では「位置指定道路」とはなにか、仕組みと固定資産税についてお伝えしていきます。
位置指定道路とは?

「位置指定道路」は、私道の一つであり、特定行政庁から認定を受けた道路になります。建築基準法第42条により道路は幅員4m以上(特定行政庁が指定する区域では6m)のものと定義されており、建物を建てるには接道義務という規定に則した敷地であることが必要です。
接道義務とは、建築基準法第43条により定められており、「建築の敷地は道路に2m以上接しなければならない」と規定されています。例えば土地をいくつかの区画に分割して建物を建てる時、道路に接しないところは接道義務が果たされないため建物を建てることができません。
そのため建物を建てるために道路を敷地まで新設し、これを道路として認めてもらえるように特定行政庁から許可をもらった道路が「位置指定道路」となります。
位置指定道路の仕組みとは?

引用:横浜市道路位置指定申請のしおり
なぜ「位置指定道路」として認定を受ける必要があるのか疑問に思われるかもしれません。また、所有者も「位置指定道路」は一人とは限らないため、この道路が誰のものかというのも少々複雑なところ。ここでは「位置指定道路」の仕組みについてお伝えしていきます。
位置指定道路が作られる理由

引用:国土交通省 建築基準法制度概要集
新たに「位置指定道路」に認定しなければいけないケースとは接道義務によるものが大半です。一つの土地を分譲する場合、道路に接しているところは接道義務が果たされるので問題ありませんが、奥のところは道路がないため建物を建てることができません。このような問題を解消するために、奥の分譲した土地まで新たに道路を設けて特定行政庁に「位置指定道路」として認定を受け、建物が建てられる敷地にするのです。
位置指定道路の所有者と固定資産税
公道なら国が管理するため所有のことは考慮する必要はありませんが、私道となるとメンテナンスや固定資産税においては所有者が負担することになります。また、所有者は一人とは限らず複数人が所有していたり、道路に接する敷地が分割して所有していたりします。つまり道路の所有者は管理やメンテナンスの義務、固定資産税の負担を担うことになりますが、国税庁により公共用に使う道路(通り抜けができる道路など不特定多数の人が通行用で使える)場合は課税対象から外れ非課税になることがあります。
こういった負担を考慮すると、私道が引かれた土地の場合は誰が道路を所有しているか確認しておくことが大切です。また、一見私道に思われる道路でも自治体により公道に変更されていることがあるので、道路がどの種類になっているか知りたい場合は各自治体の役所で道路の形態を調べることができます。
トラブルに注意!私道通行・掘削に関する承諾書とは?

引用:東京都水道局
私道に接する敷地に建物を建てる場合、ガスや水道管が引き込まれているか、ということはとても重要です。もし、水道やガスが引き込まれていない場合、新たに配管を敷地にまで引き込ませる必要があります。配管を敷地まで引き込ませるには道路を掘削して配管類を埋設する工事が必要となるため、私道の場合は所有者の承諾がないと工事ができません。
もし、所有者が複数人いる場合は、全員から承諾が必要となるため、承諾を受けるために交渉し、相手に理解を求める必要があります。「私道通行・掘削に関する承諾書」とは、この水道管やガス配管の埋設工事、それに付随する工事を行うことを私道の所有者が承諾したと証明する書類になります。
この書類があることで私道での配管の埋設工事を行うことが可能になります。そのため、所有者から承諾が得られない場合はライフライン工事を進めることができないため注意しなければなりません。私道に接する土地を購入する際は所有権を持っているかが重要で、もし所有の持ち分がない場合は後々トラブルに発展する可能性があります。
私道の持ち分がない物件を購入する場合は売買契約を交わす前に売主や不動産会社に「私道通行・掘削に関する承諾書」を現在の私道の所有者からもらうことをおすすめします。
位置指定道路は廃止することは可能?
位置指定道路を廃止、または公道にするということは可能ではあります。しかし、かなりハードルが高いとされています。位置指定道路は所有者がいるため私道ではありますが、その用途は公共の責任を負いますので、通行できることも容認しなければいけません。ですから、いくら所有者であっても自由に位置指定道路を廃止するということはできません。また、建築基準法により接道義務が定められていますので、位置指定道路を廃止してしまったら、そこに接する建物はみんな接道義務違反になってしまいます。
位置指定道路を寄付する条件も厳しい
廃止の他に位置指定道路を国や地方公共団体に寄付するということも一つの方法ですが、これもハードルが高いです。条件には以下のことが挙げられます。- 幅員が4m(特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域では6m)以上であること
- 公道に接続していること
- 側溝があること
- 公道として管理する必要があること
- 公費を投入するのに見合う道路であること
など
さらに上記の条件が満たされていたとしても公道として認められないケースもあります。公道として認めるということは、これから国や地方自治体が管理していくということになりますので、そのための維持費がかかり、予算に組み込んでいかなければいけません。公費(税金)として投入するのに見合う道路なのかというのが判断され、税収の少ない自治体の場合はさらに認められにくい可能性があります。
位置指定道路の廃止、または公道として認められるケースとしては、接道義務などの違反に影響してこないこと、その道路の関係者全員が同意、協力を得ていること、がありますが、それもなかなかレアなケースと言えるでしょう。
位置指定道路にまつわる注意ポイントは?

ここでは「位置指定道路」に接する土地を購入する際に注意しておかなければならないポイントをお伝えしていきます。ここでお伝えすることを知らずに購入してしまうと、後々トラブルに発展する可能性もありますので、ちゃんとポイントを押さえておきましょう。
誰が所有者しているか必ず確認すること
前述したように水道管やガス配管などのライフラインに関わる工事が必要な場合は所有者から許可をもらわなければ工事を行うことができません。また、複数人が所有している場合は全員から許可をもらわなければいけないため、工事までかなりの労力と時間が必要になります。私道での工事は近隣トラブルになり、交渉がもつれてしまうと訴訟問題にまで発展することもありますので、もし所有の持ち分がない道路に接した土地を購入する場合は、将来的に起こるかもしれないトラブルを想定しておき、それを理解した上で土地を購入することです。
土地の売買契約は重要事項説明があり、道路が位置指定道路であることや所有者について説明をする義務がありますので、誰が所有しているのかを必ず確認しておきましょう。
位置指定道路とその所有者を調べるには公図や登記記録を法務局で取り寄せて調べることができます。また、位置指定道路であるか役所の建築指導課でも確認を取ることができます。
自由に通行できるかどうか確認すること
位置指定道路はあくまで私道となるため、道路を利用するのに所有者が介入してくる可能性も否めません。位置指定道路の土地を購入する場合は、公道までの移動に障害が出ないように、購入前に通行の妨害がなかったか、通行料の請求がなかったか、など過去に問題が起きていないか確認しておきましょう。
なるべく購入する際は売主から無償で通行できる承諾書を所有者全員からもらっておくことをおすすめします。また、道路や上下水道の修繕費の分担が決まっていないことが多いですので、こちらも確認しておくことです。最初は関係が良好であっても、なにかしらのきっかけで関係が悪化してしまう可能性だってあります。
安心して通行できることや修繕費用の負担などの線引きはあらかじめ決めておかないと、トラブルになった時に妨害を受けて生活に支障をきたす恐れがありますので、リスクを避けるためにも自由に通行できるかなどの確認はしておきましょう。
埋設配管の維持管理費用が発生する場合もある
埋設されている配管に私設のものがある場合は、「位置指定道路」を所有するものが話し合って、その費用を捻出し負担することになります。そのため位置指定道路に埋設する配管が公設か私設か事前に確認しておくことが大事です。また、すでに老朽化していて購入してすぐに補修が必要になる可能性もあるため、どの程度古くなっているかも確認しておくことです。配管がどちらなのか確認するには、公設の場合は役所、私設の場合は売主に確認することができます。
また、直接売主とやり取りしていない場合は不動産会社に仲介してもらい配管がどちらなのか確認してもらいます。これまで補修をどれくらいしてきたかについては水道局など各事業所の台帳で確認することができますが、私設の場合は土地購入前だと所有者しか確認できないため売主(直接ではない場合は仲介を通して)に委任状をもらってから役所で確認となります。
まとめ
「位置指定道路」とは私道の一つで、特定行政庁から認定を受けた道路になります。私道に接する土地を購入する際は、所有者が誰なのかが重要なため、後々トラブルとならないように必ず確認をとることです。もしライフラインの工事が必要な場合は、道路を掘削し配管類の埋設工事を行わなければいけませんので、こういった事情も踏まえて道路の所有権を持っているか土地を購入する前にちゃんと確認をしておきましょう。家づくりは情報収集することが大切です。いえとち本舗は無料で家づくりに役立つ資料を提供しておりますので、これから家を購入しようと考えている方はぜひご利用ください。
資料請求はこちらから
さらに会員登録をするとVIP会員様限定の間取り集や施工事例、最新の土地情報をお届けいたします。当社は一切押し売りを致しませんので安心してご登録ください。
会員登録はこちらから
関連記事
-
30坪の土地に家を建てる場合の間取りは?建築費用や実例をご紹介
坪というのは一般の方には馴染みのない用語かもしれませんが、尺貫法といって面積を表す単位になります。現在はメートル法が一般的な単位ですが、建築や不動産の業界では坪や尺といった単位をよく使います。この記事では30坪の土地に家を建てる場合の間取りや建築費用についてご紹介していきます。1 30坪の広さとはどれくらい?2 30坪の家をおしゃれにするための工夫3 30坪の土地におすすめの間取り4 30坪の土地に家を建てる場合の費用相場5 【実例】50坪の土地に建てた家の間取り6 まとめ30坪の広さとはどれくらい? 1坪は約3.3㎡、畳2帖分の大きさです。30坪は30坪×約3.3㎡=約99㎡の広さになります。しかし99㎡の広さと言われてもなかなかイメージがつかないかと思います。99㎡(30坪)の広さはバレーボールコート(9m×18m=162㎡)の半分の広さの81㎡より少し広いくらいです。土地は建ぺい率の制限があり、一般的な60%を想定した場合、30坪の土地だと建築面積約59㎡(約17.8坪)までの建物を建てることができます。例えばこの建築面積で総2階の家にした場合、延床面積は117.48㎡(35.6坪)となります。この広さはフラット35の利用調査による住宅面積(延床面積)の全国平均とほぼ同じくらいで4人家族が住める大きさの家です。引用:住宅金融支援機構 住宅関連調査 フラット35利用調査 2019年度集計 30坪の家をおしゃれにするための工夫 快適に過ごしていくためにも生活空間のおしゃれさは欠かせません。しかし、デザイン性ばかりこだわってしまうのは禁物。しっかり実用性も備えておしゃれな空間をつくっていくことが大切です。ここでは家をおしゃれにするコツや工夫をお伝えしていきます。 吹き抜けと天窓の設置 開放的な空間にするためには光を取り入れることが重要です。近隣の建物や遮蔽物に影響することのない天窓は空間に光を取り入れるのに有効です。天窓は太陽の入斜角をそこまで気にすることなく光を取り入れることができます。また、生活空間を吹き抜けにすることで天井高が上がり、圧迫感のない部屋になります。2階リビングの場合は屋根の傾斜を利用した勾配天井もおしゃれな空間になりますのでおすすめです。 ロフトを設ける ロフトは縦空間を利用した収納スペースやちょっとした小空間として多目的に利用できる間取りです。天井高1.4m以下でその部屋の床面積1/2未満であれば床面積として算入されませんので、効率的に空間を活用することができます。また、吹き抜けや勾配天井、天窓などとの組み合わせも相性がいいです。 収納は空間を有効活用しよう 物をすっきりと収納できている家は、実際よりも広く開放感のある空間になります。物が多くて上手く収納ができていないと窮屈さを感じてしまいますので、収納スペースをちゃんと確保しておくことが大切です。とはいえ、収納スペースを確保するためには居住空間が奪われてしまうため、むやみやたらと確保するのは難しいかもしれません。収納スペースの確保に悩まれている方は、階段下のスペースや中二階、小上がりなどのデッドスペースを収納空間として上手く活用することをおすすめします。 30坪の土地におすすめの間取り 30坪の土地に建てる家は、なんでも詰め込めるほど余裕のある広さではありませんので、スペースを有効活用し、快適な空間となるように設計していくことが大切です。ここでは30坪の土地におすすめの間取りをお伝えしていきます。 駐車スペースが確保できない場合はビルトインガレージ 現在では駐車スペースのある住宅が一般的です。駐車スペースは軽自動車で2m×4m、大型車になってくると2.5m×5mが必要になってきます。都心部のような狭小な土地が多いエリアでは駐車スペースを確保できる広さがないというケースもあります。そんな時は1階部分が駐車スペースとなる駐車場と住宅が一体型になったビルトインガレージがおすすめです。土地の有効活用だけでなく、屋内へのアクセスのしやすさや、車やDIYが好きな方にもおすすめできる魅力のある住宅です。 眺望・採光・通気も解決!2階リビング 2階リビングを設けることで1階では得られない眺望や採光、通風を取り入れることができます。リビングにアクセスするには階段の登り下りが必要になりますが、リビングが高い位置に配置されるため、周りの建物の影響を受けにくく採光や風通しを得ることができます。また、外からの視線も入りにくいためプライバシーの確保もしやすいです。バルコニーと続くリビングなら奥行きも広がり開放感がさらにアップします。 吹き抜けや勾配天井で開放的に 吹き抜けや勾配天井は縦空間が広がるため開放感を持たせることができます。3階建ての場合は2階建てよりも高さがあるため、さらに開放性が生まれ、天井に天窓を設けることで光が差し込み明るい空間にすることができます。縦空間の活用はロフトもそうですが、スキップフロアもおすすめです。高さ方向にいくつも部屋をつくっていくスキップフロアは、床面積の確保が難しい家に向いています。 30坪の土地に家を建てる場合の費用相場 坪単価は建物の価格を坪で割った単価です。例えば30坪2400万円の建物だと坪単価は80万円になります。坪単価は住宅会社を選ぶ際の目安になり、住宅会社によって坪単価が違います。一般的にローコスト住宅の坪単価は30〜50万円、高価格帯のハウスメーカーの坪単価は70万円以上が相場となっています。この坪単価で計算すると30坪の家を建て場合、以下の価格になります。ローコスト住宅:900~1500万円高価格帯のハウスメーカー:2100万円以上 ただし、坪単価はあくまでも目安で、坪単価の設定も曖昧なことが多いです。建物の規模や仕様によって坪単価は変動し、規模が小さくなるほど坪単価が上がる傾向にあるのも注意が必要です。2019年度集計フラット35の利用調査では注文住宅の㎡あたりの建設費は27.7万円/㎡です。これが30坪になると、30坪は約99㎡ですから27.7万円/㎡を掛けて計算すると2742.3万円になります。土地の価格は地域により差が大きいですが、三大都市圏住宅地の平均地価を以下に記しましたのでご覧ください。東京圏:211,800円/㎡大阪圏:141,200円/㎡名古屋圏:104,800円/㎡引用:令和2年都道府県地価調査 8.住宅地の圏域別・地方別平均価格引用:国土交通省 令和2年都道府県地価調査東京圏でも東京都の場合は住宅地の平均価格が378,100円/㎡と15万円以上価格差があります。立地や人気の度合いによって土地の価格は変動しますので、土地探しの際は一つずつチェックしていくことが大切です。 【実例】30坪の土地に建てた家の間取り25坪2階建てプラン池田建設 いえとち本舗 25坪2階建てプラン現代的でスタイリッシュなキューブ型の住宅。生活にフィットする3LDKの間取りは12.8帖のLDKを配置。階段前には収納スペースがありますので、掃除機など家事に必要なものをここに収納しておけば出し入れもしやすく便利です。2階は8帖の寝室に隣接してたっぷり収納できるウォークインクローゼットを配置しております。 2階建て3LDKプラン 池田建設 いえとち本舗 山口市平井 モデルハウス(2階建て/3LDK)キューブ型のシンプルでスタイリッシュな外観。室内は延床面積38坪ほどを確保しています。開放的なLDKの間取りと玄関にはシューズクローク、2階には広くとったファミリークローゼットを配置しています。すっきりとしていて使いやすい部屋の配置の間取りプランです。 28坪 2階建てプラン池田建設 いえとち本舗 28坪 2階建てプランウォークインクローゼット付きの機能的なプラン。対面キッチンのあるLDKは14帖の広さを確保し、リビング側には1.5帖のホビーコーナーを配置しています。2階には3帖の書斎があり、趣味空間としても充実。効率よくシンプルにまとめながらも充分な広さを感じさせてくれるプランです。 まとめ 土地には建ぺい率という制限がありますので、30坪の土地まるまる使って建物を建てることができません。土地によって建ぺい率の割合は違いますが、一般的に60%ほどになります。建物の大きさは家族人数やライフスタイルによりますので、生活していくのに必要な広さがあるかよく確認して家づくりをしていきましょう。家づくりは情報収集することが大切です。いえとち本舗は無料で家づくりに役立つ資料を提供しておりますので、これから家を購入しようと考えている方はぜひご利用ください。資料請求はこちらからさらに会員登録をするとVIP会員様限定の間取り集や施工事例、最新の土地情報をお届けいたします。当社は一切押し売りを致しませんので安心してご登録ください。会員登録はこちらから
-
セットバックとは?メリットや固定資産税はどうなるのかを解説
1 セットバックの基礎知識2 セットバックのメリット・デメリット3 固定資産税は払わないといけないの?4 セットバックの注意点5 まとめ土地探しや家づくりの際にでてくる「セットバック」という言葉はどんな意味かご存知でしょうか。たまに敷地よりも後ろに後退して建物が建っているのを見て、もっと建物を前に持ってくれば広く建てられたり、庭を広くとれたりするのでは、と思うはずです。しかし、このような建物はもしかするとセットバックが関係しているかもしれません。セットバックについて知らないでいると理想としているマイホームを建てることができなくなってしまう可能性がありますので、この記事でお伝えするポイントをチェックしておきましょう。セットバックの基礎知識引用:国土交通省 建築基準法制度概要集「セットバック」とは敷地に接する道路や隣地から定められた距離を確保するために建物を後ろに後退させることです。セットバックは建築面積の大きさにも関わってくるのでしっかりと理解しておきましょう。では、なぜ道路から建物を離さなければならないのか、その理由を具体的に解説していきます。道路の定義と接道義務 道路は建築基準法第42条で幅員4m以上のものと定義しています。(特定行政庁が指定する区域では6m)また、建築基準法第43条の「接道義務」により「建築の敷地は道路に2m以上接しなければならない」と規定されており、道路の幅と道路に接する距離が定められています。つまり敷地に接する道路は4m以上の幅員と道路に2m以上接していることが必要であり、それを満たさない場合はセットバックや道路の拡張、行政との相談などの対応が必要になってきます。道路の幅員が4m以上を満たしていない道路 道路の中には幅員が4m以上に満たさないものもあります。こういった道路(第42条2項道路)は中心から2m以上確保することが定められています。この規制はたとえ敷地に入り込むことがあっても道路中心線から2m以内に建築物を設けることはできません。また、敷地が池や川、線路などと対面している場合は、対面する敷地側の道路境界線から4m以上確保するように定められています。セットバックの目的 1. 災害時など緊急車両の通行経路と避難経路の確保2. 幅員を満たさない道路(第42条2項道路)に接する敷地での建築の解消 3. 建物の高さ制限1〜2の場合は道路幅の確保がメインですが、3の場合は建物の高さに関わることで、建物には高さ制限がかけられています。日当たりや風通しを確保するために道路斜線制限や北側斜線制限というものがあり、地面から斜め上に伸ばした線にかかる建物は建てることができません。こういった高さ制限に関わる斜線を避けるために建物を後退させて対応させます。セットバックのメリット・デメリット セットバックは自分の土地をめいっぱい使うことができないためデメリットではないかと思うかもしれませんが、メリットとなるところもあります。ここではセットバックのメリット、デメリットについて解説していきたいと思います。セットバックの有利な点車や人の通行が円滑になる見通しが良くなり防犯になる防災になる価格が安価セットバックにより道路幅が広がることで、通行の利便性や視認性が良くなります。通行のしやすさや視認性は普段生活する上での安全性と防犯性に関わります。視認性が悪く狭い道路の場合は車の事故が懸念され、暗い道だと女性や子供への危険が潜んでおり防犯性に不安があります。防災に関しては緊急車両の通行や駐停車が容易になり、隣地する建物への延焼や地震の倒壊による被害を防ぐことにも繋がります。また、セットバックが必要な土地は建築設計の不利になるという点から人気は下がるものの土地代は安くなるため、費用を抑えたいという方には有利に働きます。セットバックの不利な点建物の大きさが制限されるセットバックのところは公共の道路とみなされて使うことができないセットバックされた範囲は公共の道路とみなされるため私用に使うことができず、その範囲を駐車スペースにしたり、門塀やフェンスなどの外構を設けたりすることができません。また、敷地面積も狭くなるため予定していたよりも建物を小さくしなければいけなくなってしまう恐れもあります。こういったことを避けるために土地を選ぶ時はどんな制約がかかるか調べ、敷地に対してどれくらいの建築面積をとることができるか確認しましょう。固定資産税は払わないといけないの? 土地や建物には固定資産税がかかりますが、セットバックされた部分にも課税の対象となるのか疑問に思うところです。セットバックした部分は所有者以外の不特定多数の方が使うことになるため、所有者としての資産価値がなくなり、固定資産税の非課税対象となる場合が多いです。ただし、申告せずにいると免除されませんので注意しましょう。固定資産税の非課税の適用は市役所や区役所に申告する必要があります。非課税の適用を受けるためには、謄本や地積測量図、その他に役所が指定する書類などを用意して申告する必要がありますので、事前に調べてから手続きしましょう。また、セットバックをする敷地は調査費用や舗装費用がかかりますが、自治体によっては補助金を出してくれる制度がありますので、不動産会社や建築会社に調べてもらうことをおすすめします。そのまま高い費用を支払い続けないように早めに役所へ相談することが大切です。セットバックの注意点 これからマイホームを建てる方は事前に不便な点を把握していれば後々困るようなことを避けることができます。ここでお伝えする注意点を踏まえて土地を探し、マイホームを設計しましょう。建築可能な面積がどれくらいとれるか確認する セットバックした範囲は道路とみなされるため、その範囲に門塀やフェンスなどの建築物を設けることができません。また利用自体が道路となるため、駐車スペースとしても活用することができませんので注意しましょう。建ぺい率や容積率の計算はセットバックされたところを除いた敷地面積が適用されます。土地の購入の際もセットバック分の費用も支払っているということになり、セットバックが大きければ大きいほど、建築できない敷地に多く費用を払っているということになるため、土地を購入する前にちゃんとセットバックがどれくらい必要になるか確認しておくことが大切です。建て替えの時はセットバックが必要な敷地か 中古住宅の購入または昔から持っていた土地で建て替えをする際はセットバックが必要なのか確認することをおすすめします。セットバックしなければいけない土地は、建て替えだと現状より狭い敷地面積で建物を建てなければいけなくなってしまいます。建て替え前の建築面積の確保ができなくなるほど敷地面積が狭くなってしまっては、建て替えする建物も小さくなってしまうということになりますので注意しましょう。まとめ セットバックとは道路幅や高さ制限の影響で敷地境界線から建物を後退させることです。セットバックされた範囲は敷地面積として除外され、建物の設計に制限がかかり有効的に敷地の利用ができないため注意が必要です。何も知らずに土地や中古物件を購入してしまうと希望する建物を建てることができなくなってしまう恐れがありますので、どんな制限がかかるか事前に確認しましょう。いえとち本舗は会員登録をするとお得な最新情報や限定間取りの見放題、施工事例、限定土地情報など家づくりに役立つ情報を会員様にお届けしています。会員登録は完全無料ですので、これからマイホームを計画している方はぜひご利用ください。いえとち本舗プレミアムVIP会員登録はこちらから資料請求はこちらから
-
自然災害に備えた強い家づくり【いえとち本舗の新築・山口・周南・山陽小野田・防府・宇部】
みなさまこんにちは!(^^)/ 本日は山口で新築住宅の購入をご検討中のみなさまに「自然災害に強い家づくり」についてお伝えします。 自然災害には地震や台風、大雨、大雪、火山の噴火などがあります。日本に住まれていると自然災害が多いため、身近な出来事として記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。特に今年は台風による被害が深刻で多くの方に影響を与えました。 いつ来るか分からない自然災害に備えて、お家も頑丈な作りにしたいですよね。なので、今回は「自然災害に強い家づくり」のポイントを踏まえながらお伝えしていきます(^^)/ 〇自然災害~地震対策~ 自然災害の中で最も恐ろしいと言われる「地震」。地球の表面は固い岩盤(プレート)で覆われていて、ゆっくりと動いています。日本は4つのプレートの上に乗っかっており、陸は海底に引き込まれるため、岩盤の境目では地震が起きやすいです。つまり、日本は地震が起きやすい国なのです。 日本では地震に備え、耐震等級というものが定められています。耐震等級とは、「この建物は地震に強い、あるいは建築基準法の耐震性からの余裕度はこの程度ある。」という度合いを3段階で表したものです。基本的に等級が上がるほど、建物の耐震性は高くなります。 建築基準法では耐震等級1が定められていますが、最近は建築基準法よりも高い耐震基準を満たす長期優良住宅の建築やリフォームが推進されています。 一般的な住宅は耐震等級1で、阪神・淡路大震災相当の地震でも倒壊しない程度の耐震性能です。耐震等級2は阪神・淡路大震災相当の1.25倍の力の地震でも倒壊しない程度で、病院や学校等の耐震性能です。耐震等級3は阪神・淡路大震災相当の1.5倍の力の地震でも倒壊しない程度で、消防署や警察等の防災の拠点となる建物の基準になっています。 いえとち本舗山口中央店がご提案させていただいている「イエテラス」の耐震等級は、あらゆる条件(地震・台風・雪etc)を短期的かつ長期的な観点から調べ、許容応力度計算により耐震等級3相当(基礎については個別算定が必要)を確保しています!! また、「イエテラス」の基礎は「ベタ基礎」を採用しています。ベタ基礎は一体の鉄筋コンクリート耐圧版になっているので、地震がきても全体で荷重を受ける構造になっています。また、基礎が一体になっているので、上からの荷重を平均に地面に伝え、部分的な沈下(不等沈下)をおさえます。また、地盤が下がっても平均に沈降するので、建具や床のくるいも極力抑制できます。 山口で新築住宅の購入をご検討中のみなさまは「地震なんて来ないかも・・・」と思わずにできるだけ耐震等級の高く、基礎がしっかりとした新築住宅を建てられることをオススメします。 〇自然災害~火災~ 火災もいつ起きるか分からなくて不安ですよね。 隣家で火災が起きて火が回ってくるかもしれないし、自分の家の部屋の中で火災が起きるかもしれないし、山火事から火が移るかもしれないし… 様々なケースが予想されます。 火災による被害を最小限に抑えるためには耐火性が重要になってきます。優れた耐火性を発揮すると言われている「高性能外壁材ALC」というものがあります。 高性能外壁材ALCは、優れた防火性能が認められ、外壁材単体で防火構造を取得しています。一般的な外壁材の場合は、外壁材と内装材の組み合わせにより基準を満たすため、防火性能において高性能外壁材ALCの優位性は明らかです。 また、この素材は炎や熱を受けても発火することなく、煙や有毒ガスも発生しません。 このような耐火性の強い素材を外壁に使用することで隣家からのもらい火は予防できるでしょう。 部屋の中で発生した火災の被害を最小限に抑えるためには、「一定時間部屋から火を出さない」ことと、「万が一、火が出ても延焼を遅らせる」ことが重要になってきます。 一定時間部屋から火を出さないようにするためには、火の発生源とその他の部分とを完全に区切る「防火区画」が重要になります。 そのため、山口で新築住宅を建てるときは各部屋を区画する構造を採用しているものを建てられることをオススメします。加えて、室内の内側には火に強い石膏ボードなどの素材を使用するなど、火が他の構造材に燃え移るまで時間がかかるようにしましょう。燃え移るまでの時間を稼ぐことにより、避難や初期消火が可能になります。 他部屋への延焼を遅らせるためには、火災の通り道となる壁や天井内部の要所に、木材や断熱材の「ファイアーストップ材」を設けましょう。 いえとち本舗山口中央店がご提案させていただいている「イエテラス」は「省令準耐火構造」を採用しています。省令準耐火構造とは、①外部からの延焼防止②各室防火③他室への延焼遅延の対策が施された住宅構造の事を言います。 省令準耐火住宅にすることで鉄筋コンクリート住宅などと同じ火災保険料率にすることができ、保険料を安くできるのでとてもお得です(^^♪ 〇自然災害~台風~ 今年、とても大きな被害をもたらした台風。台風は大雨や風害、土砂災害まで引き起こします。 台風に強い家とはどんなものでしょうか。台風に備えるポイントとして、まず衝撃に強い高耐久外壁を取り入れることが挙げられます。外壁を耐久性のある素材で作ることも大切ですが、なにか大きな衝撃があった時に被害を最小限に抑えることも大切です。 台風で固い何かが飛んできたとき、窓のガラスに当たったら割れてしまいますよね。割れたガラスに触れたり踏んでしまったりすると、二次被害で怪我をしてしまいます。 それを防ぐために、「複層ガラス」というものがあります。複層ガラスはペアガラスとも呼ばれ、2枚の板ガラスの間に乾燥した空気を密閉したものです。2枚のガラスで構成されているため強度が高く、割れにくいです。また、割れてしまった場合の破片の飛散を防ぎます。 複層ガラスは強度だけではなく断熱・遮熱にも高い性能を発揮しますので冷暖房効率を上げ、節約にもつながります。 いえとち本舗山口中央店がご提案させていただいている「イエテラス」ではこの複層ガラスは標準仕様となっています(^^)/ また、台風による大雨の被害もあります。大雨の被害を最小限に抑えるには、外からの水の侵入を防ぐことが大切です。 屋根、外壁、サッシ、バルコニーなど雨水の侵入を防がなければならない箇所は多くあります。できるだけ雨水の侵入を防ぐためにできるだけあらゆる場所の侵入経路を塞ぐことがマストです。 屋根や外壁をコンクリートパネルで構成したり、外壁部材のジョイント部分を目地シールでしっかりと埋める、基礎の外周露出面には被覆材を塗布して強力に保護するなどの工夫を施しましょう。 ★山口の防災マップ 自然災害による被害を最小限に抑えるための第一歩として、防災マップを見ながら土地探しをしましょう。 平成21年の7月に起きた大豪雨では山口全域で大きな被害を受けており、特に防府市と山口市では土砂災害や浸水被害が後を絶ちませんでした。 良いな、と思った土地でも過去に浸水の経験があったり土砂災害警戒区域に入っていたりすると自然災害による被害を受けることが予想されます。 そのようなことを防ぐためには、まずは市のハザードマップを調べましょう。過去に災害のあった場所は地盤が弱い可能性もあるので、過去の災害のあった箇所も調べておくことが良いと思われます。 災害の被害を想定しておくことで対策をたくさん練ることができます。お家は大きな買い物なので、長く、安心して住みたいですよね。災害が起きたときも、起きた後も安心して生活できるよう、災害対策の知識を高めながらお家づくりをしましょう(*^-^*) 11月9日(土)~11月10日(日)開催イベント↓第二弾!増税後でもおトクな2%還元キャンペーン!