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ツーバイフォー工法とは?メリット・デメリットを初心者にもわかりやすく解説!
家を建てることを検討している方は、「ツーバイフォー」という言葉を耳にすることがあると思います。しかし、ツーバイフォー工法とは何かがわからない方も多いでしょう。家を建てる際は、ツーバイフォー工法に関する理解を深めておくことが大切です。
この記事では、ツーバイフォー工法の特徴やメリット・デメリットなどを初心者にもわかりやすく解説します。ツーバイフォー工法とは何かがわかるようになるでしょう。
目次
1.ツーバイフォー工法とは
1-1.ツーバイフォー工法の特徴
1-2.ツーバイフォー工法の歴史
1-3.ツーバイフォー工法と在来工法の違い
1-4.ツーバイフォー工法とツーバイシックス工法の違い
2.ツーバイフォー工法のメリット
2-1.耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れている
2-2.品質が安定しており強度と耐久性が期待できる
2-3.工期が短く迅速な建設が可能
2-4.施工費用が比較的安価で総工費を抑えられる
3.ツーバイフォー工法のデメリット
3-1.間取りの自由度が一部制限されることがある
3-2.大きな開口部を設けることが難しい
3-3.外観デザインの自由度が低い
3-4.建物内部の音が響きやすい
4.ツーバイフォー工法で家を建てる際のポイント
4-1.ツーバイフォー工法の施工実績が豊富な工務店を選ぶ
4-2.契約書や仕様書をしっかり確認しておく
4-3.建ててからも定期的に点検やメンテナンスを行う
5.ツーバイフォー工法に関するよくある質問
5-1.広いリビングやダイニングを実現できますか?
5-2.ツーバイフォー住宅の寿命は何年ですか?
5-3.工事中に雨に濡れても問題はないのですか?
6.ツーバイフォー工法のメリット・デメリットを理解した上で信頼できる業者を選びましょう
1.ツーバイフォー工法とは
ツーバイフォー工法は、戸建住宅や木造賃貸住宅など、住宅建築において広く用いられている工法です。近年では、高気密高断熱の家や耐震性の高い住宅へのニーズの高まりとともに、日本でも普及が進んでいます。
はじめに、ツーバイフォー工法とは何かについて解説します。
1-1.ツーバイフォー工法の特徴
ツーバイフォー工法とは、北米発祥の木造建築工法の一つです。建築において、2インチ×4インチ(約38mm×89mm)の規格角材を使用することから「ツーバイフォー(2×4)」と呼ばれます。
正式名称は「枠組壁工法」といい、木材の枠組みに合板を張り付け、床・壁・屋根などの面で建物を支えるのが特徴です。垂直方向と水平方向の強度が向上することで、優れた耐震性・耐風性を発揮します。
また、壁内に断熱材を充填し隙間をなくすことで断熱性・気密性にも優れており、快適な室内環境の実現が可能です。さらに、面で炎を跳ね返す耐火構造により防火性能も高く、在来工法(木造軸組工法)とは異なる特徴があります。
1-2.ツーバイフォー工法の歴史
1830年代、アメリカのシカゴで誕生した「バルーンフレーム工法」がツーバイフォー工法のルーツといわれています。バルーンフレームは軽量で強度が高く、簡便に住宅を建設できることで、開拓者たちの住宅建設に広く用いられました。
その後、二度にわたるシカゴ大火 (1871年・1874年) をきっかけに、耐火性の高い建築工法へのニーズが高まり、バルーンフレームを改良したツーバイフォー工法が開発されました。
日本では高度成長期に急激に増加した住宅需要に対応するため、1974年に建築基準法に基づく住宅工法として認定を受けたのがツーバイフォー工法の始まりです。現在では技術開発や研究が進み、より高性能なツーバイフォー住宅が開発されています。
1-3.ツーバイフォー工法と在来工法の違い
ツーバイフォー工法と在来工法は、住宅の建築方法が根本的に異なります。在来工法は「木造軸組工法」とも呼ばれ、柱や梁などの軸組みで建物を支える工法で、軸組みを現場で組み立てるため、職人の技量によって品質が左右されます。
ツーバイフォー工法は工場で部材を製造し現場で組み立てる工法であるため、作業する職人の技量によって品質にばらつきが出にくいことが特徴です。
住宅の建築方法の違いにより、ツーバイフォー工法と在来工法は構造や耐震性・耐風性、断熱性・気密性、工期、建築費用などが異なります。ツーバイフォー工法には耐震性や断熱性などが優れている反面、間取り変更が難しいなどのデメリットも存在します。
どちらが優れているというわけではなく、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の希望に合った工法を選ぶことが大切です。
1-4.ツーバイフォー工法とツーバイシックス工法の違い
ツーバイフォー工法とツーバイシックス(2×6)工法では、建築で使用する木材の規格が異なります。ツーバイフォー工法は柱や梁の木材の規格が「2×4」インチ(約38mm×89mm)であるのに対し、ツーバイシックス工法は「2×6」インチ(約38mm×140mm)と幅が約5cm大きくなっていることが大きな違いです。
ツーバイシックス工法は壁の厚みが約1.6倍になるため、断熱材や気密材をより多く充填でき、断熱性能や気密性能が向上します。ただし、「価格が高くなる」「間取りの自由度が低くなる」というデメリットがあります。
ツーバイフォー工法とツーバイシックス工法は、それぞれ異なる特徴を持つ工法です。どちらが優れているかというのはケースバイケースであり、建築の目的や条件、予算、好みなどを考慮して選択する必要があります。
2.ツーバイフォー工法のメリット
ツーバイフォー工法と在来工法は、それぞれ異なる特性を持つ工法です。住宅建築を検討する際は、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の希望に合った工法を選ぶことが重要です。ここでは、ツーバイフォー工法のメリットを解説します。
2-1.耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れている
耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れていることが、ツーバイフォー工法の大きなメリットです。ツーバイフォー住宅は「面」で構成されており、地震や強風などの外力に対して面全体で力を分散することで、耐震性や強風耐性を高められます。
在来工法でも耐震性や強風耐性を高めることは可能ですが、特別な耐震設計や耐風設計が必要になる場合があります。高度な施工技術も要求され、施工費が高くなることもあるでしょう。ツーバイフォー工法は特別な設計をしなくても、耐震性・耐風性が高い構造になっています。
また、柱と梁の木材の間に断熱材を充填することで気密性・断熱性が高く、石膏ボードで火災の拡大を防げることもメリットです。
2-2.品質が安定しており強度と耐久性が期待できる
ツーバイフォー住宅は、規格化・システム化により品質向上が図られているため、品質が安定しやすいことがメリットです。ツーバイフォー工法においては、建築で使用する木材やその他の建材は工場であらかじめ規格化・システム化して製造されます。
建材の寸法や強度などは工場での生産プロセスにおいて厳密に管理されており、品質のばらつきは少ないです。安定した品質の建材の使用で建物全体の構造的な信頼性が向上し、強度と耐久性も期待できます。
ただし、良質な建材を使用しても、施工技術が低いと強度と耐久性のある住宅は建築できません。ハウスメーカーや工務店の技術力は重要であり、施工実績などを確認し信頼できる業者を選ぶことが大切です。
2-3.工期が短く迅速な建設が可能
ツーバイフォー工法では、建材が工場で準備されているため、現場での組み立て作業を効率的に行えます。これにより、ツーバイフォー工法は在来工法と比べて施工期間が短くなる傾向があります。住宅が早く完成することで仮住居費を削減でき、早めに新生活を始められるでしょう。
施工期間は3~4ヵ月程度で、在来工法と比べると短めです。在来工法では建材の加工や組み立て作業が現場で行われるため、ツーバイフォー工法と比べて施工期間が長くなることがあります。一般的に在来工法だと完成までに約半年間かかります。
ただし、建物の規模や形状、施工業者によって施工期間は大きく異なるため、具体的な工期は個別に確認が必要です。
2-4.施工費用が比較的安価で総工費を抑えられる
ツーバイフォー工法のメリットとして、工期短縮による人件費削減と建材の規格化による材料費削減が挙げられます。ツーバイフォー工法は工期が短いため、職人の人件費を抑えられる可能性があります。また、建材の規格化によって大量生産が可能であり、材料費を抑えられる可能性もあるでしょう。
人件費と材料費の削減によって、施工費用が比較的安価になり、総工費を抑えられます。しかし、これらのメリットは必ずしもすべてのケースで当てはまるわけではありません。
総工費は建築プランの規模や条件、労働市場の状況などによって変動します。住宅建築においては建築プランなどを考慮に入れて、最適な建築手法を選択することが重要です。
3.ツーバイフォー工法のデメリット
ツーバイフォー工法にはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。建築手法を選択する際は、デメリットも知っておくことが大切です。ここでは、ツーバイフォー工法のデメリットを解説します。
3-1.間取りの自由度が一部制限されることがある
在来工法と比較すると、ツーバイフォー工法は間取りの自由度が一部制限される場合があります。理想の間取りがあっても、実現できない可能性があることはツーバイフォー工法のデメリットでしょう。
ツーバイフォー住宅の壁は柱と梁でしっかりと固定されており、面全体で一体化しているのが特徴です。そのため、壁を増減したり位置を変えたりすると、壁面全体で力を分散できなくなります。
間取り変更や大規模なリノベーションは難しく、間取りの自由度を確保したい場合は、設計段階からツーバイフォー工法の制限を考慮する必要があります。工務店や建築士と相談しながら、制限の中で希望の間取りを実現できるプランニングをすることが重要です。
3-2.大きな開口部を設けることが難しい
ツーバイフォー工法では大きな開口部を設けることが難しい場合があります。大きな窓がある住宅を望んでも、実現できない可能性があることはツーバイフォー工法のデメリットです。
ツーバイフォー工法は壁が構造部材として機能するため、壁を大きく抜くと構造強度が低下する可能性があります。大きな開口部を設ける際には、構造強度を確保できる方法を検討しなければなりません。
一方、在来工法は壁に頼らずに建物を支えられるため、壁を大きく抜いても構造強度が低下しにくく、さまざまな開口部を設けられます。
ツーバイフォー工法で大きな開口部を設けるためには、特別な設計や補強材の追加などが必要になる場合があります。建築士や構造設計士など専門家の助言を仰ぎ、適切な補強策や設計を行うことが重要です。
3-3.外観デザインの自由度が低い
ツーバイフォー工法は在来工法と比べると、外観デザインの自由度が低い傾向があります。ツーバイフォー工法は工場で製造したパネルを現場で組み立てて家を建てるため、パネルのサイズや形状によって外観デザインに一定の制限が生じます。
パネルは曲げられないため、なめらかな曲線のある家は作りにくく、理想の外観デザインが実現しないこともあるでしょう。一方、在来工法は内外ともにデザインの自由度は高いです。
ツーバイフォー工法でも、設計や施工に高度な技術が必要になりますが、設計段階で工夫したり、特注パネルを使用したりすることで、希望に近いデザインを実現できる可能性はあります。
ただし、デザインによっては構造上の問題が発生する可能性があるため、デザインと構造の両面でバランスを取りながら、最適な解決策を見いだすことが重要です。
3-4.建物内部の音が響きやすい
ツーバイフォー住宅は建物内部の音が響きやすい傾向があります。ツーバイフォー住宅は気密性が高く、外部からの防音性能は優れている反面、建物内部の音は響きやすいです。壁や床に空洞があることも音が反響する原因になります。
また、1階の天井と2階の床が一体構造になっていることも、音が響きやすい原因のひとつです。2階で床を歩いたり物を落としたりした振動音が直接階下に伝わってしまいます。ツーバイフォー工法で施工する際は、階下への振動音を抑える対策を講じなければなりません。
テレビや音楽などの音が響きやすいという声もあり、吸音材を設置するなどの対策が必要になることがあります。特にツーバイフォー工法で木造賃貸住宅を建築する際は、入居者の騒音トラブルを防ぐための防音対策が必要です。
4.ツーバイフォー工法で家を建てる際のポイント
ツーバイフォー工法で家を建てる際は、業者選びやアフターフォローが重要になってきます。後々のトラブルを避け、建物の耐久性や安全性、住環境の快適性を保つためにも、以下のポイントに留意することが大切です。
4-1.ツーバイフォー工法の施工実績が豊富な工務店を選ぶ
建ててから後悔しないよう、ツーバイフォー工法の施工実績が豊富なハウスメーカーや工務店を選ぶことが大切です。ツーバイフォー工法は在来工法と比べ、品質が職人の技量に左右されにくい傾向があります。しかし、最終的な性能はハウスメーカーや工務店の技術によって決まります。
ツーバイフォー工法は在来工法とは構造や施工方法が異なるため、専門的な知識と技術が必要です。施工実績が豊富なハウスメーカーや工務店はツーバイフォー工法のノウハウを熟知しており、高品質な住宅の建設が期待できます。
過去に建てたツーバイフォー住宅の棟数が多いほど、経験豊富といえます。コーポレートサイトなどで施工実績や評判をじっくりと確認し、信頼できるパートナーを選ぶことが大切です。
4-2.契約書や仕様書をしっかり確認しておく
ハウスメーカーや工務店と工事請負契約を締結する際、契約書や仕様書をしっかり確認することは非常に重要です。契約書には工事の内容や価格、支払い方法、保証内容などが記載されており、これらを確認することで、後々トラブルが起きる可能性を減らせます。
仕様書には使用する材料や設備、工事の品質基準などが記載されており、これらを確認することで、どのような建物が建てられるのか、どのような工事が行われるのかを理解できます。
建設中や完成後に問題が発生することを避けるためにも、契約書や仕様書を入念にチェックすることが必要です。契約書や仕様書は専門用語が多く、内容がわかりにくい場合があります。わからない点があれば、必ずハウスメーカーや工務店に説明を求めましょう。
4-3.建ててからも定期的に点検やメンテナンスを行う
建物の耐久性を維持するためには、建ててからも定期的な点検やメンテナンスが不可欠です。定期的な点検を行うことで問題が早期に発見され、適切な修理や補修が行われることで建物の寿命を延ばせます。
住宅設備や内外装は経年劣化によって性能が低下したり見た目が悪くなったりします。住宅設備は築10~15年、内外装は築15~20年を目安に、交換や張り替え・塗り替えなどのメンテナンスが必要です。これにより、住宅の美観や住環境の快適性を保てます。
点検やメンテナンスは、建物の安全性を確保するためにも重要です。特に、屋根や外壁などの構造部分や電気設備、配管などの設備部分は定期的な点検が欠かせません。問題が放置されると、安全上のリスクが高まる可能性があります。
5.ツーバイフォー工法に関するよくある質問
ツーバイフォー工法に関する疑問やわからない点があれば、業者に質問することが重要です。業者に質問することで、正確な情報や適切なアドバイスが得られます。ここでは、ツーバイフォー工法に関するよくある質問に回答します。
5-1.広いリビングやダイニングを実現できますか?
日本のツーバイフォー工法では、最大72㎡(約21.8坪)までの広々とした空間の設計が構造計算なしで可能です。これは、間口6m×奥行12mの広さに相当し、開放感あふれるリビング・ダイニングや、家族みんながゆったり過ごせる多目的な空間など、さまざまな用途に活用できます。
72㎡の空間は、一般的なマンションのLDKを上回る広さです。ハウスメーカーや工務店のホームページでは、ツーバイフォー工法による広いリビングやダイニングの施工事例を紹介しています。
5-2.ツーバイフォー住宅の寿命は何年ですか?
ツーバイフォー住宅の寿命は約80年といわれています。これはあくまでも目安であり、実際の寿命はさまざまな要因によって大きく左右されます。定期的な点検やメンテナンスは特に重要であり、リフォームをすることで100年以上に寿命を延ばすことは可能です。
定期点検で建物の劣化状況を確認し、劣化が見つかった場合は早めに対処しましょう。適切な換気を行って結露を防いだり、防虫・防カビ対策を行って木材の腐食を防いだりすることでも、住宅の寿命を延ばせます。
5-3.工事中に雨に濡れても問題はないのですか?
工事中に雨に濡れても、速やかに乾かせば問題ありません。ツーバイフォー住宅は構造用製材に含水率19%以下の乾燥材を使用するなど、さまざまな方法で湿気対策を行っています。ただし、長時間濡れたままにしておくと木材が腐朽するリスクが高まるため、注意が必要です。
信頼できるハウスメーカーや工務店は、木材を長時間濡れたままにしておくことはありません。ツーバイフォー住宅を建てる際は信頼できるハウスメーカーや工務店を選び、工事中に木材が長時間濡れることがないように注意しましょう。
6.ツーバイフォー工法のメリット・デメリットを理解した上で信頼できる業者を選びましょう
ツーバイフォー工法は、耐震性・耐風性・断熱性・耐火性に優れており、工期が短く迅速な建設が可能です。このようなメリットがある一方で、間取りの自由度が一部制限され、外観デザインの自由度が低いなどのデメリットも存在します。
ツーバイフォー工法と在来工法は、どちらが優れているかというのは一概にいえません。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の希望に合った工法を選ぶことが大切です。
耐久性や安全性、快適性に優れた住宅を建築するには、信頼できるハウスメーカーや工務店の選択が重要になります。ツーバイフォー住宅の施工実績や評判などを確認して、信頼できる業者を選びましょう。
監修者:宅地建物取引主任者 浮田 直樹
不動産会社勤務後、株式会社池田建設入社。
いえとち本舗山口の店長を経て、セカンドブランドのi-Style HOUSE山口店店長に就任。
後悔しない家づくりをモットーにお客様の家づくりの悩みを日々解決している。
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在来軸組工法とどこが違う?ピン工法の優れているポイントを解説!
日本は地震の多い国です。その他にも毎年台風に見舞われるなど、家を建てるなら災害に強いことが求められます。日本で多く建てられているのが在来軸組工法の木造住宅です。ですが、在来工法は土台や柱、梁などを接合するために仕口やほぞを加工するため断面欠損があり接合部の強度に心配がありました。こういった問題を解消できるのがドリフトピンを使用したピン工法です。地震や災害に強い家を建てたいと考えている方は、ピン工法の採用をおすすめします。では、ピン工法の特徴について今回の記事でご紹介していきたいと思います。 接合強度を上げるピン工法とはピン工法は見た目では在来軸組工法とよく似ていて見分けがつきにくいかもしれません。構成も在来軸組工法と同じで、基礎、土台、柱、梁で構成されています。では、在来軸組工法と何が違うかというと、ピン工法は建物の構造体を接合部するために用いる仕口やほぞを最小限に抑えて、ドリフトピンという専用金物を使用して接合する工法となっています。ピン工法は、プレカット工場で柱や梁に専用の金物を取り付けて出荷し、現場に納品されます。現場では柱などの部材を組み立ててピンを差込み接合するだけなので、現場作業を短縮することが可能です。従来の在来軸組工法は仕口加工で断面欠損があるため、接合部の強度に不安がありましたが、仕口加工を少なくしドリフトピンを使用して接合することで、強度が上がり、狂いのでにくい家を建てることが可能になりました。構造強度を必要とする3階建てにもピン工法を採用すれば十分な強度を確保することができます。 在来軸組工法とはどんな構造? 在来軸組工は、土台、柱、梁で構成する日本の気候風土にあった伝統的な工法です。日本の住宅に多く普及しているのが在来軸組工法で、間取りなどの設計自由度が高く、比較的に費用も安価で家を建てることができます。 【在来軸組工法のメリット】自由な設計が可能リフォーム時の間取り変更などが行いやすい建築コストが比較的に安価メンテナンスがしやすい普及している工法のため対応できる住宅会社が多い 【在来軸組工法のデメリット】品質が施工技術に左右される構造計算や壁量計算を行わないと強度に不安が残る工期が長め 現在はプレカット工場により施工期間は短縮されていますが、工場内の施工や規格部材を使う2×4(ツーバイフォー)と比べると工事の期間はかかります。昔の在来軸組工法と比べて今の在来軸組工法は、建築基準法に基づいて筋かいの取り付け箇所が増えて補強金物を取り付けるようになったので強度は向上しています。 ピン工法のメリットピン工法のメリットは下記のことがあります。 断面欠損が少なく耐震性に優れているピン接合により建物の歪みが少なく品質が安定しているピンを差し込んで接合するので施工が容易従来の金物では建築不能な設計も対応できる防火性能や気密性能が向上金物の露出が少ないため仕上げが美しい在来軸組工法のメリットを引き継いでいる ピン工法の最大のメリットは、断面欠損が少なくなり、従来の在来軸組工法よりも強度の高い家を建てられることです。また、在来軸組工法の良いところを引き継いでいるというのもポイントになります。建物の強度を上げながら、在来軸組工法のように自由な設計がピン工法はできます。構造材は集成材の他に無垢材で施行することも可能です。さらに構造体を見せる仕上げはピン工法の特徴である金物の露出が少ないことにより美しい仕上げが実現します。プレカット工場の併用とピンを差し込む金物施工のため施工技術のばらつきも少なく品質も安定しています。 ピン工法のデメリットピン工法はメリットだけでなくデメリットもあるのでチェックしていきましょう。 使用する金物が高額必要な木材の量が増え施工総額が高くなるプレカット工場の木材加工精度が求められる金具の形状が規格化されていない ピン工法の最大のデメリットはコストがかかることでしょう。従来の在来軸組工法で使用する部材よりもピン工法の部材の方がコストは高くなります。また、部材は金物を取り付けられた状態で輸送されるため、金物が邪魔して一度に運べる部材の量が限られてしまい輸送コストも高くなります。その他には、金物の取り付け箇所は精度の高い木材加工が求められます。高い技術を持っているプレカット工場が必要ですので、プレカットを依頼する会社が限定されます。ピン工法で使用する金物も規格化されていないため、各住宅会社によって使用する金物のバラツキが統一されていないのもデメリットです。 木造住宅は必ず構造計算を行うこと家を建てるときは必ず構造計算を行うことをおすすめします。「この家は強度があります」や「地震に強い構造だから大丈夫」など言葉だけで家の強さを測ってはいけません。きっちりと構造計算を行なって家の強度を数値化してもらうことが大事です。建築基準法では木造住宅の構造計算について、500㎡以下または二階建て以下なら構造計算は義務付けされていません。驚くかと思いますが、ほとんどの木造住宅は構造計算されていないというのが現状です。地震の多い日本だからこそ、大きな地震に備えて、しっかりと構造計算された安全性の高い家を建てましょう。家を建ててもらうときは構造計算の実施を標準化した住宅会社を選ぶことが大事です。いえとち本舗が提供するイエテラスはすべてのプランで許容応力度計算を実施しています。しっかりと安全性を確保した家を建てたい方は、ぜひチェックしてみてください。 家を建てるならピン工法を取り入れることがおすすめピン工法はコストの面ではデメリットを感じてしまうかと思います。しかし、住宅で一番大切なことは安心して暮らすことができる安全性が確保されていることです。特に地震大国である日本なら、災害に強い家を建てることがとても大事になります。ピン工法は在来軸組工法のように自由度の高い設計が行えて、耐震性にも優れた工法です。高い建築費用を払ってもピン工法を採用するメリットは十分にあり、ぜひ取り入れてほしい工法になります。 まとめ ピン工法は在来軸組工法で生じてしまう断面欠損を最小限に抑えて強度を向上させることができる工法です。私たちの暮らしを守るためにも、家の安全性は確保しなければいけません。これから家を建てようと計画されている方は、在来軸組工法の設計の自由度を生かし、さらに強度をあげたピン工法を検討してみてはいかがでしょうか。家づくりについてどうすればいいかわからないという方は、いえとち本舗で簡単に家づくりがわかる資料を無料で提供しています。もし、ご興味がありましたらぜひご参考ください。資料請求はこちら